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続・御神楽少女探偵団~完結編~ part31-203~207,223~224,318~320、part32-69~71,81~84,210~218、part33-68~74,104~108,146~151,293~297,300~305,313~327 203 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22 41 09 ID is5DM7n+0 続・御神楽少女探偵団 『御神楽少女探偵団』の続編、主要登場人物を一応再掲。 ☆主要登場人物 ・御神楽時人(以下時人)・・・御神楽探偵事務所所長で、天才的な推理能力を持つ駄目人間。男。 ・鹿瀬巴(以下巴)・・・探偵事務所助手。女。どちらかというと考えることより動くことの方が得意。 ・久御山滋乃(以下滋乃)・・・探偵事務所助手。女。華族のお嬢様。 ・桧垣千鶴(以下千鶴)・・・探偵事務所経理。女。作家志望の眼鏡っ娘。 ・ランドルフ丸山(以下蘭丸)・・・探偵事務所助手。男。混血の少年。 あだ名は蘭丸。 ・守山美和・・・探偵事務所のあるビルのオーナーで美術商。女。時人憧れの未亡人。 ・諸星・・・時人を信頼する警視庁警部。 ・栗山・・・諸星の部下。頼りない 204 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22 54 25 ID is5DM7n+0 ☆第六話『続・猟奇同盟』登場人物 注:この話は前作『御神楽少女探偵団』収録『猟奇同盟』の続きです。 ・常盤省吾・・・大学教授。時人の旧友らしい。 ・志田庄太・・・新聞記者。『猟奇同盟』を告発しようとしたところ殺害される。 ・旭日斎蓮花・・・女奇術師。40歳以上なのに、20代にしか見えない。 ・伊勢真由美・・・志田庄太の隣人。 ・伊勢公夫・・・真由美の弟。先ごろ原因不明の失踪を遂げた。 ・工藤めぐみ・・・蓮花の助手。 ・花柳宗司・・・蓮花のマジックホールの従業員。 ・小谷内万次郎・・・蓮花のマジックホールの道具係。 ・中田熊子・・・日の出食堂の女主人。 ・増田伸次・・・志田の同僚記者。 ・河村須美子・・・以前『太白星』事件(『御神楽少女探偵団』収録)で出会ったオペラスター。気さくな美人。 ・平田権六・・・以前『幽鬼郎』事件(『御神楽少女探偵団』収録)で出会った興行主。 ・相馬銀次郎・・・常盤省吾の書生。原因不明の失踪を遂げた。 ・真下五月・・・乾物屋の娘。原因不明の失踪を遂げた。 ・真下毅・・・真下五月の父。 ・相模陣兵衛・・・隅田川の船頭。 205 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22 57 04 ID is5DM7n+0 ☆第六話『続・猟奇同盟』前編 催眠術に操られた巴に銃撃された時人は、面会謝絶の重体となった。 巴は術から開放されたものの、自責の念に苛まれる。 そんな巴を、諸星は半ば強引に捜査へ連れて行く。 志田の遺したチケットを手がかりに、旭日斎蓮花のマジックホールへ向かう。 そこで、ホール関係者の花柳宗司に話を聞くと、もうすぐ舞台が始まるという。 そこで諸星と巴は、舞台でマジックショーを見物することにする。 この日の舞台の見世物は、ギロチンを使ったマジックだ。 助手が蓮花をギロチンにかけても彼女は無事、という趣向のものらしい。 しかしいざ本番、助手がギロチンの刃を下ろすと蓮花の首は無残にも刎ねられてしまった。 時人銃撃に続き、再びショッキングな出来事に遭遇してしまった巴は心が折れかけてしまう。 しかし諸星は彼女を叱咤激励し、立ち直らせるのだった。 ギロチンを操作した蓮花の助手、工藤めぐみに話を聞く二人。 どうやらギロチンに仕掛けてあったマジック用の仕組みが、壊れていたようだ。 しかし本番直前に蓮花本人が確認した際には、ギロチンに異常は無かったという。 蓮花の確認後、ギロチンに触れたのは道具部の連中だけ。 そこで、二人は今度は道具部に話を聞くことにする。 道具部の小谷内万次郎によると、ギロチンの運び込みを行った 篠原浩介という男の行方がわからないらしい。 次に二人が蓮花の楽屋へ向かうと、楽屋は既に荒らされた後だった。 どうやらこの惨劇も「猟奇同盟」の仕業で、彼らに出し抜かれたようだ。 しかし花柳に確認したところ、蓮花は貴重品を道具部の金庫に預けており、 彼女の楽屋に重要と思えるものは元から何も無かったらしい。 道具部で小谷内に金庫について聞いたところ、一月ほど前に蓮花から妙なものを預かったらしい。 それは、風呂敷に包まれたスクラップブックだった。 スクラップブックを見ていた巴は、そこに行方不明となった伊達公夫の写真があることに気づく。 巴と諸星は、篠原が故郷だと語っていたという、広島へ調査に向かう。 一方、滋乃と千鶴はマジックホールで聞き込みを行っていた。 小谷内によると、篠原は一月ほど前、蓮花の紹介でホールに勤め始めたらしい。 捜査本部の遊郭・花月楼で栗山刑事と話し合う二人。 スクラップブックには、ここ数年で失踪した子供たちの写真ばかりが載っていたらしい。 現時点では写真のうち2枚が、既に失踪届けの出されている 相馬銀次郎と真下五月のものだということが判明している。 二人は、相馬銀次郎が書生として起居していた常盤邸へと向かう。 主の常盤省吾に迎えられる二人。 常盤は大学教授で、時人の旧友で、かつては一緒に素人探偵をやっていたという。 常盤の許可を得て相馬の部屋を調べると、彼が英語を熱心に勉強していたことがわかった。 206 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/22(金) 22 58 15 ID is5DM7n+0 次に、真下五月の実家である乾物屋、「鍵屋」に向かう二人。 五月の父、毅から許可を得て五月の部屋を調べると、彼女も英語を熱心に勉強していたことがわかる。 そして、相馬と真下は同じ英語学校「築地ハリソン英語学校」に通っていたようだ。 さっそく、英語学校のあるというハリソン邸に移動する。 しかし屋敷に人の気配は無い。 そこで、屋敷の向かいにある日の出食堂で女主人の中田熊子から話を聞いてみる。 屋敷には五人の外国人女性が住んでいたのだが、一週間前に急に引っ越したらしい。 一週間前といえば、ちょうど志田が殺害された日のことだ。 第二倉島荘で伊勢真由美に公夫のことについて聞く。 すると、公夫もハリソン英語学校に通っていたことがわかる。 やはり、英語学校にはなにかあるようだ。 事務所で改めて操作の方針を栗山と確認する二人。 猟奇同盟という組織が美形の少年少女を多数誘拐しており、そこに英会話学校がからんでいるらしい。 また、その猟奇同盟によって志田と蓮花は殺されたらしい。 そこに常盤が現れ、時人の友人として操作に同行・協力させて欲しいという。 その申し出を、二人は快諾した。 マジックホールで花柳から話を聞く三人。 蓮花は、一週間ほど前に新聞記者の取材を受けてから急に落ち着きをなくしたらしい。 取材に来たのは、東京日報の志田と増田という記者だという。 東京日報本社で志田の同僚、増田伸次に聞き込みを行う。 増田によると、志田は伊達公夫の捜索を始めてから様子が変わり、英語学校に通いだしたらしい。 志田はハリソン英語学校に生徒として潜入し何かを掴んだのだが、そのために殺されたようだ。 日の出食堂の熊子によると、英語学校には有名な政治家や社長の他、蓮花も通っていたという。 花月楼で栗山と話しをする。 殺された志田は、殺害される前日あたりに大きな背中に引っかき傷を付けていたようだ。 そのことが、千鶴はどうも気になるという。 浅草の見世物小屋では、平田権六が相変わらず怪しい興行を開いている。 平田によると、蓮花には色々と良くない噂があったようだ。 事務所に戻った三人は、美和と蘭丸に迎えられる。 美和は、みんなのためにシチューを用意したという。 美和と蘭丸は、すでにシチューを食べたようだ。 常盤がお茶を淹れ、一同揃って夕食となる。 しかし夕食後、滋乃と千鶴、常盤は次々に意識を失っていく。 どうやら夕食と一緒に、睡眠薬を飲まされてしまったようだ。 『続・猟奇同盟』前編END 223 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/29(金) 06 06 52 ID WSAwRHwc0 ☆第六話『続・猟奇同盟』後編 一同が眠りから醒めると、蘭丸(ランドルフ丸山)の姿が事務所から消えていた。 昨晩自室に戻った蘭丸は、一同が眠っている間に猟奇同盟に誘拐されてしまったのだ。 常盤と千鶴、滋乃は操作を再開する。 マジックホールで工藤めぐみから、蓮花が篠原を気味悪がっていたという情報を得る。 篠原は蓮花の口利きでホールに勤め始めたはずなのに、何故なのだろうか。 花月楼で栗山から、シチューに睡眠薬の反応が出たことを聞かされる。 シチューを作ったのは美和だ。 それに彼女は、昨晩一同と一緒にはシチューを食べず、一足先に事務所を出て行った。 親しい間柄の彼女が、猟奇同盟とつながっているのだろうか? また、蘭丸の部屋の鍵が壊されていたこともわかった。 日の出食堂の中田熊子によると、蓮花が殺される前、花柳宗司が蓮花のことを聞きに訪れたという。 どうやら彼はその時、ハリソン邸に向かう蓮花を尾行していたようだ。 勝鬨の渡しの船頭、相模陣兵衛によると、ハリソン邸では英語学校を隠れ蓑に売春が行われていたそうだ。 日本館で、河村須美子から花柳の噂を聞くことができた。 彼は女好きで有名で、いまも工藤めぐみと30前後の女性と二股をかけているらしい。 その女性とは、美和のことなのだろうか? 須美子の話は、増田伸次の証言によっても裏付けられた。 志田は猟奇同盟調査の為、30前後の女性と面会していたらしい。 ここで常盤は、美和が猟奇同盟の一員で花柳はその協力者、 そして彼らは蓮花を監視していたのではないか、との推理を組み立てる。 また、志田が接触したのも美和で、彼女は危険を感じ志田を始末したのでは、と予想する。 美和を猟奇同盟の一員とする常盤の推理を、心情的に受け入れられない二人。 また美和は現在旅行中とのことで、本人の話を聞くことも出来ない。 そんな二人に、常盤はもう遅いし自宅に帰る、またいつでも連絡して欲しいといい別れを告げた。 翌日、広島から帰ってきた巴と諸星は美和犯人説を受け入れる前に、独自に調査を開始する。 マジックホールでは、工藤と花柳が痴話喧嘩を繰り広げていた。 工藤の話によると、花柳が二股をかけていた三十前後の女性とは、蓮花のことだったようだ。 次に花柳に話を聞くと、蓮花が遺したスクラップブックを 彼女の生前金庫に納めたのは、彼と小谷内だという。 花柳はブックの他に多くの書類を同時に蓮花から受け取ったという。 しかし以前小谷内から金庫の中身として受け取ったのは、ブックだけだった。 この事実を知った巴は、一つの結論に達する。 小谷内は、蓮花をかばって本当は金庫の中にあった書類を隠していた。 それら書類は、蓮花が猟奇同盟の一員であることを示すスキャンダラスなものだった。 また、書類には同盟のメンバーとして、著名な政治家・財界人・芸能人の名が多く記されていた。 蓮花が殺された際楽屋が荒らされたのは、犯人がこの書類を探したためだ。 また巴は、花柳と小谷内は同盟のメンバーではないと断言する。 二人が同盟のメンバーなら、すでにコレを処分しているはずだからだ。 蓮花は志田殺しに絡み御神楽探偵事務所に目を付けられた為、 同盟に派遣された監視者である篠原に殺されたのだった。 花柳が以前蓮花を尾行したのは、彼女の身を案じた小谷内の依頼によるものだった。 次に二人は、東京日報へ増田を訪ねる。 増田は、二人に志田の遺した写真を見せてくれた。 写真にはハリソン邸の窓が写っており、その中には巴に催眠術をかけた仮面の男の姿があった。 ハリソン邸が同盟の本拠地だと確信した諸星は、屋敷の強行調査を決意する 224 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/06/29(金) 06 09 13 ID WSAwRHwc0 ハリソン邸に踏み込んだ二人は、相模の協力もあり、隠し部屋を発見する。 しかし諸星は、二人で突入するのは危険だとして本庁へ応援要請のため戻っていった。 その後巴は一時諸星からの連絡を待つが、蘭丸の身を案じ、単身突入を決意する。 そこに、諸星から連絡を受けた千鶴と滋乃が合流し、三人はハリソン邸へと突入する。 隠し部屋から地下に降りると、そこには広大な洞窟に作られた地下施設が広がっていた。 かつて巴が拉致された際、監禁されたのもこの場所だった やはり、ここが猟奇同盟本拠地のようだ。 迷路のような洞窟を進んでいくと、誘拐された少年少女達が全裸で監禁されている牢屋があった。 そこには、以前行方不明となった伊勢真由美の弟、伊勢公夫の姿があった。 公夫の無事を確認した三人は、更に洞窟の奥へと進んでいく。 三人は洞窟の最奥、享楽の島と名づけられた施設の中枢へとたどり着く。 しかしそこで、武装した猟奇同盟員たちに包囲されてしまう。 三人は連行され、ばらばらの部屋に監禁された。 監禁部屋の中で、巴は推理をめぐらせる。 そして、美和は猟奇同盟の協力者ではない、との結論に達する。 彼女に嫌疑がかかったのは、作ったシチューに睡眠薬の反応があったことと、 花柳や志田が彼女と同じ年頃の女性と面会していた、という2つの理由からだった。 しかし、花柳たちがあっていたのは蓮花だということがすでに証明されている。 また、美和がもし蘭丸を攫ったのなら、彼女は事務所のメンバーと親しいのだから、 蘭丸の部屋の鍵を壊したりなどせず、蘭丸自身に空けてもらって部屋に侵入すればいい。 以上の理由から、美和が猟奇同盟員で蘭丸誘拐の犯人とは考えられない。 おそらく、睡眠薬はシチューと一緒に飲んだお茶に入っていたのだろう。 犯人は自分だけ普通のお茶を飲み、他の人間が寝ている間にシチューに薬を混入、蘭丸を誘拐したのだ。 つまり犯人は、千鶴たちに「捜査に協力する」といって近づき、問題のお茶を淹れた人物・・・。 ここまで巴が考えをまとめた時、猟奇同盟員が彼女を部屋から連れ出す。 向かった先は、享楽の島だった。 そこは極彩色のスポットライトで彩られ、 誘拐した多くの少年少女たちを殺して作られた「人間剥製」により飾られていた。 今牢屋に閉じ込められている少年少女たちも、いずれは剥製にされてしまう予定だったのだ。 享楽の島中央に位置する玉座に、仮面を付けた猟奇同盟の主宰が居た。 彼こそが猟奇同盟を組織し、数々の犯罪を指揮し、またかつて巴に催眠術をかけた人物であった。 巴は、同盟主宰の正体を喝破する。 猟奇同盟主宰の正体、それは常盤省吾だった。 常盤を激しく非難する巴に対し、彼は「悪こそが人間の本質」と演説をぶつ。 そして、巴にも人間剥製になってもらうと言うのだった。 その時、巴を拘束していた同盟員の一人が仮面を外す。 それは、入院しているはずの時人だった。 そこに時人に導かれた警官隊が現れ、常盤以下猟奇同盟は壊滅したのだった。 時人が重態というのは、猟奇同盟を油断させる為の芝居だった。 敵をだますにはまず味方から、でこのことを知っているのは時人と諸星だけだった。 巴は時人に怒りつつも嬉しさを隠せず、事件を解決した一同は事務所へと帰っていくのだった。 ☆第六話『続・猟奇同盟』END 318 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/11(水) 06 42 10 ID 3lGt4jgq0 ☆第七話『蜃気楼の一族』登場人物 ・久御山多聞・・・滋乃の父。子爵。 ・伊庭浩三・・・かつて『太白星』事件(『御神楽少女探偵団』収録)で知り合ったオペラ座の館長。 ・河村須美子・・・これまでの事件を通じ、御神楽事務所のメンバーとも親しくなっているオペラスター。 ・小野寺守衛・・・小野寺家当主。子爵。 ・小野寺喜久子・・・守衛の妻。 ・小野寺一郎太・・・小野寺家の子息。好青年。 ・木原シゲ・・・小野寺家の女中頭。厳格だが使用人の鑑のような人物。 ・野上糸・・・小野寺家の女中。 ・鏡進一・・・劇場『桔梗館』館長。 ・片岡芳郎・・・桔梗館所属の脚本家。 ・日向まき・・・桔梗館所属の踊り子。 ・本庄晋太郎・・・劇場『銀星館』館長。 ・丸木戸貞蔵・・・劇場『三角館』館長。 319 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/11(水) 06 43 13 ID 3lGt4jgq0 ☆第七話『蜃気楼の一族』前編 ある日滋乃は父、多聞に呼び出された。 そこにはかつて事件を通じ知己を得た、「日本館」館長伊庭浩三が居た。 なんでもこれから二人は、演劇関係者が集う会合に出席するらしい。 同行を薦められた滋乃は、二人と共に会合場所の小野寺子爵家へ向かった。 小野寺家には、滋乃は八年前訪れたことがあった。 当時のことはほとんど何も覚えていなかったが、一つだけ鮮明に覚えていることがあった。 まだ幼かった滋乃は、屋敷の中庭にあるバラ園で手に怪我をしてしまった。 そのとき、居合わせた青年が滋乃を優しく手当てしてくれたのだ。 その青年こそが、滋乃の初恋の相手だった。 しかし、彼女は結局その青年の名前すら知ることが出来なかった。 屋敷を伊庭と共に散歩していた滋乃は、鏡進一、片岡芳郎、日向まき、本庄晋太郎と出会う。 彼らも会合に出席する為、今日は小野寺邸に宿泊するらしい。 宿泊客は全員、小野寺邸の別館にそれぞれ部屋を用意してもらい、泊まることになった。 その夜、滋乃は父に突然起こされる。 「人が死んでいる」という言葉を聞いた滋乃が急いで別館の外に向かうと、 そこには槍のような鋭い鉄柵に串刺しになった、日向まきの死体があった。 翌日、巴・千鶴と合流した滋乃は諸星・栗山両刑事と捜査を開始する。 時人は、相変わらず別の事件で忙しいらしい。 日向の死因は絞殺で、死後二階の泊まっていた部屋の窓から投げ落とされ、その際鉄柵に串刺しになったようだ。 服装は昨日滋乃が会った時のままで、誰か知り合いと会ったところ、その知り合いに殺されたらしい。 一同が屋敷の会議室に向かうと、そこでは本庄ともう一人の男が言い争っていた。 相手の男は丸木戸貞蔵という名前で、演劇について激論を交わしていたという。 片岡に話を聞くと、彼は昨晩脚本を執筆しているうちに眠ってしまい、何も気づかなかったらしい。 玄関先で伊庭に出会う。 なんでも掃除を理由に、女中頭のシゲに部屋を追い出されたという。 202号室でシゲに会い、御神楽探偵事務所と名乗ると、シゲはなぜか御神楽の名に過剰な反応を示した。 シゲによると、別館は夕食の七時以降玄関の鍵が閉まってしまうため、外部の人間の侵入は不可能だという。 また宿泊客は、それぞれの部屋の鍵と玄関の鍵を渡されている為、出入りが自由だったという。 殺害場所と思われる日向まきの部屋、206号室では奇妙な事実がわかった。 日向まきの部屋の扉には鍵がかかっており、鍵は被害者のポケットから見つかった。 そしてスペアキーは無い。 つまり、密室殺人だ。 日向まきが読んでいたと思われる芝居、『蜃気楼の一族』の台本がベッドの上にあった。 豊臣秀吉をモチーフにした芝居らしい。 320 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/11(水) 06 43 57 ID 3lGt4jgq0 屋敷の廊下では片岡、丸木戸、本庄が何か言い争いをしていたが、一同が近づくと気まずそうに立ち去った。 201号室に止まっている本庄に話を聞くと、片岡と丸木戸は犬猿の仲で、本庄は二人の喧嘩を仲裁していたらしい。 二人は、この屋敷で行われるはずだった会合の方針を巡って喧嘩をしていたという。 それは、劇場はもっと高尚な劇を上演すべきか否か、という議題の会合で、 賛成派の片岡と反対派の丸木戸の意見はまるで合わない、という。 そして、本庄は中立らしい。 202号室で伊庭に話を聞くと、鏡と片岡は、丸木戸への嫉妬から彼と対立しているという。 鏡たちの劇場よりも、丸木戸の劇場の方がずっと客の入りがいいのだそうだ。 諸星警部の調べで、日向は片岡の愛人だったことが判明した。 207号室に泊まっている丸木戸に話を聞く一同。 昨晩、隣の206号室、つまり日向の部屋から争っている声が聞こえたという。 日向の声ははっきりと聞こえたが、争っていた相手の声までは判別できなかったらしい。 翌日、このまま宿泊客達を屋敷に留めておいてもしょうがない、ということで屋敷の出入りが自由になった。 そして、一同は本館のバラ園で小野寺家の子息、一郎太と出会う。 彼は何故か御神楽探偵事務所のことについて詳しく、巴たちの捜査には協力的だ。 彼は女中の野上糸を捜しているらしい。 中庭の小道で、糸を見つける一同。 彼女の話によると、日向が生前、この小道で喜久子と話している姿を見たらしい。 華族の夫人が、屋敷から離れた場所で踊り子と話していた、という証言に一同は戸惑う。 まだ別館の203号室に滞在している鏡進一に、日向と喜久子の関係について、心当たりを聞く。 すると、日向は生前「『蜃気楼の一族』で喜久子様の役をやる」と言っていた、との証言を得る。 日向の役は、秀吉の側室、淀君だったらしい。 205号室に行くと、片岡が帽子を探していた。 もしかしたら、206号室に帽子があるかもしれないと言う片岡に不審を覚える一同。 すると片岡は、事件当夜片岡と日向が部屋を替わった事実を明かした。 なんでも、本来は日向が205、片岡が206に泊まる予定だったところ、日向に頼まれ部屋を入れ替えたらしい。 シゲに確認を取り、片岡の話は真実であることが判明した。 犯人は当初、もしかしたら日向ではなく片岡を狙っていたのだろうか。 69 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/30(月) 07 14 18 ID id9IYkUK0 ☆第七話『蜃気楼の一族』中編 時人は、別途関わっていた事件が後味の悪い結末に終わってしまったらしく、 半ば自室警備員化しており捜査に協力はしてくれないようだ。 三人は、時人が立ち直るまでに出来るだけ事件を調べておこうとする。 小野寺家中庭で、野上糸から片岡が有力容疑者なのか、と質問される。 どうやら栗山刑事が、捜査情報を喋ってしまった様だ。 そして糸から、片岡がこの屋敷にちょくちょく来て、喜久子夫人と会っていることを聞かされる。 どうやら片岡は、喜久子から資金援助を受けているようだ。 別館の203号室では、鏡が帰り支度をしていた。 鏡の話によると、日向は死の直前、大金が入ると周囲に吹聴していたらしい。 犯罪の匂いを感じる三人。 207号室で丸木戸に聞いたところによると、喜久子は演劇に全く興味が無いらしい。 演劇に興味が無いのに、喜久子が片岡を援助しているのはどうしてなのだろうか。 本館で喜久子に事情を聞こうとするが、玄関口でシゲに入館を拒まれてしまう。 どうやらシゲは、事務所のメンバーが喜久子と会うのを防ぎたいらしい。 しかし、通りかかった一郎太の計らいで、無事本館に入れることになった。 喜久子に会いに夫人室へ向かうと、中から彼女とシゲの会話が聞こえてきた。 どうやら喜久子は、体調を崩しているようだ。 喜久子は、この事件のせいでまた「悪魔の子」と関わることになってしまった、と嘆いている。 そして、「悪魔の子」は小野寺家を恨んでいるだろう、とも言う。 「悪魔の子」とは、いったい誰のことなのだろうか。 使用人室でシゲから話しを聞く。 喜久子が片岡に援助をしているのは、かつて片岡が小野寺家に書生として住み込んでいた縁から、らしい。 小野寺家と片岡は、20年以上の付き合いがあるという。 小道で一郎太と出会う。 彼によると、シゲは喜久子が小野寺家に嫁いで来る前から彼女に仕えていたらしく、やや狂信的な忠誠心を持っているという。 これまで得た情報を元に、三人は推理を巡らせる。 「悪魔の子」が小野寺家への恨みから、邸内で無差別殺人を犯したのだろうか。 演劇界について調べる為、浅草の劇場街を訪れた三人。 鏡と片岡の居る桔梗館に向かう。 片岡によると、日向は本庄の経営する銀星館から移籍してきたらしい。 伊庭の経営する日本館に向かう三人。 親しくしている河村須美子の楽屋を訪れると、河村と本庄が歓談していた。 本庄いわく、日向はかなり金に汚い性格だったらしい。 生前日向が言い残した「もうすぐ金が入る」という言葉にはどういう意味がこめられていたのだろうか? 70 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/30(月) 07 15 16 ID id9IYkUK0 警察署に向かうと、栗山刑事から日向まきの部屋に残されていた『蜃気楼の一族』の台本を片岡に届けるよう頼まれる。 片岡から毎日返還の催促が来て、うるさいらしい。 桔梗館に行くと、鏡がいた。 彼によると、『蜃気楼の一族』は日向の代役を立てて上演するらしい。 すでに台本も出来上がっている、という。 台本が出来上がっているのに、なぜ片岡は警察署に返却をしつこく請求したのだろうか。 桔梗館に片岡の姿は無かったので、丸木戸の三角館へ向かう。 丸木戸によると、日向は部屋を205から206に移ることを嫌がっていたらしい。 片岡とシゲの話では、日向は自ら望んで206号室に部屋を移ったはずなのだが。 どうやら片岡は嘘をついていたようだ。 小野寺家では、糸が大量の新聞を処分していた。 なんでも、全てシゲが読んだものらしい。 続いてシゲと出会う三人。 シゲは三人に、瓢箪池という場所はどこにあるのか、と突然尋ねてきた。 三人が浅草にあると教えると、シゲは何故か憂いの表情を浮かべ考え込んでしまった。 瓢箪池では、守衛と一郎太が口論をしていた。 盗み聞きしてみると、どうやら兄に会いに出かけて一郎太を、守衛が咎めているらしい。 一郎太は小野寺家の長男だと思っていたのだが、もしかして兄が居るのだろうか? 夜、桔梗館を訪れ片岡を詰問する。 片岡はなぜ日向と部屋を替えたことについて、嘘をついたのか確かめる為に。 三人を前に、片岡はひどく動揺し煙草を吸いだした。 すると突然苦しみだし激しく喀血、そして事切れてしまった。 一言「金庫」と言い残して。 翌日、諸星警部に片岡の死の詳細を聞く三人。 どうやら、煙草に毒が仕込まれていたらしい。 鏡に、片岡の言い残した「金庫」について訪ねる。 すると、桔梗館文芸部に片岡の使っていたダイヤルロック式の大型金庫があるという。 しかし、ロックの解除番号は亡き片岡しか知らないらしい。 三角館で丸木戸に金庫の中身について心当たりを聞く。 すると彼は、片岡が喜久子から貢いでもらった金でも入っているのではないか、と言う。 片岡は喜久子の愛人だったのだろうか? 71 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/30(月) 07 15 52 ID id9IYkUK0 しかし久御山家で多聞に話を聞いてみると、喜久子が浮気なんて考えられない、という。 彼女は本当に夫を愛しているらしい。 小野寺家で糸に話を聞くと、彼女は半年前、守衛が浮気をしている証拠を見つけていたらしい。 なんでも倉庫の中に、ときという女性から守衛に宛てられた恋文がしまってあったそうだ。 もしかして、一郎太がいう「兄さん」とは、守衛と浮気相手との間の子供なのだろうか。 しかし事情を良く聞いてみると、どうやらその恋文が書かれたのは今から30年近く昔のことだったことがわかった。 さらにその後一郎太から事情を聞くと、守衛と喜久子が結婚したのは問題の恋文が書かれたよりも、 はるか後のことだということが判明した。 喜久子からも事情を聞くも、有益な情報は得られなかった。 しかし窓から中庭を見つめていた喜久子が、突然顔をこわばらせ「悪魔の子」と呟く。 中庭に悪魔の子が居るのだろうか? 三人は急いで中庭に行くが、そこには諸星警部の姿があった。 なんでも時人が復調したらしく、ついさっきまで彼と二人で中庭に居たらしい。 三人は警部から、片岡の遺留品として『蜃気楼の一族』の台本を受け取った。 事務所に戻り、片岡が遺した台本を読む三人。 すると台本には、謎の記号がびっしりと書き込まれていた。 この記号が片岡のダイイングメッセージかもしれない、と考えた三人は調査を試みる。 日本館で伊庭に、記号について心当たりが無いか聞く。 すると彼はあっさり、記号は演出記号だと指摘した。 なんでも、演劇の演出について台本に略記する為の記号らしい。 三人は落胆する。 ☆第七話『蜃気楼の一族』中編END 81 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/31(火) 00 15 59 ID kEIeYffN0 ☆第七話『蜃気楼の一族』後編 注 『蜃気楼の一族』中編で重大なミスがあります。 演出記号が書き込まれていた台本は、片岡の遺品ではなく日向まきの遺品でした。 すみません。 三人は、喜久子の言う「悪魔の子」に焦点を絞り捜査を行うことにした。 これまでの情報を整理し、「悪魔の子」とは一郎太の兄と予想できること、 一郎太の年齢や糸の見つけた恋文が書かれた時期を考えると年齢は20代後半から30代前半とよそうできること、 などの推理を行う。 しかし、事件の関係者に推理した条件に合致する人間は居なかった。 『蜃気楼の一族』の台本を読み込んでみるという千鶴を残し、巴と滋乃は捜査に出かける。 桔梗館では、踊り子と脚本家を立て続けに失った鏡が落ち込んでいた。 彼の話によると、『蜃気楼の一族』の台本には、モデルが居たらしい。 ただ、片岡が具体的に誰をモデルにしていたのかまでは知らない、という。 片岡の殺された部屋では、栗山刑事が検分を行っていた。 彼によると、片岡は呼吸器系に病を抱えていた為、煙草は一日二本と決めていた、という。 片岡は普段一箱20本入りの煙草を吸っており、遺留品となった煙草入れには12本の煙草が残っていた。 片岡の喫煙行動を知る人間が、まだ彼が小野寺子爵邸に居る間に煙草に毒を仕込んだ可能性が出てきた。 つまり、日向まき殺害当時子爵邸に居た人間全員が、片岡芳郎殺害の容疑者にもなるのだ。 すっかり捜査に行き詰った二人が日本館に行くと、河村須美子と出会う。 彼女は二人に気分転換をさせようと、ある暗号をパズル感覚で出題する。 暗号には ・C+○ ・N×△ ・◇÷Z ・□-V と記されている。 須美子いわく、この四つの式はある日付について表しており、CやNは英語でなくただの図形らしい。 また、+や×は単純に数学記号と考えていいそうだ。 日付ということは、この暗号は0101から1231までの4桁の数字のうちどれかを表していることになる。 そのため、最初のC+○は0か1かのどちらかの数字を表していることになる。 同様に、◇÷Zは1か2か3のうちのいずれかだ。 ここでCと○には図中に折れ曲がりが一切存在しないが、その他Nや◇には折れ曲がりが存在することに注目する。 すると上記の4式は ・C+○=0+0=0 (折れ曲がり数がそれぞれ0の為) ・N×△=2×3=6 (Nの折れ曲がり数は2、三角の折れ曲がり数は3) ・◇÷Z=4÷2=2 (◇の折れ曲がり数は2、Zの折れ曲がり数は2) ・□-V=4-1=3 (□の折れ曲がり数は4、Vの折れ曲がり数は1) となり、暗号は0623、つまり6月23日を表していることがわかる。 二人が見事暗号を解くと、この暗号は彼女が後輩と一緒に遊びで考え付いたもので、 今では浅草の演劇関係者間で広くブームになっていると須美子は教えてくれた。 殺された片岡も、この暗号遊びを大変気に入っていたという。 二人は、片岡の遺した台本に記されていた演出記号もこの暗号だったのではないか、と気づく。 二人は伊庭から演出記号について教えてもらった後、事務所で千鶴と共に暗号解読を行う。 片岡の台本に記されていた演出記号は、やはり暗号になっていた。 演出記号が記されている場面に登場する人物の名前にはそれぞれ数字が入っており、 劇の進行と矛盾した演出記号が記されている人物の名前に入っている数字を並べると、5桁の数字になる暗号だった。 それは、桔梗館にある金庫のロック解除番号だった。 82 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/31(火) 00 17 17 ID kEIeYffN0 金庫の中には、片岡のアイデアノートがあった。 そこには、『蜃気楼の一族』のモデルとなった人々の名が記されていた。 『蜃気楼の一族』は豊臣秀吉の晩年について描いた芝居で、秀吉のモデルは小野寺守衛、淀君のモデルは小野寺喜久子、 秀頼のモデルは小野寺一郎太、英次のモデルは小野寺佐次となっていた。 この芝居は、小野寺一族をモデルとして描かれたものだったのだ。 そして巴と滋乃は、小野寺家に今までであったことの無い「佐次」という人間が居ることを知る。 この佐次こそが、一郎太の兄で、喜久子から「悪魔の子」と呼ばれていた人物なのだろう。 事務所に戻った二人は、千鶴に『蜃気楼の一族』の粗筋を教えてもらう。 晩年の秀吉と淀君の間には、なかなか子供が生まれなかった。 そこで秀吉は遠縁の秀次を養子に迎える。 自分の血を引かない人物が豊臣家の跡継ぎになることに焦った淀君は、自分の小姓と密通して子を出産。 その子を秀吉の子、と偽り豊臣家の跡継ぎにしようと画策する。 そして、秀次は邪魔者扱いされるようになり、最後には切腹させられてしまう。 以上が『蜃気楼の一族』の粗筋だった。 物語の粗筋を小野寺家に当てはめてみると、小野寺佐次は小野寺家に切り捨てられた存在になる。 自らの境遇を恨んだ佐次が、復讐の為小野寺家で殺人を起こし、自分の正体を知る片岡までも殺したのでは、と三人は推理する。 巴と滋乃は居合わせた諸星警部と共に、父である多聞に小野寺守衛の過去と、佐次について尋ねる。 しかし、多聞は佐次のことについては何も知らない、という。 ただ、多聞と守衛とは学生時代に留学中のロンドンで知り合って以来の仲で、留学中守衛が高熱で腎臓を患ったことを教えてくれた。 久御山家を出ると、諸星警部は気になることがある、という。 高熱で腎臓を患うと、同時に精巣の機能も失われてしまう、つまり生殖能力を失ってしまうことがあるらしい。 晩年の秀吉が子供を作れなくなっていたのと同様に、守衛も子供が作れない体である可能性があるのだ。 もしかすると、一郎太は芝居の中の秀頼と同様に、守衛と喜久子の間の子供ではないのかもしれない。 探偵事務所に帰ると、蘭丸からつい先ほどまで一郎太が訪ねてきていたことを教えられる。 時人に直接捜査をしてもらうよう、依頼に来たらしい。 その後事務所が入っているビルの一階にある、美和の経営する古美術屋に行く二人。 そこで二人は美和から、驚くべき事実を教えられる。 美和曰く、時人と一郎太は兄弟だという。 御神楽探偵事務所開設のため、美和に不動産賃貸の契約を申し込む際、時人は一郎太と二人で契約に来たのだ、という。 つまり「悪魔の子」、小野寺佐次とは、他ならぬ御神楽時人のことだったのだ。 愕然とする二人の所に、諸星警部がやってくる。 やはり小野寺守衛は無精子症だったらしい。 つまり一郎太は、守衛と喜久子との間の子供ではないのだ。 ただ、そのことを守衛本人は知らないのだという。 滋乃は自宅で多聞を問い詰める。 すると、多聞は自分の知ること全てを話す決意をした。 多聞は、昔から御神楽時人が小野寺佐次であることを知っていた。 かつて多聞と小野寺佐次を名乗っていた頃の時人とは、何回か出会っていたのだ。 ただ、ときは平民であったため、周囲の邪魔が激しく守衛とときは結婚することが出来なかった。 そして、佐次はときの実家に引き取られ育てられることとなった。 その後守衛は名家の息女、喜久子と結婚するのだが、守衛と喜久子の間には子供が生まれない。 そのため、小野寺家の血を引く佐次を再び小野寺家に迎え入れるのだが、そのことに喜久子は深く傷ついた。 彼女は夫を深く愛しており、夫が婚前に他の女性に生ませた子供と共に暮らすことに耐えられなかったのだ。 しかし、やがて喜久子が一郎太を生んだ為今度は佐次が「用済み」となってつらい立場に立たされた。 そして佐次は20を越えたあたりで屋敷を飛び出し、御神楽時人と名を変えたのだった。 ちなみに御神楽の姓は、佐次の実母ときの実家の姓であり、時人の名も、御神楽家にいる間にときから呼ばれていた名だそうだ。 多聞は時人が華族の出であり、誠実な人柄であることを知っていた為、娘の滋乃が御神楽探偵事務所で働くことを許したのだった。 83 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/31(火) 00 18 14 ID kEIeYffN0 衝撃を受けた滋乃は、初恋の人との思い出が眠る小野寺家の中庭に佇んでいた。 そして、八年前と同じようにバラで手に怪我をしてしまう。 そこに、偶然時人がやってきて滋乃の心配をする。 ここで滋乃は、八年前の初恋の記憶を詳細に思い出す。 そして自分の初恋の相手、八年前自分を手当てしてくれた青年は小野寺佐次、つまり現在の御神楽時人であることに気づく。 一方事務所では、巴と千鶴が事件の真相について推理を行っていた。 この事件の動機は小野寺家を守るためであること。 そのため、小野寺家の秘密である一郎太の出生を知る片岡と日向を殺害した。 これまでは、片岡が秘密を守る代わりに喜久子が資金援助を行う紳士協定が成立していた。 片岡はかつて小野寺家の書生だった関係で秘密について知っていた。 そしてその秘密をアイデアノートに記し金庫に隠し、暗証番号を台本に暗号で記録した。 だが日向は暗号の記された台本を入手し暗号を解読、金庫を開けアイデアノートを読み、秘密を知った。 そして秘密を知った日向まきが喜久子を脅迫したことをきっかけに、紳士協定が崩れたのだろう。 しかし殺害の動機については推理が出来たが、密室殺人である日向まき殺害のトリックまではまだ解明できない。 二人は調査の為、事件現場に再び向かう。 この時間、小野寺家の別館入り口は施錠されているはずなのだが、なぜか鍵はかかっていなかった。 事件当夜丸木戸が泊まっていた207号室には、糸がいた。 なんでもこの時間まで掃除をしているらしい。 その後片岡が使っていた205号室に移動すると、間に206号室を挟んでいるにもかかわらず、207に居る糸の鼻歌が聞こえてきた。 どうやら205号室と207号室は通風孔で繋がっているらしく、そのため207の人の声が205まで聞こえるようだ。 急いで207号室に戻ってみると、糸が大量の丸められた新聞紙を手にしていた。 なんでも、通風孔にぎっしりと詰め込まれていたらしい。 糸がこの新聞を取った為通風孔が通るようになり、彼女の鼻歌が205まで聞こえてきたのだ。 そして詰め込まれていた新聞の日付は、日向まき殺害翌日の朝刊だった。 そこに、時人と滋乃が突然現れる。 時人と三人は、事件について推理を行う。 これまで日向まきの殺害現場は、彼女が泊まっていた206号室だと思われていた。 それは、207に泊まっていた丸木戸が、隣室から日向と何者かが争う声が聞こえてきたと証言した為だ。 また、彼女の死体が206号室の窓下にあったことも重要な理由となった。 しかし通風孔の存在が明らかになった今、丸木戸の聞いた声は205から聞こえていた可能性が出てきた。 205号室は事件当夜、片岡が宿泊していた部屋だ。 片岡が日向まきと部屋を替わった理由を隠していたこと、日向まきの台本を必死に取り返そうとしていたことなどから、 彼が日向まき殺害に関与していた可能性は十分にある。 片岡が、日向を自室に呼び出し殺害。 その準備として普段は声が伝わってしまう問題を防ぐ為新聞紙で塞いでいる通風孔を、事件当夜だけ開放したと考えられるのだ。 しかし、つい先ほどの糸の証言によると、通風孔は事件翌朝の朝刊で塞がれていた。 通風孔を塞ぎなおしたのは誰なのだろうか。 84 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/07/31(火) 00 19 33 ID kEIeYffN0 事件翌日を思い出すと、シゲが何故か207号室から丸木戸を締め出し、部屋の鍵を閉めて掃除をしていた。 また、丸木戸と違いシゲには小野寺喜久子を守るという、殺人の動機を持っている。 つまり、シゲと片岡が共謀して日向まきを殺害した、と推理できる。 また、日向の死体が206の窓下から見つかった理由は、205の窓から死体を投げ出すと下にせり出している屋敷玄関口の屋根に死体が落ち、 屋根は傾斜している為に死体が自然に斜め下方向へ滑り落ち、206の窓下に落下する、という単純なトリックがあったためだ。 事件は日向まきが小野寺喜久子を脅迫したことに始まり、それを知った木原シゲが殺害を計画。 片岡と共謀して日向を殺害したのが真相と思われる。 時人がそう語った瞬間、一同の居る205号室ににシゲ本人が入ってくる。 そして、あっさりと自らの罪を認めた。 喜久子を脅迫した日向を、彼女の扱いに困っていた片岡と共に殺害した。 そして、日向まき殺害と同時に、最早邪魔者でしかない片岡も殺害することを決めたと言う。 すると時人は、巴たちを205号室から退去させた。 二人きりの部屋で、激しく対峙する時人とシゲ。 日向まきは、やはり一郎太の出生について喜久子を脅迫していた。 そして、一郎太の本当の父親は、他ならぬ片岡芳郎だった。 かつて守衛の隠し子である佐次の登場にひどく傷ついた喜久子のため、シゲが手引きし片岡と喜久子の間に子を生ませ、 それを守衛と喜久子の間の子として偽ったのだった。 シゲの行いを糾弾する時人に対し、彼女は憎悪をむき出しにして、お前さえ現れなければ子は無くとも喜久子は幸せだったという。 その後冷静さを取り戻したシゲは自首を決意、ただし動機については真実を喋らないという。 時人も一郎太出生の秘密については隠しておくことを約束し、小野寺家での事件は解決した。 事件解決から二日後、瓢箪池のほとりを時人と一郎太が並んで歩いていた。 一郎太は自分の出生の秘密を知らないで居るし、時人もそのことを教える気はない。 一郎太が、時人に小野寺家に戻るよう誘いをかけるが、時人は自分はもう小野寺家の人間でないとして誘いを断る。 それぞれ別の道を歩むことになった二人だが、兄弟としてお互いを大切に思う気持ちは共通のものだった。 ☆第七話『蜃気楼の一族』END 210 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 04 58 29 ID OvTjfM610 ☆第8話『暗闇の手触り』登場人物 *今回は時人、蘭丸、美和が旅先で遭遇した事件という設定なので、いつもの三人娘は事件に絡みません。 この事件での「三人」とは、時人、蘭丸、美和のことです。 ・幣原作次・・・事件の被害者。酒乱で博打狂い、児童虐待が日常だった鬼畜親父。 ・幣原恒子・・・幣原家長女。なかなかの美人。 ・幣原みのる・・・幣原家長男。漁師。高校生ぐらいの年齢。 ・幣原郁・・・幣原家次女。小学校高学年ぐらい。盲目。 ・須賀五一・・・恒子の幼馴染。漁師で船長。 ・広瀬忠治・・・五一とみのるの同僚。 ・坂東五郎左衛門・・・地元の有力土建屋。半ば極道。 ・米井京子・・・恒子の同僚。 ・野呂田みつ・・・幣原家の隣人。 ・無明住職・・・塚原浄光寺の住職。『夢男』、『甦る夢男』事件で時人と知り合う。 ・多岐川刑事・・・『夢男』、『甦る夢男』事件で捜査を共に行った、新潟県警刑事。 ・森弥一・・・多岐川の部下。警官。 211 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 04 59 22 ID OvTjfM610 ☆第8話『暗闇の手触り』前編 時人と蘭丸は、かつて『甦る夢男』事件で自殺した阿部譲太郎・正夫兄弟の墓参りの為、 事件の舞台となった新潟へ旅に出ていた。 たまたま同時期に美和が新潟へ商品の買い付けに出かけていたため、現地で彼女と合流し、三人旅となった。 阿部兄弟と父親の倉賀が埋葬されている塚原浄光寺で、無明住職に案内され墓参りを済ませる三人。 そこに、かつて捜査を共にした多岐川刑事がやってくる。 多岐川に、美和と夫婦であると間違えられ、舞い上がってしまう時人。 多岐川は、近頃発生した妙な殺人事件の解決を時人に依頼に来たという。 美和も、観光を中止して捜査に協力してくれるという。 事件は、郊外にある木造二階建ての民家で起こった。 この家の主人である幣原作次が、昨晩何者かに殺されたのだ。 多岐川は、部下の警官森を三人に紹介する。 作次の遺体は、家の中庭にあった。 美和と蘭丸に死体を見せないよう、一人で検分を行う時人。 昨日は夕方から夜まで豪雨だったので遺体は風雨で洗われたのだが、それでも血の匂いが垂れ込めていた。 遺体の腹部は鉈で滅多切りにされており、内臓までもがミンチのようになっていた。 このひどい殺され方を見た時人は、犯人が被害者に強い恨みを持つ人物だと推理する。 凶器の鉈は、遺体のそばに落ちていた。 犯人は、この鉈で中庭にあった何度の戸を壊そうとしていたらしい。 実際、何度の戸が昨晩何者かによって半壊させられていた。 妙なことに、作次は中庭で殺されたにもかかわらず、遺体は履物を履いていなかった。 さらに多岐川によると、死亡推定時刻は昨日18時の前後1時間。 豪雨の真っ只中に、作次は殺されたようだ。 家の居間で、長女の恒子から事情を聞く三人。 彼女は普段家を離れ新潟の市内で働いている為、昨晩はここに居なかったという。 森によると、彼女は市内の古町というところで芸者をしているらしい。 殺された作次は「飲む・打つ・買う」三拍子揃ったDQNで、家計を支える為仕方なく芸者として働いているらしい。 次女、郁の部屋には布団に寝かされた郁と、それに付き添う長男、みのるがいた。 みのるは現在漁師をやっており、昨日は嵐に備え舟の陸揚げを手伝った後、漁業組合の建物に泊まった為やはりここには居なかった、という。 陸揚げは昼頃から始め、終わったのは20時ごろだったらしい。 次に郁に事情を聞こうとした三人は、彼女が盲目であることに気づく。 みのるによると、昨晩彼女は市内の恒子の家に遊びに行っており、今朝事件の報せを聞き姉妹で帰ってきたそうだ。 212 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 04 59 58 ID OvTjfM610 多岐川によると、事件の前日、少し離れた別の民家で泥棒被害が出ていたらしい。 なんでも、非常に高価な仏像が盗まれたのだという。 多岐川は、この泥棒が幣原家に盗みに入り、作次に発見されたため彼を殺害した、と考えているようだ。 外が騒がしくなったので行ってみると、幣原家への立ち入りを求める漁師風の男と森警官が揉めていた。 彼は恒子の幼馴染、須賀五一で、恒子が身元を確認した為、幣原家への立ち入りが許された。 森警官によると、かつて幣原家は漁業の網元として権勢を振るっていたが、 作次の道楽が祟り今は落ちぶれ、網本の権利は須賀家が引き継いだという。 作次は、地元の漁師連中の間では鼻つまみ者だったようだ。 五一は、家の寝室で落ち込む恒子を慰めていた。 その様子を中庭からみのるが見つめ、五一のことを睨み付けているようだ。 みのるは、自分が三人見られていることに気づくと不機嫌そうに立ち去った。 五一は、今朝漁業組合の事務所に居たところ、家へ帰ったはずのみのるが戻ってきて、事件を知らされたという。 どうやら昨晩は、彼とみのるは一緒に組合事務所に泊まったようだ。 みのるが家に帰ったのが今朝6時半で、事件を知らせに戻ってきたのが7時過ぎだったという。 その後、五一は事件を市内に居る恒子に知らせる為、自動車で彼女の家へ向かったという。 なぜ事件を知らせる為に電話を使わなかったのか、と美和が訪ねると、 昨日の豪雨で電話線がやられ、今朝の時点ではこの一帯の電話が使えなくなってたという。 そして市内から恒子と郁を連れ、三人で汽車に乗って帰ってきたらしい。 納戸の前に行くと、みのるが半壊した戸から納戸の中を覗き込んでいた。 なんでも郁が居なくなってしまったらいく、ここにいないかと探しに来たらしい。 郁は、嫌なことがあると納戸にこもる癖があるそうだ。 さらにみのるによると、納戸にはろくなものがしまってなく、戸には鍵すらかけていなかったという。 幣原家唯一の隣家、野呂田家に行く三人。 住人の野呂田みつによると、殺された作次のDQN振りは有名だったらしい。 みつるや郁は、作次に度々暴力を振るわれていたそうだ。 蘭丸は時人に、作次の顔見知りを犯人として疑っているのか、と訊ねる。 捜査の主眼を、顔見知りのアリバイ確認においているように感じたからだ。 時人はそうだと答え、仏像泥棒が犯人ではない、それは作次の死体が必要以上に壊されていたからだ、と答える。 実は多岐川も仏像泥棒が犯人だとは思っておらず、犯人を油断させ捜査をやりやすくする為にあえて惚けているらしい。 『暗闇の手触り』前編END 213 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 05 00 44 ID OvTjfM610 ☆第8話『暗闇の手触り』中編 翌日、塚原浄光寺で美和と合流する時人と蘭丸。 今度は作次の交友関係を洗い、また幣原家の人々のアリバイ確認をより精密に行うことにする。 漁業組合事務所に行くと、漁師の広瀬忠治がいた。 彼によると、昨日みのるは間違いなく20時ごろまで舟の陸揚げをやっていたという。 また、みのるは普段五一の舟に乗って漁をしているらしい。 しかし、昨日三人は恒子と親しくする五一を睨むみのるの姿を見ているのだが・・・。 五一は、DQN作次の代わりに自分がみのるを一人前にしようと思っているようだ。 ただ、最近みのるは五一に対してなにかと反抗的だとも言う。 事件当日の作次の行動について心当たりを聞くと、どうせ賭場に入り浸っていたのではないか、と返された。 このあたりの顔役で坂東の親分という土建屋がおり、彼が週二回ほど賭場を開催するらしい。 幣原家に行き、多岐川刑事に進展を聞く。 解剖の結果、遺体腹部の鉈による損傷は、作次の死後に付けられたことが判明したという。 しかも犯人は、最低でも作次の死後5分以上たってから鉈で腹部を滅多切りにしたらしい。 なぜ犯人は殺人現場に5分以上とどまり、死体を損壊したのだろうか。 郁の部屋で布団を取り替えていた恒子に話を聞く。 以前五一が恒子に結婚を申し込んできたことがあるのだが、作次が恒子の意思も聞かずに断ってしまったという。 どうやら家の稼ぎ手を失うことを嫌った作次が、強引に行動したらしい。 ただ、二人は恋仲ではあるようだ。 汽車に乗り、新潟市内へ向かう三人。 恒子の働いている島源という店に脚を運ぶと、彼女の同僚である米井京子に話を聞くことが出来た。 京子によると、事件当夜恒子は島源で働いており、翌朝間違いなく恒子と郁の姿を見たという。 また事件翌朝になるまで、豪雨の影響で鉄道が止まっていたらしい。 郊外に戻ってきた三人は、そのまま作次の入り浸っていた賭場のある、坂東組へ向かう。 坂東の親分、五郎左衛門に面会することにあっさり成功する。 五郎左衛門によると、事件当日作次は間違いなくこの賭場に来ていたという。 どうやら17時30ごろまで賭場にいたらしい。 ちなみに、坂東組から幣原家までは片道30分ほどかかる。 さらに、その夜作次は有り金を全部摺ってしまい、娘の郁をカタに入れるから金を貸せ、と暴れたそうだ。 郁が盲目だということは五郎左衛門も知っていたらしく作次の要求を突っぱねると、 作次はしまいには、鉄砲を持って乗り込んでやる、と喚くまでの大暴れをしたという。 どうやら作次は、以前護身用のためにこっそり鉄砲を買っていたらしい。 214 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 05 02 22 ID OvTjfM610 翌日、再び塚原浄光寺で集合する三人。 幣原家に行くと、やはり親しげにしている恒子と五一を睨みつけるみのるの姿があった。 みのるによると、作次の鉄砲は納戸の中の飾り箪笥に隠したという。 作次は酔うと鉄砲を振り回したり、面白がって郁に撃たせたりしていたため、恒子と相談して隠したそうだ。 三年前、まだ目が見えていた頃の郁は、作次に強要されて何回か鉄砲を撃っていたらしい。 多岐川に鉄砲のことを話し、鉄砲の所在を確認したいと申し出る。 三人は森警官と一緒に、鉄砲を探すことになった。 最初に、みのるが鉄砲を隠したという納戸の飾り箪笥を調べると、案の定そこに鉄砲は無かった。 次にみのるの部屋を調べると、彼の机の上には五一からのプレゼントらしい詩集が置いてあった。 みのるは、この詩集をとても大切にしているようだ。 そのあと屋敷中を探してみても、やはり鉄砲は見つからなかった。 その後島源で改めて米井京子に事件当時の状況を聞く。 すると事件翌日、恒子は事件の報せを電話で受けていた、という。 五一は、事件翌日は電話が不通だったため車で直接市内に向かった、と証言していたのだが・・・。 郊外の野呂田家へ行くと、みつから事件当夜、みつの夫が作次を目撃したことを聞かされる。 だが、作次の姿は停電が発生した為すぐに見えなくなってしまったそうだ。 なんでも事件当日の18時ごろ、幣原家の電気がつき作次の姿を観ることが出来たのだがその後すぐに停電が発生、 豪雨という天候もあり外は真っ暗で幣原家のほうも、なにもみえなくなってしまったという。 みつの証言を聞いた時人は、どうやら作次殺害の犯人を特定したようだ。 しかしその後時人は、多岐川に犯人はおそらく仏像泥棒だと告げる。 蘭丸、美和、そして多岐川も意外な結論に驚くが、その後三人は新潟を離れるのだった。 『暗闇の手触り』中編END 216 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/08/12(日) 05 41 40 ID OvTjfM610 ☆第8話『暗闇の手触り』後編 新潟からの帰りの汽車の中。 蘭丸は時人に対して、仏像泥棒が犯人だという結論は間違っているのでは、という。 すると時人は、あっさりそれを認めた。 そして本当の犯人は、三人が捜査の中で出会った人々の中に居るという。 時人は、順を追って推理を話し出す。 まず、作次の遺体の腹部が死後5分以上もたってから不自然に損壊された理由は、腹部に出来たほかの傷を隠す為だった。 つまり、作次殺害の凶器は鉈ではなく、かつて作次自身が買った鉄砲だったのだ。 凶器が鉄砲であることを隠す為、犯人は鉈で銃創のある腹部を徹底的に損壊したのだった。 では、なぜ犯人は凶器が鉄砲であることを隠す必要があったのだろうか。 それは、作次が殺害された時間に停電が発生していたからだった。 事件当時、幣原家はは停電による真っ暗闇だった。 鉄砲で人を狙うにはとことん向かない環境の中、犯人は作次を射殺したのだ。 そんな芸当が出来るのは、普段から闇の中で暮らしている人間、つまり盲目の郁しかいない。 郁は以前作次に鉄砲を撃たされていたため銃の扱いを知っており、また落ち込むと納戸にこもる癖から納戸に隠された鉄砲のことも知っていた。 しかし、郁は事件当夜市内の恒子の家へ行っていたはず。 それは恒子と五一の、アリバイ工作によるものだった。 作次殺害の犯人が郁だと知った五一は自動車で彼女を市内の恒子の所に送り届けた。 その際、市内から恒子のところに電話をして今後の行動を指示したため、 事件翌朝郊外は電話が普通だったという五一の証言と、恒子が事件の報せを電話で受けていたという証言の矛盾が発生したのだ。 事件当夜現場に居た郁を翌朝すぐに市内のところに送り届ける。 そして鉄壁のアリバイを持つ恒子に、郁と一緒に居たという証言をさせることで、郁にアリバイを与えたのだ。 事件当夜、作次は博打に負けて怒り、坂東組に鉄砲を持って乗り込もうとした。 しかし鉄砲は隠されていて見つからない。 このことが更に作次の怒りを増幅させ、郁に普段以上の酷い暴力を振るった。 郁は作次から逃げ、納戸の中に閉じこもった。 彼女を追った作次は、納戸の戸が郁によって外から開けられないようにされていることに気づき、鉈で戸を壊し始める。 「このままでは殺される」、そう感じた郁は、納戸に隠してあった鉄砲で作次を撃ち殺したのだった。 事件当夜、みのるが漁業組合に泊まったというのも嘘だろう、とも時人は言う。 みのるは妹思いで、盲目の彼女を一人にして豪雨の夜を過ごさせるようなことはしないはずだ。 家に帰った彼は、妹が身を守るために作次を撃ち殺したことを察知した。 そこで郁を連れて五一のところに行き相談し、以降の工作について打ち合わせたのだ。 郁をかばう為に恒子、みのる、そして五一が協力してアリバイ工作をしていたのだった。 ちなみにみのるは五一のことを嫌っているのではなくむしろ尊敬しているのだが、 美人の姉を取られたくなくて、彼女と親しくする五一を睨んでいたのだった。 時人は作次殺害が正当防衛によることなどを考慮し、仏像泥棒に悪いと思いつつも真相を告げずに新潟を立ち去ったのだった。 第8話『暗闇の手触り』END 68 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 01 12 ID sF6mgAzk0 1ヶ月程間が空いてしまいましたが、続・御神楽です。 ☆第9話『生き人形』登場人物 *生き人形とは、見世物に使われる本物の人間そっくりに作られた人形のことです。 ・大城大輔・・・事務所に「母親を探して欲しい」と依頼に来た少年。 ・大城暢・・・大輔の祖父。大城家当主。 ・大城時江・・・大城家長女。 ・大城直己・・・大城家次男。 ・大城千賀子・・・直己の妻。 ・後藤緒羽子・・・隅田川沿いで発見された遺体その1、岸部音楽院生徒で不良。 ・森崎アキ・・・隅田川沿いで発見された遺体その2、同学院生徒でこいつも不良。 ・北田枝里・・・隅田川沿いで発見された遺体その3、同学院生徒でやっぱり不良。 ・内倉貴子・・・後藤、森崎、北田のルームメイトで、後藤たちと違いまじめな性格。 ・河村須美子・・・これまで何度も登場してきたオペラスター。やっぱりいい人。 ・葉山紀夫・・・かつて時人が解決した事件で逮捕された、職業的殺人者。 ・葉山志保美・・・葉山紀夫の妻。隅田川で入水自殺したと報道される。 ・藤堂弥八郎・・・美和が営む美術商の店員。 69 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 02 16 ID sF6mgAzk0 ☆第9話『生き人形』part1 *混乱を避けるため、巴・滋乃・千鶴の三人はこの事件中「三人娘」と表記します。 「三人」という表記はこの事件の被害者後藤緒羽子・森崎アキ・北田枝里を示しています。 *この第9話と次の最終話はこれまでの事件の3倍近いのボリュームがあり非常に複雑なため、 全体がかなり長くなっています。すみません。 ある日の昼、新聞を読んでいた時人は気になる記事を発見する。 隅田川で心中を図った、若い親子についての記事だ。 子供は助かったのだが、親は死んでしまったらしい。 自殺した女性の名前は葉山志保美。 かつて巴が事務所入りする以前に時人が解決した事件の犯人とされた人物、葉山紀夫の妻だ。 彼女は夫が逮捕されたことを苦にして、死を選んだのだろうか? 重苦しい空気が流れる事務所に、依頼者が現れる。 依頼者は、まだ年端もいかない少年だった。 少年は、父のせいで家を出て行った母親を探して欲しい、という。 だが次の瞬間、少年は千鶴を見るや否や「お母ちゃんだ!」と彼女に抱きつくのだった。 少年の名は大城大輔。 現在は父も既に他界している為、祖父と一緒に住んでいるという。 もちろん千鶴は彼女の母親ではないのだが、少年の為に事務所メンバーは母親探しをすることにする。 大輔の話によると、彼の母親は写真家の助手で千鶴にそっくりな顔立ちらしい。 大輔も写真機の扱いを覚えており、事務所メンバーの顔写真を撮ってみせる。 母親は家を出て行く際に何枚かの写真を残していた。 写真の内一枚に、隅田川の辺に生えている桜と思われる木が写されていたことから、三人娘はその場所に向かうことにする。 三人娘の出かけた事務所に、血相を変えた諸星警部が飛び込んで来る。 時人と蘭丸が事情を聞くと、先ほど隅田川沿いの堤で、三人娘の遺体が発見されたという。 時人が諸星に連れられ現場に向かうと、そこは例の写真に写っていた場所だった。 そして、現場にある桜の気の根元にある三体の死体の顔は、確かに三人娘のものだった。 遺体の服装も、普段三人娘が好んで身に付けているものだ。 呆然とする時人の後ろから、聞き覚えのある声がする。 そこには、大輔を連れた三人娘の姿があった。 生きている三人娘と死んでいる三人娘、どちらが本物なんだと混乱する諸星を横目に、時人は遺体を調べ始める。 すると、彼はすぐに遺体が仮面を付けていることに気づいた。 仮面を剥がして見ると、そこには三人娘のものとは似ても似つかぬ顔があった。 71 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 08 26 ID sF6mgAzk0 ☆第9話『生き人形』part2 事務所に帰った一同は、遺体の仮面と服装は犯人による事務所へのメッセージだと受け止め、捜査を開始する。 しかし、このままでは大輔の母親探しは後回しにせざるを得ない。 困惑する一同のところに、美和が訪ねてくる。 事情を聞いた美和は、大輔の面倒と母親探しを引き受けることを申し出た。 検死報告を聞きに浅草署へ向かう三人娘。 報告によると遺体には、外傷や注射の跡は全く無かったそうだ。 ただ、仮面を固定する為の強力な接着剤により、顔の皮膚が炎症を起こしていたという。 死体は皮膚炎を起こさない、つまり被害者三人は殺される前から仮面を着けていたと考えられる。 さらに遺体に外傷などが無いことから、被害者達が自分の意思で仮面を着けた可能性もある。 死んだ三人の名前はそれぞれ、後藤緒羽子、森崎アキ、北田枝里ということが判明した。 所持品が荒らされておらず、その中に学生証が合ったため身元が簡単に割れたのだ。 彼女たちは音楽学校『岸部音楽院』の生徒で、そこの女子寮のルームメイトだったらしい。 岸部音楽院に向かう三人娘。 学院はお嬢様学校として有名だそうだ。 事務局員に調査の為三人の部屋を調べさせて欲しいと頼むが、部外者は立ち入り禁止と断られる。 ただその局員は、死んだ三人のことは良く知っているので情報を教えてくれるという。 学院の女子寮は四人一部屋になっており、三人は15号室で一緒に寝起きしていた。 また、三人はいわゆる落ちこぼれ立ったという。 女子寮は四人一部屋ということは、もう一人ルームメイトが居るはず。 千鶴がそういうと、局員はそのルームメイト、内倉貴子を紹介してくれた。 貴子に事情を聞きたい旨申し出ると、彼女は承諾し女子寮の15号室に招待してくれた。 彼女によると、三人は入学当初から寮を抜け出しての夜遊びをしており、最近は特にその頻度が上がっていたという。 生真面目な貴子は彼女たちとあまり深く付き合わずにいたので、夜遊びの行き先までは知らないそうだ。 ただ、彼女たちが出かける時は決まって変なバッジを身に着けていたことは貴子の印象に残っていた。 三人のうちの一人、緒方のバッグを調べてみると、そのバッジの他に奇妙な形の伊達眼鏡が入っていた。 その眼鏡を見た滋乃は、これは仮面舞踏会用の眼鏡ではないか、と指摘する。 他の二人のバッグにも同じような仮面が入っていたことから、三人が夜遊びに通っていたのは仮面舞踏会とあたりがつけられた。 また、問題のバッジは悪趣味だがとても精巧に作られており、女学生の買える代物ではなさそうだ。 事務所に戻ってみると、そこには猫と戯れる大輔と、それを見守る美和、蘭丸の姿があった。 美和によると、大輔がどうしても事務所にいたい、と駄々をこねたらしい。 事務所は子供にとってそんなに楽しい場所なのだろうか、と三人娘は首を傾げる。 再び岸部音楽院女子寮に向かうと、貴子が三人娘を待っていた。 三人が通っていた仮面舞踏会の開催場所に、心当たりがあるという。 貴子に連れられて向かった場所は、隅田川傍にある廃墟となった繊維工場跡だった。 三人娘を案内した貴子は、潜入しやすいようにと持ってきた、三人の使っていた仮装道具を渡し、寮へ帰っていった。 三人娘が工場跡に足を踏み入れた瞬間、そとから貴子の悲鳴が聞こえてくる。 あわてて飛び出してみると、へたり込んでいる貴子と、逃げ去る怪しい人影が見えた。 貴子に事情を聞こうとするも、彼女は気が動転しておりまともに会話も出来ない状態だ。 そこで彼女を寮に送り届け、三人娘は再び工場跡へ向かう。 72 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 10 34 ID sF6mgAzk0 ☆第9話『生き人形』part3 三人娘は、貴子からもらった仮装道具を身に付け工場跡に足を踏み入れる。 すると、地下から微かにクラシック音楽が流れてくることに気づいた。 地下にあった重たい金属の扉を開くと、そこには豪華絢爛な仮面舞踏会の光景が広がっていた。 仮面舞踏会参加者の様子を観察していると、中に仮面を着けていない女性参加者がいることに気づく。 不審に思う三人娘に、他の参加者が、彼女は人肌そっくりに作られた生き人形の仮面を身に着けているのだと教えてくれる。 殺された三人が着けていたのも、この生き人形仮面に違いない。 さらに観察してみると、参加者の中になんと美和の生き人形仮面を着けた女性がいた。 彼女に事情を聞こうと近寄ってみると、その参加者は突然倒れ、事切れてしまった。 遺体の仮面を剥がすと、そこにあったのはやはり見知らぬ顔だった。 三人娘の周囲を、他の舞踏会参加者が取り囲む。 どうやらここで仮面を剥がすことはタブーだったらしく、三人娘を部外者と見破り捕まえようとしてくる。 なんとかその場は逃れたものの、やがて三人娘は工場内の行き止まりに追い詰められてしまう。 すると突然行き止まりの壁が開き、その奥にいた仮面の女性が三人娘を匿ってくれた。 女性は、「私の舞踏会には二度と来ないでください」と言い、脱出路を教えた後舞踏会会場の方へ向かっていった。 三人は、なんとか工場跡から抜けることが出来たのだった。 翌日三人娘は、工場跡での出来事を時人に報告する。 やはり、犯人は御神楽探偵事務所に対して何らかの悪意を持っているようだ。 しかし、なぜ事務所に縁もゆかりも無い人々が殺されるのだろうか。 考えを纏めた時人は、大輔を祖父の家に帰す決断をする。 隅田川沿いの堤で三人の遺体が発見された際には、三人娘が大輔の面倒を見ていた。 そして昨日、仮面舞踏会会場での事件の際には、美和が大輔の面倒を見ていた。 このように、それぞれの犠牲者は、その時大輔の面倒を見ていた人物の生き人形仮面を身に着けて死んでいるのだ。 巴は時人の考えすぎではないか、と主張するが時人は、何かが起こってからでは遅い、と譲らない。 また、大輔を事務所から離すことで、犯人の行動に変化が出るか観察したい、との思惑もある。 大輔の祖父の家は、美和が前もって調べてくれていた。 探偵事務所がある守山ビルの一階に、美和が営む美術商「守山美術商」がある。 そこで大輔は、美和に面倒を見てもらっていた。 大輔は家に帰りたくない、と駄々をこねたが千鶴が上手く説得し、美和に教えてもらった家まで彼を送り届ける。 大城家の前では、大城千賀子という女性が掃除をしていた。 千賀子に駆け寄り、帰宅を報告する大輔。 千賀子は大城家長男の嫁だと自己紹介し、大輔がこれまで事務所に世話になった礼を述べる。 千賀子に案内され、三人娘は大城邸内に立ち入る。 大城家当主は、大城暢という老人だ。 暢は「大輔は父の紀夫と同じで面倒を起こす」と不満を口にする。 どうやら、探偵を家に連れてきてしまったことが気に食わないらしい。 また、大輔の父の名前は紀夫、母の名前は志保美というようだ。 長女の大城時江、次男の大城直己も大輔に対して冷淡な態度を取る。 ただ、殺人事件の解決までは大輔とその周辺には注意を払ってくれるそうだ。 73 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 13 20 ID sF6mgAzk0 ☆第9話『生き人形』part4 千賀子の話によると、暢が家に人を入れることを好まない為、この家の家事は一切彼女が引き受けているという。 ただ、千賀子自身はそのことに対して不満は無いようだ。 豪邸の家事一切をを一人に任せるのは不合理であり、何か人を家に入れたくない理由でもあるのだろうか、と三人娘は考える。 時江によると、千賀子の実家は化粧品店だという。 また暢に話を聞くと、長男の大城紀夫は大城家を出て、結婚相手の家の婿養子になったことがわかる。 当然紀夫と、その息子の大輔の姓は変わっているはずなのだが、大輔は自分を「大城大輔」と名乗った。 大輔が自分の姓を「大城」としたことには、何か理由があるのだろうか。 大城家を出た三人娘は、岸部音楽院に向かう。 学院事務局には、事務局員と歓談する河村須美子の姿があった。 須美子はここの学長と知り合いで、時々施設を利用させてもらっているらしい。 そして事務局員から、三人の死体が見つかった場所にある桜の木は赤桜という呪いの桜として有名で、 今朝も首吊り死体が見つかったという事実を知らされる。 浅草署で、三人の詳しい検視報告を諸星警部に尋ねる。 警察も、三人の死を他殺として扱っているらしい。 だが三人の循環器系からは、毒物は一切検出されなかったという。 三人は循環障害なども起こしていたものの、直接の死因は急性肺水腫による、呼吸不全ということが判明したのだ。 胃からは睡眠薬が検出されたものの、致死量ではなかったともいう。 ちなみに肺水腫とは、肺に水が溜まり呼吸が出来なくなる病気だ。 栗山刑事に、三人の遺品についての捜査状況を尋ねる。 三人の所持品は、どれもが一流のメーカーで作られた高級品だった。 しかし、なぜか三人の服だけは無名メーカーによって作られたものだった。 なぜ、彼女たちの服だけが無名メーカー製だったのだろうか。 三人娘が工場跡へ向かうと、そこには昨日彼女たちを救ってくれた仮面の女性がいた。 二度とここへ来るな、という警告を無視した三人娘を女性は怒るが、三人娘が探偵の身分を明かすと、捜査に協力してくれることになる。 ただ、その条件として舞踏会のことを決して外部に洩らさないことを約束させられる。 女性は、舞踏会内では吉和泉佳世と名乗る会の主催者だ。 彼女に昨晩の犠牲者について尋ねると、彼女については穏便な処理をし、死体は警察に渡っていると話す。 だが、それ以上の情報を引き出すことは出来ない。 三人娘は、首吊り死体が発見された赤桜へと向かう。 すると、そこで発見された遺体は他でもない、昨晩舞踏会場で殺された女性のものだった。 舞踏会関係者が、会の存在を知られず、なおかつ警察に遺体を引き渡す為に取った苦肉の手段だろう、と三人娘は考える。 74 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/11(火) 03 20 57 ID sF6mgAzk0 ☆第9話『生き人形』part5 三人娘は事務所で時人に、赤桜の話を聞かせながら、諸星から新しく見つかった遺体についての報告を待つ。 すると諸星が現れ、やはり死因は急性肺水腫であること、遺体に外傷は無く毒物も検出されなかったことを告げる。 また、顔はやはり三人の死体と同様の皮膚炎を起こしていたようだ。 さらに昨晩、大城時江が暴漢に襲われ、犯人が逮捕された事実が伝えられる。 幸いにも、時江はかすり傷ですんだようだ。 大城家に脚を運ぶ三人娘。 当主暢の部屋の前に行くと、中から彼と時江の話し声が聞こえてくる。 どうやら暢は、大城家の人間が警察の世話になることは許されない、と時江を叱っているらしい。 被害者の娘の心配をするよりも先に、警察沙汰になったことで娘を叱る暢の姿に違和感を覚える三人娘。 大城直己の部屋に行くと、そこには大量の玩具が並べられていた。 直己は、玩具の輸入業を営んでいるようだ。 大城家の台所では、時江が千賀子に文句をぶつけていた。 時江が警察の厄介になったことを暢に伝えたのは千賀子で、時江は千賀子の行為が不満らしい。 時江が去った後千賀子から、時江に結婚を前提に付き合っている恋人がいること、 その恋人の家は本所区にあり、庭にはリンゴの木があることを聞き出す。 また、その恋人の庭には常に桧の材木が積んであるらしく、三人娘は恋人が大工か職人なのでは、とあたりをつける。 浅草署で諸星警部に、大城時江襲撃事件の資料を見せてもらうよう頼む。 諸星に時江との関係を聞かれた三人娘は、大輔の母親探しの過程で知り合ったことを伝える。 すると諸星は、大輔の苗字は大城でなくて葉山ではないかと指摘するが巴は、大城大輔と自分で名乗った、と否定する。 一方の千鶴は、葉山大輔、葉山紀夫、葉山志保美という名前について考え込んでしまう。 時江襲撃の詳細を聞くと、彼女は帰宅途中いきなり背後から出刃包丁で襲われたのだという。 今までの事件と手口が全く違うことから、時江襲撃と現在調査中の事件とは無関係ではないか、と考える。 舞踏会会場で佳世から、生き人形仮面の作り方を聞く三人娘。 仮面には桧以外の材木は使われないと聞いた彼女たちは、時江の恋人が仮面職人である可能性を考える。 だが佳世は、生き人形仮面の職人が誰か、ということまでは知らないという。 ここで改めて大輔の母親が残した写真を調べてみると、そのうち一枚に材木の詰まれた民家の庭先が写されていることに気づく。 さらにその写真に写された庭には、リンゴの木も植えてある。 写真には家の表札まで写っており、そこには「国井」と記されている。 三人娘は、本所区で国井という家が無いかどうか探してみることにする。 本所区で聞き込みを行い、国井の家を発見することに成功した。 どうやら住人は留守のようなので、その隙に庭の様子を伺ってみる。 すると滋乃が、縁側に時人そっくりの生き人形仮面が置いてあることに気づく。 どうやら、国井が問題の生き人形仮面の職人で間違いないようだ。 さらに時人の生き人形仮面の傍には手紙が置いてあり、そこには 「今度の仮面は剥がれない。なぜなら御神楽時人が殺されるからだ。」 と記されていた。 104 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/13(木) 06 28 33 ID kYPQzanU0 ☆第9話『生き人形』part6 三人娘は事務所で、国井の家で見つけた仮面と手紙を見せる。 報告を聞いた時人は犯人の狙いがわかってきたというが、一人で頭の中の整理をする、と所長室に篭ってしまう。 三人娘は犯人の狙いが時人なのでは、と考えるが、それならなぜ犯人は無関係の人間を4人も巻き込んだのだろうか。 そんな彼女たちの横を、時人にお茶を持っていく、と蘭丸が通り過ぎる。 しかし蘭丸の様子がどこかおかしいことに気づいた三人娘は、急いで彼の後を追ってみる。 すると、蘭丸は時人の眼前で突然倒れてしまう。 そして蘭丸のポケットから、一枚の写真が舞い落ちた。 その写真には、眼鏡を取った千鶴にそっくりの女性が写されていた。 その女性が、大輔の母、葉山志保美であることに時人は気づく。 そして三人娘に、病院への連絡など蘭丸の手当てを支持する。 彼女たちが支持を実行する為に所長室から出ると、時人は倒れた蘭丸の顔を探る。 やがて蘭丸そっくりの生き人形仮面が剥がされ、大輔の顔が現れた。 倒れた大輔は、病院に運び込まれた。 医者の話だと、2,3日安静にしていれば退院できるという。 だが、もう少し処置が遅れていれば、手遅れになっていたかもしれないらしい。 つまり大輔は、今回の事件の犯人に殺されかけたということだ。 そして、先ほど事務所にいた蘭丸が、仮面を着けた大輔だったとすると、本物の蘭丸は今一体何処にいるのだろうか。 時人によると、蘭丸は昼頃大輔に誘われ外出したきりだという。 今回も、大輔の傍にいた人間の生き人形仮面が作られ、被害者に被せられたのだ。 また、時江襲撃の犯人が昨日既に逮捕されていることから、時江襲撃と仮面を巡る事件は無関係であると判断する。 そこに、大輔の看病をしに大城家から千賀子がやってくる。 暢や直己達は、仕事を理由に病院へは来ないらしい。 大輔を千賀子に任せ、一同は急ぎ事務所へと戻る。 事務所に戻っても、そこに蘭丸の姿は無かった。 三人娘はそれぞれ蘭丸を探しに行こうとするが、この状況下で所員がばらばらに行動するのは危険、との理由で時人に止められる。 三人は指示に従い、翌日を待つことにする。 105 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/13(木) 06 29 06 ID kYPQzanU0 ☆第9話『生き人形』part7 翌朝三人娘は、蘭丸捜索のため、昨日彼と行動を共にしていたと思われる大輔に事情を聞くことにする。 大輔の病室では、千賀子が付きっ切りで看病をしていた。 ただ、大輔は現在薬で眠っており事情を聞くのは無理なようだ。 千賀子は医者が大輔に飲ませるよう置いていった薬が栄養剤なので、大輔の健康に問題は無いと話す。 なぜ薬が栄養剤とわかるのか、と訝しがる巴に千賀子は、実家にいた頃薬剤師の勉強をしていたことを教える。 千賀子の実家は化粧品と一緒に薬も取り扱っており、そのために彼女も薬剤師の勉強をしたそうだ。 病院の待合室では、看護婦達が大輔の噂話をしていた。 彼女たちに話を聞いてみると、大輔が以前にもこの病院に入院したことがわかった。 さらに看護婦は、その際彼は母親と一緒に入院し、母親は死んでしまったことを話す。 大輔と母親は親子で入水自殺を図り、大輔だけが助かったという。 三人娘は岸部音楽院へと向かい、事務局で再び河村須美子に出会う。 須美子によると、学院関係者の間でいま、謎の美人秘書が話題になっているらしい。 その秘書は理事長付きにもかかわらず、学園関係者でその姿を見たことがあるものはほとんどおらず その美貌で学園理事長の地位を手に入れた、とも噂されているという。 秘書の名前は三井というそうだ。 国井の家では、警察が捜査を行っている。 栗山によると、国井はすでに逃走したと思われるが、仮面作りの資料とした顔写真が多数残されていたという。 その中には、御神楽探偵事務所内で取られた巴達の顔写真もあった その写真が、おそらく大輔が初めて事務所に来た際、彼が取った写真であることに千鶴が気づく。 どうやら大輔と国井との間には、何らかの繋がりがあったようだ。 また、大輔の傍にいる人間の生き人形仮面が作られた理由も明らかになった。 しかし、なぜ大輔は国井に写真を提供したのだろうか。 浅草署で諸星警部に捜査状況を聞く。 国井の行方はつかめず、恋人の時江も彼の行き先をしらないという。 また、時人が訪れ緑茶とゼリー状の液体の毒物鑑定を依頼していったこと、 そしてその鑑定結果がつい先ほど出たことを知らされる。 緑茶は大輔が所長室に運んでいったもので、中からは猛毒が発見された。 大輔は、時人を殺そうとしていたのだろうか。 106 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/13(木) 06 29 43 ID kYPQzanU0 ☆第9話『生き人形』part8 舞踏会場では、佳世と数人の女性参加者が談笑をしていた。 その参加者が生き人形仮面を持っているとのことで、実際に仮面を見せてもらう。 するとこの仮面はとても薄く軽く作られているが、これまで犠牲者が身に着けていた仮面はどれも非常に重かった事に気づく。 普通の生き人形仮面と犠牲者が被っていた生き人形仮面に、何らかの違いがあるのだろうか。 大城家の暢の部屋の前へ行くと、中から彼と時江の話し声が聞こえてくる。 時江が再び警察に呼び出されたこと、彼女と国井の関係が捜査陣に知られたことが問題になっているようだ。 そして暢は時江に国井と付き合うのをやめるよう言い、 「お前には紀夫と同じ失敗をして欲しくない。失敗は我々の命取りになる。」 と忠告する。 その大時代的な会話に、三人娘はやはり違和感を覚える。 また、紀夫の犯した失敗と何かについて、後で調べてみることにする。 直己の部屋に行くと彼から、接着剤の中には人体に有害で、肌に長時間付着すると最後は命まで奪うようなものがあることを教えられる。 これまでの調査を元に、三人娘は以下のような推理を立てる。 ・人体に有害な接着剤がある、との直己の証言 ・舞踏会参加者に見せてもらった生き人形仮面は軽かったが、犠牲者の被っていたものは重かったという事実 ・時人が警察に、ゼリー状の液体の毒物鑑定を頼んでいた事実 これらの事実から、犠牲者の被っていた仮面の裏には多量の人体に有害な接着剤が塗られており、 この毒により隅田川で発見された三人と、舞踏会場で倒れた女性は死んだのではないか、と考えられるのだ。 その後岸部音楽院女子寮で、内山貴子と歓談していると部屋の窓から大城暢の姿が見える。 貴子の話によると、暢は学院の理事長だという。 岸部音楽院と大城家に、妙な繋がりが出てきたことになる。 大輔の病室に行くと、眠る大輔を時人が見守っていた。 時人にこれまでの捜査報告を行い、仮面の裏についていた接着剤が有毒だったとの確証を得る。 その時、大輔が目を覚まし、傍にいたとき人の顔を見るや否や 「どうして生きているんだ!お前は僕が殺したはずなのに!お前なんか死んじゃえ!」 と叫ぶ。 暴れる大輔をなだめ、時人は生き人形仮面の裏に有毒な接着剤が塗られていたことを教え、 大輔が「この事件の本当の犯人」に利用され、殺されかけたのだとと伝える。 そして三人娘には、大輔の本名が葉山大輔であり、彼の父親葉山紀夫はかつて時人に殺人犯として告発され現在服役中であること、 彼女の母親は事件の冒頭で新聞記事に載っていた、隅田川で入水自殺した女性、葉山志保美であることを伝える。 107 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/13(木) 06 30 25 ID kYPQzanU0 ☆第9話『生き人形』part9 結局大輔は頑なに口を閉ざし、彼から話を引き出すことは出来なかった。 一同は、一度事務所に戻ることにする。 三人娘は時人に、大輔と両親のことについて訪ねる。 大輔の父葉山紀夫は2年前、巴と滋乃が入所しておらず、 千鶴も捜査には携わっていなかった頃に時人が解決した事件で犯人として逮捕された。 彼はプロの殺人者で、現在は服役中だ。 そして、大輔の母志保美は先述の通り入水自殺を図り、死んでしまった。 大輔は子供らしい感情に判断を任せ、時人を逆恨みして彼を殺そうとしたのだ。 ただ今回の一連の事件は、小さな子供である大輔に計画できるような代物ではない。 大輔に自分を協力者と思い込ませ、彼を利用して時人を殺そうとした真犯人が他にいるのだ。 ただ、それが生き人形師の国井なのかどうかはまだわからない。 また時人は、志保美が赤桜や国井の家の写真を遺していた事から、彼女の死は自殺ではなく他殺かもしれないと考える。 三人娘は、刑務所で葉山紀夫に面会をする。 紀夫によると、彼は既に自らの罪を認めているのだが、志保美は夫の有罪が信じられずにいたらしい。 彼女が遺した写真も、夫の葉山紀夫が無罪であることの証拠を集める活動の一環として撮影したようだ。 紀夫に志保美が遺した国井の家の写真を見せると、紀夫は過剰な反応を示し、志保美が死んだ理由がわかったと言う。 ただ、その理由を聞き出すことは出来なかった。 浅草署で諸星に、葉山紀夫の事件について尋ねてみる。 すると、その事件に赤桜や国井皓といった要素は全く絡んでいなかったらしい。 それではなぜ、葉山紀夫は志保子の残した赤桜や国井の家の写真に反応したのだろうか。 さらに、葉山は件の仮面舞踏会場で殺人を行おうとしたところを、現行犯で取り押さえられたという。 当時の時人が佳世と交渉し、舞踏会場でおとり捜査を仕掛けたようだ。 国井の家で栗山刑事から、大城時江襲撃事件の詳しい資料を見せてもらう。 なんでも犯人は、「時江に生活を潰された」と凶行に及んだらしい。 だが時江には、詐欺を働いたという前科も形跡も無いという。 大城家の暢の部屋前で、再び彼と時江の会話を盗み聞きする。 彼らはどうやら、岸部音楽院についての話をしているようだ。 理事長である暢はともかく、なぜ時江もが学院の話をしているのだろうか。 108 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/13(木) 06 31 36 ID kYPQzanU0 ☆第9話『生き人形』part10 直己の部屋では、部屋の主が伝票を前に悪戦苦闘している。 なんでも事業拡大の為、普段部下に任せている伝票処理を自分で行っているという。 大輔の病室では、眠る大輔を千賀子が看病していた。 千賀子の話によると、大城家の遺産は暢の死後全て時江のものになるらしい。 ただ直己は、これまでに会社の設立費用などで多額の資金を暢に融通してもらっているのだという。 また暢は、直己に遺産を残さない代わりに彼の事業拡大を生きているうちに全面支援する考えのようだ。 病院の待合室では、また看護婦達が大輔の噂をしていた。 どうやら、志保美は自殺ではなく殺されたという噂が広がっているようだ。 詳しい話を聞くと、志保美が死んだ翌朝、大輔のもとに志保美が現れ彼を連れて行ったというのだ。 そこで看護婦達は、殺された志保美が幽霊となって現れたと考えているという。 また応ただその志保美は幽霊にしては生活臭のある姿をしており、なぜか大きな本を抱えていたそうだ。 仮面舞踏会場で佳世に話を聞く。 新たに舞踏会のメンバーになるにはまず、既存メンバーからの招待を受けなければならないそうだ。(*要はmixiみたいなシステム) 内倉貴子はなぜ舞踏会場の場所を知っていたのか、という疑問が三人娘の頭にこびりついていたのだが、 もしかしたら殺された三人から誘いを受けていたのではないか、と推測する。 また佳代によると、三人を舞踏会に招待したのは三人を普段良く世話していた人物だという。 ただ、個人名までは教えられないそうだ。 音楽院女子寮で、内倉貴子に仮面舞踏会についての事情を聞く。 貴子によると、彼女は殺された三人ではない、他の人物に舞踏会を紹介されたという。 だが、貴子はその人物の名前を教えることは出来ないという。 三人娘の帰り際に、貴子は意味深な表情と共に、一冊の楽譜を手渡してくれた。 三人娘は以下のような推理を立てる。 殺された三人と貴子を舞踏会に招待した人物は、同一人物である。 またその人物は、貴子が三人娘を工場跡地に案内した際、彼女を襲った人物でもある。 その人物は何らかの理由で女子寮15号室の住人を皆殺しにしようと考え、仮面舞踏会を利用することを考えた。 三人は舞踏会に誘い出し毒を仕込んだ仮面で殺すことが出来たが、真面目な貴子は舞踏会に参加しなかったので殺せなかった。 舞踏会で美和の仮面を被って死んだ女性は、貴子の身代わりに死んだのだ。 貴子は現在その人物に脅され口止めされているが、早く脅迫者が逮捕されて欲しいと思っており、 口には出せないものの楽譜の中に人物特定のヒントをこめて三人娘に渡したのだ。 しかし、それではなぜ犯人は御神楽時人を殺害したい大輔の手助けをしたのだろうか。 学院の事務局員によると、事務局の人間は局長から下っ端まで、 誰もが理事長の美人秘書「三井」の姿を見たことが無い、という。 三人娘は三井という存在について、不信感を覚える。 146 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 10 29 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part11 事務所に戻った三人娘は美和から、時人が蘭丸を発見したことを伝えられる。 そこに、時人と共に蘭丸が無事な姿で現れる。 蘭丸は、国井の家の地下に閉じ込められていたのだという。 三人娘は時人に、捜査状況を報告する。 岸部音楽院女子寮15号室の4人に仮面舞踏会を紹介した人物こそが、一連の事件の真犯人ではないか、と自分達の推理を話す。 すると時人は、その人物と大輔はそれぞれ別の目的を持ちながら協力していたのではないか、と推理する。 大輔は時人に復讐することを目的とし、真犯人は何らかの理由で女子寮15号室の4人を殺すことを目的としていた。 同じ殺人を目的とする者同士が、ターゲットこそ違えど手を組んだ可能性がある。 これで事務所に無関係の人間が殺されたのか、という疑問に対し、一つの回答が示された。 事務所に対して恨みを持っていたのはあくまで大輔であり、真犯人の目的は事務所とは無関係のところにあったのだ。 翌日三人娘は大輔から話を聞きだすために、志保身そっくりな姿をしている千鶴一人で大輔に面会することを考える。 千鶴が病院に行くと、回復した大輔がちょうど退院するところだった。 大輔は千鶴に対しこれまでの自らの行為を侘び、事務所メンバー皆に謝りたいという。 そんな大輔を、千鶴は優しく大城家へと連れて行く。 大城家には、先に巴と滋乃が到着していた。 千鶴がやってくるまでの間、巴と滋乃は時江と国井のことで話し込んでいたようだ。 巴達に対し時江は、話し相手になってくれたお礼にとレモネードを勧めてくる。 そして時江は千賀子に、レモネードを作り紅茶を淹れるよう指示する。 巴達はレモネードを、体調を悪くしているという時江は紅茶を飲みながら歓談を続けることにする。 巴と滋乃を置いて、千鶴と大輔は大城家の2階に在る書斎に入ってみる。 これまで書斎には内側から鍵がかかっており入れなかったのだが、大輔がロープを使って1階から書斎の窓にのぼり部屋に侵入、鍵を開けたのだ。 そこの書斎に立ち込める古い本の匂いが、病院にやってきた本を抱えた幽霊志保美の匂いと同じだと大輔は言う。 だが、大輔によると志保美は写真機一筋で本に興味が無かったらしい。 そこで二人は、その幽霊志保美が何者かの変装だったのではないかと考える。 相変わらず話し続けている巴と滋乃を置いて、二人は岸部音楽院に向かう。 事務局員によると、秘書三井は生徒に『アードゥア』というあだ名で呼ばれているそうだ。 たまたま居合わせた河村須美子に、『アードゥア』の意味を知らないかと訪ねると、イ長調を表す音楽用語だと教えてくれる。 そして、昨日貴子からもらった楽譜を見てみると、それはイ長調の音楽だった。 つまり、15号室の4人を舞踏会に招待した人物は、岸部音楽院理事長秘書の三井だったのだ。 (*三井のあだ名が『アードゥア』、イ長調である理由は、イ長調の曲の譜面には♯が3つ付くから。 つまり♯を音楽記号の井に見立て、井が三つで三井。) 147 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 12 45 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part12 女子寮の15号室に行ってみると、貴子は授業中らしく不在だった。 そこで勝手に部屋に入って窓の外を眺めてみると、そこから理事長室に向かう暢と、それに付き添う帽子を被った女性の姿が見えた。 彼女が三井なのではないかと考え、もっとよく見ようと窓から身を乗り出そうとしたところを、帰ってきた貴子に止められる。 貴子は三井のことを恐ろしい人間と言い、彼女と理事長は金の亡者だと断言する。 そして、岸部音楽院では不正入試や単位の売買といった悪事がまかり通っていることを暴露する。 殺された三人は成績が良くなかった。 そんな三人に三井が単位の売買を持ちかけている場面を、貴子は目撃していたのだ。 だがその三人は口が軽く、単位の売買という不正を行ったことすらぺらぺら喋ってしまう性格だった。 貴子は自分の想像だと前置きした上で、三人は舞踏会会場で単位の売買を他の参加者に喋ってしまい、そのために三井に殺されたのではないかと話す。 また、三人のルームメイトである自分も三井に監視されていると感じており、怯えていたのだ。 この話を聞いた千鶴は、舞踏会場で美和の仮面を被って死んだ女性は貴子の身代わりに死んだのではなく、 三人から単位の売買を聞いてしまっていたために殺されたのだ、と確信する。 次に二人は浅草署へと向かう。 諸星から、生き人形仮面は変装用として裏社会でよく使われていることを聞かされる。 おそらく国井も、裏社会からの仕事を引き受けていたのだろう。 また2年前、葉山紀夫が逮捕された際も、犯人の紀夫が行き人形仮面を身に着けていたことを教えられる。 また栗山によると、国井の家はまるで迷路のように入り組んだつくりになっていたそうだ。 二人は更に、葉山紀夫が服役している刑務所へ脚を運ぶ。 紀夫との面会を喜ぶ大輔を見守りながら、千鶴は紀夫に話しを聞く。 どうやら暢は紀夫に岸部音楽院理事長の座を継がせたかったらしく、 彼が志保美と結婚する為に家を出たことに激怒したという。 ただ、紀夫は現在の暢の秘書、三井という人物については何も知らないらしい。 その後二人は、事務所へと帰る。 大輔は蘭丸と時人に会うと、これまでの自分の行いを率直に謝罪する。 そして、自分が時人を殺そうと決意した理由は、志保美が死んだ翌朝彼を迎えに来たという偽志保美に、 「お父さんの敵を取りましょう」と何度も言われているうちに殺意が沸いてきたのだという。 だがその志保美の顔がどんな時でもピクリとも変わらなかったので、 大輔は会った当初からこの志保美が偽者なのではないか、と内心で思っていたようだ。 時人と千鶴は、真犯人が志保美の生き人形仮面を被り大輔を煽動したのではないか、と考える。 千鶴が大輔を連れ大城家へ行くと、巴と滋乃、時江、千賀子がソファーに倒れこんでいた。 どうやら何者かによって睡眠薬を飲まされてしまったようだ。 四人を病院に連れて行き大事無いとの診断を受けたあと、大城家の警備を諸星に頼み、この日の捜査は終了することにする。 148 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 13 13 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part13 三人娘は事務所でこれまでの調査の結果を整理する。 そして、大城家で起こった睡眠薬騒動は、 時江が引き起こした自作自演だったのではないかと推理する。 睡眠薬が入っていたレモネードを勧めたのが時江であること、 薬はレモネードの原液にあらかじめ仕込んでおけばいいこと、 時江だけ事件発生当時違う飲み物を飲んでいたことなどがその根拠だ。 時江は、自分も被害者であるように立ち回ることで自らに疑いが向けられることを避け、 さらに巴たちが眠っている間に音楽院へ脚を運んでいたのではないか、と千鶴は言う。 また、音楽院の理事長が暢であり、三井はその後継者である女性ということから、 三井=時江、つまり大城時江こそが一連の事件の真犯人なのではないか、と予想する。 事務所の入っている「守山ビル」の1階に在る、美和の経営する「守山美術」。 そこに行くと、川沿い桜を描いた絵が飾ってあった。 従業員の藤堂弥八郎とその絵について話すうち、件の赤桜の話になった。 藤堂は、赤桜は自殺が多い呪いの桜などではなく、人間の潜在意識を利用した殺人の名所なのではないかと話す。 自殺の名所とされる所に他殺体を置けば、世間にはそれも自殺体であると考えさせることが出来るのだ。 藤堂の話を聞いた千鶴は、赤桜は葉山紀夫ら裏社会の人間が利用している死体置き場なのではないか、と考える。 大城家で諸星に、睡眠薬騒動についての調査結果を聞く。 レモネードの原液からは、睡眠薬は検出されなかったらしい。 つまり、レモネードが作られた段階で睡眠薬が混入されたと考えれられるのだ。 睡眠薬を仕込んだのは、時江ではなく千賀子なのだろうか? それに、千鶴は巴たちが眠っている間、音楽院で三井の姿を目撃していた。 つまり、時江も睡眠薬を飲んでいたとなると、三井=時江という推理は成り立たなくなる。 書斎では、栗山刑事が書斎の検分を行っていた。 書斎にあったロープを、睡眠薬事件の犯人が使ったものではないかと栗山は推理する。 しかし、それは大輔と千鶴が書斎に侵入する際に用いたものだった。 そして、栗山から書斎にはありとあらゆる指紋が残されていなかったと聞かされる。 在るべきはずの大輔の指紋まで消えていることに、千鶴は不信感を覚える。 149 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 15 03 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part14 指紋が消えた理由を探る為、大輔に書斎の掃除をしたかどうか訪ねる。 しかし大輔は書斎の掃除なんてしていない、と答える。 そのまま大輔と話すうち、大城家の屋上には上水道の水をためておく貯水タンクが在ることを聞かされる。 千鶴は諸星に、屋上の貯水タンクを調べるよう進言する。 すると、彼女の予想通りタンクの中から睡眠薬の反応が出た。 睡眠薬は、貯水タンクの中に仕込まれていたのだ。 しかし、そうすると時江の飲んだ紅茶も貯水タンクの水を沸かして淹れられたものであるため、 必然的に彼女も睡眠薬を飲んでいたことになる。 かつて薬剤師の勉強をしていたという千賀子に、睡眠薬について訪ねる。 彼女によると、睡眠薬の中には熱が加わることでその性質を失うものが在るらしい。 そして睡眠薬騒動の時、巴と滋乃と千賀子は冷たいレモネードを、時江は熱い紅茶を飲んでいた・・・。 病院で看護婦達に、偽志保美が持っていたという分厚い本について尋ねる。 どうやらその本は、英語の辞典らしきものだったらしい。 音楽院の事務局に行くと、河村須美子がいる。 彼女によると、学院の理事長が引退し、後継者に道を譲ることが正式に決まったという。 そしてその後継者は、三井ではない別の女性だという。 その女性が時江という名前ではないか、と尋ねるも、須美子もそこまでの情報は持っていなかった。 刑務所で、葉山紀夫と面会する。 彼は2年前の逮捕されるきっかけとなった事件の際、国井皓の造った生き人形仮面を着けていたようだ。 大城家で、警察から睡眠薬についての検査結果を聞かされる。 やはり貯水タンクの中にあった睡眠薬は、熱でその効果を失う種類のものだった。 ここまで来て、ついに三人娘は事件の真相に辿り着く。 150 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 19 39 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part15 事務所に行くと、時人から偽志保美を捕まえに行く、と聞かされる。 どうやら彼も、真相に辿り着いていたようだ。 一同は大城家の書斎へ向かう。 書斎の本棚から、時人は一冊の英語の辞典を取り出す。 そして、辞典を開いてみると中が繰り抜かれており、志保美の生き人形仮面が隠されていた。 これまで捜査の中で浮かび上がってきた志保美像は、紀夫の無実を証明しようと奮闘する女性であって、 「自殺する」ようなタイプの女性ではなかった。 そして、今回の事件の真犯人は志保美の生き人形仮面を利用して大輔を煽動していた。 つまり、志保美は自殺ではなく今回の事件の真犯人によって殺されたと考えられる。 また、その際犯人は大輔も一緒に始末しようとしたのだが、幸いにも大輔については未遂に終わったのだ。 志保美は紀夫の無実を証明しようとする調査の中で、生き人形師国井皓の存在を発見してしまった。 それ故、国井の存在を世間や警察の目から隠しておきたい真犯人によって、彼女は殺されてしまったのだ。 志保美殺害についての推理を披露した後、時人は真犯人を逮捕する為、といい一同を仮面舞踏会場へと引き連れていく。 会場で、時人は美和をパートナーにダンスを披露する。 その時、仮面を着けた女がナイフを振りかざし時人に向かって突進する! しかし、会場には時人の指示により大勢の警官が潜伏していた。 仮面の女はあっさりと取り押さえられる。 そして、その女は大城時江だった。 時人は、大城時江を現行犯逮捕するために仮面舞踏会を利用したのだ。 そして、一連の事件についての推理を披露し始める。 大城暢は、かつては息子の大城紀夫、つまり葉山紀夫に学院理事長の座を譲るつもりだった。 彼としては理事長の座を早く降り、直己の事業拡大支援に専念したかったのだ。 しかし紀夫が家を出た上逮捕されてしまった為、別の人間を後継者にする必要が出てきた。 そこで浮上してきたのが三井という存在だった。 これまで大城暢は学園で単位の売買など様々な不正を重ねてきており、不正の実行役となっていたのが三井だった。 しかし、三井を後継者にするにあたり、問題が発生した。 それは、三井が架空の存在だということだった。 万が一学院の不正が公になった際、時江に累が及ばないよう、暢は彼女に三井という架空の人物を演じさせていたのだ。 やはり、時江=三井であるという、三人娘の推理は正しかった。 ちなみに、繊維工場跡で貴子を襲ったのも、やはり不正の発覚を恐れた時江だった。 151 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/09/21(金) 03 22 17 ID 1pjqXCK10 ☆第9話『生き人形』part16 この事件の発端は、紀夫が逮捕され、志保美が事件の調査を始めたことだった。 調査の過程で、志保美は生き人形仮面と、国井皓という存在に辿り着く。 彼女は国井の家を突き止め、家の写真まで撮ってしまったのだ。 国井は、紀夫以外にも多くの犯罪者に対して変装用の仮面を提供する、裏社会の人間だった。 裏社会の人間が、素性を表の人間に知られてはならない。 そこで、自分の素性が志保美に知られたことを悟った国井は時江に、葉山志保美・大輔親子殺害を頼んだ。 国井の恋人である時江は彼を守るため、二人を隅田川に誘い出し、川へと突き落としたのだった。 しかし、時江と国井にとっては不運なことに、大輔は一命を取り留めた。 さらに、国井の家を撮った写真は大輔が持っている上、大輔は自殺未遂者として警察に保護されている。 さらに、紀夫の事件の際、時人は国井皓の素性を薄々察知していた。 大輔の持つ写真が万が一名探偵である時人の手に渡ったら、国井は破滅だ。 そこで、時江は大輔を利用し、時人と大輔を共に抹殺する方法を考えた。 まず手始めに、志保美の生き人形仮面を利用し時人に復讐するよう大輔を煽動する。 次に後藤緒羽子ら4人を殺害し、死体に事務所メンバーの生き人形仮面を着けることで、 事務所に恨みを持つものによる無差別殺人の可能性へとミスリードする。 ちなみに、後藤緒羽子らが「被害者」として選ばれた理由は、やはり学院の不正を隠蔽する為、 不正に関わっていた緒羽子ら3人と、仮面舞踏会で3人と接触していた女性を殺害するよう、暢から依頼されていたためだった。 本来は3人のルームメイトである貴子も殺す予定だったのだが、貴子は真面目で舞踏会にも全く来なかったため、殺害するチャンスが無かったという。 その後、大輔に時人を殺害させ、同時に接着剤の毒で大輔を始末しようとしたのだった。 そして時江は一連の犯行を認め、警察に連行されていった。 後日、大城暢は贈収賄の罪で逮捕されたものの、逃亡した国井皓の行方については杳として掴めなかった。 第9話『生き人形』END 293 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/05(金) 03 55 31 ID ugZCcL7I0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』登場人物 ・志田数馬・・・帝国陸軍情報部中尉。若きエリート将校。 ・畑中秋之介・・帝国陸軍中佐。温和な紳士。 ・利根川潔・・・帝国陸軍情報部員。頑固だが職務に忠実な軍人。 ・梶田誠・・・・帝国陸軍上等兵。とにかく無口。 ・坂田・・・・・帝国陸軍軍人。 ・遠峰久住・・・美術商の親睦会「竹林会」会長。政財界に大きな影響力を持つフィクサー。 ・中村武一・・・遠峰の秘書。寡黙でガタイのいい眼鏡。 ・兵藤茂徳・・・美術商。「竹林会」会員。 ・兵藤克己・・・兵藤茂徳の息子。 ・高来龍一・・・兵藤茂徳の書生。 ・高来龍二・・・高来龍一の弟。 ・久下直人・・・美術商。「竹林会」会員。 ・浦安蔵人・・・美術品収集家。「竹林会」会員。 ・浦安蒔彌・・・浦安蔵人の娘。 ・高柳紀久男・・医師。 ・長田定吉・・・かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で知り合った執事。 ・無明住職・・・かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で知り合った住職。 ・藤堂弥八郎・・美和の経営する美術商「守山美術」従業員。 294 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/05(金) 03 57 08 ID ugZCcL7I0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part1 いまや日露戦争も過去の話となり、日本は軍縮ムードに包まれていた。 多くの将兵が予備役へと回され、このことに不満を持つ軍人も数多い。 そんな時代背景の中、御神楽探偵事務所は最も厄介な組織と関わりあうことになってしまう。 それは、帝国陸軍。 御神楽探偵事務所最後の事件の幕が、切って落とされようとしていた。 ある日、事務所に千鶴の嬉しい悲鳴が響き渡る。 彼女が出版社に送った探偵小説が編集の目に留まり、見事出版される運びとなったのだ。 その小説は事務所メンバーをモデルとしており、時人達の活躍を小説的に描いたものだった。 出版社からは、続編の依頼も来ているという。 その千鶴の小説話で盛り上がる事務所を、背広姿の男が訪ねてくる。 男は詳しい事情も説明せず時人に、「国家の大事だから同行するように」といきなり言い渡す。 その無礼な物言いに怒りを覚える三人娘だったが、男は同行を拒むのなら手荒な真似も辞さないという。 時人は同行を承諾、男と共に事務所を出て行く。 三人娘は、男が軍の関係者であることを推察し、言いようのない不安を覚える。 時人は、陸軍省陸軍情報部へと連れて来られた。 案内された部屋には、一人の若い将校がいる。 将校は、陸軍中尉志田数馬と自己紹介をし、時人に依頼がある旨を告げる。 依頼は志田個人の依頼ではなく帝国陸軍としての依頼であり、国策に関わる重大なものだそうだ。 しかし時人は、国策に関わるような話は一探偵である自分の仕事の範疇を超えている、と依頼を断ろうとする。 そんな時人に、志田は依頼の詳しい内容を話し始める。 現在帝国陸軍は、ある仏像を満州に運ぶ計画を立てているという。 その仏像には計り知れないほどの価値があり、この輸送計画は国を挙げて行われるそうだ。 しかし先週東京の新聞に、その仏像を強奪する計画を立てている怪盗がいる、という内容の投書が届いたのだ。 そこで陸軍は、怪盗からの仏像護衛を「帝都一の名探偵」御神楽時人に依頼することにしたのだ。 志田の話を聞いた時人は、それなら自分の仕事の範疇だし面白そうだ、と依頼を引き受けることにする。 以降陸軍から事務所への連絡連絡は、事務所を訪れた背広の男、利根川潔が行うことになった。 295 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/05(金) 03 58 27 ID ugZCcL7I0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part2 一週間後、時人と三人娘は横浜港の第五桟橋にいた。 利根川から連絡があり、仏像の輸送船が決定したので同乗するよう指示があったのだ。 しかし、第五桟橋に停泊している船は軍用船ではなく、どう見ても民間の旅客船だ。 訝しがる一同の前に帝国陸軍上等兵、梶田誠が現れ、旅客船へと案内する。 一同は彼に従い、船に乗り込むのだった。 船の名前は黒潮丸というそうだ。 一同はまだ依頼の細部まで聞かされていないことなどから、船内を散策し状況を把握することにする。 舟の前甲板には杖をついた老人と、その体を支えるように立つ男がいた。 老人の左手と右足はそれぞれ義手、義足のようだ。 船内の一等客室2号室には、志田中尉が泊まっていた。 志田によると、今回の輸送に民間船を使うのは、偽装計画の為らしい。 実は黒潮丸とほぼ同時に、軍用船が横浜港を出向しており、対外的にはその軍用船に仏像が積まれていることになっている、という。 このことは、関係者の中でも中枢にしか知られていないそうだ。 軍内部の輸送計画なのに新聞に投書があったことから、軍からの情報漏えいも危惧される。 そのために、このような偽装工作を行うことにしたのだ。 また、志田によるとこの船には多くの民間人も乗り込んでいるという。 黒潮丸は、表向きは「竹林会」の貸しきり船という形になっているためらしい。 ちなみに竹林会とは美術商の親睦団体で、「竹林の清談」から名前を取った団体だそうだ。 竹林会には軍関係者と懇意にしているものも多く、こんかいはある意味美術品の輸送計画でもあるため、軍は竹林会に協力を要請したのだ。 そして志田は、隣の1号室に自分の上官で作戦の責任者、畑中秋之介帝国陸軍中佐が宿泊していることを教えてくれる。 1号室には畑中中佐と、先ほど前甲板で見た老人と男がいた。 時人が畑中に挨拶すると、彼は老人達を紹介してくれる。 老人は遠峰久住といい、竹林会の会長だという。 またもう一人の男は遠峰の秘書で、中村武一というそうだ。 挨拶が済むと遠峰たちは1号室を去り、時人は畑中に計画の詳細を聞くことにする。 畑中によると、時人たちは輸送の最終目的地である奉天まで同行しなければならないらしい。 仏像を奉天に輸送する理由については、国策なので答えられないという。 296 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/05(金) 03 59 18 ID ugZCcL7I0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part3 一等客室の5号室には、美術商の兵藤茂徳が宿泊していた。 同室には茂徳の息子、兵藤克己も宿泊しているようだ。 どうやら、時人たちを今回の計画の護衛に、と軍に紹介したのは兵藤らしい。 そして、今回輸送する仏像は、もともとは兵藤の私物だったらしいこともわかる。 なんでも、「先方」とやらがその仏像を軍に対し所望した為、仏像提供を申し出たのだという。 この「先方」の存在は、計画の核心部分にあたるようだ。 二等客室の3号室には、利根川が宿泊していた。 彼によると、仏像は特別船倉、という金庫のような船倉に厳重に保管してあるらしい。 警護のために特別船倉の下見を申し出ると、利根川は畑中中佐の許可を得に船室を出て行った。 一同は後甲板から利根川に案内され、特別船倉に向かう。 特別船倉では、梶田上等兵が警護に当たっていた。 そして、利根川は特別船倉の鍵を開け、仏像「阿弥陀如来像」を一同に見せてくれた。 再び一同が後甲板に戻ると、そこにはなんと守山美和がいた。 なんでも、美和は竹林会の繋がりで同乗を誘われたのだそうだ。 そこで、経営する美術店の従業員、藤堂弥八郎と一緒に黒潮丸に乗り込んだのだ。 御神楽探偵事務所のことを兵藤に紹介したのは、美和だという。 美和と合流した一同は、夕食会が開かれるパーティーホールへと向かう。 テーブルは4人がけだった為、事務所メンバーと美和は別々のテーブルになってしまった。 時人は、美和と同じテーブルで食事が出来ないことに心底落ちこんでしまう。 とはいえ、メンバーと美和のテーブルは隣同士なので一同は会話を楽しむ。 事務所メンバーに用意された食事は洋食なのに、美和は和食を食べている。 巴がそのことを美和に尋ねると、事前に和食の申請をしておいた人にのみ、和食が供されるシステムだという。 周囲を見てみると、和食を採っているのは美和と、美和の向井に座っている男性だけのようだ。 そんなこんなで夕食を採っていると突然、美和の向井に座っている男が血を吐き倒れてしまう。 一気に混乱するパーティーホール。 倒れた男に駆け寄ろうとする利根川を押しとめ、時人は特別船倉を確認に行くよう指示する。 この混乱に乗じて、怪盗が阿弥陀如来像を盗み出す恐れが在るからだ。 297 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/05(金) 04 00 31 ID ugZCcL7I0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part4 翌朝、船酔いでダウンした時人に代わり、三人娘が捜査に当たることになる。 昨晩の事件の被害者は、久下直人という竹林会会員の美術商だった。 一方、特別船倉の仏像は無事が確認された。 久下殺害の犯人は、怪盗ではなかったのだろうか。 事件現場となったパーティーホールには、医師の高柳紀久男がいた。 彼によると、久下がパーティーで食べた和食に毒が混入されていたのは、ほぼ間違いが無いという。 これから医務室で詳しい検査をするらしい。 検査の結果、食事の中の奈良漬に毒が混入されていたことが判明した。 高柳は一応検死も行い、久下の死因がジキタリスの中毒症状であることもわかった。 また高柳は竹林会と親しい町医者で、今回は遠峰と兵藤に頼まれて黒潮丸に乗り込んだそうだ。 つまり今黒潮丸に乗り込んでいるのは、軍関係者と竹林会の関係者という、身元の確かな人々のみ。 にもかかわらず事件は起こってしまったのだ。 高柳の許可を得て、昨晩久下が夕食を採っていたテーブルを三人娘は調べる。 このテーブルで夕食を採ったのは、久下と美和の二人だけだったことは間違いがない。 美和の食べていた和食も調べてみると、奈良漬が半分ほど食べられていた。 どうやら、犯人は美和と久下の和食膳のうち、久下の膳にのみ毒を混入したようだ。 美和が毒入り和食膳を食べていた可能性が在ることを知り、三人娘は戦慄する。 調理室には、志田と梶山がいた。 志田が調理スタッフから聞き出した情報によると、久下の和食膳に毒を混入する機会は昨日の日中しかなかったらしい。 昨日の日中の時点で、夕食に向けこれ以上調理する必要のない皿は冷蔵庫に保管されていたそうだ。 もちろん、奈良漬も日中のうちにそれぞれの皿に盛り付けられ、冷蔵庫に入れられていた。 そして日中は調理室に人も少なく、冷蔵庫は誰でも空けられたという。 ただ、冷蔵庫の中のどの皿が誰に配膳されるかということは、日中の時点ではわからなかったことは確かだ。 逆に、夕食前には調理室に多くの人が出入りしていた為、誰にも怪しまれず毒を混入するのは難しかったようだ。 300 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/06(土) 07 18 40 ID alRnyOG10 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part5 一等客室の3号室には、美術品収集家の浦安蔵人が宿泊していた。 浦安に三人娘は、久下が殺される動機が全くわからないことから、無差別殺人の線も含めて捜査していることを教える。 すると浦安は、久下は根っからの和食党で、犯人はそのことを知っており和食に毒を混入したのではないかという。 だが、昨晩は久下の他に美和も和食を食べていた。 犯人には、久下に確実に毒入りの奈良漬を食べさせる方法があったのだろうか。 その後三人娘は一等客室5号室で、兵藤の書生をしている高来龍一と出会う。 そして、二等客室8号室には美和と藤堂がいた。 目の前で知人を殺された為か、美和の顔は青ざめ生気を失っていた。 美和によると、夕食前に遠峰の秘書中村が、竹林会関係者全員に夕食を和食にするか洋食にするか聞いて周っていたらしい。 後甲板に行くと、利根川が特別船倉から出てくるところだった。 昨晩の事件で黒潮丸に犯罪者が乗り込んでいることが証明されたので、警戒を厳にしているという。 前甲板には、遠峰と中村がいた。 中村によると、昨晩竹林会関係者の有力チョイスを彼と兵藤克己の二人で採って周ったという。 久下の注文をとったのは克己で、注文内容は中村と克己以外の人間には一切見せず調理室に届けたという。 結局、犯人が久下に毒を確実に盛る方法を持っていたかどうかはわからなかった。 昨晩和食を頼んだ乗客は美和と久下の二人。 犯人は、奈良漬一皿にのみ毒を混入していた。 そして、犯人が配膳係でもない限りはその毒入り奈良漬が美和と久下のどちらに配られるかは全く予測できなかった。 以上の理由から三人娘は、犯人は久下か美和かのどちらか一方でも殺せればいい、と考えていたのではないか、と推理する。 301 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/06(土) 07 19 13 ID alRnyOG10 ☆最終話「さ・よ・な・ら」part6 翌朝三人娘は、藤堂弥八郎が自室のドアを激しくノックする音で目が覚めた。 藤堂は、大変なことが起きたので特別船倉まで来るよう伝える。 特別船倉前では、利根川たちが重苦しい様相で立ちすくんでいた。 彼らの傍に行ってみると、そこには高来龍一と兵士一人の死体が転がっていた。 そして、特別船倉の扉は大きく開け放たれていた。 どうやら昨晩何者かが特別船倉に侵入、龍一と歩哨に当たっていた兵士、坂田を殺害し、阿弥陀仏を奪ったようだ。 畑中と相談の為現場を離れた時人に代わり、三人娘が調査を行うことになる。 梶田に許可を得て、現場の検証を始める三人娘。 坂田は、正面から至近距離で2発の銃弾を撃ち込まれ、殺害されたようだ。 坂田を撃った2発の弾丸は、両方とも坂田の体を貫通している。 一方龍一も、正面から2発の銃弾を打ち込まれて殺されたと思われる。 しかし、龍一を撃った2発の弾丸は彼の体の中で止まっていた。 もしかしたら坂田と龍一は、貫通力の異なるまったく別の銃でそれぞれ撃たれたのかもしれない。 また、龍一の左手にはなぜか抜き放たれた短刀が握られていた。 次に特別船倉の扉を調べてみると、扉や鍵には傷つけられた跡が全く無かった。 どうやら犯人は、何らかの方法で船倉の鍵を手に入れ、仏像を奪ったようだ。 二等客室3号室に行くと、そこで宿泊していた利根川から、仏像が見つからなければ事務所の責任問題だ、と怒られる。 また8号室では、美和が物思いに沈んでいた。 美和によると、奪われた仏像は翡翠の玉眼を使用した日本最古の仏像で、 人を殺してでも手に入れたいと思う美術商は多くいるのではないか、という。 しかし、それならなぜ軍は美術商の団体である竹林会に仏像輸送の協力を依頼したのだろうか。 302 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/06(土) 07 19 48 ID alRnyOG10 ☆最終話「さ・よ・な・ら」part7 一等客室1号室では、時人と畑中が話し込んでいた。 畑中によると、特別船倉の鍵を持っていたのは畑中、志田、利根川の三人だけだという。 2号室で、志田に話を聞く。 なんでも、利根川は計画段階から、今回の仏像輸送に反対していたらしい。 だが、志田が畑中に直接輸送計画を具申したため、輸送が実現されたのだという。 3号室で、浦安蔵人に事情聴取を行う。 実は蔵人は、今回奪われた阿弥陀如来像と同等の価値が在る釈迦如来像を所有しており、 阿弥陀像が見つからなかった場合はその釈迦像を提供するよう、軍から依頼されているという。 なぜ軍は、仏像をシナに輸送することにこだわるのだろうか。 5号室で兵藤茂徳に会う。 すると、兵藤克己の姿が今朝から見えないことを知らされる。 二等客室8号室で美和に、克己を見なかったかどうか尋ねる。 すると今朝、シナ人そ探している、と船内を歩き回る克己を見かけたと教えてくれる。 三人娘は、調理室で克己の姿を発見する。 彼にシナ人を探す理由を尋ねると、自分も犯人を捜そうと思っていた、と弁明する。 何でも昨晩1時ごろ、克己は風に当たりに後甲板に行ったらしい。 すると特別船倉の方からシナ語でなにやら言い争う声が聞こえ、その後2発の銃声が響いたのだという。 ただ、銃声を聞いた後克己は恐怖のあまり身を隠してしまった為、犯人の姿は見ていないそうだ。 その夜黒潮丸は嵐に見舞われた。 そしてその嵐の中、船内に一発の銃声が響いたことに気づいたものはいなかった。 303 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/06(土) 07 20 21 ID alRnyOG10 ☆最終話「さ・よ・な・ら」part8 翌朝三人娘は廊下で、酷くあわてた様子の時人を目撃する。 時人によると、畑中中佐が自殺したらしい。 一等客室1号室に駆けつけてみると、そこには窓を背にして椅子に座り、右即頭部から左即頭部に向けこめかみを撃ち抜いた畑中の死体があった。 その4日後、結局輸送計画は中断され黒潮丸は横浜港に帰港、軍の臨検を受けることになった。 結局阿弥陀仏は見つからず、事務所メンバーは犯人にいいようにやられたまま事務所へ帰らざるを得なかった。 事務所で事件について整理を行う。 まず、仏像強奪について振り返る。 黒潮丸の乗客乗員は、全員下船時に軍の荷物検査を受けた。 にもかかわらず阿弥陀仏は発見されなかった。 怪盗は、一帯何処に仏像を隠したのだろうか。 次に、畑中の自殺について検討する。 あの朝6時ごろ、志田と遠峰が航海継続の是非を確認する為一等1号客室を訪れた。 しかしドアをいくらノックしても返事がなく、ドアの鍵もかかっていたためドアの小窓から中を確認すると、畑中の死体があった。 そこで志田は遠峰に、すぐ御神楽探偵事務所のメンバーにこの事態を知らせるよう指示を出し、遠峰はすぐ時人の部屋へ向かった。 その間に志田は一等1号室の合鍵を調達し、部屋に踏み込んだらしい。 どうやら千鶴は、今回の事件をモデルに探偵小説の続編を書くつもりらしい。 緒戦は事務所の大黒星で終わったが、そのほうが真実味が在っていいという。 そんな話をしていると、浦安蔵人が事務所を訪ねてくる。 今度は浦安の家に、蔵人所有の釈迦如来像を奪う旨、怪盗から予告状が送られてきたそうだ。 阿弥陀仏が奪われた今、浦安は釈迦如来像を軍に供与することになっており、釈迦像が軍に移送されるまでの二日間、浦安家を警護して欲しいという。 浦安家の護衛には、蘭丸が当たることになった。 かつて『夢男』事件で財部家に潜入した時と同じように、蘭丸は女装してメイドの蘭子として浦安家に泊り込むことになる。 そこに突然、陸軍の将校数名が踏み込んでくる。 時人に阿弥陀仏強奪の嫌疑がかかっている為、軍まで連行するよう指令が下ったというのだ。 実は、御神楽探偵事務所のメンバーは下船時、特別に手荷物検査を受けていなかった。 そして他の乗客の手荷物や船内から阿弥陀仏が見つからなかったため、事務所に嫌疑が向かったのだった。 304 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/06(土) 07 21 40 ID alRnyOG10 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part9 時人を救う為、まずは滋乃の父、久御山子爵の権力を使えないかという話になる。 滋乃は父に時人救出を依頼するため、事務所を発っていった。 また蘭丸は、当初の予定通り蘭子として浦安家に宿泊することにする。 そして千鶴と巴は、浦安に黒潮丸乗船者の所在を教えてもらい、捜査を進めることにする。 まずは守山美術で、美和と藤堂に時人が軍に拘束されたことを伝える。 すると美和は、遠峰に時人釈放を働きかけてもらえないかどうか働きかけてみる、と言ってくれる。 遠峰はかつて軍人で、その関係により軍の上層部に大分顔が利くらしい。 浦安家を訪問すると蔵人の娘、浦安蒔彌が迎えてくれた。 浦安家は、つたに覆われたずいぶん立派な洋式住宅だ。 蒔彌によると、兵藤は阿弥陀仏を軍に供与することをかなり渋っており、 阿弥陀仏の代わりとして釈迦仏を軍に供与してもらえないかどうか、蔵人に打診してきたこともあるという。 高柳医院で、高柳医師に話しを聞く。 彼は畑中の略式検死も行っており、それによると死因は頭部への銃弾で、死亡時刻は深夜1時から2時だったらしい。 また自殺の恐怖から逃れる為か、畑中は死亡直前にモルヒネを打っていたという。 地位の立派な軍人であった畑中が、自殺の恐怖から逃れる為モルヒネを打っていた、という事実に巴と千鶴は違和感を感じる。 横浜港に行き、畑中の自殺現場を調べようと黒潮丸に乗船を試みる。 すると、梶田上等兵に「民間人は立ち入り禁止」と乗船を拒まれてしまう。 しかし突然黒潮丸のほうから何か声が聞こえると、梶田は船の甲板を怒りの表情と共に見つめ、二人の乗船を許可する。 なんでも、二人の乗船許可が出たらしい。 もしかしたら、軍の内部でも今回の事件に対処する方針が統一されていないのかもしれない。 319 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 02 59 15 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part10 一等船室の廊下で、志田数馬に会う。 志田は二人の姿を見て一瞬驚いたものの、なんとか時人釈放を上層部に頼んでみると約束してくれた。 志田の許可を得て、一等1号客室を調査する。 まず、部屋の左奥にあるクローゼットに、わずかな凹みが在るのを見つける。 志田によると、それは畑中の頭部を貫通した弾丸が着けた弾痕らしい。 クローゼットの位置は、畑中の死体が座っていた椅子の左側にあり、位置的に矛盾はない。 また、部屋の床には「防共協定に関する初動試案」と書かれた書類が血に塗れ散らばっていた。 そうやらその書類は機密だったらしく、志田に書類を見たことは忘れるよう言われる。 二等客室通路には、利根川がいた。 利根川も、畑中が自殺前にモルヒネを使っていたことには違和感を覚えるという。 だが、一等客室は全てオートロックだし、事件当夜1時から2時に一等1号室に入ったものはいないと断言する。 実はその時間、隣の2号室、つまり志田中尉の部屋で、志田と利根川、蔵人の三人が釈迦像供与などについて話し合っていたという。 その時は嵐だったとはいえ船内は静かだったし、1号室のドアが開く音は必ず2号室に響いたはずだという。 黒潮丸をおり、遠峰の宿泊している帝国ホテルに向かう。 美和は既に、遠峰に時人釈放への協力を取り付けてくれていた。 遠峰は、時人拘束は軍の面子を保つための言いがかりのようなものだし、釈放に向け協力してくれると約束する。 また、遠峰に畑中自殺についての疑問をぶつけると、確かに防共協定初動試案のような機密書類を 床に散らかしたまま自殺するのは、彼らしくないという。 どうやら遠峰は、「防共協定に関する初動試案」について知っているようだ。 千鶴たちは、思い切って「防共協定」について遠峰に尋ねてみる。 すると、遠峰は迷った末口外無用として今回の仏像輸送計画の真実を教えてくれた。 帝政ロシア崩壊後過激派の活動が活発になっており、ウラルの日本人居留区襲撃計画があることが最近判明した。 この計画への対処として、直接派兵と同時に検討されているのが、奉天軍閥との防共協定締結だ。 そして奉天軍閥の最高実力者、張作霖は美術品に目が無い為、張が以前から欲しがっていた阿弥陀像を手土産に交渉の下準備をする計画だったのだ。 ここまで情報を集めた時点で、二人はこの日の調査を終えることにする。 320 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 00 25 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part11 翌朝、三人娘はかつて巴が事務所に勤める傍らアルバイトをしているカフェ山茶花で打ち合わせをしていた。 滋乃によると、久御山子爵は軍関係者にはパイプを持っておらず、時人釈放交渉は難航しそうだという。 時人のためにも犯人を早く捕まえよう、と思いを新たにする。 浦安家に向かうと、釈迦像引渡しパーティー準備の真っ只中だった。 蔵人によると、今夜のパーティー出席の為、遠峰以外の竹林会関係者は全員浦安家に集まっているという。 2階に在る蔵人の主人室に行こうとすると、パーティー出席のためにここを訪れていた美和に呼び止められる。 美蔵人に便箋と切手を買ってくるよう頼まれていたので、それらを買ってきたところだと言う。 そして、蔵人の部屋に行くのなら、ついでに便箋と切手を届けて欲しいというので、三人娘はその頼みを快諾した。 三人娘は便箋と切手を預かり、蔵人にきちんと届けた。 パーティーの開かれる広間では、蘭子もとい蘭丸が忙しそうに働いていた。 彼によると、浦安蒔彌と兵藤克己は付き合っているらしい。 今朝屋敷の裏庭で、蒔彌と克己が抱き合っているところを目撃したというのだ。 裏庭では、利根川指揮の下、軍がサーチライトを設置していた。 利根川によると、今晩のパーティーに備え、屋敷を警護するためサーチライトを設置しているらしい。 ライトは、蔵人のいる主人室の窓周辺を照らすよう配備されるそうだ。 客室を訪ねてみると、そこには黒潮丸で殺されたはずの高来龍一がいた。 驚く三人娘に、同室にいた兵藤茂徳が、彼は高来龍一の双子の弟、高来龍二だと教えてくれた。 龍二曰く、龍一と龍二の違いは龍一が右利きで龍二が左利きだという点だけだったという。 しかし、特別船倉にあった龍一の死体は、左手に短刀を握っていた。 龍一は右利きだったはずなのに。 浦安家を離れ、帝国ホテルで遠峰に面会する。 遠峰は畑中の通夜から帰ってきたばかりのところで、通夜には軍関係者がほとんどいなかった、薄情だ、と苦りきっていた。 そして、その理由は木越安綱中将の件にあるという。 木越中将は5,6年前に陸軍大臣を務めており、「現役武官専任制」廃止に向け努力した人物だ。 「現役武官専任制」とは陸海軍大臣には現役の大将・中将しか就任できない旨定めた制度で、 軍の気に入らない内閣ができそうになれば、現役大中将が就任拒否を行うことで内閣を葬り去ることが出来る、 という軍にとって非常に都合のいい制度だった。 その軍にとって都合のいい制度を廃止しようとした木越を裏切り者扱いするものも軍内部には多く、 木越に師事し、彼の方針に賛同した畑中中佐を敵視するものも数多くいたというのだ。 次に兵藤家に向かうと、克己に面会することが出来た。 浦安家のパーティーに出席しないのか、と訪ねると、克己にとって浦安家は鬼門だという。 しかし、彼は今朝蒔彌に会いに浦安家に行っていたのではないか、と突っ込むと、 実は兵藤茂徳と浦安蔵人は性格の不一致から仲が悪い為、克己と蒔彌の交際はそれぞれの親には内緒にしておいて欲しい、と頼まれる。 ひとまず捜査を終え、カフェ山茶花に戻ると、そこには懐かしい顔があった。 長田定吉。 かつて『夢男』、『甦る夢男』事件で事務所メンバーと知り合った、財部家執事だ。 彼は『甦る夢男』事件解決後、財部家を辞し東京に出てきていた。 時人拘束の話を聞いた定吉は、自分も軍にパイプを持つ人物一人に知己が在ると、時人釈放へ協力を申し出る。 彼は財部家に仕える前、軍に多大な影響力を持つ華族の志田侯爵家に仕えていたのだ。 そして、かの志田数馬中尉は、志田侯爵の甥子だという。 その夜、軍のサーチライトに照らされた浦安家を、パーティー出席の為三人娘は訪れる。 しかし、パーティー開始時刻になっても浦安蔵人は会場に現れない。 やがて、パーティー会場に「蔵人が殺害された」との噂が流れ始める。 三人娘があわてて主人室に向かうとそこには蔵人の死体があり、釈迦如来像は消えうせていた。 321 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 01 08 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part12 2時間後、またも怪盗に出し抜かれた三人娘は浦安家の応接間に集まっていた。 これで、今回の事件の犠牲者は5人目だ。 蔵人殺害発覚後、志田と利根川指揮の下、軍による大掛かりな邸内捜索が行われていた。 屋敷の広間に行くと、なにやら二人の男が言い争っている。 一人は利根川で、もう一人はなんと諸星警部だった。 これまでは軍が管理する船内で起こった事件だった為陸軍が捜査を行ってきたが、 蔵人殺害は都内で起こった民間人殺人事件のため警察の管轄だ。 そこで、二人は捜査の縄張り争いをしていたのだ。 しかし、結局蔵人殺害は警察の管轄であることを利根川が認め、争いは収まった。 現場となった浦安家主人室の捜査を、諸星の許可を得て開始する。 蔵人の背中には、深々と一本の短剣が突き刺さっていた。 どうやらこれが致命傷となったようだが、なぜ蔵人はやすやすと犯人に背後を取らせたのだろうか。 また蔵人が突っ伏している机の上には、半分ほど飲まれた紅茶入りのティーカップが置かれていた。 同様に机上には、綺麗に折りたたまれ、からからに乾いた脱脂綿の乗ったシャーレも置かれていた。 志田に話を聞くと、主人室は常時二人の兵士が警護しており、彼らと浦安蒔彌以外に主人室に出入りした人物はいなかったという。 ちなみに、ティーカップを運んできたのは蒔彌らしい。 また、警護の兵士達が、蒔彌が主人室を出てくる時に蔵人が生きていたことをしっかり確認しているそうだ。 さらに彼らによると、警護を始めてから死体発見まで、主人室からは一切の物音がしなかったという。 広間に戻ると、高来龍二が猫を相手に遊んでいた。 猫に向かって「まおまお」と呼びかける龍二の姿を、千鶴は真剣なまなざしで見つめる。 主人室の真下に在る客室には、美和と藤堂がいた。 彼女はパーティーの準備を手伝う為、この客室に泊まっていたのだ。 美和によると、蔵人は克己が最近闇市に出入りしていることを知り、以前より強く蒔彌と克己の交際に反対するようになったらしい。 ちなみにその闇市は、盗品の美術品を専門に取り扱うマーケットだ。 322 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 01 47 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part13 いつの間にか夜が明けていたが、三人娘は気力を振り絞り捜査を続ける。 まず横浜港に向かうと、黒潮丸の前に栗山刑事がいた。 なんでも、昨日ようやく軍から黒潮丸での殺人事件についての連絡が警察にあり、今日から警察も捜査を行うことになったという。 一等1号室で栗山に調査の情報を聞くと、この部屋からモンシロチョウの死骸が見つかったという。 聞くところによると嵐の夜、ときどき風に巻かれたモンシロチョウが舟に飛び込んでくることがあると言う。 つまり、事件当夜1号室の部屋の窓は空いていた。 そして畑中中佐は窓の外から狙撃された可能性が在る、と三人娘は推理する。 しかし、栗山によると事件当夜は嵐のため、1号室窓側のタラップに出る通路は全て封鎖されていたらしい。 後甲板に行くと巴が、客室窓の上方には救命ボートが吊るされていることに気づく。 あの晩、タラップに出られなくともこの救命ボートに事前に隠れておき、 人が居なくなったところを見計らってボートを1号室窓の高さまで降ろす。 そうすれば、畑中中佐を外部から狙撃することも出来たはずだ! 兵藤家に行くと、克己が蔵人殺害の情報を知り、蒔彌の身を心配していた。 現在彼は龍二に監視されており、浦安家に行きたくとも行けない状態だという。 克己に闇市に出入りしている理由を問いただすと、茂徳の命令で盗まれた阿弥陀像が売りに出されていないかどうか、確認に行っているという。 カフェ山茶花に行くと、長田が三人娘を待っていた。 志田侯爵は、時人釈放に向け力添えをしてくれるそうだ。 ただ最近、数馬が妙な派閥に入ってしまったと侯爵は心配しているという。 その派閥とは、陸軍内部でも過激な思想を持つ若手将校の集まりで、木越元大臣は彼らの目の敵にされているらしい。 323 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 03 14 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part14 ここまで来て三人娘は、畑中中佐殺害の犯人を推理するのに必要な情報を集めきった。 情報を整理し、推理を開始する。 まず、怪盗と畑中殺害の犯人は別人である。 そして、怪盗と畑中殺害の犯人それぞれが仏像を狙っていた。 そう考えなくては、なぜ久下と畑中の二人が同じ船の中で殺されたのか、説明がつかない。 そして、畑中中佐殺害の犯人は志田数馬で、彼の計画に兵藤茂徳も協力していた。 だが怪盗が、志田と兵藤を出し抜いて阿弥陀像と釈迦像を奪った。 以上のように推理を組み立てた三人娘は、浦安家に志田数馬たちを呼び出すことにする。 そして1時間後、三人娘は志田、兵藤、龍二と浦安家の主人室で相対していた。 まず兵藤に、なぜ当初は出し渋っていた阿弥陀像を、あっさり軍に供与したのか訪ねる。 そして、像を供与して軍に恩を売っておきながら、架空の怪盗の仕業にして後で取り返すつもりだったのではないか、と問いただす。 そして証拠として、特別船倉にあった高来龍一の死体が、左手に短刀を持っていた事実を突きつける。 龍一は本来右利きだった。 にもかかわらず左手に短刀を握っていたのは、利き手である右手に大切な阿弥陀如来像を抱えていたからではないか。 さらに、事件の晩克己が特別船倉からシナ語で言い争う声を聞いている事実も明らかにする。 そして、高来龍一・龍二兄弟は日本人ではなくシナ人だ、と看破する。 その証拠は、浦安家で龍二が猫に「まおまお」とシナ語の鳴き声で呼びかけていたことだ。 あの晩起こったことは以下のとおりだ。 兵藤の命令で、龍一が特別船倉に阿弥陀仏を盗みに行く。 この際、鍵は志田数馬から借り受けておく。 そして龍一は、警護に当たっていた坂田を殺害し、阿弥陀仏を盗み出す。 しかし、ここで大きな誤算が起こった。 架空の存在だったはずの「怪盗」は、実在したのだ。 怪盗は龍一が阿弥陀仏を盗み出したのを見届けると、彼を殺害し阿弥陀仏を奪い去った。 一方志田は、自らの独善の為、以前から畑中中佐を軍から排斥する計画を立てていた。 過激派に属する志田にとっては、木越元大臣に近い畑中を殺すことは正義だったのだ。 そして志田は、今回の輸送計画で兵藤たちに協力しあえて仏像を盗ませることで、 計画の責任者である畑中中佐が責任を取り自殺した、というシナリオで中佐を殺害することにした。 事件当夜、志田は部下をあらかじめ救命ボートの中に待機させておいた。 そして、事前に畑中にモルヒネを投与し、彼の意識を曖昧にした上で、窓に向かって横向きになるよう椅子に座らせる。 また、机の上に「防共協定に関する初動試案」の書類を広げておく。 準備が整った後、志田は自室で利根川らと打ち合わせを行いアリバイを作り、その間救命ボートの中の部下が、窓の外から畑中を撃つ。 翌朝、遠峰と共に一等1号室を訪れた志田は、遠峰に時人を呼びに行かせているうちに、偽装工作を完成させる。 まず、死体の座った椅子の向きを窓に背を向けるように変える。 畑中は右即頭部から左即頭部に向かってこめかみを打ち抜かれており、 死体の向きを変えることで畑中が窓の外から撃たれた、と疑われる可能性を消した。 また、机の上に散らばり、畑中の血を受け止めた「防共協定」の書類を、椅子の左側にぶちまける。 これにより、死体の向きを変えたことで不自然になる血の位置を、さも自然な状態であるかのように演出したのだ。 324 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 03 52 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part15 これならば、畑中の死体からモルヒネが検出されたり、彼が機密書類をぶちまけたまま死んでしまった理由も説明がつく。 ここまで巴が説明したところで、突如時人が現れる。 時人は、彼がある人物の力添えで釈放されたこと、そして畑中中佐殺害の実行犯、梶田誠が逮捕され、全てを自供したことを告げる。 追い詰められた志田と茂徳、龍二は浦安家からの脱出を試みる。 しかし龍二は滋乃と千鶴に、茂徳は巴と蘭丸に取り押さえられる。 そして、屋敷の外にたどり着いた志田数馬の前には、利根川率いる憲兵隊が立ち塞がっていた。 志田たちは逮捕・連行された。 そして、以前よりもずっとやわらかい物腰で、利根川は三人娘にこれまでの礼を述べる。 これまで利根川に抱いていた印象とのギャップに、三人娘は驚く。 時人によると、時人拘束も時人釈放も、利根川の指示で行われたものらしい。 畑中殺害の背景には巴たちの推理どおり軍内部の思想対立があり、実は利根川は輸送計画立案段階からから志田を監視していた。 輸送計画そのものが、民間の探偵に護衛を頼むなどあまりにも仰々しくリスクの大きいものだったからだ。 ただ、さすがの利根川も志田の目的が畑中殺害にあることは見抜けなかった。 畑中殺害後、利根川は志田に対する監視を一層強化するが、彼の派閥は軍内部でも勢力が在るため、 志田を疑っていることを悟られないよう、カモフラージュの為時人を拘束したのだという。 ちなみに志田と茂徳が御神楽探偵事務所に仏像護衛を依頼したのは、いざというときのスケープゴートにする為だったようだ。 また、時人は畑中の死体第一発見者が志田と遠峰だったことが判明した時点で、志田のことを疑い始めていた。 事件発覚当時、志田がドアの小窓から1号室を覗き畑中の死体を発見した、とのことだが、 志田以外の人物がこの時同時に小窓を覗き込んでいたら、志田に一切の偽装工作は出来なかった。 そこで志田は、絶対にドアの小窓を覗き込めないような身体的能力の持ち主、つまり杖をついた老人で義手義足の遠峰を同行者に選んだのだ。 さらに、遠峰なら歩行速度が遅い為偽装工作の時間稼ぎも出来る。 この志田・遠峰の組み合わせを聞いたとき、時人は「偽装工作の行いやすい、志田にとって都合のいい組み合わせだ」と感じ、彼を疑い始めた。 畑中殺害の真相を暴いた事務所メンバーは、利根川に見送られ今度は「怪盗」を逮捕する為の操作を始めるのだった。 325 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 04 27 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part16 翌朝三人娘が事務所に来て見ると、時人の姿は無かった。 どうやら時人は、何か調査をしに山形まで出かけているらしい。 横浜港では、栗山刑事が検死結果の報告を待っていた。 黒潮丸で殺された畑中、坂田、龍一、久下の検死結果はこれまで軍が握っており、警察まで回ってこなかったらしい。 ただ、久下については高柳が船中で開腹し、検死報告を書いておいたらしい。 また、今回の事件で奪われた仏像はそれぞれ「三尊阿弥陀如来像」と「三尊釈迦如来像」なのだそうだ。 「三尊」という名前からして、もしかしたらもう一体同じように貴重な仏像が在るのかもしれない。 浦安家の裏庭では、利根川が部下を叱り付けていた。 なんでも蔵人殺害の夜、裏庭に設置されたサーチライトの照射位置が何者かによってずらされていたのだ、という。 本来はそれぞれ別々の位置を照射しているはずのサーチライトが、浦安の部屋の窓の下を同時に照射していたのだという。 主人室には、諸星警部の姿があった。 蔵人の検死の結果、体内から睡眠薬が検出されたという。 パーティーを控えた家の主人が睡眠薬を飲むとは思えない。 犯人が、何らかの方法で薬を飲ませたと考えるべきだろう。 蒔彌の部屋で、蒔彌に蔵人の机の上にあった脱脂綿の乗ったシャーレについて訪ねる。 すると、それは手紙を出す際に切手をぬらすための脂綿だと教えてくれた。 ただ、蔵人殺害発覚時に脱脂綿を調べた時、脱脂綿はからからに乾いていた。 不審に思う三人娘に蒔彌は、蔵人は切手を舐めて張る癖があったため、脱脂綿は使っていなかったのではないか、と言う。 事務所に戻った三人は、三尊仏のことをかつて『夢男』事件で知り合った無明住職に尋ねることを思いつく。 早速電話してみると、無明は「三尊とは阿弥陀仏如来、釈迦如来、薬師如来のことだ」と教えてくれる。 やはり、今回盗まれた阿弥陀像と釈迦像とセットになる薬師如来像があるようだ。 さらに事件の詳細を無明に伝えると、なんとその薬師如来像はこの間まで新潟にあったという。 殺された久下が、薬師如来像を大金で新潟の富豪に売っていたのだ。 そして、つい最近その像は泥棒に盗まれてしまったと言う。 そう、『夢男』の犯人倉賀父子の墓参りに、時人と蘭丸と美和とが新潟を訪れた際遭遇した『暗闇の手触り(第8話)』事件。 この事件に登場した仏像泥棒が盗んでいった仏像こそが、問題の薬師如来像だったのだ。 これで、ついに今回の事件の被害者に共通点が見出された。 殺された久下と浦安は、三尊仏像の所有者だったのだ。 そこに、山形から時人が帰ってくる。 彼は、久下が三尊物のうちの薬師如来像を持っていなかったかどうか、浦安たちより前に三尊仏を持っていたとされる人物に会いに、 山形のアトリエまで確認に行っていたのだという。 ただ、その人物はもう山形にはおらず、アトリエも廃屋になっていたそうだ。 途方にくれる時人に三人娘は、久下が薬師如来像の持ち主だったことを突き止めた旨伝える。 始めは喜んでいた時人だったが、その他の調査報告を聞くにつれ、彼の顔は次第に蒼ざめていく。 そして、呆然とした様子で所長室に篭ってしまった。 時人のただ事ではない様子に、三人娘は不安を覚える。 326 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 04 57 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part17 時人は所長室を出ると、事件の真相について遠峰に聞きたいことが在る、と三人娘を連れ帝国ホテルへ向かった。 残された蘭丸が手持ち無沙汰にしているところに、美和が訪れる。 「先生はきっと真実にたどり着いたんですよ」と蘭丸が美和に笑顔で伝えると、彼女も「そう、きっとそうね・・・」と微笑んだ。 そう、時人はたどり着いたのだ。 知らないほうが良かった真実に。 遠峰と対峙する時人の顔は、相変わらず蒼ざめていた。 時人は、事件の真相がわかったので聞いてもらいたい、と遠峰に告げる。 まず、事件の情報を整理する。 今回の事件で、志田数馬一味によって殺されたのは畑中秋之介中佐と坂田軍曹の二人であることは、すでに判明している。 しかし、彼らは三尊阿弥陀仏の奪取には失敗していた。 つまり、久下直人、高来龍一、浦安蔵人の3人は三尊阿弥陀仏と三尊釈迦仏を奪った怪盗に殺害されたことになる。 では、蔵人殺害後いくらでも持ち出す機会のあった釈迦如来はともかく、怪盗はどうやって阿弥陀仏を黒潮丸から持ち出したのだろうか。 黒潮丸下船の際、乗客乗員は全員軍による荷物検査を受けていたのだ。 時人は、阿弥陀仏持ち出しはある人物の協力の下行われた、と説明する。 その人物とは、高柳紀久男医師。 高柳は船内で久下直人の死体を検死の為、開腹していた。 阿弥陀像は、その際久下の死体の中に隠されたのだ。 さすがの軍も、さすがに死体の腹の中まで調べようとはせず、こうして怪盗はまんまと阿弥陀像を持ち出したのだった。 高柳が船内で開腹を行ったのは、検死の為ではなく最初から仏像を隠す為だったのだ。 下船後、高柳は検死報告引継ぎの為と称し、遺体に付き添っていた。 その際、再び久下の遺体を開腹し仏像を取り出したのだろう。 そして、高柳が怪盗に協力した理由は、彼が怪盗に同情した為だ、と時人は告げる。 どうやら、怪盗と高柳との間には古くからの付き合いがあったことを時人は既に調べているようだ。 久下直人殺害は後回しにし、次に高来龍一殺害について検討する。 すでに、龍一が兵藤茂徳の指示により坂田軍曹を殺害し、特別船倉から阿弥陀仏を持ち出したことは確認されている。 そして、龍一が阿弥陀仏を持ち出したところを、待ち伏せていた怪盗がまんまと殺害、阿弥陀仏を奪った。 怪盗は志田一味の計画を事前に察知しており、彼らの計画を利用したのだ、と時人は言う。 どのようにして怪盗が志田一味の計画を察知したのか、と聞く遠峰に対し時人は、 怪盗は以前から兵藤の人物を良く知っており、なおかつ軍内部の思想対立まで知っていた為、志田の立てた不自然な輸送計画の裏に気づいたのだ、と答える。 この三尊阿弥陀仏強奪で、怪盗は正体を示すような証拠を残さなかった。 しかし、次の三尊釈迦仏強奪で、怪盗は重大な証拠を残していた。 それは、怪盗の主人室への進入経路だ。 蔵人殺害事件当時、主人室の入り口は兵士によって固められていた。 すると、怪盗は窓伝いに主人室へ侵入したと考えられる。 しかし、事件当時主人室の窓は軍のサーチライトで照らされていたはずだ、と巴が反論すると、 時人は、そのサーチライトの照射位置が何者かによって動かされていたことを思い出して欲しい、と言う。 怪盗はサーチライトの照射位置をずらすことでハレーションを引き起こし、主人室への進入経路を確保していたのだ。 ハレーションとは、ある特定の角度で2つの白色光を照射すると、光の重なる部分にあるものが見えなくなってしまう現象だ。 浦安家は蔦に覆われている為、その中に進入用のロープを隠しておき、ハレーションの中そのロープを伝って、1階から2階の主人室に登ったのだ。 そして、時人は苦渋の表情を浮かべながら驚愕の真実を口にする。 怪盗の正体は、この進入経路の成立する場所に事件当時いた人物。 つまり、主人室の真下に在る客室にあの晩いた人物。 それは、守山美和だった。 事務所のメンバーにとって、歳の近い母親のような存在。 事務所の入っているビルのオーナー。 事務所開設当時から、時人を暖かく見守ってきてくれた人。 そして、時人が憧れる女性。 そんな美和が犯人である、という時人の言葉を三人娘はにわかには信じられない。 すると、時人は先ほど諸星警部から、浦安家主人室の切手の裏から、睡眠薬が検出されたとの報告があった、と伝える。 蔵人殺害当日、便箋と切手を用意したので蔵人に届けて欲しい、と三人娘に頼んだのは美和だった。 新潟にあった三尊仏の一つ、薬師如来像が奪われたのは、美和が時人・蘭丸と共に新潟を訪れている時だった。 327 :続・御神楽少女探偵団~完結編~:2007/10/07(日) 03 06 19 ID D/TNs02A0 ☆最終話『さ・よ・な・ら』part18 遠峰は、久下殺害について時人に尋ねる。 あの時、美和は久下と同じ和食膳を、同じテーブルで食べていた。 そして、毒入りの和食膳が久下に配られるか美和に配られるかは、事前的にはわからないことだったのだ。 つまり、2分の1の確率で美和は毒入りの食事を食べていたことになる。 なぜ彼女はそんなことをしたのか、という疑問に時人は答える。 あれは、彼女の賭けだったのだ、と。 美和は、2分の1の確率で自分が毒を飲んでもいいと思っていたのだ。 彼女は本来、殺人などできる人間ではない。 しかし、なんとしてでも久下たちを殺し、三尊仏を奪わなくてはならない。 悩んだ末、彼女は賭けに出た。 もしここで自分が毒を飲んだら、それで三尊仏奪取計画は終わり、誰も手にかけずに済む。 しかし、もし自分が生き残ったら、それが自分の運命、計画を続行する。 これが、美和の思いだったのだ。 ここまで聞かされた遠峰は、時人の推理が正しいことを認める。 実は、遠峰は最初から美和の計画を知っており、彼女を支援していたのだ。 遠峰は美和が美術商になる為の世話をした人物、つまり美和の過去を知る人物。 時人は遠峰に、美和が一連の犯行を犯した動機を尋ねる。 遠峰は、美和の過去を語り始めた。 8年前、山形のある小さな美術商が、首を括って死んだ。 その男は遠峰の弟子で、人が良すぎるきらいのある、好人物だった。 彼が自殺した理由は、美術商仲間に三尊仏という貴重な仏像をだまし取られてしまったことだったという。 その美術商仲間が、久下直人、兵藤茂徳、浦安蔵人の三人だったのだ。 そして、自殺した美術商の妻こそが、美和だった。 美和は久下達への復讐を誓い、それを知った遠峰が彼女を旧姓に戻し、それまでの美和とは全く別人の美術商に仕立て上げた。 美和と久下たちとは直接の面識が無かった為、美術商となった彼女が久下たちに近づくのは簡単だった。 ここまで来て、時人は美和に会い、彼女に自主を勧める決心をする。 遠峰は、賭けに勝ってからの美和は死すら覚悟している、説得できるのか、と訪ねる。 すると時人は、「・・・それでも、僕は彼女を死なせはしません!」と力強く答える。 守山美術に向かうと、店はもぬけの殻だった。 時人は、美和が山形のアトリエに、彼女と今は亡き夫がかつて暮らした家に向かったことを直感する。 滋乃が自動車を手配し、一同は大急ぎで問題のアトリエに向かう。 雷鳴の中、自動車は絶壁の上から海を眺めるアトリエに着いた。 時人は三人娘を残し、アトリエに踏み込んでいく。 アトリエの中でまず目にしたものは、見事に割腹して果てた藤堂弥八郎の遺体だった。 そして、アトリエの2階には、美和の姿があった。 裁判になっても情状酌量の余地は十分にある、自分と一緒に来て自首して欲しい、という時人の説得を美和は拒む。 自分が捕まれば、御神楽探偵事務所はどうなるか。 怪盗がオーナーのビルに事務所を構えていた探偵、女怪盗ととても親しくしていた探偵。 御神楽探偵事務所の評判は、地に堕ちる。 そんなものはどうだっていい、という時人の言葉を、美和は力強く否定する。 あなたは、これからもその力で多くの人々を救っていかなければならないの、と。 そして「時人さん、ごめんなさい。私はあなたをだまし続けてきた、悪い女」と、絶壁に身その身を投げる。 「ま、待って!ぼ、僕は貴方を・・・!」 絶叫もむなしく時人の伸ばした手は宙を掴み、美和の体は漆黒の海へと消えていった。 こうして、御神楽探偵事務所最後の事件は、幕を閉じた。 あれから2週間が経ったが、事務所はいまだ悲しみの空気に包まれていた。 千鶴は、結局今回の事件をモデルに書き進めていた小説続編の原稿を焼却した。 時人は、憧れの人を救えなかった自責の念からか、所長室にこもり外に出てくることは無かった。 しかし、そんな彼も巴たちの支えにより、徐々に明るさを取り戻していくのだった。 御神楽少女探偵団&続・御神楽少女探偵団~完結編~ 完
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シロ クロ フレキ ゲリ ランシャオ チカ ジュン チョーサク ショージ メキボス ユング=フロイト アラン=イゴール イゴール長官 ウルベ=イシカワ カリウス ミリィ=チルダー ミヤマ=アスフィー ハッシャ=モッシャ ギレン=ザビ キシリア=ザビ ドズル=ザビ パーガン ※図鑑本文の改行をそのまま採用。 ※一言モードについて F及びF完結編の一言モードは、 数種類のメッセージの中からランダムに一つが再生される(順番に再生されるということはない)。 なので、全てのメッセージを網羅できていない可能性がある。 シロ (シロ) オリジナル 声優:なし マサキの使い魔(ファミリア)。マサキの無意識の一部を 切り取って作られた存在。シロネコの姿をしており、 男性(アニムス)的思考の持ち主。 同じファミリアのクロとはよくマンザイのような会話をかわしている。 戦闘時にはサイバスターの武器、ハイファミリアと融合し マサキの意志どおりにハイファミリアを操る。 クロ (クロ) オリジナル 声優:なし マサキの使い魔(ファミリア)。マサキの無意識の一部を 切り取って作られた存在。クロネコの姿をしており、 女性(アニマ)的思考の持ち主。 マサキや、同じファミリアのシロとは違い、かなり理性的であり、 ツッコミ役。 戦闘時にはサイバスターの武器、ハイファミリアと融合し マサキの意志どおりにハイファミリアを操る。 フレキ (フレキ) オリジナル 声優:なし テュッティの使い魔(ファミリア)主人に似て礼儀正しいが、 マサキのファミリア、シロとは仲が悪く、顔をあわすとケンカばかり している。戦闘時にはガッデスのハイファミリアと融合する。 ゲリ (ゲリ) オリジナル 声優:なし テュッティの使い魔(ファミリア)シロ、クロとは違いオス、メスの 区別はない。性格的にはフレキが陽、ゲリは陰である。 そのため、サポートにまわることが多い。 戦闘時にはガッデスのハイファミリアと融合する。 ランシャオ (ランシャオ) オリジナル 声優:野田圭一 ヤンロンの使い魔(ファミリア) 風生獣の姿をかりて作られている。 風生獣とは、古代中国の幻獣で、炎に焼かれても 死なないという。青みがかった黒豹の姿をしている。 主人であるヤンロンに忠実で、ていねいな物腰をくずさない。 今回は声までついて、いっそうロ○ムに似てきた。 一言モード1:お任せください、ご主人様。 一言モード2:かしこまりました、ご主人様。 チカ (チカ) オリジナル 声優:なし シュウの使い魔(ファミリア)でラングランに 生息する鳥、ローシェンの姿をしている。 口やかましく、おしゃべりで金に意地汚い。 ちなみにチカという名は、某速エスパーのロボット鳥から とっているのだが、気づいた人は何人いるのだろう? ジュン (ジュン) オリジナル 声優:なし ミオの使い魔。モデルは・・・・大阪府知事ではありません。 あれは漫画トリオ。 チョーサク (チョーサク) オリジナル 声優:なし ミオの使い魔。歌が得意。 ショージ (ショージ) オリジナル 声優:なし ミオの使い魔。この人の名前が、ぱっと思い浮かんだ人は、 かなりのマニア。 メキボス (メキボス) オリジナル 声優:石田彰 「第3次」で死亡したと思われていたが、サイボーグ手術で蘇る。 その費用600万ドル? インスペクターは「第3次」でロンド=ベルに敗れた後、 地球に対して非干渉の立場をとる事に決定。 メキボスは、ロンド=ベルと戦った経験を買われて、枢密院の 特使となる。 彼自身は万丈とのいきさつもあり、ロンド=ベルに対して好意的。 一言モード1:ロフ!もうよせ!終わったんだ!! 一言モード2:ゼゼーナン!これで最期だ!! ユング=フロイト (ユング) トップをねらえ! 声優:川村万梨阿 ソビエト出身、ノリコ達がシルバースターで出会った、 月面基地の宇宙戦闘の天才。 本人曰く、人見知りするらしい。 コーチの事が好きだったが、結局告白も出来ず、 カズミに譲ってしまった。 誕生日がノリコと同じで、9月の12日。 オオタコーチと結婚し、地球に残ったカズミに代わり、 バスターマシン2号のパイロットに。 最終決戦時、バスター2号をカズミに譲った後は、 量産型のシズラーブラックに搭乗。 一言モード1:ジャコビニ流星アタァァァァーック!! 一言モード2:そんな力でシズラーと戦おうっていうの? 一言モード3:天才の名は伊達じゃないのよ! アラン=イゴール (イゴール) 超獣機神ダンクーガ 声優:田中秀幸 このゲームのもう一人の黒騎士。 獣戦機隊がピンチに陥ると現れるナゾの人物だった。 正体はイゴール長官の息子で、父の古いやり方に反発し、 自ら私軍を率いてゾルバドス軍と戦っていた。 自己犠牲のもとで成り立つ戦闘を嫌い、 情報を元にした戦術的戦闘を得意とする。 やがて父と和解し、戦死した父の遺志を継いで 獣戦機隊に協力。月での戦いで敵基地に特攻し、散る。 一言モード1:君達は古い軍人の亡霊に操られているんだ。 一言モード2:親父、あんたの生き方を精一杯否定して来たが・・・俺にも同じ、熱い血が流れていたようだな。 蛙の子はやはり蛙か・・・。イゴール将軍・・・親父・・・俺の戦いを見ていてくれ! イゴール長官 (イゴール長官) 超獣機神ダンクーガ 声優:なし フルネームはロス=イゴール。 獣戦機隊のメンバーを選出し、組織した長官。 考え方が古く、堅物で融通が利かない。 息子アランとは憎しみ合い、決別している。 獣戦機隊基地での攻防で、ローラとアラン、 そして獣戦機隊の4人の子供達に未来を託し、 息子アランにみとられその生涯を閉じる。 ウルベ=イシカワ (ウルベ) 機動武闘伝Gガンダム 声優:飛田展男 ネオジャパンの軍人で、かつてはガンダムファイターであった。 後半、いきなりの豹変ぶりに驚いた人も多いのでは? しかし、あの筋肉はどう見ても安○キャラにしか見えん・・・・ スネ毛が濃そうではある。 一言モード1:ハハハハハ、己の無力さを呪うがいい! 一言モード2:貴様ら烏合の衆に何が出来るものか! カリウス (カリウス) 機動戦士ガンダム0083 声優:飛田展男 デラーズフリート軍、軍曹。 アナベル=ガトーのもとで共に一年戦争を戦い抜いた 唯一の生き残り。 最終決戦においてガトーのもとに走ったニナを アクシズ先遣艦隊まで連れていった。 その後の活躍は謎につつまれている。 一言モード1:しまった!?ガ、ガトー大佐・・・! ミリィ=チルダー (ミリィ) 機動戦士ガンダムZZ 声優:水谷優子 アナハイムエレクトロニクスの社員。 芯の強いしっかりした娘。グラナダから、 新兵器メガライダーを届ける為に ムッチャーと共にアーガマを訪れる。 以後もラビアンローズ等でアーガマを支援した。 トーレスに想いを寄せていたらしい。 一言モード1:しっかりして下さいエマリー艦長代理!あなたがそんなことでどうするんですか! ミヤマ=アスフィー (アスフィー) 重戦機エルガイム 声優:原えりこ 山賊ミヤマ=リーリンの娘。 ハッシャに母の敵はダバだと教えられ、 ギャブレーの配下として彼を狙う。 だが、真相に気付いた彼女は軍を離れる。 卑怯なやり方を嫌い、正面から戦いを挑む。 この辺は母親のリーリンにも見習っていただきたい。 一言モード1:危なくなると、人は嘘を言う! 一言モード2:母のカタキ・・・ダバ=マイロード、覚悟! ハッシャ=モッシャ (ハッシャ) 重戦機エルガイム 声優:戸谷公次 アムのいた盗賊グループ、リーリン一家の副頭。 だが、リーリンを裏切り、殺害する。その後、アムの誘いで ダバ達と行動を共にするようになったが、あまりに劣勢な反乱軍に 愛想をつかし、ギャブレーの部下となる。 裏切りの連続だったが、行動原理が単純明快なため、 陰湿なイメージはなかった。 一言モード1:冗談じゃないぜ。当てないように撃つほうが、よっぽど腕が要るんだぜ! 一言モード2:俺だってこんな真似はしたくはないが、ポセイダルを倒そうってお前らが、 ギャブレー一人にてこづってるってんだ。愛想も尽きるぜ・・・ ギレン=ザビ (ギレン) 機動戦士ガンダム 声優:銀河万丈 デギン公王の長男で、ジオン軍総帥。 父デギンの隠居とともに実質的なジオンの指導者となった。 ジオン中心の世界を作るという選民思考を持つ。 ソーラレイによって父を手にかけ、 キシリアによって射殺される。 デギン曰く、ヒトラーの尻尾。 一言モード1:私に面と向かってよく仰る・・・ 一言モード2:あえて言おう!カスであると!! 一言モード3:折角減った人口です。これ以上増やさずに優良な人種だけを残します。 人類の永遠の存続のために、地球圏を汚さぬためにです。 そのコントロールには、船頭が少ない方がよろしいかと。 一言モード4:さてドロス・・・うまくやれよ。 一言モード5:老いたな、父上も・・・時既に遅いのだがな。 一言モード6:フ、冗談はよせ。 一言モード7:私の弟を!諸君らが愛してくれた、ガルマ=ザビは死んだ!なぜだ!? 一言モード8:では、そういうことだ。 キシリア=ザビ (キシリア) 機動戦士ガンダム 声優:小山茉美 デギン公王の長女。堅実な政治的手腕を持ち、 戦場では冷徹で正確な判断を下す。 その活動は地味だが、ニュータイプの研究や、 鉱物資源の確保などを統括している。 シャアのザビ家打倒の標的となり死亡。 一言モード1:おふざけでない。全く問題にならぬプランです。 一言モード2:赤い彗星も、地に墜ちたな。 一言モード3:結構なことで・・・ 一言モード4:男子の面子、軍の権威。それが傷つけられても、ジオンが勝利すればよろしい。 ドズル=ザビ (ドズル) 機動戦士ガンダム 声優:郷里大輔 ザビ家の次男。根っからの武人で、 その醜悪な顔つきとは裏腹に、部下思いの実直な性格で、 兵にはとても人気がある。 また、良き夫でもあり、良き父でもあった。 自らが囮となってビグザムで出撃し散っていく。 一言モード1:うぉぉぉ、やらせはせん、やらせはせん、やらせはせんぞぉぉ!! 一言モード2:このビグザムが量産の暁には、連邦など・・・ 一言モード3:フン、このビグザム、長距離ビームなどどうということはないわ! 一言モード4:戦いは数だよ、兄貴! パーガン (パーガン) 新機動戦記ガンダムW 声優:なし ドーリアン家の運転手。 執事としてピースクラフト王家に仕えていたが王国崩壊後、 ドーリアン家においてリリーナの成長を見守った。 幼い頃のミリアルド(ゼクス)にフェンシングを 教えていたこともあるようである。 オプション情報大事典に戻る
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ハヤト=コバヤシ ルー=ルカ エルピー=プル プルツー リィナ=アーシタ ビーチャ=オーレグ イーノ=アッバーブ モンド=アガケ エル=ビアンノ マシュマー=セロ イリア=パゾム ゴットン=ゴー ラカン=ダカラン アリアス=モマ エマリー=オンス ミネバ=ザビ シーブック=アノー セシリー=フェアチャイルド ビルギット=ピリヨ クリスチーナ=マッケンジー バーナード=ワイズマン コウ=ウラキ ※図鑑本文の改行をそのまま採用。 ※一言モードについて F及びF完結編の一言モードは、 数種類のメッセージの中からランダムに一つが再生される(順番に再生されるということはない)。 なので、全てのメッセージを網羅できていない可能性がある。 ハヤト=コバヤシ (ハヤト) 機動戦士Zガンダム 声優:なし 元ホワイトベースのクルーで、ガンタンク、ガンキャノンのパイロット。 一年戦争後フラウと結婚、カツ、レツ、キッカを養子として ひきとる。 グリプス戦争時にはエゥーゴの支援組織、カラバの一員として アウドムラの艦長となるが、ダブリンへのコロニー落としの際に、 ジュドーを守って戦死する。 ルー=ルカ (ルー) 機動戦士ガンダムZZ 声優:松井菜桜子 エゥーゴの志願兵。ZZのコアとなるコアファイターを アーガマに届けた。 ジュドーガZZに乗り換えた後はZのパイロットになる。 気が強く負けず嫌い。エゥーゴの大義を信じている。 敵であるグレミーにほれられるが、最後は自らの手で彼を葬り、 涙する。 ジュドーに対して好意をもってはいるが、 たがいに衝突することが多い。ジュドーとともに木星に旅立つ。 一言モード1:私のこと、好きだってゆうの・・・忘れないよ・・・・・・ エルピー=プル (プル) 機動戦士ガンダムZZ 声優:本多知恵子 グレミーがひそかに育てていた、アクシズの強化人間。 ニュータイプ能力は高いが、まだ小さな女の子であり、 闘いを遊びとカン違いしているフシもある。 ジュドーと共鳴し、彼にかまって欲しくてダダをこねる。 おフロとチョコレートパフェが大好き。ジュドーとともにいたいがために、 アーガマのクルーとなるが、自らのクローン、プルツーの サイコガンダムmkⅡと闘い、ジュドーを守るためにその命を落とす。 一言モード1:プルプルプルプルプルーッ!! 一言モード2:ジュドー、遊ぼ! プルツー (プルツー) 機動戦士ガンダムZZ 声優:本多知恵子 グレミー秘蔵のニュータイプ部隊、プルのクローンの一人。 プルと戦った際に、同じ存在であるがゆえの憎悪にかられ プルを殺してしまう。 プルとは異なり好戦的に教育されており、残酷な面をもっている。 しかし、ジュドーと戦った時にプルの幻に導かれ、 ジュドーのもとへ参じる。 重傷を負った体でジュドーを救うために力を使い果たし息絶える。 一言モード1:さかしいよ! リィナ=アーシタ (リィナ) 機動戦士ガンダムZZ 声優:岡本麻弥 ジュドーの妹で、兄とは違い、しっかりものである。 ルーと間違われてグレミーにさらわれ、レディとしての教育を 受けさせられる。ジュドーに助けだされるが、 脱出時にジュドーをかばって負傷、隠れていた倉庫が流れ弾で 破壊され、死んだと思われていた。しかし、セイラによって 助けだされており、木星へ旅立つ寸前のジュドーと再会をはたす。 一言モード1:お兄ちゃんがダメになるくらいだったら、学校なんていかない! 一言モード2:あなたたち!お兄ちゃんを悪の道に引っ張りこまないでちょうだい! 一言モード3:お兄ちゃん! 一言モード4:お金儲けだけに一生懸命なお兄ちゃんなんて、キライだ! 一言モード5:こんなの違う!あたしはこんな大人になるために生きてるんじゃない! ビーチャ=オーレグ (ビーチャ) 機動戦士ガンダムZZ 声優:拡森信吾 シャングリラでジュドーとともにジャンク屋をやっていた少年。 グループのリーダー格で、ジュドーとともにZガンダムを盗みだそうと アーガマに侵入、うやむやのうちにアーガマのクルーとなる。 その後も敵に寝返ったりしていたが次第におちつき、 百式に乗るようになる。 後には新造艦ネェル・アーガマの艦長代理になった。 エルが好きだが、エルがジュドーに気があるのを知っているため、 態度にださない。 一言モード1:誰かさんの気分が別のところに行ってたから、気が付かなかったのか? 一言モード2:大人たちが勝手に始めた戦争に、なんで子供の俺達が戦って、尻拭いしなきゃなんないんだよ! 一言モード3:兄貴がだらしないと、妹は苦労するね。 イーノ=アッバーブ (イーノ) 機動戦士ガンダムZZ 声優:菊池正美 シャングリラでのジュドーのジャンク屋仲間。 内気でおとなしい少年。機械類のあつかいが得意で、 アーガマではブリッジ要員を務めた。 ビーチャやモンドの悪だくみを何度も止めようとするが、 いつも押し切られてしまう。 一言モード1:僕やだよ、こんな格好・・・ 一言モード2:もうやめようよ、こんなこと! 一言モード3:父さんがね、友達は大事にしろっていったんだ。決して裏切ってはいけないって。 一言モード4:やっぱりやめる!アーガマを売るなんて汚いよ! モンド=アガケ (モンド) 機動戦士ガンダムZZ 声優:塩屋浩三 シャングリラでのジュドーのジャンク屋仲間。メカに強い。 アーガマのクルーになってからも、しょっちゅうビーチャとともに 悪だくみしていたが、好意をもっていたムーン=ムーンのラサラが、 自分を守って死亡してからは、責任感をもった行動をとるように なった。 一言モード1:うわぁぁぁっ!もう限界だよ! 一言モード2:じゃあ聞くけどね!悲しめば、死んだ人間が生き返ってくるとでも言うのか、ええっ!? ・・・済んだことはさっさと忘れちまった方がいいのさ。人間なんて、死んじまえばそれっきりだ。 けど、けど、俺達はこれから先、ず~っと生きていかなきゃならないんだぞ! 一言モード3:もうこんな生活やだよ! エル=ビアンノ (エル) 機動戦士ガンダムZZ 声優:原えりこ シャングリラでのジャンク屋仲間。ジャンク屋時代は 情報担当。ジュドーらとともにアーガマに乗りこむ。 ジュドーに淡い愛情を感じている。ルーとは犬猿の仲で、 何かにつけてケンカばかりしている。 後にガンダムmkⅡに乗る。バイタリティあふれる、活発な少女。 一言モード1:あ~のオッパイおばけが! 一言モード2:あのさ・・・生きて戻ってきたら、もう一度聞かせてくれるかな、ビーチャ。 マシュマー=セロ (マシュマー) 機動戦士ガンダムZZ 声優:堀内賢雄 ネオ・ジオンの青年士官。騎士道とバラをこよなく愛する 熱血漢である。 ハマーンに盲目的な忠誠を誓いハマーンからもらったバラを 常に手放さない。 アーガマ攻撃に幾度となく失敗し、 お目付役としてキャラを送られたりしていた。 後に強化手術を施され、精神が不安定になってしまう。 グレミーの反乱部隊と戦うが、ラカン隊の数にまかせた攻撃に 敗れる。 一言モード1:ハマーン様、ばんざぁぁぁぁぁい!! 一言モード2:マシュマー=セロの名誉にかけて、必ずやご期待に応えてみせます、ハマーン様。 一言モード3:私はやられん!このマシュマー=セロ、己の肉が骨からそぎ取れるまで戦う! イリア=パゾム (イリア) 機動戦士ガンダムZZ 声優:吉田季実枝 強化人間となったマシュマーの副官。 実は強化手術によって精神が不安定になったマシュマーの お目付役として、ハマーンが送りこんだ人物。 一言モード1:マシュマーめ、強化し過ぎたか・・・ ゴットン=ゴー (ゴットン) 機動戦士ガンダムZZ 声優:戸谷公次 マシュマーの副官で文句の多い男。 したたかな一面を持っているが、どこかぬけていることも多い。 マシュマーが左遷された後はキャラの副官になるなど、 気苦労が絶えない。 トーレスの幼なじみ、セシリアを使ってアーガマ爆破を計画するが、 セシリアの決死の行動により阻止され、爆死。 一言モード1:く、苦しい・・・・・・見ていません、聞いていません!子羊のことなど何も知りません! 一言モード2:くそ~・・・出来の悪い上司を持つと、フォローするのも命がけだ。 一言モード3:ダブルゼータなんて怖くない!怖いのは格下げだけだ! ラカン=ダカラン (ラカン) 機動戦士ガンダムZZ 声優:大林隆之介 ネオ・ジオン軍の士官。 一年戦争を生き抜いてきた猛者で豪放な性格。 モビルスーツの操縦の腕も一流。 グレミーの反乱では、地球をもらうという約束でグレミーにつく。 一言モード1:腐りきった地球連邦の人間に、絶望という言葉があることを思い知らせてみせましょう、ハマーン様。 一言モード2:並のモビルスーツとは違うんだよ。 一言モード3:ふふふふふふ・・・今日はいい日だ。 アリアス=モマ (アリアス) 機動戦士ガンダムZZ 声優:大滝進矢 ハマーン率いるネオジオン、アクシズの輸送隊長。 グレミーの元に量産タイプのバウを運んできた。 一言モード1:たたっ切ってくれる! エマリー=オンス (エマリー) 機動戦士ガンダムZZ 声優:藤井佳代子 ドッグ艦ラビアンローズの艦長代理。 妻子あるブライトにあこがれており、一途な恋心をつのらせる。 ブライトの期待に応えんがため、ネェル・アーガマを守り ラビアンローズで特攻、ブライトの名をさけびつつ、宇宙に散る。 一言モード1:艦長! 一言モード2:ブライトォーッ!! 一言モード3:そうよ一心同体。前方弾幕薄いぞ! ミネバ=ザビ (ミネバ) 機動戦士ガンダムZZ 声優:なし ドズルの娘で、ハマーン率いるネオ・ジオンの総帥。 とはいえ、わずか8才の少女であり、実権はハマーンが握っている。 ハマーンにより、ジオンの後継者たるべく 歪んだ教育を受けたその姿は、クワトロを激怒させた。 だが、湖で遊んでいた姿は年相応のものであった。 第1次ネオ・ジオン抗争の際影武者と入れ代わり、 その消息は不明。どうやらシャアが連れ出したらしい。 シーブック=アノー (シーブック) 機動戦士ガンダムF91 声優:辻谷耕史 クロスボーン・バンガードの突然の侵攻により、 F91に乗りこむことになった。 母親がF91のバイオコンピューターの開発者であったため、 F91との相性はいいらしい。 敵味方に別れることになってしまった、ガールフレンド(?)の セシリーを何とか思いとどまらせようと、敵地に潜入するなど、 行動力はある。作品中ではかなり優等生的な性格として 描かれていた。 後にキン○ドゥ=○ウと名乗ったらしいが、今回のゲームでは 使えない。 一言モード1:逃げまわりゃ、死にはしない。 一言モード2:抵抗するんじゃない、いっちゃえよ! 一言モード3:こんなところにのこのこ来るから! 一言モード4:なんでこんなところに来るんだよ! 一言モード5:いいんだよ。セシリーはここに居てもいいんだ。 一言モード6:F91ガンダムは、シーブック=アノーで行きます! セシリー=フェアチャイルド (セシリー) 機動戦士ガンダムF91 声優:冬馬由美 コスモ貴族主義をとなえ、連邦政府に対抗しようとした クロスボーン・バンガードの指導者、マイッツァー=ロナの孫娘。 本名はベラ=ロナ。駆け落ちした母親に連れられ、育てられていた。 クロスボーン・バンガードの突然の侵攻にあわせ、次代をになう 後継者となるためさらわれる。 自分を救おうとしたシーブックが死んだものと思い、また 残された道がないことから、ロナ家の象徴として行動しようと 決意する。しかし父の怨念に触れ、生きていたシーブックと 出会った事で、彼のもとへ帰った。 一言モード1:前に出るから! ビルギット=ピリヨ (ビルギット) 機動戦士ガンダムF91 声優:塩屋翼 スペース・アークの乗組員の中で唯一MSの操縦ができた パイロット候補生。 鉄仮面の計画によって独断で送り込まれた バグの攻撃を受け、壮絶な戦死を遂げた。 一言モード1:戦場でよそ見をする奴がいるかよ! 一言モード2:昔さ、ニュータイプって、モビルスーツに関してはスペシャリストがいたよな。 そういうのって、大概個人的には不幸だったんだよな・・・。 クリスチーナ=マッケンジー (クリス) 機動戦士ガンダム0080 声優:林原めぐみ 通称クリス。地球連邦軍中尉。アムロ専用モビルスーツ NT-1アレックスのテストパイロット。 少年アルを通じてバーニィという青年と知り合い、 彼にほのかな好意をよせる。 アレックス破壊のため潜入してきた、ジオンのサイクロプス隊と闘う。 さらに、バーニィが乗っているとは知らずに彼の操るザクと闘い、 倒してしまう。 一言モード1:バーニィ・・・ バーナード=ワイズマン (バーニィ) 機動戦士ガンダム0080 声優:辻谷耕史 通称バーニィ。ジオンの学徒動員のパイロット。 サイクロプス隊に配属されるが初陣でザクを失い、 アルという少年と出会う。アルを通じてクリスと知り合い、 彼女にひかれていく。 これ以上アレックス破壊に失敗すれば、核攻撃を加えるという 命令を受け、単身ザクでアレックスに闘いを挑むが コクピットに直撃を受け、戦死。 最後までアレックスにクリスが乗っていることを知らなかった。 一言モード1:クリス・・・ コウ=ウラキ (コウ) 機動戦士ガンダム0083 声優:堀川亮 ナイメーヘン士官学校を卒業し、トリントン基地に配属された 新米パイロット。 モビルスーツヲタクで、ニンジンがきらいという、子供っぽい所がある。 GP-01のテストパイロットに選ばれ、ガトーと何度も 死闘をくり返し、成長していく。 ニュータイプ能力はほとんど見られない。 女性に対してはかなりオクテでウブ。ニナといい仲のハズなのだが、 なかなか進展しない。どうも手玉に取られているようである。 一言モード1:何を言うんだ?連邦の士官に対して、お姉さんぶらないでほしいな。 一言モード2:この海は・・・地獄だ・・・! 一言モード3:ウラキ少尉、突貫します! 一言モード4:聞こえているだろう、ガトー!お前が忘れても、俺は忘れはしない!! オプション情報大事典に戻る
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時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 要約版:要約スレ1-663 詳細版:当サイト連絡掲示板内差し替え・追加スレッド-233~247 663名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/01/22(日) 16 31 30 ID 8RaSC4kZ 661 ある日、空に大量の水と魔物を垂れ流す巨大な水瓶が突然出現。 水と魔物の量は止まる事を知らず、そのせいで未来の世界は水没崩壊寸前に。 その未来から逃れる為、未来人はデューンと他2名をタイムマシンで過去に送りこむ。 デューン達+物好きな幼馴染1名はその使命に忠実に、ステスロスという時空戦闘機と共に、ステスロスのパーツを集めながら、水瓶を何とかしようと過去へ未来へ異次元へ奔走する。 途中色々あって、ステスロスが壊れたので、代わりに2号機もらったり、その2号機に実は戦死したデューンの父ちゃんの脳みそつかわれていたり、 ソールという神様の悪の心が分離して出来たラグナという神様が水瓶造った元凶だったり、ラグナ神はソール神を乗っ取ろうとしていたりする事が判るが、 ともかく、最終的にソール神を乗っ取ってしまったラグナ神を撃破。 迷惑な水瓶は消滅し、ミソだけになっていた父ちゃん以下2名も未来のハイパーな技術で復活。めでたしめでたし。 …GBのサガ3だよね? 233:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 45 14 ID ??? DSリメイク記念にサガ3詳細版を書いたのですが、やっぱり規制が解けていないので こちらのほうに投下させていただきます。 234:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 50 14 ID ??? キャラクター・用語紹介 ステスロス 上記の通り、時間・時空を越える戦闘機。 異次元の神々との戦いのあとに、そのユニットは各地に散っており、それを回収することが 序盤の目的となる。 時間軸 現在のサガ世界 3人とシリューが育った時代。デューン達にとっては過去に当たる。 過去のサガ世界 ギルがダームを作る以前の時代。当然ながら、上の二つの世界より陸地が多い。 未来のサガ世界 デューン達3人が本来居た時代。世界の殆どが水没しており、イレムと革命軍の基地がある バイパー、そして場所を地下に変えたダームにのみ僅かに人が生き残っている。 異次元 サガ世界とは異なる世界。サガ世界を狙う異次元の神々の本拠地。 サガ世界とは異なる容姿の人々が住む。 場所によっては異邦人であるデューン達に冷たく、姿を変えないと会話すら出来ない。 登場人物 ・デューン 未来から歴史を変えるために、幼少の頃に過去へと送られた。本作の主人公。 属性は「にんげん」 ・ポルナレフ 共に送られたデューンの「おとこともだち」属性は「エスパー」 ・ミルフィー 共に送られたデューンの「おんなともだち」属性は「エスパー」 ・シリュー 三人が送られた過去にて、長老ギルの実の孫。3人と共に育てられる。 デューンの「すきなじょせい」属性は「にんげん」 ・ボラージュ 滅びの未来の人間で、デューン達三人を過去に送り、ギルに託した男。 ・長老ギル 過去から来た三人を育て、さらに時空戦闘機ステスロスを神殿に隠し守っていた。 昔から孤児を保護して歩いており、孤児たちのために、ダームの町を作り上げた。 ・ネメシス ・ディオール ダームに住む、デューン達の妹・弟分 ・メルローズ 現在世界の人間で、デューン達の兄貴分。 ・おおばばさま ギルと同じく、孤児たちのためにイレムの町を作った。クロノスの祖母。 ・クロノス 現イレムの町の中心人物。デューン達にステスロスのパーツ「かこワープ」を託す。 ・フレイヤ 過去世界でおおばばさまに育てられている少女。 異次元の神々の四天王の一人、ドグラ神にさらわれている。 ・ソール神 遥か昔にステスロスを狩り異世界の神々と戦った神。 浮遊大陸に住み、サガ世界を見守っていたが、現在はミロクによって囚われの身に。 その出生には重大な秘密が隠されている。 ・ドグラ、アシュラ、カオス、ミロク サガ世界侵攻の前線司令官である異世界の神々。ドグラは寄生虫の様な姿。アシュラは おなじみの姿。カオスは岩石の巨人。ミロクはインド人っぽい女性。 ・フェンリル ネメシスを攫い、デューンの父ジュピターを殺害した憎き敵。 目のない人狼の姿をしている。 ・ラグナ神 水瓶を使いサガ世界に侵攻してきた異世界の神々の長。今作のラスボス 235:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 51 11 ID ??? それでは本編です。 はるか昔。 神「ソール」は異次元の神々と争い、 戦闘機「ステスロス」を使い勝利し共に封印した。 時が過ぎ、突如謎の巨大な「水瓶」が出現した。 水瓶は大量の水と魔物を吐き出し続けた。 未来では、世界は滅びの危機に瀕していた。 未来人のデューン達3人が使命を帯びて過去へと送られた。 歴史を変え、世界を救うために。 過去・現在・未来、時を超え、時空をも超える壮大な物語がはじまる。 (公式より) ・現在のサガ世界 デューン・ポルナレフ・ミルフィーそしてメルローズの4人は、今日もバトルトレーナーと いう機械で修行に励んでいた。 だがそれも今日で最後。 名残惜しむメルローズだが、明日は見送りにいけないと、三人に別れを告げた。 デューンが家に戻ると幼馴染のシリューが。 どうしても旅に出なければ行けないのかと、寂しそうに漏らす。 必ず帰ってくると力強く言うデューンに見送りに行くことを約束すると、唇を交わした。 翌日。長老ギルの元に集まるデューン達3人。 どうやらシリューは見送るのが辛いのか、その場には居なかった。 過去から送られ、未来を救う使命を帯びた彼らの旅立ちを前に、ギルは彼らを滅びの未来から 現在へと託した、ボラージュという男の話を語り始めた。 未来、バイパーの都市は異次元の神々の襲撃によって、崩壊を目の前にしていた。 ディオールという男が諌めるのも聞かず、未だ不完全であるタイムマシーンに、一抹の希望を託し、 デューン達三人を乗せるボラージュ。 未来を世界を救うため、その歴史を変えるために。 かくして彼らは現在世界にて立派に育ち、彼らの意思で動き出した。 親心からその双肩には重すぎる使命を案じるが、未来の人達が戦っているのに、 自分達だけ逃げるわけには行かないと、三人は言うのだった。 その言葉にギルは、見せたいものがあるのでついて来いという。 ギルの後に従うデューンに、町の子供である、ネメシスとディオールが。 心配する少女と少年に、彼はネメシスとディオールが安心して外で遊べる世界を作りに行くと言う。 そして、必ず帰ってくると約束するのだった。 彼らが向かった先は、見慣れた神殿であった。 中に入ると、なんとメルローズとシリューが先回りをしているではないか。 メルローズは共に育った友の為、そしてシリューは愛するデューンと共に居たいが為、 ギルに同行の許可を求める。 町から出てはならぬと言うギルだが、二人の思いに同行を許可した。 かくして5人とギルは、神殿の奥、渦巻状のワープゾーンの中へと入って行く。 そしてそこにはなんと戦闘機が。 時空を越える力を持った戦闘機「ステスロス」見せたかったものとはこれだったのだ。 だが、稼動に必要なユニットを失っているステスロスでは、まだ未来へ向かうことは出来ない。 ギルはボラージュからの預かり物である「レーダー」を渡すと、それを持って海を越えた先、 イレムにいるクロノスに会えという。 しかし魔物の巣窟である海は船では越えられない。そのためまずは、飛空石を呼び出すことが 出来る古代魔法「ムオン」が眠る、北の塔を目指すことになるのであった。 北の塔でムオンの魔法を手に入れた一行は、一路イレムの町へ。 まずは町の創立者であるというおおばばさまに挨拶に向かう一行。 少々入り組んだ場所に住むおおばばさまは彼らを温かく迎えてくれた。 過去、未来。自分達の進む道を示して欲しいという言葉に、未来はわからぬが、デューン達の 行動は必ず良き未来へと通ずると、励ましの言葉を送る。 おおばばさまの元を後にし、クロノスの元へ。 中央の屋敷で彼らを待っていたクロノスに「レーダー」を見せると、これはステスロスの ユニットを集めるための物だという。 これを使ってユニットを集めてどうするつもりだというクロノスに、デューンは自分達が 生まれた、未来に戻るためだと説明する。 「滅びの未来から来た子供たちか…」クロノスは呟くと、彼らに「かこワープ」を託した。 未来に行くための「みらいワープ」は現在で自分も探すので、まずは過去を探してみるといい という言葉に従い、ステスロスの元へ戻ることにした。 神殿に戻ろうとすると、なんと道を魔物が塞いでいるではないか。 魔物は「ドグラ様の命で、ステスロスのユニットを集める不届き者を抹殺しに来た」という。 「過去には行かさん!死ね!」と襲い掛かってくる魔物、サハギンを撃破し神殿の中へ。 ステスロスに乗り込もうというところで、メルローズが町を守りギルを支えるために現在世界 に残ることに。 メルローズと分かれた一行は、ステスロスにかこワープを取り付けると、いよいよ過去へと 向かうのであった。 236:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 52 48 ID ??? ・過去のサガ世界 見慣れた神殿に、あたりの景色も見慣れたものだが、ダームの町の姿はそこには見えなかった。 それでもダームがあった辺りに行ってみると、そこには現在よりも随分と若いギルの姿が。 何者かと問われたので、ステスロスのユニットを集めている為に旅をしているものだと言うと、 この辺りに町を作るのにいい土地は無いかと問われる。 そこで彼らは現在のダームの位置を教えると、ギルは礼をいい去っていった。 以前ギルが言っていた、自分達のほかにもステスロスのユニットを探している人間がいたと いうのは、他ならぬデューン達だったのだ。 早速ムオンの魔法で飛空石を呼び出し、各地を回る一行。 現在では土地に名前しか残っていないレイの町。どうやら人々がサハギンになってしまう 奇病が流行っており、町として存続の危機に瀕してるようだ。 道具屋の主人が、モンスターになってしまった人間を元に戻す道具を見つけてきたらしいが、 病気には効果がないらしい。 そもそもその「じょうかそうち」はステスロスに取り付けるものであるらしく、こちらに 譲ってくれることになった。 (今作は人間・エスパーもモンスターの肉を食べるとモンスターに、同じようにロボットの パーツや獣人の肉を食べることによって、「汚染」という形でその種族を変化させることが 出来ます。じょうかそうちは、その状態から人間・エスパーに戻すという機能をもっています。) 次に向かったのは、今と変わらぬ位置にあるイレムの町。 現在でクロノスが居た中央の館に向かうと、まだ幼いクロノスの姿が。 話をすると、どうやらおおばばさまが魔物にさらわれたフレイヤという少女を救うために、 南の洞窟に向かったらしい。一行もそれを追って南の洞窟へと向かう。 洞窟内部にて、おおばばさまを発見した一行。 おおばばさまだけでは無理だと協力を買ってでるが、よその者を危険な目に遭わせられない とその協力を拒む。 自分達が未来から来た、ギルに育てられた子供であると説明すると、ようやく納得し、イレム の町で待っているので後は頼むと帰って行った。 内部を進んで行くと、なんとさらわれたはずのフレイヤが。しかし何やら様子がおかしい。 「ウー…ガウ ウー」と獣のような唸り声をあげて襲い掛かってくるフレイヤを倒すと、 ようやく正気を取り戻し、一行に加わることに。 フレイヤを加え、さらに先に進むと、そこには異形の神・ドグラの姿が。 ドグラはこちらを「ユニットを狙うボラージュとか言う小僧だな」と言うと襲い掛かってきた。 巨大な蛇のような体に口だけの頭。背中に悪魔の様な翼を生やし無数の触手を持つドグラ。 口の中の目から発するさつじんビーム等の強力な攻撃を繰り出し、今までの魔物とは一線を 画した強さだったが、辛くもこれを撃破する。 ヤツの仲間ではないのか…と遺し、息絶えるドグラ。その背後にはステスロスのくどうエンジンが。 フレイヤを連れイレムに帰還すると、早速おおばばさまの待つ、中央の館へ。 礼をいうおおばばさまに、デューン達はフレイヤをギルに預けることを提案する。 またフレイヤの中の強い魔力を狙う輩が現れないとも限らないからだ。 だがギルは未だ旅の途中というおおばばさまに、現在のギルに預ければいいと言う。 無事にギルは町を作れたかと、さらに喜ぶおおばばさまは、一行に「サモン」という魔法を くれる。 この魔法を使えば、海に潜ったり、海の上を歩けたりするらしい。 (海底は基本寄り道に値するので書きませんが、強力なアイテムなど役立つものが沢山あり ます。) 237:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 53 47 ID ??? ・現在のサガ世界 再び一行は現在へ。 早速ギルの元へフレイヤを預けると、クロノスが何か手がかりを得たらしく、彼の元へ向かう。 聞くとどうやらみらいワープは、南の塔に住むアシュラという魔物が持っているらしい。 早速行ってみようというという所で、急に地震と共に異変が。 慌ててクロノスと表に出てみると、なんと海上に禍々しい雰囲気を放つ城が浮き上がってきた ではないか。 どうやらカオスという異次元の神の四天王の一人が構える城であるらしい。 つまりは彼らの世界征服の度合いが進んだということ。 一刻の猶予も無いと、すぐ様4人は南の塔へ向かった。 南の塔の最上階にて、彼らを待ち受けるアシュラ。しかし、彼が集めたユニットは既に全て カオスの元へ送られてしまった後だという。 名前から、激しい戦闘を覚悟する一行だが、思いのほかあっさりと倒れるアシュラ。 彼の亡骸のそばからカオスのかぎを入手。次はカオス城だ。 海底からカオス城に潜入。その内部は近代的な設備に溢れていた。 ベルトコンベアや監視カメラ、それらを管理しているであろうコンピューター群などを背中に、 ひたすらに上へと登っていく。 やがて海底を抜けると、今度は西洋風の建物に。カオスに近づいている故か、待ち受ける 魔物たちの攻撃もさらに熾烈になって行く。 そうして進んで行く先に、とうとうその姿を捉えたカオス。岩石の巨人は4人に問う。 何ゆえにステスロスのユニットを集めるのか?その問いに未来に行くためだと答えると、 もはやお前達の未来は水の底だと笑い飛ばし、襲い掛かってきた。 見ての通りの防御力と攻撃力を持つカオス。その攻撃に耐え切った先に、ようやくその体を 地に伏させることが出来た。 カオスの屍を乗り越えた先には、「みらいワープ」と「ホバーエンジン」が。 ついに未来へと帰還する時が来たのだ。 高鳴る鼓動を胸に、4人はステスロスにみらいワープを取り付け、未来へと向かう。 238:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 54 34 ID ??? ・未来のサガ世界 予想はしていたものの、見渡す限りの海…海。 ダームがあったはずの場所も既に水没してしまっていた。 それでも一抹の希望を胸に、イレムがあった場所に向かうと、辛うじて僅かな陸地に イレムは残っていた。 (ちなみにイレムの住民は過去は子供だけ。現在は大人だけ。未来は老人だけになっている。) 今も健在であったクロノスに会いに行くと、どうやら生き残った人々が人工島にバイパーと いう町を作り、異次元の勢力に対して革命軍を結成、反抗を始めたらしいという話を聞ける。 そしてもう一つ、おおばばさまの命のともし火があと僅かという事も… 慌てておおばばさまの元へ駆けつけるも、時既に遅し。 ソール神がミロクという異次元の神にさらわれた事を告げ、そして、異次元の住民と話をする ために、異次元の住人に姿を変える魔法「メタモル」を渡すと、4人に後を託し…その長い 生涯を終えた。 バイパー 数多のレーダー群と対空兵器に囲まれた、さながら要塞とも言うべき町。 飛空石が打ち落とされないかとびくびくしながら接近すると、何とか無事に降り立つことが 出来た。 そしてその内部は、進んだ科学力を匂わせる建物や、移動用の乗り物に囲まれている。 見たこともない物達に四苦八苦しながらも、あちらこちらと巡ると、革命軍の基地と思しき 場所を発見する。 しかし入ろうとするも、合言葉を知らない者は通せないと言うではないか。 仕方なくバイパーを後にする一行。道中に見えた、何かの人工物が見えた島に行って見る事に。 人の存在を期待するも、そこにあったのは多数の墓だけであった… それでもここに眠る人々を弔おうと墓を巡っていると、一つ様子のおかしい墓を発見する。 もしやと思い動かすと、なんと階段を発見する。 恐る恐る階段を下りた先にあったのは…なんと、懐かしきダームの町ではないか。 暖かく帰還を喜んでくれる未来のダームの人々。どうやら水に沈む前にここに移り住み、 魔物に見つからないようにするために地下に住んでいたらしい。 だが喜ばしい話だけではなかった。育ての親であるギルもまたおおばばさまの様に寿命には勝 てず亡くなったというのだ。 悲しみに暮れながらも、中央の基地にメルローズが待っていると言うので彼の元へ向かう。 思ったよりも老けていないメルローズや全く老けていないフレイヤと再会する一行。 ソールを攫い異次元に送ったあげく、浮遊大陸を乗っ取ったミロク。そのミロクに攫われて しまったネメシスと、それを救わんと無理をしようとしているというディオールの安否を託され、 バイパーの合言葉を教えてもらう。 お互いの健闘を誓い合い、一行は再びバイパーへ向かった。 改めて合言葉を言い、革命軍の基地へと入ることが出来た一行は、その内部で立派に成長した ディオールと再会する。 丁度ミロク討伐に浮遊大陸へ向かう所だったという彼に協力を依頼されるので、それを快諾する。 どうやらボラージュ達先遣隊は、クェーサー博士が作った「ステスロス2」で既に異次元に 向かっているらしい。 それに続くためにも、一刻も早くミロクを倒し「じげんワープ」を奪い返さないといけない。 ちなみに作戦の指示は海底のパルサー博士の研究所で行うらしいので、早速研究所に向かう。 博士のいう作戦内容はこうだ。 神殿の北にある桟橋を滑走路にして、ロケットベルトで(!?)浮遊大陸に上陸(!!?) 内部で「じくうワープ」と「リモコン」を手に入れたら、渡した「つうしんき」で報告。 報告を受けたら神殿を爆破し(!!!?)ステスロスを呼び寄せて脱出しろとの事だった。 思うところは多分にあっただろうが、デューン達には一言の文句もなく、作戦を遂行する ことになった。 239:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 55 02 ID ??? ・浮遊大陸 この場所は異次元と同じく、時の流れがないという。 降り立った場所の側にある町で、その話のほかにも北の遺跡にステスロスのユニットがある との情報を得て、北の遺跡に向かい「リモコン」を回収する。 次に浮遊大陸の奥地にある山、そしてその山頂にそびえる塔へ。 塔を上って行くと、途中に魔物が待ち構え行く手を阻んでいる。戦う一行だが、戦いの中勢い 余ってディオールを残して4人は階下へと落ちてしまう。 残されたディオールは、壁に隠し扉を発見。それをくぐるとなんとミロクが。 ネメシスの身柄を取り立たされたディオールは、冷静さを失い一人でミロクに戦いを挑んでしまった。 一方落ちた4人もディオールが居ないことに気づき、慌てて再び塔を上るが、元の場所まで 来ても彼の姿がない。 だが隠し扉の存在に気づき、その先を進むと…そこにはボロボロにやられたディオールと ミロクの姿が。 先に敗れたドグラとカオスの敵だと、ミロクは今度は4人に襲い掛かる。 インドの女性のような姿をしたミロクは、激しい風の魔法を武器に襲ってくる。 しかしこちらにとってもミロクはディオールの敵。怒りの攻撃は見事ミロクを打ち破る。 そしてその亡骸から「じくうワープ」を手に入れた。 すかさず「つうしんき」でパルサー博士に報告。長年ステスロスを守ってきた神殿は爆破され 中からついにステスロスがその全身を現した。 次はリモコンの出番だ。リモコンの指示通り、あっという間にデューン達の頭上に現れた ステスロスに乗り込み、一行はバイパーに帰還する。 着くや否やディオールを医師のボルフェス博士の元に預けると、早速治療を行うことに。 心配するデューンに、細胞の一欠けらでも再生する、バイオ医学の権威であるワシに任せて おけと豪語する博士。 だが遠くから聞こえるディオールの悲鳴から察するに、技術はともかく、医師としての腕は お察しのようだった… ともあれ、あっという間に傷一つない健康体に回復するディオール。無事を喜ぶが、それより も一刻も早く異次元に行かなければという話に。 しかし、「じくうワープ」の使用回数は1回だけ。 異次元へは、現地でクェーサー博士に会えない限りは片道切符らしい。 それでも共に言ってくれるかと訊ねるディオールに、4人はもちろん!と力強く頷くのだった。 かくしてステスロスの「じくうワープ」で異次元へと出発する一行。 無事に次元の壁を越えたかというところで、突如ステスロスから警報が発せられる。 どうやらワープのショックでホバーエンジンが破損してしまったらしい。 ホバーエンジン無しでは、ステスロスは陸地を這うことしか出来ない。 徒歩での探索になるという話になったところで、ディオールから二手に分かれる案が。 ディオールは先遣隊と合流し、ステスロスをステスロス2で回収する方向を、デューン達は 異次元を探索し、修復の手段を模索することとなった。 240:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 56 43 ID ??? ・異次元 まずは眼前に見える町、ダリウスへ。 うわさに聞くとおり、異次元の人々は自分達とは異なる姿をしていたが、この町の人々は、 自分達に特別、敵意を抱いたりはしていないようだ。 話を聞いて回ると、どうも最近は空と海に異常が多く、ムオンもサモンも使えないらしい。 代わりに定期船が出てるというので船着場に行ってみるが、海が荒れていて船は出ていな いらしい。 船が出るようになるまで待つついでに、西のほうにもう一つある町へ行ってみることに。 町に入るが、どうも様子がおかしい。 人っ子一人と姿が見えないだけで無く、何やら不穏な空気が。 ようやく人の姿を見つけるが、なんと石にされているではないか。 驚愕するデューン達の後ろで何やら動く影が、その影を捉えるとその正体、ばけねこが 襲い掛かってきた。 倒すが、見やると町中にばけねこが居るではないか。 堪らず近くの家へ逃げ込むと、そこには未だ石にされていない人間が居た。 名をエイタールという男は、フェンリルという魔物に攫われようとしていたネメシスを助け ようとしたが失敗し、逆に町の人間を呪いによって皆石に変えられてしまったと言う。 つまりは今ネメシスはフェンリルの元にいると言うこと。デューン達は、北の迷宮にいると 言うフェンリルの討伐を切り出した。 するとエイタールは、この町にあるまたたびの木からまたたびを持って行けと言った。 迷宮を守るねこまたをこれで眠らせて進めというのだ。 またたびを手に入れ、一行は北の迷宮へ。 迷宮の奥で待ち構える、目の無い四つ腕の人狼――フェンリルはデューンをボラージュとか いう小僧と一緒に居た、ジュピターだなと言いだした。 ジュピター?とその名に何かを感じるデューン。だが考えるまもなく、確かに一度殺した はずだが、何度でも殺してやる!と一行に襲い掛かってきた。 4本の腕に鋭い牙、多彩な魔法を駆使する強敵だが、これを撃破する。 ジュピターさんは死んだのか!とフェンリルに問い詰めるデューンだが、それに答えないまま フェンリルは息絶えた。 その背後にあった牢屋の鍵を使い牢獄の中へと足を踏み入れると、そこには美しく成長した ネメシスの姿が。 ネメシス曰く、この世界は崩壊寸前で、そのためにサガ世界を乗っ取ろうとしている。 その実行者である異次元の神々は、ステスロスの完成と、4本の聖剣を恐れている。 特にステスロスの初代乗組員であった4人を恐れていた。そして自分は、聖剣に関係がある ので攫われた。との事であった。 ネメシスの言葉に従い、一行は彼女を加え、神々に対抗する術であろう、聖剣と4人の乗組 員を探すことに。 241:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 57 57 ID ??? とりあえずは呪いが解け、ばけねこ達の手から解放されたであろう町へ。 感謝を述べるエイタールから、彼の師匠であり、ステスロスの乗組員であったバルザイが、 「ハシドやま」にいると言う情報を得る。 他の乗組員である、シャルル、ズカウバ、まさむねを仲間にするために、力になってくれ ると言うことなので、早速ハシドやまに向かう一行であった。 やっと動き出した定期船に乗ってダリウスの隣、キナイアの町へ。 キナイアはダリウスとは打って変わって未来的な建物の立ち並ぶ商業の町。 様々な店が並ぶ中色々と装備を整えると、一路ハシド山へ。 入るや否や目の前に飛び込むのは、巨大な滝が繰りなす絶景である。 滝の根元が見えないほど高いハシド山を、息を切らせながら登って行く。 やがて山頂に辿り着くが、そこにはなにやら言い争う声が。 声の元に駆け寄ると、件のバルザイが異次元の神の一人ベリアルに相対していた。 何故他の世界を乗っ取ってまで移住しなければいけないというバルザイに、ベリアルは 全てはラグナ神の意思であり、人などが口出しすることではないと言う。 さらにはお前は知りすぎたと、その命を奪わんと襲い掛かった。 間一髪それを救出するデューン達。人を救わぬくせに、何が神だ!とベリアルに戦いを挑む。 巨大な口だけの怪物であるベリアルは、その口から様々な魔法を放ち襲い来る。 神を名乗るだけあってその力は強大だが、人の意地がそれを打ち砕いた。 ベリアルを倒し、改めてバルザイに名乗る一行。 協力を申し出るバルザイに、今再びステスロスに乗ってもらうことになった。 さらに、ベリアルの守る宝箱の中には、四振りの聖剣の一つソロモンソードが。 デューン達は二つの強い力を手に入れるのだった。 (バルザイはこの後、ステスロスで道具屋をやってくれます。何故かお金を取りますが…) バルザイの言葉によると、ハシド山の北にある水晶岬に、乗組員の一人シャルルがいるとの事。 早速ステスロスで向かう。 水晶で出来た洞窟にて、助手二人と共にシャルルの姿を発見した。 シャルルは協力をしてもいいが、一つ条件があるという。 南西にある遺跡に居る神々の一人、パゴスの躯を持ってこいと言うのだ。 異次元の住人はたとえ神を倒しても、必ず謎の死を遂げてしまうと言う事らしく、その死の 発生条件を調べるために必要なのだと言う。 シャルルを仲間にするだけでなくも重要なこと。早速一行は南西の遺跡へ。 遺跡の入り口にてデューン達を待ち受けていたのは話のパゴスではないか。 葬れるならば葬ってみろと言い襲い来る、巨大なトカゲの姿をしたパゴス。 強力なメテオの魔法に苦戦しながらも倒すが、パゴスは無駄だと再び立ち上がった。 なんとパゴスは最初から死んでいたのだ。死してなお、その存在を永遠にラグナ神によって 遺跡に封印されていたと言うのだ。 自嘲気味に己の秘密を話したパゴスに対し、デューンはバルザイに協力を要請した。 かくして僧侶たるバルザイは念仏により、パゴスを成仏へと導いた。 やっと死ねるとデューン達に感謝を述べるパゴスは、礼にとこの遺跡がヨルムンガンド砂漠 への通路であると言うことを教えると、安らかな顔で天に昇っていった。 遺跡の仕掛けを動かし、川の水を引かせると、川の水が干上がり、ヨルムンガンド砂漠へとつながる道が。 これでステスロスでも行けると意気揚々出発する。 しかし砂漠上空に差し掛かるや否や、ステスロスは砂嵐に飲み込まれ墜落、爆発してしまう。 さらに目の前には砂嵐の主で、この砂漠の名前にもあるヨルムンガンドが。 巨大なミミズの化け物であるヨルムンガンドにあわや飲まれるというところで、これを撃破する。 急場は脱したが、ステスロスは粉々になってしまっている。とりあえずはバルザイはシャルル の元へ、デューン達は北に見える、ステスロスの町へ行くことに。 242:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 58 59 ID ??? ステスロスの町は町とは名ばかりのもので、実際には先発隊の基地である。 ステスロスの格納庫を有するがゆえに、ステスロスの町と呼称しているらしい。 デューン達は隊員に促され、基地内部へ。そこには以前話にあった、クェーサー博士が 一行を待ち受けていた。 会うなりデューンをジュピターと勘違いした上、名乗ってもいないデューンの名を知っている クェーサー博士。デューンは自分とジュピターの関係を尋ねるが、おどおどと口を濁すだけだ。 それよりもと、徒歩で来たのはどうしてかと訊ねるので、ヨルムンガンドに破壊されたことを 説明する。すると博士は、現在のユニットと博士とボラージュが集めたユニットとで、 ステスロス2を運用することを提案した。 願ってもいない提案に乗って、早速ステスロス2にユニットを組み込む。今度はホバーユニット もあるため、海を越え異次元中を飛び回ることが可能だ。 ただし、一箇所だけ結界に阻まれて入れない陸地が。 そこの名はゴート。ここに全ての元凶たるラグナ神が居るという。 早速バルサイとシャルルをステスロス2に迎えると、一行は水晶に囲まれた町、ザカリオンへ ここには聖剣の一つエクスカリバーがあるというのだ。 しかし民家に住む老人から、まさむねは聖剣を抜けるのは額に真紅の痣を持つ女性だけ、 抜くのはあきらめろと言われる。 だがネメシスの額には真紅の痣が。まさかとデューン達は町の中央に鎮座された聖剣の元へ。 水晶の地面に深々と突き刺さる聖剣エクスカリバーを前にし、ネメシスがその柄に手をかけ、 一心に引き抜くと、光を放ち見事聖剣はネメシスの手へ。 ネメシスが異次元の神々に攫われたのは、エクスカリバーを抜く力があったからなのだ。 聖剣を携え、再び老人の元へ。 老人に聖剣を集めて何をする気だと問われ、デューンは神々の根性を叩きなおすためだと答える。 それは愉快だと笑う老人は、自身がステスロスの乗組員の一人、まさむねだと明かすと、 これからの聖剣集めに必要なときがあるかもしれないと、同行を買って出る。 (シャルルは魔法屋、まさむねは武器屋になります。やっぱりお金はとりますが強力な魔法・ 武器を販売してくれます。さらに合成魔法や武器の作成など、バルサイを遥かにしのぐ活躍を 見せてくれます。) ザガリオンの住民の一人から、ディオールからの伝言を聞く一行。 どうやらクラウドというところでクレネス王から通行手形を受け取り、ポートルという町へ来い とのことだ。 (なおこの町の建物の一つに、三種の神器を探していると言う、父、母、息子の三人組がいます。 息子はデューン達に「君達も世界を救う旅をしているんだね、僕も昔していたんだ」と言います。 三人の構成に三種の神器を探していて、世界を救う旅をした事がある…もう三人の正体はおわかり ですね。明言はされていませんがSaGa2の主人公一家と思われます。) 人や建物が乗れる不思議な雲の上にあるクラウドの町。中央の城に向かうとクレネス王だけでなく、 ステスロスの乗組員の一人、ズガウバの姿が。 ゴート地方に向かうと言う話をすると、自分の求める鉱石もゴート地方にあると、同行することに。 ステスロスに向かうズガウバを見送ると、改めてクレネス王に謁見する。 異世界でただ一人、人間の王であるクレネス王は、一行に何故ゴート地方に向かうと訊ねる。 ゴートは神の地。人間がみだりに立ち入る場所ではないと言うのだ。 それでも一行は、世界を救うため神を撃つと強く言い放つ。 一行にエクスカリバーを視とめたクレネス王は一行を真に神と戦いうる者だと認め、自分も元は イレムの人間であることを明かし、一行に最大限協力することを約束すると、地下への道を開く つうこうてがたを託したのだった。 ポートルの町で番人に通行手形を見せると「あんたらも物好きだな、地底は人間の生きて行ける場所 じゃないぜ。」と皮肉を残し去っていった。 さて地底へと言うところで、内部からディオールが。 どうやら結局船が出ず、ずっとダリウスで足止めを食っていたらしい。 その間に色々と調べている中で、地底からゴートに行けることを知ったと言う。 地底からのゴート突入、そしてソール神救出はディオールが同行し、ネメシスはステスロスで クエーサー博士に預けると言うディオール。 名残惜しくもネメシスと別れた一行は、一路地底へ向かう。 243:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 00 57 ID ??? ・異次元・地底 まだサガ世界と比べても、さほどの違いは無かった地上と違い、地底はデューン達の想像を遥かに 超える光景が広がっていた。 マグマの川が流れ、緑一つ無い大地にはマグマの吹き出た跡なのかクレーターが無数に存在し、 見たことも無い大きさのキノコが群れを成し、さながら大樹のようにそびえ立つ。 まさに異世界と言う様を見せる地底を進んでいくと、一つの町を発見した。 異次元に来てからこの方、明らかに人間ではない住人を何人も見てきたが、この町の住人の異質さは 特別だ。以前に聞いた話から、彼らがモズマ族であることを悟る。 凶暴で、自分達以外に対して徹底して敵意をむき出しにするというモズマ族。 触らぬ神に祟りなし、一行は早々に町を後にする。 立ち寄らないことでモズマ族に関しては回避できたと思ったものの、なんとゴート側の地上に続く階段を モズマ族が守っているではないか。 話そうにも問答無用。倒しても即座に復活してしまうモズマ族。万事休すかと思ったところで、 一行はある魔法の存在を思い出した。 「メタモル」おおばばさまが今際に託してくれた魔法。 それは異次元の住人と話すためのものだと言っていた。これならばモズマ族と話し合うことが 出来るかもしれない。 早速唱えて見ると、なるほどデューン達の姿がモズマ族のそれに変化する。 さすがにこの姿ではモズマ族もまともに話をしてくれ、長老を上手くごまかし、階段の門番を どかすことに成功した。 そしてついに、神の地と言われるゴートへと足を踏み入れる。 244:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 01 ID ??? 異次元・ゴート地方 階段を抜けると、そこはポートルの町に良く似た町が。 どうやらここの住人は人間に害をなさないようだ。 ほっと肩をなでおろし、探索をしていると以前出会った家族の姿を発見する。 家族の父親に聖剣を集めていることを言うと、手に入れた「つるぎ」を譲ってくれた。 デューンは父親にあなた達は何者なのですかと尋ねるが、「ふくめん」とでも呼んでくれと言うと 家族を連れて去っていった。 これまでに集めたムラマサと「まがたま」「かがみ」そして託された「つるぎ」を持って、 まさむねの元に行くと、彼の手によって三種の神器は「くさなぎのつるぎ」に。 そしてムラマサは「まさむね」へと姿を変えた。 ソロモンソード、エクスカリバー、まさむね、くさなぎのつるぎ…とうとう4本の聖剣が揃ったのだ。 いよいよ神と戦う準備は整った。 町を出て見上げると、そこにそびえる山にラグナ神の神殿があるという。 ステスロスがあれば突入できそうなものだが、未だ結界がある以上ステスロスを呼ぶことは出来ない。 一行はまず、東に見える遺跡へと向かうことに。 遺跡を進んでいくと、一人の男が一行を待ち受けていた。 男の名はボラージュ。そう、デューン達三人を滅びの未来から送り出した張本人だ。 彼には聞きたいことが沢山あるのだが、それをかわすように、ここに結界の発生装置があり、 それを破壊してほしいということ、そして自分はゴート山の調査に向かい、後ほどここに戻る ということだけを言い残すと、さっさと一行の前から去って言った。 釈然としないながらも、気持ちを切り替え結界発生装置へと向かうのであった。 遺跡を進んでいき、とうとう結界発生装置とそれを守るボルボックの元へ。 おろかな人間如きがと言うボルボックに聖剣の力を見せ付ける、としたが何と聖剣が弾かれて しまうではないか。 この結界発生装置は、聖剣から俺を守る効果もあるのだと勝ち誇るボルボック。 一方ディオールは、神妙な面持ちでそれを見ると、意を決したかのように前に飛び出した。 なんと彼は体を直した際、彼は自分の体に自爆装置を組み込んでいたというのだ。 「ならばこれならどうだ!デューンさん…ネメシスを頼みます…!」 その身を爆弾とし、ディオールは結界発生装置へと突撃し…装置は――そしてディオールは、 跡形も無く消え去った。 「人間のクセに愚かなマネを!」とディオールの死に、唾を吐きかけるボルボック。 「愚かだと…ディオールを愚かだと言ったな!」爆発するデューンの怒りがボルボックへとぶつけられる。 悪霊そのものといった姿のボルボックは、流石にラグナ神の喉元を守るだけあってその強さは 今までとは比較にならない。 だがデューン達の怒りこそ、今までに無いものである。結界という阻みが無くなった聖剣達が、 確実にボルボックにダメージを与え、とうとうその姿は闇へと霧散していった。 「ディオール…」悲しみに暮れるデューン達の下に「遅かったか!」とボラージュが。 彼の死を無駄にしないためにもと、デューン達を諭すと、ゴート山の神殿に関わる情報を一向に 伝え、一刻の猶予も無いと、共に向かうことになった。 結界は破れた今、ステスロスを阻むものは無い。リモコンで呼び出し、ゴート山へ。 245:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 25 ID ??? 禍々しい空気に煮えたぎるマグマ。 ゴート山は神の山というには凡そ似つかわしくない、言うならば地獄のような場所だ。 今までに無い強さの魔物達をに苦戦しながらも山を登る一行。 山頂と思しきところまで来たが、道はそこで途絶えていた。 行き止まりかと思った瞬間、何かを察したボラージュがここは危ない!早く離れろ!と叫ぶ。 慌てて促すままに駆け出すと、何と誰も操縦していないはずのステスロス2が、爆撃を開始したではないか。 何故だと混乱するデューン達に、ボラージュは言う。「出来るのだ…ステスロス2だけは」 そして真実が明かされる。 ステスロス2の制御ユニットには、人間の脳が使用されているが、その脳はフェンリルによって 殺害されたジュピター――デューンの父のものであった。 皆、命を懸けて戦っている。先を進もうというボラージュの言葉に従い、ついに一行はラグナ神の城へ と足を踏み入れる。 壁も床も生物のように怪しく蠢く城内を進むと、最上階に通ずる階段の前にて待ち構えるものが。 お前がラグナか!と迫るデューン達にティールと名乗った神の一人は、ラグナ神ならばお前達は 何度も見ているではないかという。 ラグナ神の体とはこの世界の海そのもの。サガ世界に流れ込んでいる水こそがラグナ神だというのだ。 さらにティールは、間もなくソール神をラグナ神が吸収し終わる頃、あきらめて死ねとデューン達に 襲い掛かってきた。 当然の如くラグナ神の眼前を守るティールは強い。その姿の様に悪魔じみた威力の攻撃に加え、 様々な状態異常を駆使し一行を追い詰める。 だがここまで来て負けるわけには行かない。必死の反撃にとうとうティールは膝を地に付けた。 敗北を認め、いい事を教えてやろうというティール。それはソール神の成り立ちであった。 元々ソール神とラグナ神は一つの存在。ラグナ神の善き心が分離したものがソール神であった。 ソール神を捕らえたラグナ神は再びソール神と一つになり、さらに強大な存在となる。 全ては手遅れだと笑いながらティールは倒れた。 とにかく急がなければというボラージュと共に、デューン達は最上階――いよいよラグナ神の元へ 最上階―― そこで待っていたのは、ラグナ神ではなくソール神であった。 ソール神はラグナ神に吸収されたものの、何とか自我を保ち、その身にラグナ神を押さえ込んでいたのだ。 自分が押さえ込んでいるうちに、自分ごとラグナを倒せというソールだが、躊躇するデューン達。 そんなデューン達に、ラグナは強大だ、倒さなければ手遅れになると諭すソール。 意を決して無抵抗のソールに攻撃を開始する。 流石に無抵抗のソールには本気を出せない一行だが、傷つきながらも「もっともっとだ、ラグナがめざめ てからではておくれだ!」と更なる攻撃を促すソール。 涙を呑みながらも、さらにソールに攻撃を加える。 「もっと!もっとだー!グヘッ…いかん、い、いしきが…」 突如ソール神に異変がおき――やがて… 「またせたな!ソールめ、あじなまねをしおって!そうぞうしんとなったラグナさまのちから、 おもいしるがいい!」 醜悪な悪意の塊――諸悪の根源、ラグナ神にその姿を変えてしまった。 古代魔法の数々に、闇の波動…一撃一撃で戦意を失ってしまうような強烈な攻撃を繰りなす ラグナに、思わず戦意が怯む一行。 だがそこに城を突き破り、なんとステスロス2が。主砲を放ち、一行を援護してくれる。 父もまた共に戦ってくれているのだ。戦意を新たにし、立ち上がるデューン達。 それをあざ笑うかのように、体から無数の口を開き、さらに攻撃を強めるラグナ。 必死に、倒れながらも戦うデューン達。 長い戦いの末、聖剣の一撃にラグナは断末魔の悲鳴を残し、その姿を消滅させた。 そしてどこからか、デューン達の戦いを労る声が。 それは姿を失いながらも、意識だけの存在となったソールのものであった。 残された力で水瓶を破壊するので、早く水瓶に通ずる海の穴から元の世界へ帰りなさいと言う。 あなたはどうするのかという問いに、自分はここで生まれたので、この世界で眠りに付くという。 それに、デューン達を見ていると、安心して眠りにつける。神が必要な時代は終わったのだ。 これからは人間達の手で歴史を切り開いていくのだと。 ソールに別れを告げ、一行はステスロス2を走らせ、異次元を脱出する。 246:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 47 ID ??? ・未来のサガ世界 水瓶を抜け出した瞬間、間一髪の所で水瓶は大爆破。 しかしステスロス2もその余波で消滅してしまった。 ラグナ神の手から解放された海に投げ出されるデューン達。 旅の終わりを、新たな歴史が始まることを実感する。 旅の余韻を携えながらも、ボラージュのムオンで、一行はバイパーへと帰還する。 一行を迎えるボルフェス博士はディオールとジュピターはと訊ねてくるが、はっきりと答える ことが出来ない――と、そこでボラージュが博士に切り出す。「あんたなら細胞の一欠けらでも 完全に再生できるのだろうと。」 当然だと答える博士にボラージュはディオールとジュピターの細胞を手渡す。二人を助けてほしいと。 かくして見事完全な姿で復活したディオールと再開する一行。そして―― デューンはついに父であるジュピターと対面する。 当然ながら自分と瓜二つなジュピター。まだ自分の父となる前だとしても、やはりぎくしゃくとする。 名前を尋ねるジュピターにデューンと名乗ると、ジュピターはその名を生まれる子供に付けさせて もらおうと言うではないか。 期せず自分で自分の名付け親になってしまったりと、やはりバイパーにいては色々まずそうだ。 そう感じたデューン達は、クエーサー博士に依頼したタイムマシンが完成するまでの間、ダームの メルローズの元に厄介になることにする。 ディオール、ネメシスは寂しそうにするが、過去でまた会えると二人を励ます。 ボラージュは、滅びの未来から過去に送った時はどうなるかと心配したが――と感慨深げに一行を 見つめる。 そんなボラージュに、未来を掴み取るチャンスを与えてくれたことを感謝していると告げた。 ダームにて一行を歓迎するメルローズ。彼は取って置きのものがあると、暖炉の奥に彼らを招待する。 するとそこには、懐かしきバトルトレーナーが。 以前よりも敵が強く設定してあるというバトルトレーナー2で、5人は再び修行を開始した。 FIN 247:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 03 50 ID ??? 以上でサガ3詳細版はおしまいです。 ご存知の通り評価の低いサガ3ですが、細胞一つで記憶込みで再生してしまうとか怪しい部分もある ものの、結構しっかりSFをしています。 GBの演出力では出し切れなかった部分も多々あったと思われますので、個人的に今回のDSリメイク には大変に期待しております。 稚拙な文章ですが、もし読まれてサガ3に興味をもたれたら、是非DS版をプレイして見て下さい。
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トワイス・H・ピースマン ooooo oooooooooo oooooooooooooooo oooooooooooooooooo ooooooo o ooooooo ° i ooooo  ̄ ̄  ̄ ̄ i oooo ━┳ ━┳ 7 7 -、o ‐‐‐ l ‐‐‐ l.) | λ 〉 |,l ヽ __ i | i <二 i l i i、 -- イ" '-"l `゙''-、,_ ノ l ヤ  ̄ ̄ | ヤ └,、_____ /l / \ , -'" l / __\ , -'" `゙''-、,__,,..-‐'' , -'/ / \ * 【登場作品】Fate/EXTRA 【登場話数】2話 【スタンス】? 【立場】主催者 【特徴】AAが無かった為、原作における彼のサーヴァントで代理。立川に住んでそうな顔をしているが気のせい。 Fate/EXTRAの黒幕。二次聖杯においてもその動きを見せるかと思いきや……。彼が初めてその姿を見せたのは二次聖杯が本格的に動きだした頃の43話。 その時はゼロと何か話しており、その会話から水面下での暗躍ぶりと意味深な発言を匂わせていた。しかし、次に登場した完結編プロローグでは何時の間にか死んでいた。本編での彼の出番はこれで終わりである。その生涯、全登場人物中最短の1話。更にそのおかげでゼロとの会話内容の真意が不明になってしまった。 誰が何のために殺したのか。それ以前に彼が本当に死んだのかすら分かっておらず、それに関しても読み手からは特に何も言われない有様である。 他のロワでも出番が短い主催者は数多くいるが、彼ほど短命だったのはいないといっても過言ではない。 結果的に彼は「たいした見せ場も出番も無く、ドヤ顔で舞台だけ用意してそのまま死亡」という何とも情けないキャラクターになってしまった。しかし、精神世界にてまさかの再登場。 主催側ではなく一介のNPCとして、マーガレットが待ち構える最上階までの道案内を務めた。本人はこの聖杯戦争に関わるつもりはなく、最後まで戦いを見届ける気でいた。 まさかの再登場に驚いた人も多いだろうが、死亡話とされている完結編プロローグで彼の死亡描写は明確に書かれていない。逆に言えばそれ程影が薄かったという事なのだろう。 【評価:最後までステルス】 “壊刃”サブラク } ≪⌒ r} ̄ ̄\ー‐‐‐、 ≧=- /|^ー‐ \ \ / {〈/ |¨ ̄{ ‐- __/ \ `{ニニニニニ≧、 r、 { { `^⌒ __|ニニニニ=-ニニニ≧=-,⌒ー=ニニニニニ 丶 -=´ニニニニニニニニニニニニマ \ \ /ニニニニマニニニニニニニニニニ〉____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\―――'´{ /ニニニニニニニニ≦ニニニニニニ,≫ー――― ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー――´ /ニニニニニニニニニニニニニ=-=ニニム /ニニニニニニニニニニニニニニニニ}oニム {ニニニニニニニニニニニニニニニニ}ニニニム |ニニニニニニニニニニニニニニニニ}oニニ,∧ |ニニニ{ニニニニニニニ∨ニニニニ{ニニニニニ=- . |ニニニ',ニニニニニニニ∨ニニニ/⌒ヽニニニニニニ=‐- . ',ニニニ',ニニニニニニニ,∨ニ7 . . . . . . \ニニニニニニニニニニ=‐- . }',ニニニ',ニニニニニニニ∨,7 . . . . . . . . . .\ニニニニニニニニニニニニニニニ=‐- . {ニニニニ.',ニニニニニニニニ\ . . . . . . . . . . . . .\ニニニニニニニニニニニニニニニニニ=‐- . * 【登場作品】灼眼のシャナ 【登場話数】6話 【スタンス】危険人物 【立場】サーヴァント(アサシン) 【特徴】紅世の王にして二次聖杯トップクラスのステータスと性能を誇る男。マスターは敗北を知りたいために参加した匂宮出夢だった。そんな彼女との約束もあり「戦闘及び殺し合いはお互い一日一時間」という二次聖杯及びロワ史上最大級のハンデを持つことになる。 しかし、そんな約束とは裏腹に初陣は天野雪輝&タマモ、我妻由乃&死体のチームを乱入とはいえ一瞬で葬り去るという鮮烈かつ衝撃的な活躍だった。この時自分自身の燃費の悪さを長々と愚痴っていた。なお、この時花村陽介&アレックスを放置した事が後の命取りとなる。 その後瀕死の枢木スザクを救助し、ランスロットを奪った間桐慎二を討つべく行動する。衛宮邸に移動していた慎二達を補足すると、またも奇襲攻撃でラオウに重傷を負わせた。その後ラオウと激戦を繰り広げたが、対人特化のラオウとは相性が良く被害を受けることなく倒しきる。 これにより羽瀬川小鳩、キンブリー、ランスロットが解放され結果的に三組でチームを組んで行動することになった。 その後、スザクが衛宮切嗣から得た情報を元に発案した作戦に乗り、柳洞寺を襲撃するも、先攻したランスロットが予想以上に苦戦していた為、直接戦闘はやらないと発言しておきながら、助け舟としてスザクとキンブリーの道を切り開く。 が、上手くいったと思ったのも束の間、倒し損ねた陽介&アレックスを筆頭に、名無鉄之介&リインフォース、泉こなた&火野映司、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア&ガウェインの侵入を許してしまう(これに関しては、リインフォースのトランスポーターで境内にワープしてくるという、想定外な理由で発生した為で彼に非はない)。 スザクの指示を無視して突撃した挙句、数の暴力で一方的に攻撃され続ける湖の騎士()を観ていられなくなったのか、「助ける気は微塵も無いが、マスターに令呪を使われたから」と言い、スザク達を逃がすために自らを囮にする捨て身の作戦に出る。 しかし悲しいかな。彼の攻撃もタマモとの戦いで炎への耐性をつけたアレックスにはまるで通用せず、零距離発射されたブリューナクの槍で消し飛ばされてしまった。 最期は死んだと見せかけて逃げようとするも、リインフォースのチェーンバインドで捕縛され、ファイナルダイナミックスペシャルもとい「約束された勝利の剣」「転輪する勝利の剣」「スターライトブレイカー」「ブリューナクの槍」の総攻撃を受けて、光となった。 真名を知られて対策を立てられた上に、多勢に無勢とあってはどうしようもなかった。結果的に陽介とアレックスを逃したことが最大の死因になってしまった。 振り返ると、マスター共々最初から最後まで注目され続けた陣営の一つだったと言える。しかし、前述の通り「敗北を知りたいから」と言う理由で参加した出夢がマスターだった時点で、敗北は確定していたのかも知れない。 【評価:本日のオススメ曲「Hungry Spider」】 匂宮出夢 ___ , </////////>, 、. ,..、ィ'//////////////////>、 / ,///,.-―― 、==' { ̄ ̄`ヽV/,>、 ,.l-ト,/」.!___ ノ,イ//,ゝ===='ィ/////、>_、 {,!=!'゙/777777///////////////////∧ l|! ,!////////////////////////////∧ ヽ!//////////////,!ヽ//ハ///////////>、. l////////、'//////!-‐V',∨///////∧‐-=\ l////ハ\ゝ\/!ヾ、'| ,.ィヾ刈V'!/////∨', ` l////∧V_;ツ` ` ヽ `ー ' リV///∧ヾ l/////∧ i . ' ,イ'////∧、 l///////ゝ ' ////∧////ヽ. |///////、`ヽ ー ' //////∧、///ハ リ///////∧ ... |////////∧ヾヾ/} ノ!////////∧ ` |/////////∧ ゙リ '゙ !/////>ーソヾ、 ト<'///////∧ <ニニニニ〈 〉ニ><'////∧ ,.∠/` ''<ニニヽ ,.イニニニニニ>'/∧ ,ィ ヽ.  ̄マム ,イ二ニニ>'"<'////∧ ,' ヽ 〈ニヽ/,仁ニ}´ .>、//∧. ! , |ニニニニ/ / ヽ/∧. l , lニニニニ! / .! /∧ l. , l二二二ニ! ヽ }///∧ /l ,!-――‐l-------!―-_ .l l////∧. ,イ'/l、 .; -=ニ二二二| \ / |二二ニ\ ! ,'/////∧ ,.'////,Yニニニ二二二二| × |二二二二ー- 、 .///////∧ //////∧ニニニニニニ二| /. . \ |二二二二ニニニヽ'//////∧. //////////}ニニニ=‐'" ̄ ̄!.=======.!-ーマ二二二ニニ}'///////ハ////////////〉 / |ニ二二ニ| マ二二ニリ'////////ハ////////////ヽ ー'" マニニニニリ `マニ,'///////////',////////////ハ {ニニニニ{ `7////////////}///////////// 、 ;. イ ̄〉'''''''''''''''i- _ .//////////////}//////////////// ̄l ̄ .{ .× }  ̄ 7 ̄´//////////////l * 【登場作品】戯言シリーズ 【登場話数】6話 【スタンス】危険人物 【立場】マスター 【特徴】元の世界では殺し屋として活躍していた出夢。そんな彼女が二次聖杯で引き当てたのは、トップクラスのステータスと性能を誇るサブラクだった。 しかし彼女自身聖杯に叶えてもらいたい願いも無く、しいて言うなら「敗北を知りたい」という某トレーズ様を彷彿とさせる望みを持っていた。その為サブラクに「戦闘及び殺し合いはお互い一日一時間」というロワ史上最大級のハンデを持つようにと約束させる。 その後は二手に分かれて行動し、サブラクが一気に二つの陣営を倒す一方、彼女はランスロットと別行動していた枢木スザクを襲撃。その戦闘で彼の左腕を破壊することに成功した。これが後の関係に至るとはこの時点では誰も思っていなかった。 その後再度スザクを発見。彼からの「ランスロットの奪還及び羽瀬川小鳩の救助」の依頼を受けて、サブラクと共に衛宮邸へ向かう。 衛宮邸の戦闘ではサブラクがラオウと激戦を繰り広げる中、彼女はサブラクから渡されたメアを片手にキンブリーと圧倒するが、最終的には利害関係が一致し和解。衛宮邸の侵入に成功し、そのまま間桐慎二の首をへし折って殺害した。その後は成り行きもあり三組で行動するようになった。 その後スザクが協力関係()にある衛宮切嗣から得た情報を元に柳洞寺襲撃作戦を発案する。出夢は乗り気では無かったが、結局出夢だけをセーフティーハウスに残し作戦は決行された。 しかし結果は情報を遥かに上回るステータスを誇るアルトリアを筆頭に、かつてサブラクの襲撃から生き残ったアレックス達の援軍もあり作戦は失敗。その戦闘でサブラクも消滅してしまった。 自らの死を悟った彼女は撤退してきたスザクに別れの挨拶と励ましの言葉を贈り、消滅していった。彼女の死はキンブリーでさえ「残念」としている。しかし結果的に「敗北を知る」という望みは叶った為、ある意味一番幸せな最期だったのだろう。 【評価:本日のオススメ曲「LAST IMPRESSION」】 羽瀬川小鳩 / `彡斗-┴‐--L / 〉ー-、 // ヽ>''" `ヽ、 λ-、__ ト、 __{У}-く/ ;;;;;;;;;;;;; \⌒ヽ -、 /⌒L l l _j / >''"ヾ ̄{r――-r〉 ̄「~`ヾ、Y }、} ヽ / ┌! l l┴ イ_r~乙__ノ `ー-"⌒ト〉ト、 〉 } ハ ! / 廴_ l l _ノ /〈フ l `く__ \) i j l 〈 l j {/-イ / j l ! l l`ヽ〉 i l l ヽく∨/イ l l / l j l l l } } } l l ノ } j/ ! l l乙ヽ| { { /l ! /_,,, l l l l l j } } l l / l l l 〈l ! l ! ̄「「T 7「 ! ハ`7Tー- j/ / j } l / / l j ! l l 人l 二,i,,l,,l三"ノノ__/ _ノ,,,,二ー/ / ノl/ l // j / j ! l ≪弋沙ソ ` '゙{(少ソ)癶~" } l ! / /l / /j / j i l `'~'~` `冖" / l l l / / i / ! / ノ i i ハ ! l |l l / / i / j / /_ ∧ l `ト、 ,,...__..、 イ } j j ゙、 ! l、 } i / ! / // `ヽiト、 l-{{ >...,,_,,.x<}-/ /イ /j/ ゙、l | V l {ハ i / // \lヘ`ミ=zrァ彡 〕l l l / ヽ ゙jノ i ! 乂\ i / /i l 〉 -// ヾヽ-(_ l l / ∧ノ゙、 l l  ̄λ| / l \ l い`ー〈/r-、_rV-イ j l j ハ ゙、 } j ヽ{/ l ヽl └--、_r---‐彡 { / \ `l / /\ /l ヽ ヽ / У ヽj / * 【登場作品】僕は友達が少ない 【登場話数】8話 【スタンス】危険人物 【立場】マスター 【特徴】恐らく二次聖杯のマスターの中でも最も不憫で、どうしようもなく弱かった少女。 参加理由は「大好きな兄が部活動に入ったことで友達を作ってしまうのではないか」「部活動に入り浸り、妹である自分に構ってくれなくなるのではないか」という嫉妬にも似た想いだった。 そんな彼女が引き当てたサーヴァントはキャスターであるキンブリー。…彼の属性は「混沌・悪」、この時点で不穏な空気は流れていた。 そしてその不穏な空気は即座に現実の物となる。ワカメこと間桐慎二に襲撃されラオウとキンブリーが交戦する中、戦う術を持たない彼女はワカメに容易く蹂躙されてしまう。 ワカメの脅しを受け、そのまま彼女は令呪を2画一気に使用してしまう。この令呪によりキンブリーはワカメの支配下に置かれてしまい、小鳩も心身共に破壊されてしまった。 その後も間桐邸に監禁され続け、ワカメからも憂さ晴らしの拷問を度々受け続け満身創痍になり完全に再起不能の状態だった。 しかしワカメ達と交戦した雁夜から令呪を一画得ることができ、そしてワカメとラオウが出夢&アサシン(サブラク)により討ち取られたことで状況は変わる。 そのまま出夢に助けられたが同盟者のスザクに興味を持ったキンブリーに「令呪をスザクに渡せば聖杯戦争から抜け出せる」と吹き込まれ、令呪をスザクに譲渡する。 キンブリーの目的は『何ら意思を持たず、足手まといでしかないマスター』の切り捨てだった。そしてキンブリーの手で小鳩は賢者の石へと錬成され、『生きた魔力炉』へと作り替えられた。 ワカメにとことんまで心身を陵辱されて利用し尽くされ、最期は自身のサーヴァントであるキンブリーにさえ裏切られ利用された。 聖杯戦争に勝ち抜くにはあまりにも弱い普通の少女だった小鳩が最期に垣間みたのは、大好きな兄にまた会えるという儚い夢だった。 【評価:お眠りなさい、甘美な優しさの中で…】 5人目のヴァレンタイン / ,r'´ ヽ l, l l_,,_ _,,-‐- 'l l ゝ iィ'"`゙`t‐l´ ̄~゙i、 .l l ゙ビ'--‐i ゙'‐-‐'' `'´ i丿 ゙i `` リノ ゙i r--‐ーッ r、ノ ゙i ``''''"´ / l'" . ゙i、,___/ l_ _,,(F-、, _,,-‐''''""´ !、,_ _,,,..-‐/''´ l゙`-、-V_,,,、、-‐'''"ノ;;;;;;;`゙`'‐ 、,_ ,,-‐'""´ ̄ / ,rレ'´ i、ヽ--‐ 丿 ;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙`'‐-- 、 ,ィ' /_/ i ヽ ,ィ' l ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ r' ,r i l <⌒ ̄ ,i ;;;;;;;;;;ヽ_l; i i l > / ;;;;;;;;;l i ゝこヽ l _,,,..-‐''´ / ;;;;;;;l、 i / ゝ ,,ィ''´ l ;;;;;;;ヽほう……ハッハッ! 見ろっ!!人がゴミのようだ!! * 【登場作品】ジョジョの奇妙な冒険 【登場話数】6話(5人目) 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(アサシン) 【特徴】遠坂邸に居る集団の監視およびアーチャーに関する情報提供のために呼び出された五番目の大統領。 ちなみにギリギリの魔力で召喚された所謂捨て駒だが、全てが同一である彼らには個々の役割の違いなどは気にしない。すべてはナプキンを取るため。それが大統領クオリティ。 早速遠坂邸の様子を窺っていたが、想像していた以上に事態が変化していたため、市長組は急遽作戦を変更。新都にいるマスター達と同盟を組むため、あえて自らの姿を晒し他のサーヴァントを呼び寄せる。 その後の協議は他の大統領に任せ、自らは決戦の時まで遠坂邸の監視に専念する。 そして聖杯大戦開幕後、アーチャーと激戦を繰り広げるランサーにウィルス弾を撃ち込む事に成功する。しかしすぐさま反撃を受け消滅。またもや一言もなしに退場となった。 なお、AA下のセリフは某大佐の名言だが、もしかしたら次々と死んでいく自分達を揶揄しているのかもしれない… 【評価:何度でも蘇るさ】 衛宮士郎 / / / / lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 lー ''''" ̄ ̄"  ̄ ̄`'、 ∠,,、 -z ,r――― ''" ∠,,、 -z ,r――― ''" 、 '"´,、ィ / 、 '"´,、ィ / 、 '" ,、 '" ツ / |^l 、 '" ,、 '" ツ / |^l 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 、-' ,、 '´ / / /'''',,,," 彡 | ,、 '´ / / `゙^ _,| │ | ,、 '´ ._ , --.ー.`γ^‐- 、 ._,| │ |^l '´ / /l/ .,/,_ | '´ ∠ ゙; ; 丶 `ヽ | ;‐i /'''',,,," 彡 // .l_,'" | .| lニ / / i i ; ゝ .lニ ニl ;‐i `゙^ _,| │ {_,l゙ .〈/!.κ λ i i ! i ..j,l゙ .〈/!_| lニ ニl .,/,_ | レ′ ! ! ミ;;、 i ノ 〈/!_| .l_,'" | .| o .ヘ /-i≦ |/V _≧- j z´ {_,l゙ ,.., || .《-j丶-‐ . ` --‐ i ソ ; ; || ヘ , ,' o ;; ,;,,;,;,;,, ____||____ \. - - ,イ || ;; ; ; ...  ̄l l ̄ ト - .イ !、 __||__ ;; , , ,,,__ ; ; l l i ノ ; . ;j ≫j ‐- 、.|| + ! ;; ,,  ̄ '' ー― --- i i l ,, _ , -‐ヘ 、__ /__, / >、 .l,,,,,,|__ ,,,, | ,, --―;; ー '''' " ; ; . √ ; /ゞ , へ , ヽ ../ ∧ ;/ ゙丶 ^ \ /;;i i / ;;;;;;{´ .. ... y!;;;;i | ./ ;;;;;;;) ... .... {i;l;;;i | / ;;;;λ .. . ヾ.!;;i | ./ ;;;;;{ ... .... j l ;i | , i ;;;;;l ..... ...... / | ;i | * 【登場作品】Fate/stay night 【登場話数】16話 【スタンス】対主催 【立場】マスター 【特徴】説明不要の原作主人公。ロワによってマーダーやマーダーキラーになったりもする彼だが今回は対主催。桜ルート終了後という参戦時期が二次聖杯での行動に大きな影響を与えた。 アルトリアとの再会、団欒の一時も束の間衛宮邸にルルーシュ&ガウェインが来訪し事態は動き出す。ムーンセルや電子虚構世界などの寝耳に水のような情報を齎され半信半疑ながらルルーシュと行動を共にし柳洞寺へと向かう。 そこにいた金田一&太公望と出会い三者同盟を結成。地下大空洞で情報交換を行なっていた時強い揺れを感じ地上に戻る。 付近を偵察していた四不象から戦闘を行なっている者の外見的特徴を聞くと何と死んだはずのイリヤと合致していた。まさかと思い全速力で飛び出し現場に向かうが一足遅くイリヤと忠勝は既に番長組に倒された後だった。 仇を討つべく番長との戦いに挑むがこの時の番長はアロンダイトにルーン石という充実した装備だったため力量では上回っているにも関わらず苦戦を強いられる。投影カラドボルグの一撃すら耐えられてしまい逆にジオで返り討ちにされてしまった。 そのまま気絶してしまい次に目覚めたのは柳洞寺に戻ってから。何も出来なかった己の無力を噛み締めることしかできなかった。 士郎に安息の時は訪れない。夜が明け柳洞寺にやって来た妲己の口から凛の死を告げられまたしてもショックを受ける。同時に死んだのが間桐桜でなくて良かったという思考をほんの僅かでも巡らせた自分に強い怒りを覚えていた。 妲己が齎した情報をもとに会議を行なった結果ルルーシュとアルトリアが陸&こなた組捜索に行くことになり、士郎自身は投影したカリバーンをアルトリアに渡し柳洞寺に残った。 それからしばらくして事件が起こる。山門を警備していたガウェインが突如太公望を攻撃したのだ。 わけもわからないまま味方に殺されそうになった士郎だが凛の令呪がまだ効いていた妲己が庇ったため無傷で済んだ。消滅寸前の金田一からルルーシュに何かがあったこと、ルルーシュは裏切ったわけではなく何者かに操られたのだと聞かされたことで疑心暗鬼には至らず太公望を殺し正気に戻ったガウェインと共に柳洞寺を脱出しアルトリアらと合流した。 仲間(それも自分より弱い一般人)が目の前で死んだショックから立ち直る暇もなく合流した面々から下手人が切嗣であると聞かされさらに動揺。自分の行動を他人に委ねるほど憔悴していた隙をイスラに付け込まれ言われるがまま柳洞寺に居残った妲己を討つためアルトリアと来た道を引き返した。 門番として現れた小次郎との戦いではアルトリアの力を温存するため赤原猟犬を投影し隙を作る。そこをアルトリアが斬り伏せ難なく要所を突破した。 いざ妲己を倒そうとしたが何と彼女は戦いを放棄、そればかりか陸とイスラの嘘に気付かせる助言や太公望が推理、考察を記録したレコーダーを渡される。 当然士郎は困惑し妲己に真意を問い質したが「自分が遠坂凛のサーヴァントだから」と嘘か本当かわからないことしか聞けなかった。状況が差し迫っていたためそのまま柳洞寺に向かっている陸組に対処すべくある策を考えた。 既に限りなく怪しい人物になっている陸とイスラに鎌をかけ、さらにアルトリアの奇襲と士郎の解析魔術で二人の嘘を暴く。後戻りできないと判断しイスラに令呪を使った陸と交戦する。 刃旗使いである陸の力は圧倒的だったが冷静さを欠いていたため防戦に徹すれば捌く事は難しくなかった。陸が踏み込んできた所にソードバレルを放ち壊れた幻想で大ダメージを負わせる。 膠着状態になったタイミングを見計らい士郎は訪ねた。何故凛を殺したのか、どう見ても殺し合いに向いているとは思えない陸にはそれほど大事な願いがあるのかと。 答えは肯定、さらに殺し合いこそがルール、聖杯を破壊しようという方がおかしいのだと痛烈な批判を浴びせられる。 直後窮地に陥ったイスラを見てついに理性が崩壊した陸の猛攻から生き残るべく彼を殺すことを決断。士郎は既に全ての人間を救うことを志す正義の味方ではなくなっていたから。 鶴翼三連と壊れた幻想で陸を跡形も残さず消し去り太公望が遺した考察を聞いた後アルトリアと暫し小休止を摂る。 が、休息の時間はすぐに終わった。戦いを監視していた切嗣&士が奇襲を仕掛けてきたため疲れた身体に鞭打ち応戦を試みる。 建物爆破で時間を稼ぎイスラの紅の暴君を投影し土地から魔力を吸収、同時にアルトリアに令呪を使い戦況を立て直す。 固有時制御で退避していた切嗣から起源弾を撃たれあわや魔術回路断裂かと思われたが陸から奪った反魔の水晶によって起源弾の魔術効果をキャンセル、反撃でコンテンダーを破壊するも切嗣には逃げられてしまう。 追いかけようとするもそれまでの疲労がピークに達しまた気絶。以降スザク団との大規模戦闘があったりしたのだが気絶していたためまさかの不参加である。 夜になり遠坂邸で目を覚ますが知らぬ内に彼の身体にはアシュナードの負の魔力が(僅かながら)取り込まれており危うい状態にあった。 教会組との初顔合わせの後リインフォースの魔法によって死んでいった凛、イリヤと再会。彼女たちに後事を託され決意を新たに仲間たちと共に宴会を開く。 その後学園に赴きDIOやヴァレンタインなどの残る敵サーヴァントの情報を集めていたがそこで間桐桜(SN本編の彼女とは別人だが)と対面。面食らいながらも自身が負の魔力に汚染されたことを教えてもらった。 調べた情報を基に作戦会議をしている最中ガウェインが解析した鳴上悠の遺したデータの中からアヴァロンの記憶フォルダが発見され負の魔力は取り除かれた。 新都連合との決戦では前線には出なかったがアルトリアが致命傷を負ったことで士郎も消滅。最後に仲間達の安否を気遣いながら退場した。 前述したように今回は桜ルート終了後、かつ恋人の桜が参加していないため普段のような自己犠牲的行動は二次聖杯では全く見られず常に生存優先で動いていた。 このため度を越した無謀な行動に出ることもなく非常に地に足のついた人物として描写された。強いて言えば紅の暴君をぶっつけ本番で投影するという無茶をしたがそれすらも追い詰められた状況での自己防衛のための行動でしかない。 死因も本人及びパートナーのアルトリアには全く非がなく、味方の無為無策や心眼・真()のオーズのとばっちりを受けただけ。逆に言えばどう足掻いてもDEAD ENDに直行してしまうほど彼は死の運命に愛されているのかもしれない……。 また切嗣との因縁など鳴上悠と同じく一部のフラグが未消化のまま退場したキャラの一人でもある。 【評価:どう足掻いても脱落】 アルトリア・ペンドラゴン _,.. ‐― '''^`'' ̄'ヽ‐‐、 _ ―― ァフ´ ー― , ` , ト , / / `ヽ. ヽ, i_ / / ヽ,ヽ、 ヽ. ノノ`ヽ ,.,.,; ;; ; ; ; ; ; ;; ; ; ; ; ;; i / , , , ヽ、、 'レ/ヽノ、 ,.,..; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;,,, / l i', ', \ヽ ,_ ヽ,Y i//∧ ) ,. '; ;''''' '''''; ;'''' i . i ! i; i丶ヽ,. ヽ.,_ _,.>┤ i / /,人 ,.,; ; '' ! i ', i ii', ', ヽ,ヽ,'>'_,,, 、i レV, i / ,.,.; ; ; ; ; ,,.,.; ;''' ', ', i ', iヽ,i `'^ / h ! i i Y┤; '''' ,'; ; ; ;,' ヽi ', ',‐Tフ‐、 ゝY__,ノ i | ノ‐; ;,,,.,.,.,.,'; ; ; ,' ,.,.,.,.; ; ; ; ; ; ; ; ;,.,., \\ ' ,く voヽ i レ' '''''''''''''''―''' ,.,.,; ; ;'''''''''''' ''''''; ; ; ; ; ; ; ,, ヽiゝ`ヽ.ゝ‐' , | i `'''; ; ; ; ; , ,.,.,.,; ;'''' ',; ; ; ; ;,., i iヽ, ー‐'´ , 'i i ''''; ; ;'''''' ''' | l ` ‐ ..,,_ / i ,'_ l i | i‐'T´ ̄ i / | _,i ハi‐‐‐l`'ー'L ___,/./ L_ ,.‐'" ....ヽi........ |ミ ⌒) 彡 /./i ,‐,. 'ー‐.,_ r'´ fヽ,_C´ '/r‐!' `'‐.,_ i / /'''――'''ゝノ ヽ、 i /,, ‐‐く i ヽ. ,.┘ '' '' / '' Y .、\ i . 〉 .ノ , ' `/ ノ ヽ, l . / / !ヽヽ ; / ,,.... 〉,_。ヽ , / ., ' iヽ ' ,', , / ,,... ''' / '''i´ ,,/ , ' ,i ' ヽ `V ''' ,, ‐', /l r┘ / / i,, ◇.v. ◇' ', , ' ,i' / / , ' | ', 彡┃ミ, /ー i' ,i' / i `' ;./_ | ; ┃ / i! ,i / ,.ノ‐'' ̄ ̄∩‐ i `T''二,'''''二==‐‐‐ .,,___i,i' / ,__r' ∪ ,.ノ r―┤ o i;X;i o __,,./,! / \ ヽ) _,.― '''''∩i V `'''7]≡[f''''' 7'''´‐‐' ,, / ,,r′ ∪ ノ ! ', / ヽ、 i丶 V, ヽ)――‐∩レ! ! i/ 'く´ ヽ ヽ,''i i ∪,ノ i / ,., i ヽ ,X――rv_ri i ,./.,_ _,.‐' ! | ヽ, ii Li // / i ,.ノ ヽ、 _,.‐' 'i _,..ノ'´ ヽ ト― ‐`'.....i i ,! ノ^ `'ヽ, ,i‐''i__,. ‐´ ヽ i ̄^ ^ 'i⌒!‐'‐L_ i/´ ; ,メ i_,.‐' _,....,_ 、 L__. i.,,ノ> ,_ `'' ‐‐,,_、 i i /i ,..r''´<二! _,.‐´ ヽ ,/ ̄ ̄´ >''i r‐v,ヽ、 i V i /,;''_,>'' ̄´ _,.‐'' ヽ / `' ,._ 。 /ヽノ/ / Yコ ‐'/`// ∠、__,,....‐‐'' ヽ. / `'‐‐/ `''L,,/(,,r',二/ レ' 'ヽ、 `'‐ _ ヽ / / `'''´ / f /`''‐‐ゝ.. `'‐ ,, ヽ. / / i ∧iL__ '' ... `'‐ ,, 〉、 / ,' i;; ;; ! `'‐ .,_ '' ... `'‐ ., / ヽ. / / |;; ;; ! ',`'‐ .,_ '' .. `''‐ ., ヽ / ,' i;; ;;i ', `' .,_ '' .., `' ., ヽ. / `' 、 r‐ `'‐‐′ ヽ.,_ 。 __,.> .,_ '' .., `'‐ ,ヽ. / ` ‐o/ ├'''´ ` .,_ '' .,_ `'' ‐ ., / / i ''‐ .,_ ' .,, `'‐ .,_ / / i ` ‐ ., ' , ' ‐ ._./ / i; ` ‐ ., ' ' ‐ ., * 【登場作品】Fate/stay night 【登場話数】17話 【スタンス】対主催 【立場】サーヴァント(セイバー) 【特徴】原作主人公コンビの片割れである元祖セイバークラスのサーヴァント。今回は桜ルート終了後、かつ黒化なしという珍しい参戦時期と立ち位置である。 二次聖杯において設定面の不遇さが目立つセイバーの中にあって特に(初期段階では)冷遇されており、士郎の力量が原作より段違いに上がっているにも関わらず低いままのステータスに一部宝具の封印、さらにムーンセルや月の聖杯戦争に関する最低限度の知識すら全く与えられていないというセリスやテレサすら遥かに凌ぐいじめのような有り様だった。 当初は衛宮邸で士郎と剣の訓練をしたりお茶で一服したりと原作さながらの団欒の一時を過ごしていたがルルーシュとかつての部下、ガウェインの来訪でその時間は終わりを告げる。 情報交換の後柳洞寺に赴き、そこで待ち構えていた金田一組と邂逅。通称寺組を結成し大空洞で改めて情報交換を行いそこでルールに関する知識不足は解消された。 その途中、大きな揺れを感じ引き返した一行は四不象からサーヴァント戦が行われていることを聞く。相手の外見的特徴を聞き飛び出していった士郎を追いかけ現場に急いだが時すでに遅し、イリヤは番長組によって殺されてしまっていた。 そのままクー・フーリンとの戦闘になったが原作と違い苦戦を強いられる。このロワでのクー・フーリンには令呪の縛りがない上、ルーン、カジャ系スキルによる大幅強化、駄目押しに参戦時期の問題で風王結界を見切られているなど悪条件が揃っていたので苦戦は仕方ないことではある。むしろ忠勝が通常戦闘で惨敗したことを思えば奮戦している方だろう。 しかし士郎が番長に倒されたことに気を取られ負傷、その後の宝具合戦も傍観することしか出来なかった。 この後、マスターである士郎がイリヤや凛の死で精神的に何度も不安定になっておりその度に宥める女房役っぷりを披露。柳洞寺に駆け込んできた妲己の情報をもとにルルーシュと共に陸組、こなた組の捜索に向かった。 その途上のルルーシュとの会話が原因で何とルルーシュが陸、こなた組に邂逅してすぐ陸にギアスを使い失敗するという大失態をやらかしてしまう。これにより両者一触即発の空気になったが、アルトリアが自身の真名を明かしたことで紙一重で事なきを得た。 険悪な空気の中柳洞寺に戻っている最中、ディケイドの襲撃を受ける。オーズと共に応戦し一進一退の攻防を繰り広げるが、それはディケイドの陽動であり切嗣の暗示にかかったルルーシュが令呪でガウェインを操り金田一、太公望を死なせてしまう。 アルトリアは元凶たる切嗣に激昂するがディケイドに上手く躱され逃げられる。その後士郎が合流しルルーシュ&ガウェインが離散、陸とイスラの話術に嵌り柳洞寺に残った妲己討伐に赴く。 金田一の令呪で召喚された佐々木小次郎を士郎とのコンビネーションで撃破し、妲己と対面。すぐに倒そうとするが妲己からの助言と太公望が遺したICレコーダーで陸組の嘘に気付いた。 妲己にとどめを刺した後、士郎と一計を案じ陸とイスラの正体、凛殺しとギアス不発の動かぬ証拠を突きつけ、逆上した陸による令呪を受けた伐剣覚醒イスラとの戦闘に突入した。 能力相性の良さと土壇場で真名を暴いたことによる能力の看破で戦闘は終始アルトリア優位に動く。途中で陸が「次の一撃でセイバーを殺せ」と二画目の令呪使用に訴えるが、投影カリバーンを投げつけ壊れた幻想で爆破し隙を作る。 追い討ちに風王鉄槌でイスラを空高く打ち上げ、エクスカリバーで完全に消滅させた。士郎と共に凛の仇を取ったが陸の死に際の本音を聞いてしまったために二人に喜びはなかった。 しばらく木陰で休んでいたが、休息の時間はすぐに終わりを告げた。戦いの一部始終を監視していた切嗣組が再び奇襲を仕掛けてきたのだ。 ディケイドと再戦するも、消耗から満足に戦えずアタックライド・イリュージョンで徐々に追い詰められていく。とどめを刺されそうになった瞬間士郎が令呪を発動、さらに投影した紅の暴君による魔力供給でそれまで掛けられていた能力制限も解除され形勢逆転、ディケイドと切嗣の撃退に成功するが、士郎が無茶の代償に疲労で寝込んでしまい柳洞寺から動けなくなる。 しばらくしてルルーシュからの連絡で近況を報告、士郎が回復次第遠坂邸に行くと約束しだがその前に切嗣から情報提供を受けたスザクがランスロット、キンブリー、サブラクという三騎ものサーヴァントを引き連れて襲来。先行して仕掛けてきたランスロットとは事前に覚悟が決まっていたことと魔力量の差から互角以上に戦うが、サブラクの援護で山門の突破を許してしまう。 だが直後に事態を察知していたルルーシュや陽介ら四組が境内に転移。総攻撃でスザク団を総崩れに追い込み強敵サブラクを討ち取った。 その後残存する敵勢力の対策を練るため士郎、ガウェインと学園を訪れる。そこで上級AIの間桐桜から士郎がエルランのメダリオンによる魔力汚染を受けていることを知らされた。遠坂邸に戻り対策を話し合うも解決策は出ず前線に出ないことぐらいしか対処法は見い出せなかった。 ところが、鳴上悠が遺したデータファイルの中から最終宝具アヴァロンの記憶データを発見。ついに取り戻した最後の力で士郎の魔力汚染を消し去った。 そして新都連合軍との決戦。味方の士気を高めディケイドと三度目の対決に及ぶが、完全に逃げに徹され決定打を与えられない。そしてディケイドの挑発でアレックスの窮地に気付き救援に駆けつける。さらに遠坂邸も危機に陥っておりオーズと協力してDIOを倒す手に打って出る。 DIOを圧倒するがディケイドのタイムで時間を止められてしまい、そのままDIOにブレイドブレードで致命傷を負わされるが、士郎の最期の令呪で復帰しディケイドを討ち取り消滅した。 ロワによって立ち位置や活躍の度合いに非常に差がある彼女だが、今回は珍しく対主催のポジションで長期に渡り活躍した。宝具の一つである風王結界の刀身隠蔽が対戦相手に一度も有効に機能していなかったにも関わらず大きな戦果を挙げていることも見逃せないポイントだろう。 しかしここぞというところで味方に足を引っ張られることが多く、その度にフォローに回るなど二次聖杯トップクラスの苦労人でもある。特にルルーシュはこの先どれほど輝かしい活躍を見せようと到底釣り合わないほどのミスを既に複数回犯している。士郎共々太公望から脱出フラグを継承したが仲間の無能化フラグまで継承してしまった感が否めない…。 逆境にも負けず、最期までマスターや仲間を影に日向に支えつつ戦い続けた彼女への称号はこれしかないだろう。 【評価:最優のサーヴァント】 門矢士 i''i i''i | |_iニi__| | ,-,.| | .iニi .| |,-, ,,| |.| | .(乂). | |l l、 ∧| l | | .,=iiii=、 .| || |,7 トィ| |.| |.二二二.| |__i、j トi .`| |.,-,.i-i.,-,.| イ jj ',j.. ..| |ヾ,.i=ij,イ..| | ji ', | | '| | | | j ', | |ィイ.| |ヽ、.| | i,' .ドイ| || | | | | | | |イ ,,,イ‐-- 、 .__j ',.| || | | | | | | |イ_j _,,,,ィ'、 〈'''"77`ヽ、_`ヽ - 、===j、....-.|_||_| |_| |_| |_|ヾ‐--、<"´ //ヽ /- / トゞィゞ ゙ -、`ヽ、`ヽヽ ヽヽ`ヽ_ノノ ヾヽヽ'., .ぐ/ヽドヽ 〈'" / 〈米"// ゝ、 ゝ',,, ゝヽ ヽヽ ii|iii|ii ヽヽヽ''"〉ヽト,゙',ヾソゝ__ ィ辷7‐- 、ニ-、 // フヽ/ ,'-,,,,二i ', '―=====―' 〉ィ"',ヽヽゝ"ゝ''" ゝ、゙ 、 く ニ> 、゙ヽ/" /、、ヽヽ〈 イ-ト、l/フ,'''''‐ii====イ"´ヽミ彡', ヽヽ/ ィ´/ ゝ、'ト、 `イ //フ ゝ"、ヽ ヽ ゝィ ゝ!'ノ.j' i 〉イ ,'i トYイ ii トソ .',ゝィ', ヾ_イヾ〈 ィ ,, ヽ j ', / (./ ィ、 ゝイ") .ゞイヽi' ゝ''イ ,' i .iハj ii '仆 ',辷ィイ iヽ辷ニ,,イ ノj‐-、 ''7ヽ ヽヽ ゝイ| `''ト‐-- 、_i'ニ辷辷j iニニ辷i ',__イi"ィく ヽ辷=='´_ノヽ \ / ̄ ̄7、 ゙ヽ、ヽ-‐‐'ノ-‐" ̄'''''-j j`'''i ̄''''''''''''''''" ̄ | .| |ヽ、ヽ、 `',''' ̄ ヽ ヽ /フィ / / ゝ、_ィイ、 | | | |`''=======j_j j/ `ヽ、ヽ ', ヽ / // / / !、 ./ jj ', | |ィ-!イ辷ト 、 | .| ト-〈' `ヽド辷===ィイ''/ ト、ヽ ヽ / ,,ノ./ `―ィ--‐ーイ-〈 ._|___ ヽ| | |__ ヾドニニニィイ `ヽヽ、ニ‐-二ニ彡イ ', | |,,,,ィイ´ i `ヽ| | |、 ヽ  ̄ `ヽ辷辷ニ''´ ', | | | __j |ド ヽ ヽ 〉 | |`''''ーー |ーー.j |/ド、ヽ ヾ、 ィヽヾi`ヽ | | | | | ヽヽ辷ニ',ヽ * 【登場作品】仮面ライダーディケイド 【登場話数】13話 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(ライダー) 【特徴】後にクラス特性を無視しているとまで言われる多様な能力を持つ世界の破壊者。 二次聖杯では魔術師殺し・衛宮切嗣に召喚されお互いあまり干渉はせず別行動を取りつつ戦っていく方針になった。 …が、互いにコミュニケーションを怠ったこの判断によって彼らは苦難の道を歩むことになった。 最初に発見したのは空を飛んでいたイリヤ&忠勝ペア。忠勝の重装甲に苦しめられるも響鬼の力を駆使して勝利目前まで追い詰める。 しかし遅れてイリヤを発見し狼狽した切嗣の令呪によってとどめを刺し損なってしまった。 その後偵察中にイリヤの死を察知し切嗣に報告。復讐心に駆られるマスターと共に番長組に攻撃を仕掛けた。 絶好調状態のクー・フーリン&番長の連携を防戦に徹して凌ぎつつ切嗣の策でマスターとサーヴァントを分断。番長が受けた起源弾の影響で弱体化したクー・フーリン相手に優勢に立ちこのまま勝利…できたはずなのだがそこにスザク&ランスロットペアが乱入。 龍騎ドラグレッダーでクー・フーリン共々相手取ろうとするが即座にランスロットに龍騎を奪われ一転して形勢不利になる。怒りに任せて切り札を切ろうとするがその前にスザク組は番長を拉致して撤退。その後電話を掛けてきたスザクと不本意な同盟を締結した。 衛宮邸に赴き切嗣が仮眠を取っている間に警察無線を傍受している時、龍騎が破壊されたことを察知。これを受けて切嗣はスザクとの同盟を諦め隠密行動に方針を切り替えた。 しかし明朝、移動するルルーシュ、アルトリア、こなた組、陸組を発見したことで士は態度を一変。仮面ライダーであるオーズ破壊を主張し無理矢理にでも打って出ようとする。 だが切嗣の提案を受けて目標を柳洞寺にいる太公望撃破にシフト。アルトリア、オーズ、ついでにイスラ相手に大立ち回りを演じて陽動の任を果たし切嗣の策も功を奏し作戦成功。怒るアルトリアを尻目に悠々と退却した。 近場の安ホテルに潜伏した二人はその後の柳洞寺での戦いの一部始終を捉え、消耗した士郎組を排除するべく再び行動を開始。が、士はオーズの破壊に固執しており切嗣との認識、方針の齟齬がこの後のミスを生むことになる。 カメンライドを駆使して士郎とアルトリアを分断。今度は陽動ではなくアルトリアを撃破する算段だったのだがオーズ破壊を狙う士はアルトリアに対する油断・慢心から全力を尽くさずアタックライド・イリュージョンでジワジワと削りにかかる。 倒せると確信していたが士郎の令呪、紅の暴君の併用による過剰供給でアルトリアの能力制限が解除されてしまい一気に形勢逆転。ディケイドライバーが損傷し宝具による魔力生成が途絶、分身も全て失いイリュージョンという強力な切り札が使用不可能になり退却を余儀なくされた。 一方で切嗣も士郎に敗北しており合流した二人はお互い不機嫌さを隠しもせず責任を擦り付け合うことに終始、強引に話を切り上げた切嗣の案で戦力を拡充すべく新都へ向かう。 その後新都で出会ったヴァレンタインの提案で深山町の対主催に対抗するべくスザク組、キンブリー、まどか組、市長組と五組の連合を結成。士は切嗣の代理として交渉に参加し他のサーヴァントと共に対遠坂邸チームの対策を練り合う。 そして迎えた決戦。再びアルトリアと対峙したものの制限の解除に加えアヴァロンをも取り戻した彼女とは既に正面からでは太刀打ちできないほど実力差が開いており全力で逃げに徹して対アレックスの策が成るのを待ちアルトリアを挑発。 彼女がアレックスの救援に向かったことを確認して士もアギトトルネイダーで現場に急行した。到着した場で念願のオーズと交戦…と思わせることが士の真の策だった。 今まで隠してきたブレイドの能力、タイムでDIOと交互に時間を止めアルトリアに致命傷を負わせることに成功する。そしてDIOと共にオーズをも撃破しようとしたが士郎の最後の令呪で立ち上がったアルトリアに背中から心臓を一突きされ彼自身も致命傷を負ってしまった。 最期に敵対していたオーズと心を通わせ彼にスーパータトバの力を与えDIOを倒すように言い遺し世界の破壊者の旅は終わった。 期待されていたマーダーの一人だったが終わってみれば自身の殺害数は何とゼロ。まさかのサラマンダーである。これは彼の実力が足りなかったのではなく切嗣の方針で陽動や時間稼ぎという損な役割を担うことが多かったためである。 なので一見可哀想にも見えるのだがその一方設定面では他の鯖全てを軽く圧倒するほどに優遇されていることに加え、本編でもアルトリアに対しての舐めプ、ランスロットとクー・フーリンをまとめて相手取ろうとして失敗、敵を倒したと思い込み背後から致命傷を受けるなど過信や油断からくるミスを複数回犯しておりいまいち同情できないという何とも微妙な結果になってしまった。 また、死亡後のゼロと言峰の会話で多くの参加者に悪影響を与えたアンリマユの呪いが士にのみプラスに作用し、燃費大幅改善をはじめとした莫大な恩恵を得ていたことが発覚。本来の力で戦った場合遠坂邸同盟に普通に敗北していた可能性が示唆されるなど一部だが功績を否定されてしまった。 とはいえ一方でアンリマユのせいでメンタル面に僅かながら悪影響が出ていたり、そもそも世界の破壊者状態でなければ切嗣とももう少しは良好な関係を築けた可能性も示唆されるなどフォローも入ってはいる。 総合的に見れば彼もやはりアンリマユの被害者の一人と言えるだろう。おのれアンリマユ!ゆるさん!! 【評価:アンリマユ最大の被害者】 鹿目まどか ,ヘ ∧ ∧ >i | |ヾ\ ・ || || || / | .| | | __ヾ\| |>-‐…‐ ‐…‐-=,,|| .||/_ ,! ,! >| |´ > ' ´ \ ̄ |/ヽ / | | / \ ・ \ / >'´ ハ ∨ \ ,/ -‐''7 | i ', ヾヽ、 // / | ! | ', ', ,' / / /! | | i | i ', ,' / / /| _, -‐-/ ||', |\-‐- . | .| } ',. i /| | ,' | | / /! / .|!.', ! \ 、 \.! | | | | i |/ | |' | | / / |_∠_ | ∨ ,zz,,_ヾヽ | | ! | | }. | | /|! |//之ハ 之ハヽ ',| | / | | ! | | |//| ', |/. {///} .{///} ',| | Y .| | | ,! | ∧ λ| '\! 弋zツ 弋zシ | ,! リ∧ || ,! ||,! ', / ', ,! .! i, x x x x , x x x x .|. ,!''|/ | ,!|∧ ,! ', / ∨ | 八 |.,! |/ } / ∨ ', | > ._ ` ´ _.< |,! |/ ヽ! _,≧ . _ .. ≦ |! __|≧+ . ,_, .+≦| _,,.<|| || >ッ、__ ∧ _||>-‐-=、, =、>-‐-=、||_ ハ / r''/////////,{ //////////7 ', / ∨//////// ><///////// / .', / ∨//////// ∨/////// / ', / ........... .∨//>,4/==∨</// / \ ∨ .... `´ ムマ マム. `` / ..... / ∨ ..ノ ムマ マム / / * 【登場作品】魔法少女まどか☆マギカ 【登場話数】13話 【スタンス】マーダー 【立場】マスター 【特徴】魔法少女の真実と悲劇を目の当たりにして彼女たちの救済を求めてしまいムーンセルに選ばれてしまった少女。 しかし聖杯による願いを叶えるためには引き換えに他の参加者を殺すことが必要であるため、パートナーのDIOとは違い戦いを拒絶し葛藤する。 そうして悩む内に眠りに落ちてしまい、気が付いた時にはDIOが単身行動に出ていってしまったため彼を探そうとするが、偶然にも園崎詩音とばったり遭遇してしまう。 しかし詩音からはただの一般人だと思われたため、アシュヒトの襲撃の際には彼女に匿われ無事に済む。 その後DIOが戻ってきて拠点を移す事となる。ハイアットホテルに着いてからは度重なるストレスとDIOに魔力を取られた疲労でまた眠りに落ちる。 数時間後には目を覚ましたが、またもやDIO不在で自身の悩みも解消されない状態であった。そこでまどかは最初に出会ったマスターの詩音に会って話をしてみたいと思い街に出る。 スタート地点のマンションに戻ると、DIOが詩音に何か話しかけており、さらに変わり果てた親友・美樹さやかと戦っている場面に出くわす。まどかは戦いを止めようとするが逆にDIOから戦う覚悟を決める事を迫られ、傷ついた親友を救うため悲痛な思いでナイフを取る事を選んでしまう。 だが詩音が自害したことで最悪の事態を回避。さらに令呪で狂化を解除されたさやかと最期の会話を交わし彼女の心を救うことができた。 そして親友の死別に悲しみつつも、まどかは一つの決意をする。このような悲劇を繰り返さないため、聖杯の破壊を宣言。令呪と意志の強さを見せつけた事でDIOを従わせた。 その後しばらくはショックが抜けずホテルにて放心していたが、聖杯を出現させ破壊するために参加者全員を倒す覚悟をDIOに示す。すぐさま近くで起きていた戦闘に介入し、瀕死状態の鳴上悠にトドメをさすようDIOに指示を出すなど荒事にも積極的になっていった。 その後日が沈んだ頃にアサシンが姿を現したためDIOが単身で向かい、新都連合を結成しその交渉を任せてほしいと連絡を受ける。まどかは何も知らずにすんなりと受け入れるが、すぐにその真実を知る事となる。 決戦の最中、アサシンの手引きで同じ目的を持つ集団がいた事を初めて知り、騙された怒りと失望を覚えたまどかは令呪でDIOを呼び出す。そして対主催への償いとしてDIOを自害させようと決死の覚悟で令呪をかざしたが、言葉を紡ぐ前に切嗣の狙撃を受け即死。 最期には切嗣との再契約を果たしたDIOに血と心臓を奪われ無残な姿のままムーンセルに消去された。 二次聖杯開幕当時はまだまどマギブームが冷めやらぬ時期であったため、最高の魔法少女&最悪の魔女になれる素質や因果律の高さ、同じく鯖として参加していた美樹さやかや相反する闘争本能と野心を抱くDIOとどのように絡むのかと、住人達からなにかと話題(とネタ)が尽きなかった。 作中ではごく普通の非力な少女であり聖杯戦争になじめずにいたため大して活動しなかったが、逆に目立たなかったために狙われる心配もなく終盤まで生き残るという結果に繋がった。番長とは全く真逆である。 だがその代償として情報を得る機会を失ってしまい、主導権を握っていたDIOの操作もあって彼女の運命は大きく狂ってしまった。 ちなみにだが、彼女が何かしらの決意や覚悟を得て行動にでるとなにかと裏目になったり大惨事になる傾向が強い。 無知故の致し方ない行動ではあったとはいえ、それが原因で原作本編や外伝にて絶望する切っ掛けを作ったり複数の死を招いたり永遠に彷徨わせたりと周りに与える影響力が大きい。 今回も聖杯を破壊するために他者を倒す覚悟でいたら同じ目的を持つ人々に被害を出してしまったりと裏目に出てしまった。ただしこれらに関してはQBと同様都合の悪い情報を隠していたDIOが大体悪い。 色々と間違えてしまった彼女には非日常とは無縁の中で普通に過ごしてもらうのが一番だったのではないのだろうか。 【評価:因果に見放された少女】 名無鉄之介 \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 、 | 、 ____\ \ | | > ∨ / / / / /  ̄\ _/ / | ヽ ー――/ /| |、 . / / ∧| | \ | | '| |衍ヽ l-―\|ヽ | 、 l/ | ||ノ| \ /'芹㍉, ‘, | | \ l / |ヒリ |ノ ハ 》 | / /、 ハ厂 ̄ ∨ | 〈 乂ソ | / |/ ) } イ / lイ {__ノ / |/ \ ー -- _⊥ |/|/ \_______∠二 |、 ____ /| | r、 |/\ / / 「_ | ∧ / .′/ ̄ 、――――く⌒< { 人\Y |∨ // -‐\. \ | / | ,ハ| /.八 〈 / ヽ | 〈 |/| ∨//」=-/∨// }. \ | l |¨¨Y _|__/ ∨| _/ .′________ | ∨| | /// ∨  ̄ ‐ニ| / ∧,/^ハ ○ | / / | / | / | ∨ / l ! |/ | ∧ ○ | | | ! | | / ∨ , | ′ | / ∧ ! / | ′ | / / / | ′ |/ / / l ∨/ \ /| | //  ̄ | * 【登場作品】私の救世主様 【登場話数】14話 【スタンス】対主催 【立場】マスター 【特徴】AAが無かったため、同じ作者の別漫画(そらのおとしもの)の主人公で代理。 自分の様なモテない男が美少女とイチャコラできる世界を作るという何とも俗な理由で聖杯戦争に参加するが、肝心のルールを殆ど聞いていなかった。 召還されたサーヴァントのリインフォースの美少女っぷりに喜んだのも束の間、この戦いが殺し合いである事を知る。 当然の如く殺し合いを拒絶した名無は一先ず監督役の神父が滞在する冬木教会へと向かう事にする。ついでにエロ本を大量に購入していた。 彼から戦争についての大まかな情報を聞いた後、花村陽介&ランサー(アレックス)の対主催コンビと遭遇。 死を目の当たりにし傷心の陽介を持ち前の明るさで励まし、その後教会組と呼ばれる対主催チームへと発展する。 陽介らと共に教会を後にした名無…だったが、そこを襲撃してきたのは最悪のマーダー・ゼフィール&ライダー(アシュナード)の主従。 ペルソナを操る陽介、槍王の力を持つ名無の両名を互角に相手取るゼフィールに苦戦するが、アレックスと共にアシュナードと戦うリインフォースの危機を見て無謀にもサーヴァント同士の戦いに割り込む。相対するは圧倒的な強さを誇る狂王アシュナード。 しかし名無は大きすぎる格の違いを見せつけられながらもリインフォースを守るべく一歩も引かず、彼に啖呵を切り続けた。 アシュナードに気に入られた名無達は彼の気まぐれで見逃され事無きを得る。この際、リインを助けた名無は彼女と少しいい感じになっていた。 その後休息も兼ねて食事を取り、深山町へと向かおうとした(ついでに陽介とエロトークで盛り上がる)が、今度は悠&ランサー(クー・フーリン)の襲撃を受ける。 陽介の親友であった筈の悠を止めるべく交戦する事になり、苦戦するもリインフォースの攻撃によって撃破。 悠を洗脳する宝具「肉の芽」を解除しようとするも寸での所で逃げられてしまう(この時名無はちゃっかり悠のクレジットカードを盗んでいる)。 一先ず目的の深山町へ向かう事にした名無達は星海原学園に到着し、情報収集を行った。…のだが、途中から名無は女子更衣室の覗きに勤しんでいた。 しかしそこで偵察に赴いていたアサシン(ヴァレンタイン)に攻撃され交戦。アサシンとはいえサーヴァントとの戦闘だが、槍王による高い身体能力を持って一歩も引く事無く持ち堪え続けた末にリインフォースらの加勢を受けてヴァレンタインを撃破(この時仕留めたと誤認したが、実際の所ヴァレンタインは宝具によって離脱していた)。 その後遠坂邸へと移動し、拠点として活用しようとした時にこなた&ライダー(火野映司)、ルルーシュ&セイバー(ガウェイン)と接触。彼らとの情報交換を行った後、リインフォースの索敵で柳洞寺での戦闘を感知する。 ルルーシュ達の仲間であるセイバー(アルトリア)が苦戦している事を認識した名無らはリインフォースの魔術によって柳洞寺へと転移。 苦戦するアルトリアに加勢、複数のサーヴァントの援護によってマーダーチームを撃退しアサシン(サブラク)を撃破した。 マーダーチームの撃退後、休息を取るべく遠坂邸へと帰還。出前によって頼んだ豪勢な料理によって存分に宴を行う。 休息を終えた対主催チームは再び学園で情報収集を行い、今後結成されるであろうマーダーの連合軍への対策会議を行い、物語はマーダー連合軍との決戦へと進む。 名無達マスターは遠坂邸地下にて待機していたがそこへヴァレンタインが襲撃。「平行世界のルルーシュ」を連れてきた事によってルルーシュは窮地に陥り、名無はヴァレンタインに誘拐される。ルルーシュはリインフォースらによって一命を取り留める。 気付いた時にいたのはアーチャー(DIO)のマスターである鹿目まどか。彼女がDIOに騙されている事を知るが直後に衛宮切嗣の狙撃によってまどかは死亡。切嗣と再契約を果たしたDIOはまどかの遺体を弄ぶかのように喰らい、名無を激昂させる。 その後リインフォースが名無をかばい致命傷を負い共に消滅寸前となるが、名無は最後の最後まで仲間の事を思い、令呪で仲間に『槍王』の力を送り届ける事を念じる。そして互いに芽生えていた『絆』を確かめ合い、名無はリインフォースと共に消滅した。 当初はそのマイナーさ故にいまいちパッとしなかったキャラだったが、親しみやすい剽軽で助平なキャラクター、リインフォースとの漫才の様な絶妙な掛け合い、そしてあの狂王アシュナードに真っ向から啖呵を切るという度胸と作中で遺憾なく魅力を発揮し次第に住民からも注目され始めた。 対主催として終始ブレることなく戦い続けた名無は終盤にて脱落となったが、その意志はルルーシュらに確かに受け継がれた。 【評価:守るべき未来と愛を信じて】 リインフォース `丶、圭圭圭ヽ圭i|圭ニ} ,..イ圭圭 , ´ `ヽ、圭圭圭'圭圭! /圭圭圭/ \圭圭圭圭!/,} ,.ィ7 /圭圭圭/,...----...__ \圭圭圭 /イ圭} __ ,.イ圭圭圭圭´圭圭圭圭圭> 、 \圭圭圭圭/,ィ ,.. ´ ̄ ̄  ̄ `丶、 _,.イ圭圭圭圭圭圭圭圭, - ´ ̄ ̄ ヽ,>'' ´ ̄,、 ̄` ー-----―‐ '''´ ,..ィ圭圭圭圭圭圭圭, - ''''´ , ´ { `ヽ、_ _ ____.,.ィ圭圭圭圭圭圭圭二_、 , ' \、_` ー―----_--__-- 、__ ̄ ̄ ̄----_ /圭圭圭圭圭圭圭圭--二 、 ,.、 ,.、 _ / 、 、 \ !` ー‐ ''´____,.. >、\ ヽ/圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭 `ヽ、 ヽ マr}Yr, / / | { i ! { i、 \ \ ヽ}___---_,. ,. -  ̄ ̄マム ̄ヽ- 、 , '圭圭圭圭圭圭圭、--- 圭圭圭圭圭\ マイ ,..,`- ‐  ̄ム/! !{ |、从 ',{、\/_、 ',マ__,.. - } リ ! },/圭圭圭圭圭圭`ヽ、圭≧、  ̄ ̄`ヾ_\ } / {____{ {_{ |从下≧、\イ{ ijソ l\}'} |/>,-、_ /イ , ' 〃圭圭圭圭圭圭圭圭\ /、ィ¨´ | | | !ヾ、jハゞ' , ¨´ ! |/ // ///////7777イヽ´ / /圭圭圭圭圭\圭圭圭圭\ ー' | | ヾ\ゝ人 - イ| |////{///////// ///ハ ー‐/圭圭圭圭圭圭、圭ヽ\圭圭圭\ | | ` { 人 ≧=-=く! | /、/// ∨////////////}, /圭圭圭圭≧、圭圭`ヽ  ̄ ̄ ̄`ヽ ヾ' , | {! ///' マ{ j/ /\// ∨///////////、圭圭圭--、-`  ̄ ̄ 、―--- 、-、\圭圭i、| |!i{//イ Ⅵ ヽ//}//////// / /、/////////`ヽ―――-- 、圭圭圭圭圭圭/|リ Ⅳ´{ {! \>----、イ_,. _´ ヽ /////////∧`圭ヽ圭圭>-― ´ ̄ ヾi 人 ,ィ ∨==//イ, ´ }圭圭圭―--ァ}_____`圭>‐ ´ __,............二二/人 ,イ}|/_/ ,、´////>、圭圭圭圭≧‐ ´´ ,..ィ升////////////////rィr-、二´_,ィ `ヽ ,..ィ //\//////`ヽ、圭圭圭圭≧、__ ///////////////////// ,/;} | } | }_,...r77/ /////ヽ////////`ヽ、圭圭圭圭圭≧- 、 ///////////////////////>'/!_,| |_|_,...ィ |二二イ////////∧/////////∧圭圭圭圭圭圭圭`ヽ、 ////////////////////>'´ { `ー、-- '´ | |///////////// ∧///////// L圭圭圭圭圭圭\ ̄`ヽ /イ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ム \ | L//////////////∧//////////ヽ圭圭圭圭圭`ヽ、 ,. 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' , '´ マ∨/////////////////// ',圭| ヽ圭圭', ` \ / / マ∨/////////////// イ }圭! ヽ圭ニ! * 【登場作品】魔法少女リリカルなのはA s 【登場話数】14話 【スタンス】対主催 【立場】サーヴァント(キャスター) 【特徴】原作リリカルなのはシリーズにおいて最強クラスの強さを誇るチートキャラ。しかし二次聖杯ではヒロイン属性の方が強調されて描かれた。 参加したは良いものの出会ったマスターは美少女のことしか考えていない今作屈指のギャグキャラ、名無鉄之介であった。 その名無は開始早々クレジットカードでエロ本を大量に購入するなど圧倒的馬鹿っぷりを披露し、リインフォースは何とか彼を軌道修正しようと頭を悩ませることになる。 教会で陽介、アレックスと出会い彼らと同盟を組んだ直後にFE組が来襲。アシュナードの前に窮地に陥るがそれまで軽薄な男としか思っていなかった名無がリインフォースを庇うという漢気を見せたことで危機を脱し、以降名無へ少しづつ信頼を寄せていく。 今度はDIOの操り人形と化した番長組とエンカウント。名無とリインフォースを同時に相手取るという驚異的な番長の戦闘センスに梃子摺るもディバインバスターで頭を冷やした。 そして番長の肉の芽を取り除こうとするが強烈な拒否反応を示した彼に逃げられてしまった。 その後学園を訪れ調べものをしていたところ別行動を取っていた名無が大統領に襲撃される。しかし慌てずエリアサーチで名無を探し、魔法で姿を消して逆に大統領に奇襲を仕掛け、アレックスと共に彼を撃退したが同時に死んだものと誤認する。 遠坂邸で休息していた所、こなた組、ルルーシュ組と出会い彼らとも同盟を結び情報交換を行う。その過程で大統領の死の偽装を看破したり切嗣の使い魔を撃ち落したりしている。 夜になり、柳洞寺にいる士郎組がスザク団に襲撃されたことを逸早く察知すると仲間を率いてトランスポーターで境内に転移。数の暴力でスザク団を圧倒し強豪サーヴァントであるサブラクをも捉えこれをスターライトブレイカーを含めた一斉攻撃で撃破した。 遠坂邸に戻った後は沈んだままのメンバーを励ます意味も込めて魔法で用意した空間に仲間を落とし脱落した陸やイリヤらと再会させる。結果仲間の士気は持ち直し、番長が託したデータフォルダという思わぬ副産物も得た。 しかしその間にスザクは学園で遠坂邸同盟のサーヴァントのデータを調査しておりこれを看破したリインフォースは予想される敵勢力の襲来に備えて様々な策を練ることになる。 特に原作でも猛威を振るった結界魔法は敵キャスター(キンブリー)の妨害に大いに力を発揮する…はずだったのだが。 ふたを開けてみると何故か結界の仕様が「罠を兼ねたスフィア盤に結界の負担を担当させる子機としての役割を持たせる」というものになっており、クウガの力を持つディケイドに当然のように察知されスフィア盤は破壊されまくりキンブリーにとどめを刺される形で結界は敢え無く破壊された。 原作のリリカルなのはシリーズの結界にこのような設定は無く、基本的に結界破壊の効果を持たせた大威力の魔法でなければ破壊は不可能で本人も決戦前にそういう説明をしていた。 なので今回使った結界魔法は完全な劣化版であり何故このような行動に出たのかも説明は無かった。 また、対ARMS弾を受けオーバーヒートしたアレックスを本拠地である遠坂邸には転移させられないと主張していたが、柳洞寺やアインツベルン城など敵の手が届きにくい転移先はあるにも関わらず彼女を含めて味方全員それに思い至らず、間接的に士郎組の死を招いている。 さらに侵入してきた大統領とスザクにマスターの名無を攫われる、その後訪れたキンブリーにも主導権を握られるなど失態は留まる所を知らず、最期は名無を助けるべく新都に転移したところ待ち構えていたDIOの一撃を貰い致命傷を負うも、名無の最後の願いに全ての力を使い、そのまま主従揃って消滅した。 何故彼女は自分たちの不利になるような結界を張ったのか。謎を残したままの退場となり、今後もこの謎が明かされることはないと思われる。 また、ある程度正体を掴んでいたはずの敵軍の後方戦力に何も出来ず、それが巡り巡って自分の死因になったあたり何とも言えない微妙な結果となってしまった。 しかし上記のヘンテコ仕様な結界の他、原作の面影も無い貧弱な戦闘力やその割に燃費もいまいち良くなかったりする等、設定面では一二を争えるほどに冷遇されておりあまり活躍出来なかったのも已む無しな所もある。 【評価:プログラムは電気羊の夢を見るか?】 4人目、7人目、9人目、10人目その他多数のヴァレンタイン . ヘ、____/\ l | .l | __,r< __ | r< _l_ 、、 l l l .l 「 ┼ \. Y .: l こ .l l______ l l .: l よ ! | : l .l l >x、 .l l .: l ! | : (二 l l/ ヽ l l .: 「l/ ! l // : l l ___,. ‐ ' |. l l l : .: ! \ ’’ l l/. ヘ、 l\ u l ! l ト、 : .| , -- . \___ /l l/ r‐ r㍉ 7 / l ! .l ! l_ / . >x. | / ̄ ̄ l l `┴' 」 ‐' r‐く_!. l l l、  ̄| 厂¨¨´ ! / / \ \ >x' l l , ト、, j | l l \_ |. / / 厂 入 メ、 l l 〈/ l/ ヽド' !.| .l l u x个ミx !.. / ' (/ ,rfシ ヽ. \ l l `ーr' | j | .l l ! / !_/l_ヽ. | l l`ヽ ∨ \ l ー‐r‐㍉ニ) 八' ! l l l. j |frぅ | \ .| | fり し' ) u l\ l l L. _L. _`Y // / ,l l. | l__/ ヾ!/ u l | l, ! └ '_, -、 V ,l└‐‐‐ - ∠ ノ_ ,l l |ー㍉ ! l |、 lj_/,ノ u ∧ ! ¨ ┘l ! l し ! | l \ ` ´ _ ....._,/ |V, l r…── - _ ! l ! _∨ ∧_乂 、_/ _,乂 ! ∨ l l _ ------x  ̄¨ ! ! ! .l_ ミx ∨ \_/ jx、! l l/ , ∨ l l |. 人 __‐/ | )) ,ハ \,r‐=ミx l/ | l l 人 V ! ! l /_r千`!___彡'ヘ、 、| ) Yてr‐ l l/ /_ヽ. ヽ V l l ∧ >xr‐! \ ´ ノ | /ヾx j l x个┴ (ゥ ∨ l l ∧ l ====ミ、 ー─< l ( ノ l l /! u 、 )| l l ハ ! \ >x人___彡'.! ! /! _r‐ュ .| .l l ∧ | ヽ l. !. /人 lj __jl リ l l ヽ l ∨ .l l ∧ ` . ___j / l l \ .! ! l l lr=ミx >‐ ‐x. / l l \ .|─- _ | _ l l. | r x )、l))(( )彡' .l l ` !  ̄¨ ‐个 ─‐ `¨´ __/_У_ l l l  ̄¨ '└‐- ___ | * 【登場作品】ジョジョの奇妙な冒険 【登場話数】12話(4人目)、6話(7人目)、1話(9人目、10人目その他多数) 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(アサシン) 【特徴】同時期に複数の大統領がリタイアとなったため一括りに纏める。なお、大空洞の戦いでは10人以上の大統領が駆り出された為、確認できる以上の大統領が死んでいる事になる。 脱落した2人目からバトン(D4C)を受け取った4人目の大統領は魔力補給のため栄養ドリンクを片手に一旦拠点に戻ろうとする。その途中でDIOの傀儡となった鳴上悠&ランサー(狂化していたためバーサーカーと誤認していた)を見つけるが無理もできないので無視する。 市長と情報を整理して魔力を搾り取りまた偵察にでるが、同盟相手であるゼフィール&ライダー(アシュナード)が他の参加者と戦闘していたため介入する。 最初は鳴上悠を暗殺するも失敗、また同盟相手から味方だと認知されず(自分からも説明しないため)三つ巴の戦いとなる。 程なくして戦闘は決着、大統領と大剣エッケザックスを残して他は全滅してしまう。この時DIOが裏で糸を引いていた事に歯噛みするが、相手の能力も把握できただけでも十分とし撤退する。 ゼフィール達が倒された事を市長に報告し、今後の方針を話し合う。遠坂邸の主従達に情報を提供しアーチャーとぶつけさせる事、市長の偽装入院のために付き添いを付ける事、そして引き続き諜報活動のため、5人目6人目を召喚して再び出陣。 だが事態は一転、遠坂邸同盟があまりにも強大なチームになっていたため作戦を変更。他のチームと新都連合を結成し、遠坂邸攻略の協議を行い着々と準備を進める。(ちなみにこの間に7人目も召喚されています。) 聖杯大戦が始まると自身の能力を駆使して後方支援に徹する。5人目、6人目が対ARMS用のウィルス弾を撃ち込みランサーを機能不全にさせ、本体の4人目はスザクと共に敵本陣を奇襲。ルルーシュを対消滅させようとして相手チームに動揺を与え、スザクが名無を誘拐したところで撤退する。 またこの乱戦の裏で最も脅威となるDIOを葬るための準備も進めていた。大戦前に令呪を用いて連れてきたディエゴの亡骸を7人目に預け鹿目まどかを炙り出し、さらに誘拐した名無の証言でまどかに真実を突き付け、令呪でDIOを自害させようとしていたのだ。目論見はあと一歩のところまでいったが、切嗣がまどかを射殺しDIOと再契約したため失敗する。 その後4人目は切嗣達を誘導し、遠坂邸から転移した陽介達がいる地下大空洞に向かう。両者をぶつけ隙をみて他者を間引こうと行動に出たが、陽介が覚醒して戦力アップしてしまった。 大統領はここが正念場だと踏んで大量の分身で畳み掛けたが、陽介&アレックスに無双されてしまい最終的にD4Cを持っていた8人目を残して全滅してしまった。 一番長生きした4人目のファニー・ヴァレンタインは市長と共に何度も急変する事態に的確に迅速に対処してきたが、最後は読みを外してしまい大量のベット(魔力)をしてしまう。結果市長は気絶してしまい、バトンを受けた8人目も動けないほどに痛手を負ってしまった。 加えて新都連合は自分達とキャスターを残して全滅、一方遠坂邸同盟は三組の主従が残ってしまいより厳しい状況になってしまった。唯一幸いなことは、最大の敵であるDIOが消えたことであろうか…… 【評価:スコア稼ぎに最適】 DIO ,イ ト、 r 、_// _ ノ`ー‐-ミ、 ヽ l/ ,ノ'"´ _二ニニ==r'´ゝ、____ レ ,イイ} } く彡 \Y、`ー―彡'"´ ` |\, /{ { ゞ ハ }彡'"´ゝ'_ニミー'´ `ヽ rュ |ニl||二| |ヽ, /ヽ! `ーr、レ{{ ' r/Y/ヽィrー=ニlエl___ミ>r 、 V》ミ |ニl||_| |__| /\/`ヽ ,ト{_ヽハ Yゝ〈ム, l〈ム |エ|lミl /ミ/ r 、 V》ミ |ニl||_| |__l l___/ 〈/ , ト、'''"´ト、 ノ ノΛムーニ|エ|lミll /ミ/ /ヽ. r 、\\ V》ミ |ニl||_| |__|/ l/ ,ハ ノトミュ_ `Y`フ彡イ,7マム |エ|lミl/ミ/ /ミ,/ \\ゞ,ヽ V》ミr|ニl||r 〉| 〉l/ ヽハト、弋ェュイ八{ェイ,/ミマム |エ|ミ/ミ//ミ/ \\ニ\__ V,》 |ニl|| | | |/ 〈Yミ ` '"´,., ヾ'''l彡´ マム | ̄|/ミ/ ミ,/ ̄`ヽ \\エニ V] |ニl|| | | | ___/lΛ 〈 〉 /ー―‐マム| /ミ_/ミ/ _>'"´ ̄ ̄ \_ミゝ、ゝ-!_lュ、|_|_/ //i/////\ ヽニ7//////Λ i∨ // `ヽ; / \ 丶/ ,;_i_ノ //i////////\__ゝ_/i/////// ̄l ̄ミヽ、 ∨, ヽ/ r'´l | l/ィ'´二ニ=‐'´/////ミニ=-///////{__,r'ー-、 \ }/ヽ _,r'ー‐'―'―'、 {//////////////////////////r‐'´ ̄r´ ヽ ヽ///Λ // __;;; 〉V/////////////////////////ト―― 、 ヽ l///ハ / ̄`Y / ィ'"´ ;;;`Y \/////////////////////// ヽ___ ー ミ '"´}////}. _/ 〉// ;;;;; ,r―ェ_ノ ヽ///////////////////////{_ ;;;;;;,,,... l////;l __ , ィ´ .. ,rr'フ´ ノ ;;;;; ̄;`ヽ .. .\/////////////////////ハr`ー‐--―、ム三三l / / ミ ,ィ///{ '"´;; ,,;;r―'、 ;ハ /,ィ彡∨/////////////lエllエl/|ミllニ|} ;; ミ ̄ ̄`ー―――. / / ミ /{////Λ } `ー' /// ,' ヽ////////////;lエllエl/|ミllニ|l ミ ミミ `ヽ ;;;;.. / / l//////ヽ、 r'´ニ , ', / ,' . `ヽマム/マム////lエllエl/|ミllニ|l __ミ / / 彡ヽ//////ミr'{ ; ....,,,,..イ / ; //マム/マム///lエllエl/|=lllエ|ー'"´/_/ ト、`ヽ . / / ... `ヽ三三ノ/ . 彡/ ___ノV》 マム/マム//lエllエl/| ̄| ̄|/// ̄7´ ヽ / / .. ....,,,, ; ..... _厶 _ _ _;;;;; /,イ´//////// V》 マム/マム/lエllエl/| | |// / \. 〈 __ノ ̄ `ヽ/´}ヽ/////\///V》 マム/マムl`Y´\/`Y´工エエ7´ ̄`ヽ ヽ r'"´ //ヽ! ∨// \ \ 〈 ∨ ∨ { { /ノ>''7´/ ∨. \ / // ∨∨/// \ \V VΛ|\ト、 ヽ //'"7 イ l }  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ // } ヽ//// \/ \/ ̄エ〉 \`´ゞ/ //{ ヽ / * 【登場作品】ジョジョの奇妙な冒険 【登場話数】16話 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(アーチャー) 【特徴】高い知名度に加え、争いを好まない少女である鹿目まどかとのコンビということもあって序盤から注目されていたマーダー。 マスターとしてあまりにも脆弱なまどかをマンションに隠し、単身で夜の新都へと赴く。 殺し合いに乗ることを理性で拒絶するまどかに「ゆっくりと考えるといい」と言いつつもDIO自身は当然の如く聖杯戦争に乗る気満々だった。 単独で戦場へと赴いた彼は園崎詩音&バーサーカー(美樹さやか)と交戦。一度はその再生能力に驚かされるも、宝具「世界(ザ・ワールド)」を解放し彼女を圧倒。しかしその後セイバー(テレサ)、アサシン(ヴァレンタイン)の乱入により乱戦寸前まで縺れ込む。 結果的にはバーサーカーやアサシンに逃げられ、セイバーもまた陽動役でしかなかったことを知りDIOは急ぎまどかの元へと帰還。 彼女に害は及ばなかったが、敵に拠点を知られてしまったことで移動を余儀なくされる。 その後まどかをホテルで寝かせ、再び単独行動を開始し鳴上悠&ランサー(クー・フーリン)と交戦。時間停止能力を持って完勝を収める。 敗北した鳴上悠を宝具にて支配下に置き、令呪によってランサーをも傀儡に変えてみせた。 好調になったDIOは何時まで経っても戦おうとしないまどかに業を煮やしマスターの鞍替えを考え、一度交戦した詩音たちを襲撃し拘束。 詩音にバーサーカーの放棄し自らのマスターになることを持ちかけるも、その途中でまどかが割り込んでくる。 親友であるバーサーカー(さやか)を目の当たりにしたまどかはDIOを止めようとするが、詩音の自害によって争いは止まることになる。 詩音の意思を受け取り、さやかの最期の言葉を聞いたまどかは聖杯を破壊することを決意し令呪でDIOを従えてしまう。 自身にとって都合の悪い方針になってはしまったものの、DIOは彼女の意志に敬意を示し暫くは彼女のサーヴァントとして戦うことを受け入れる。 その後も悠とランサーを失いながらも援護によってゼフィール&ライダー(アシュナード)を討ち取るなど好調ぶりを見せる。 日が落ちた後、ヴァレンタインの持ちかけによってマーダー同士による大連合軍を組むことに。無論、まどかに「敵が聖杯を破壊するために戦っていること」は一切伝えていない。 聖杯大戦ではランサー(アレックス)、セイバー(アルトリア)と交戦、ヴァレンタインやライダー(門矢士)ことディケイドの援護もあり勝利を収める(ディケイドはこの戦闘で命を落とした)。 その後対主催同盟軍の一人であるマスターの名無鉄之介によってまどかに嘘をついていたことがバレてしまう。 まどかはDIOを自害させてでも止めようとしたが、ディケイドのマスターである衛宮切嗣がまどかを狙撃し殺害。 ディケイドの死によって消滅寸前となり新たなサーヴァントを求めていた切嗣とその場で契約し難を逃れる。 魔術師である切嗣と契約したことで今まで以上の魔力供給を得られたDIOは最高にハイな状態で名無&キャスター(リインフォース)を撃破。 彼らを事実上殺害した後、DIOが吸血鬼であることを知った切嗣と険悪な雰囲気になりつつもヴァレンタインの案内で対主催陣営の籠る柳洞寺地下大空洞へと向かう。DIOには夜明けというタイムリミットが存在すること、現状時間停止に対抗し得る敵がおらず殲滅は容易だと考慮しての進撃だった。 しかしDIO達の目論見は裏目に出ることになる。瞬間火力の低いDIOにとって相性の悪い高い防御力と回復力を兼ね備えたアレックスが戦線復帰。 それどころか、容易に蹴散らせると思われていたライダー(火野映司)ことオーズがスーパータトバという時間停止能力を手に入れていたのだ。 完全に不利な状況に追い込まれ、あまつさえプライドを傷つけられたDIOは切嗣の制止を無視し戦闘を続行。 スーパータトバのオーズと互角に渡り合う実力を見せ、ヴァレンタインや切嗣の援護を受けながら戦い続けるも結局は戦力の差を覆せず危機に追い込まれる。 しかし瀕死のヴァレンタインの不意を突き吸血することに成功。彼が生前に所有していた「聖人の遺体の心臓部」の記録を読み取ったことで自らのスタンドを「メイドインヘブン」へと進化させた。 圧倒的な能力によって対主催陣営を一気に窮地に追い込むも、DIOの行動を先読みしたアレックスの行動によってマスターの切嗣を攻撃され魔力供給を絶たれる。最期は必死の抵抗を続けるが映司とアレックスに両足と片腕を奪われ、切嗣を見捨てて逃げようとするもアレックスの荷電粒子砲で出口を塞がれ、マスターである花村陽介のイザナギによって跡形も無く斬殺された(なお、これにより陽介の悠に対する敵討ちを果たしている)。 直接的なスコアは稼げていないものの美樹さやかを圧倒し、クー・フーリン、アルトリア、リインフォースを撃破するなど幾度に渡ってその実力を見せつけた。 封印の剣の投擲で間接的に殺害したゼフィールとアシュナードも実質的に彼のスコアと言えるかもしれない。 特に時間停止能力は終盤の対主催陣営からも大きな脅威として認識されており、何かと印象の強いサーヴァントだった。 とはいえ終盤まで組んでいたマスターの鹿目まどかとは(彼女の意志に敬意を払いつつも)最期まで噛み合わなかった感が否めない。 またアルトリア戦ではディケイドがいなければ完敗していた他、オーズには時間停止を相殺され動揺し焦り出すなど良くも悪くもDIOらしい一面も多かった。 加えてクー・フーリンは手負い、消耗大、番長のペルソナ消失ととても本調子と言えない状態であり、対アレックスに至ってはそもそも自分の力で勝っていない。 総じて弱った相手や能力が通じる敵には滅法強いが対抗策のある敵には途端にペースを乱され追い込まれる、所謂「真の強者」ではなく「初見殺しに秀でたトリックスター」という彼の力の本質が表れた結果だと言えよう。 最期の戦いでは不利な状況下であり切嗣からの制止があったにも関わらず短気な性分が災いし戦闘を続行してしまったこと、最期まで敵を侮り慢心していたことが大きな仇となった。 因みに金色で慢心するアーチャーと言えばギルガメッシュを連想させるが、DIOの死後に当の本人からは「王を気取った俗物」とゴミクズ同然の扱いを受けていた。 尤もギルガメッシュの慢心は、相手の力量を正確に見切った上で相応の力で相手取るというものであり、そもそもDIOの慢心とは種類が異なる。 約100年しか生きていない吸血鬼と英雄の祖との比較を考慮すれば妥当な評価である。 【評価:敗因 幸運低下】 衛宮切嗣 ` マ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . Ⅳ | . . . . .∧ `寸=-____, . . . . . . . . .l / u.l\ . . . . . .l . . . . . . . .\ ___`_マ . . . . . . . . . . . . . . . . . . .く_ .l . . . ./_ -=≧=-、`ニソ . . . . ∧ .{___,.」 . . . . . . l . . . . . . . . . . .\ `寸 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . Ⅳ Ⅵ/ ヘ 0 ` l . . . . i ,ヘ {¨¨¨ヽ l . . . .l. . . l . ̄ =- _ ̄ \ . . . . . . . . . . , ' _`ヽ . Ⅳ . }/ .`=- -=7 _ -=| . . . , ケ o´`ヽ | . . . . . .Ⅳ . . . . ., ´. ` 寺 . . . . .7 / .∧ Ⅳ . ´ _ -=´ .l∧/, ヽ=- _ ノ_7 . . . . Ⅴ . . . ./ _/ . . . Ⅳ ' / Ⅵ ,' ヽ ´ }' ', ヘ { .ヘ∧{ . . .<_ `゚ マ、 .{ 、 { j { l - 、 / ` ,' . | ヘ . .l ̄. 八 丶、 ヽ , | ′ ∧ .l ヘ{ ヽ. 丶_} . ', .i /ム=- _, l ,゚ ∧{ ,イ .ヽ、_.i ', ////////////7 ; j/ ,' . . . . . . . |ヘ ', Ⅴ=- -=寸///// , ' ,イ . . . . . . . . .l .ヘ ', .ヘ 寸//l , ゚ /.イ . . . . . . . . .{ \; ヽ、__ 寸{ , ゚ l ∧ . . . . . ヘ ', \; ___ ̄7 /、 l/ Ⅵ . .{ヘ{ .', . \; `¨¨¨´ , lヽ ヽ | Ⅵ_ l \.', ゙\; / {/ { _ -=´ .Ⅴ. ', ℡、j j j j jノ / |- _ ,' _ Ⅵ ', `¨¨¨7_ -´ l三ニ- _ ,' } `ヽ Ⅵ ', , -= ´ .|三三三二=- _ _} . l ヘ Ⅵ. ', ./ ∧ l三三三三三ニ}=- _ _-=´=| . | ', .j ', . | / ヘ i三三三三三三l三三ニ=- _ _-=´二三 l ', ∨ .l' ヘ |三三三三三ニ|三三三三三ニ=- __-=´二ニ三三| | _/ ∨ _ -=| ヘ l三三三三三三l三三三三三三三三二=- _ * 【登場作品】Fate/zero 【登場話数】15話 【スタンス】マーダー 【立場】マスター 【特徴】衛宮士郎の養父でありZeroの主人公。ディケイドと組んだこともあり活躍を期待されていた。 原作でアルトリアと組んでいた時と比べれば多少サーヴァントに歩み寄りはしたが結局今回もそれぞれ干渉はせず別行動を取ることに。 早速敵を発見したという士の報告を聞き狙撃ポジションに陣取るもそこにいたのは何と実の娘であるイリヤ。 Zero時点に比べ明らかに成長していることに気付きもしないほど狼狽しいきなり令呪を使い士を呼び戻してしまう。 立ち直った後は士にイリヤを追わせていたが無情にも既に彼女は死亡したと告げられる。実は士は寺組対番長組を遠目に観察しておりイリヤの死も見届けていたが無茶をしてまでマスターに義理立てする気もないので見殺しにしていたりする。 復讐心に駆られた切嗣は娘の仇である番長組を追跡するべく士と共に移動。彼が見た情報から作戦を組み立てクー・フーリンを引きつけている隙に狙撃で番長を撃ち抜いた。 万事計画通りと思いきや、不屈の闘志スキルで復活した番長と正面切っての戦闘を強いられる。 起源弾でイザナギを消滅させ仇を討とうとした瞬間、スザク組の奇襲を受ける。 非常識なまでのスザクの戦闘力に苦戦しているうちにランスロットに番長を攫われ標的を取り逃がしてしまい、さらに不本意な同盟を不利な条件で締結させられた。 連戦による消耗から回復すべく衛宮邸で仮眠と休息を摂っていたところでスザクの脱落(実際にはまだ生きていたが)を知り再び隠密重視の単独行動へと移行する。この時何気に参加者の中で逸早く市長の存在に気が付いていたりする。 その後しばらくしてカメラ付き使い魔や士のクウガペガサスを駆使してこなた、陸、ルルーシュ一行を捕捉したは良いが仮面ライダー破壊を目指す士が単独で打って出ようとする。 宥めても聞き入れない、令呪で無理矢理抑止すれば離反は確実。そこで切嗣は一計を案じ「ライダー」を倒す作戦を開始した。 士が消耗覚悟でアルトリア、オーズと戦っている間に残された一行に奇襲を仕掛けルルーシュを制圧。ギアスによる抵抗も士からの報告で事前に知っていたため手持ちサイズの鏡で対処し暗示で令呪を使わせることに成功する。 その内容は「柳洞寺にいるライダー(太公望)を殺せ」。宝具を無効化する宝具を持つ太公望という自分達の天敵を排除するための一世一大の策だった。 果たして策は成り、ルルーシュらが混乱している隙に悠々と撤退した。が、この時ルルーシュに言い放った「聖杯戦争において過信ほど崩しやすい」という言葉が後に巨大なブーメランになって自身に返ってくることとなる。 その後一度近くの安ホテルに潜伏し柳洞寺の動向をチェックし陸組撃破で疲弊した士郎組に狙いを定め再び行動を開始する。 これは自分に近い戦い方をする士郎に危険な匂いを感じたからなのだがこの時オーズ破壊にこだわる士との間に方針の齟齬が生まれていた。 柳洞寺の霊体の侵入を制限する構造の裏を掻き休憩中の士郎組への奇襲に成功。士がアルトリアを引き離している間に士郎との一対一に持ち込んだ。 士郎の投影魔術を敢えて使わせるために攻め手を緩めて徐々に追い詰めていく。そして動けないふりをした後士郎が紅の暴君を投影し土地から魔力を吸い上げると同時に起源弾を発射。 しかしこの時士郎が陸から手に入れていた反魔の水晶の力で起源弾の魔術的効果をキャンセルされてしまった。反魔の水晶の出どころを知らない切嗣にはその効果を事前に推し量る術はなかったのだ。 そのまま形勢逆転を許しコンテンダーを破壊されるという痛手を被る。さらに士もイリュージョンの存在を黙秘したまま無断で使いアルトリアに破られるという失態を犯していた。 それまでトラブルがありながらも強マーダーとして暗躍していた彼らだがこのあたりから落ち目になりはじめる。 市長が倒れたというニュースを聞き新都へ向かっていたところ生存を絶望視していたスザクから電話があり、改めて協力態勢()を築く。 その後カメラ付きの使い魔がリインフォースによって撃墜されたことからキャスターが自分達の敵になったことを確信。 事態を打開するためスザクに連絡し士郎組の情報を渡し潰し合いを誘発する策に出る。スザクの態度から彼に協力者が複数いると読んだ上での判断だったが結果的には裏目に出た。 最強クラスのマーダーである出夢組が脱落し対主催は五組が結集する事態になってしまった。彼らが生きていれば対主催との戦いは相当に有利になったはずである。 夜になり新都でヴァレンタインと接触。対主催に対抗するため新都連合軍が結成される。 この後は士を交渉役に送り込み決戦に備えていた。この時スザクからの情報で士郎が衛宮姓であるとわかり暫し思案を巡らせるも結局答えは出なかった。 決戦では新都で士への支援に専念していたがアルトリアに倒されてしまい自身も死の危険に陥る。 しかし運良くまどか、名無、DIOが争っている場に居合わせ令呪でDIOを自害させようとしたまどかを射殺しDIOと契約した。(後に相手が吸血鬼とわかり露骨に不機嫌になったが) 直後に名無組も撃破し対主催を殲滅するためヴァレンタインの案内で柳洞寺地下大空洞へと向かう。陽が昇ってしまえば不利になることと時間停止能力があれば何者も恐れるに足りないという根拠あってのことだった。 が、その自信はスーパータトバに目覚めていたオーズの存在によってあっさりと覆されてしまう。DIOの時間停止を破られ真っ向からの勝負を強いられることになった。聖杯戦争において過信ほど崩れやすいものはない。 数的不利を打破するため物陰に隠れて狙撃を試みるが対主催にとってその行動は既に陳腐化されたものでしかなくあっさり見破られた。 しかしDIOの奇策とヴァレンタインの加勢で持ち直しヴァレンタインに気を取られた陽介を撃ち殺そうとしたが…あまりにも意外な存在によってその目論見は阻止された。 イザナギ。過去に消滅させたはずの鳴上悠のペルソナという魔術の常識では有り得ない存在によって陽介を仕留め損ない再び窮地に陥る。 経験で優る切嗣もカジャ系スキル三種で能力を底上げした上に固有時制御を打ち消すデカジャを使う陽介相手では分が悪い。 さらに切嗣は陽介の力をさほど熟知していなかったのに対し陽介らは切嗣の手札全てを知り尽くしている…これでは勝てるはずがなかった。 最期はアレックスの荷電粒子砲で致命傷を負ってしまう。そのままDIOの消滅に巻き込まれる形となり、死の間際に自らの過ちを認識する。 アイリ、イリヤといった家族と共に過ごすという『全て遠き理想郷』に思いを馳せ、息子の士郎のことを追憶しながら息を引き取った。 不自然な言動の数々から参戦時期が長らく不明とされてきたがゼロによると死亡後から参戦したらしい。しかし身体と魂がこの世全ての悪で汚染されていたことから過去五年の記憶が消され、この世全ての悪によって他参加者にも様々な悪影響を与えていた。しかも、この世全ての悪の汚染により仮に最後まで残っても願いは叶えてもらえず、それどころか悪性データとして消去される運命でしかなかったのであった。 また原作から数えてアルトリア、士、DIOと最高クラスの鯖を常に従えていたがその全員に対して何かしら不満を持っており誰ともまっとうな関係を築こうとはしなかった。まぁ、元から英雄という存在が嫌いである上にDIOに至っては吸血鬼という過去に因縁のある種族なのだが。 頭脳派マーダーとしてもやたら戦略や行動が行き当たりばったりだったり本人のキルスコアは一般人のまどかだけだったりと恐ろしくしょっぱい結果になってしまった。とはいえ、引き際を即座に見極めることが多くある程度の仕事を終えたり不利な状況下に陥ったら早々に撤退することが多かったのも大きい。 また、最期に関しても不利な状況を前に撤退を進言したにも拘らずDIOが無視して強引に戦闘を続行してしまったことも大きい。 そういう意味では、強力なスペックとはいえ短気でプライドが高く己の力を過信し易いDIOとの相性はいいとは言えず、性格的には合わずとも万能で多彩な宝具を駆使し与えられた仕事を淡々とこなしてくれたディケイドとは何だかんだで戦術的に相性の良いサーヴァントだったのだろう。(結局士に対してもイリヤの一件からほぼ一方的にヘイト感情を向けていたが) 【評価:悪とは?正義とは?自分とは?…】 ランスロット ,‘⌒ー=. _ ___ {! .ゞ、`ヽ .〃´ ̄`ヾ= = 、`ヽ. l! ,' ヾ〉´ ー' レヘ' / ヽ. _,.ィ´ ̄ヽ. _ ,、 .イi`ヾ 、 { ■ | / ヽ. `ヽ >. イ∧ iト、" | Ⅵ ,╂ / ■ |./ ■■ .■■ l ソ `y∠! ' j ゙,∧ 〃 | ■ !; ■■ .■■ |. ,ゞヽ\/ //i!{ / | ヽ }// }、 〃 | ■ | ■■ .■■ ! ',;;;;ヽ // .トyヘ ! ノiメ/ '| | ` ヽ._ | .■ ! ■■ ■■ | /-f≧| L ヘ .ヾ= =彳 (/ j !=、_ /  ̄ ̄ /!.| ■ | ■■ ■■ !. / 〉ヘ_ノ! `ヽ.|∧ヽ ! /, レ' ノ / | ( {ィ| ■ ! ■■ ■■ ! / /冫' ,|ト. |\ ^ヾ'/ ´ / /. | ,イ/´! ■ .! ■■ ■■ ! ゝ'/ /∧ 、\ \ヽ. v f二( )'ニニ=、. | > ' ./. 、 || ■■ ■■ |/ノミヽ. ,ヘ\、ヽ. ¨^7 ̄ </| レ'_ /ノ} \ ノ| ■■ ■■ !'、\ニ彡' 〃ヽ. \ 、(⌒)/ ,{}' / } |_二ニ、_.ノ.==、 ゝ-'| ■■ ■■ .| \三リ ∥ \{ハ`、ゝ- ,/イ /}ハ;;;; ̄ヽ/ /} ヾ| ■■ / /. ∥ .{f| ヽ'  ゙̄}ノ<、ヽ._ /'| ',;;;;;;;;;;;;;、//|ヾ ∥| ■■ |ト、__ノ! † /r'\`从/ ∠  ̄ ,シL '、;;;;;;;;;;;;Ⅵj∥ †\■ /ゝニニノリ /\ /ゝ-' ´(}  ̄  ̄ ノヽ {ミヽ/ ;彡!ヾ \___/巛_/ニレ' 〈 . `) f^) /ヽ. ,ヘノⅣ | 〃 》〈ノ、 † ゝ─'. ; \/;;;;;ヽ 》 ;;;;ヽ _/;;/l! | | 〃 / || i .. ;;;; |',;;;;;;;;;;;;}i! /;;;;;;;;;;;;;;;;;イ ./| ! / 〃,| Ⅵ!;;;;;;;;| /;;;;;;;;;;;;;;ッ' i!i! 《 j | / / / | Ⅵ;;;;;;;;";;;;;;;;;|ヽ、/ ∧i! 》’ ゝ. / / / Ⅵ;;;;;;;;;;;;;;ノj ゝ=< ; ' <[二==彡'!> \\〆 ノ .. ;;;; ... [三三彡'| ゝ._,イ .. ; '´ {\__ノ| `、. , ' ´ f、 厂 / ' ..\_jア'. ' * 【登場作品】Fate/zero 【登場話数】18話 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(バーサーカー) 【特徴】zeroでおなじみのサーヴァントであり、名称で縁のあるスザクによって召還された。 当初はマスターと別行動を取るも、初戦の相手である鳴上悠&ランサー(クー・フーリン)の番長組を相手に敗北。両腕を失い、アロンダイトを奪われる。 その後手負いのマスターと合流したランスロットは令呪によって一時的に理性を取り戻し、アロンダイトを奪った参加者の情報を伝える。 同時にスザクへの確かな忠誠を誓い、彼の僕として力を振るうことを約束した。 そしてアロンダイトを取り戻すべく番長組vsケリィ組に乱入。ディケイドのドラグレッダーを奪い、アロンダイトを取り戻した。 戦闘後にスザクによって番長組、ケリィ組と同盟を組むことになり、スザクと共に一時の休憩を取ることになった…が。 そこで現れたのが間桐慎二。マスターの交渉も空しく戦闘へと縺れ込み、ランスロットは応戦するがライダー(ラオウ)の戦闘力の前に苦戦しドラグレッダーを破壊されてしまう。スザクは単身で慎二に突撃したが、伏兵であるキャスター(キンブリー)によってスザクは重傷を負った末にランスロットが令呪によって無理矢理慎二の傀儡にされてしまうという最悪の結果を迎える。 暫くは慎二の傀儡として彼の下で戦い、トキとの戦闘やかつてのマスターである間桐雁夜の殺害などを行う。 しかし重傷のスザクを救出した出夢&アサシン(サブラク)が慎二たちを襲撃、殺害したことで状況は一転。ランスロットは慎二の呪縛から解き放たれる。 マスターが機械鎧の義手義足を手に入れた後、一応の同盟者であるケリィの依頼によってランスロットは新たな同盟者であるサブラク、キンブリーと共に柳洞寺を襲撃。 因縁の相手であるセイバーことアルトリア・ペンドラゴンと激突。互角の勝負を繰り広げ、サブラク達の援護もあって戦況を有利に進める。 しかしキャスター(リインフォース)が複数のチームを連れてセイバーの援護に現れたことで最悪の状況に陥り、辛うじて撤退するもサブラクと出夢を、そして再びアロンダイト失ってしまう。 その後キンブリーと新都へ移動。マーダーによる連合軍に加入し、この同盟によってランスロットは賢者の石、エッケザックス、封印の剣という強力な宝具を手に入れる。 そして対主催との決戦においてランスロットは生前にも争った円卓の騎士・セイバー(ガウェイン)と激突。 共にマスターを携え、互角の死闘を繰り広げるもガウェインの「転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)」の前に敗北。 消滅寸前となったランスロットは理性を取り戻し、同じ円卓の騎士であるガウェインに討たれ、騎士として散れたことに満足しながら消滅した。 マスターであるスザクの勝利を摑み取れなかったことに謝辞を述べていたが、スザクは決してランスロットを責めなかった。 殆どの戦闘において敗走、苦戦することが多く戦績としてはかなり微妙と言わざるを得なかったランスロット。 そもそも彼は二次聖杯で、というよりもパロロワ全体で戦績があまり振るわない気がしないでもない。 実力者でありながらも初見殺し的な能力が無く、噛ませ犬にしやすいクリーチャー的存在であることが原因なのだろうか… 原作では終始押していた対アルトリアすらここでは互角かそれ以下に終わってしまっている。とはいえこれに関してはアルトリアが原作と違いランスロットの正体を知った上で覚悟完了していたこと、軍事兵器による武装など原作にあった有利要素が全て消えていたことも関係しているが。 しかしガウェインの決戦ではエッケザックス&封印の剣による二刀流で死闘を繰り広げ、円卓最強の騎士にふさわしい凄まじい実力を見せつけた。そして最期までスザクの騎士として戦い、友の腕の中で散ることが出来ただけ彼は報われたのかもしれない。 【評価:Lunatic never cry】 枢木スザク / /(// ⌒´ ̄`< _| \ /⌒ヽ-‐…‐‐ > \ Y У \ / .Y⌒ヽく \ /イ / イ {\ | ハ\ \ \ く⌒`ヽ_ | .| . | | |\くへ} 从/ノノ \ `彡'Y ト | 人 | | 人 レ' < =ミ }ノノ ハ / ノ /,ヘ 人 \ \ ゝ ='´ / ´´´ -イ人 _/ _ イ、 人 人 `ー‐ ′ / / /く二\ .八ヽ ム ,イ/((⌒゙ イ ( ( // ∠二 }彡イ i} 厂/> /ニニ\ ≧==―┴‐≠=y´ ̄( ゝ‐<\ヽ |ヽ二ノ 'イノ!/´ヽ />――<ニニY / |二≧/_ノ / \ヽハ { ,ノ } /ニニニニニニ\i{ /ヽゝ二∧ Y // / Y }\ .人 { / /ニニニニニニニニ∨/二ニム_}イ ′i / ハ 从 ヽ / ┴―― 、. /ニニニニニニニニニニ\ニニニ/ { | ! i| / }' ノ__/ く_. /ニニニニ\ニニニニニニニニ`く ̄´ \__\ヽ| / /ニハ /ノ /ニニニニニニ\ニニニニニニニニ\ ヽ Yハ __/ <ニニニハ ノ. /ニニニニニニ=-\ニニニニニニニニ\ ,ノノ/___, <ニニニニニヽ ̄>-/ ハニニニニニニニニ/\ニニニニニニニニ\ // ,,<ニニニニニ> ´ / ハニニニニニニニ./ニニニ\ニニニニニニニニ`く_, <ニニニニ> ´ / / ハニニニニニニ〃ニニニニニ`マニニニニニニニ/ニニニニニ> / .′. ハニニニニニニ〃ニニニニニ/| |マニニニニニ/ニニニニニ/ / |ニニニニニニ=/ニニニニニ / | `マニニニニニニニ=/| 〈 |ニニニニニニ/ニニニニ/ / | `マニニニニニ// \ / * 【登場作品】コードギアス 反逆のルルーシュ 【登場話数】17話 【スタンス】マーダー 【立場】マスター 【特徴】元の世界での乗機と同じ名前の英雄と組んで参加した超人的身体能力を誇るマスター。 参戦時期の関係で思考がかなり現実的になっていたがそうした精神面の成長に頭脳や結果が付いてきたかは別という他なかった。 当初ランスロットとは別行動を取り潜伏していたがそこに同じく鯖と別行動中だった出夢と遭遇。 マスター同士の戦いとは思えない超人バトルを繰り広げるが圧倒的な実力差から敗北、左腕を失い逃走する。 その後ランスロットと合流するも彼もまた番長組に敗北しておりアロンダイト及び両腕喪失など無残な有り様だった。 己の失策を悟ったスザクは令呪で一時的にランスロットの理性を呼び戻し対話、戦った相手の情報を聞き出しアロンダイトを奪還するべく行動する。 番長組を追跡していたところ切嗣組と戦闘しているところに遭遇しこれを好機と判断、ランスロットと乱入しアロンダイトを取り戻し番長、切嗣の両方に働きかけ三者同盟を締結した。 …が、この時上空、強奪したディケイドの龍騎の上で番長に令呪を使わせるなど目立つ真似をした上にその後自分達が消耗しているにも関わらず単独行動を取るという凡ミスを犯してしまい、すぐにミスのツケを支払うことになった。 潜伏していた民家で休息を摂りつつ今後の構想を練っていたところに慎二組の奇襲を受ける。 交渉を試みるもスザク組の内情を看破していた慎二には相手にされず、疲弊していたランスロットは当然のようにラオウに対して苦戦を強いられ、最悪の状況に陥ってしまう。 ならばとマスターである慎二を仕留めようとしたがそれこそ慎二の思惑通りでしかなく伏兵として待機していたキンブリーに即座に制圧され完敗を喫した。 ランスロットを差し出すよう迫る慎二に抵抗しようとしたが無情にもギアスの呪いが発動し令呪でランスロットのコントロールを手放してしまった。 そして両腕両足を破壊されたスザク本人は用済みとばかりにその場に打ち捨てられた。 やがてその場を通りかかった出夢に介錯を頼むが意外にも同盟を持ちかけられ、スザクは提案を承諾、以後出夢組に庇護されランスロット奪還の成否を待ち続けた。 やがて出夢とアサシンが慎二組の討伐に成功し小鳩とキンブリーを引き連れて帰還、スザクの四肢も治療とオートメイル化した義手義足によって補われ戦線に復帰した。 そこで切嗣のことを思い出し連絡を取り改めて同盟関係()にあることを確認し、後に情報交換で柳洞寺に篭る士郎組の討伐を依頼される。 サーヴァントの持久力に劣る自分達の内情を鑑みても柳洞寺は是非手に入れたいと考えたスザクは情報を元に作戦を立て出夢、小鳩をセーフハウスに残して一路柳洞寺へと向かう。 ランスロットでアルトリアを押し込みスザクとキンブリーで士郎を殺害、ルルーシュら敵の援軍に備えてサブラクを後方に配置するという一見盤石な布陣で挑むがいくつかの落とし穴があった。 まずアルトリアのステータスが情報より遥かに高かったためランスロットが山門を突破できず苦戦、サブラクの援護で何とか突破口を開いたが遠坂邸にいた対主催の四組がトランスポーターで境内に転移してくるという悪夢のような展開が待っていた。 当然この面子に敵うはずもなくスザクらは総崩れ、撤退しようとしたがアレックスに猛追される。 もはやこれまでか、というところでサブラクに助けられたが引き換えに殿を買って出た彼は敵の総攻撃を受けて敢え無く消滅。 マスターである出夢もすぐに消去され、悲しむ暇もなく残されたスザクらは強大な敵への対策を講じることになる。 変装して学園に潜り込み敵サーヴァントの情報を入手、また錯乱した小鳩を切り捨てキンブリーと本格的に提携し新都へ落ち延びた。 新都でヴァレンタインの提案に乗った切嗣からの連絡を受け新都連合に参加、その後はキンブリーにオートメイルを強化してもらいながら決戦に備える。 迎えた決戦ではヴァレンタインと共に遠坂邸に侵入し名無を連れ去るがこの時アロンダイトを奪還できなかったことが後に響いた。 その後キンブリーのお膳立てでルルーシュとの一騎討ちを行い最初は圧倒したが、ルルーシュが名無のイルバーンを手にしギアスの新たな力を発現したことで勝負は五分に戻される。 その後ランスロットに趨勢を託すがアロンダイトが無いことが響き惜しくも敗北、最期はルルーシュに令呪と「生きること」を託し満足しながら消え去った。 聖杯を獲るという考えに最後までブレはなく、そのために必要なことは手段の善悪を問わず実行する果断さはあったのだが視野の狭さと見識の浅さは如何ともし難く何度もイージーミスを繰り返すことになった。 また初戦を除き一度もランスロットを万全の状態で戦わせることが出来ておらず慎二の傀儡になっていた時期を除けばキルカウントもゼロと凛や小鳩、まどかとはまた違った意味でサーヴァントの管理責任を果たせなかったマスターの一人でもある。 しかし精神面はともかく性能面ではお互い生存のギアスと巨大な魔力消費で相方の長所を殺してしまうランスロットとの相性は極めて悪く低燃費のサーヴァントならもう少しは良い結果が出せたかもしれない。 【評価:今、私の願い事が叶うなら】 ファニー・ヴァレンタイン | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} | | {Y} _〉====〈 {Y}. | | {Y} .〃´ `ヽ {Y}. | ゚。 {Y} {Y},_ / ∨{Y}、 ____ ___.{Y}/} ∨ {(}ililil{) (}ililil{)∨Y} {Y} ¨ ̄¨ /\'¨ ̄¨ {Y} {Y}. / === \ {Y} {廴__/ . === . \__ノく〉 {Y} === {Y} {Y} {Yノ .. ト\ /イ .... |⌒ヾミ=----=彡′ | ... /⌒ヾ/∧ } {/ /|/⌒゚。 ... / {/ | \____ | { 乂__ ハ ... / 〃⌒ヾ、_/ ¨¨ \|__.人__./ ゚。 .... _{ {厂 ̄`ヽ 〃´ ̄ ̄\ } ... -……‐-ァ==゚ / }________{ ヽ \ ... / // r===彡′`ー‐‐く___ _ \ // /⌒¨ ¨¨⌒ヽ / . // { } { . . . . | ー=ァ r====彡′ | / | ゚。 小、 / | \ { . | ハ〉、_____,,,。 /}__, -‐- 、__,| }x======x'⌒ヾミ三三三三三三三彡⌒ヾミ三三≧x、____ _ _ /7⌒ー===}\__ _ __ ノ¨¨ ̄  ̄¨ヾミ三三三三三三 〃¨ ̄ ̄ ̄{Y}  ̄ ̄\ { }==…… __ _/)_ ... / {Y′ _人___ ____ ノ´ ̄ ̄ ̄){ ̄ ̄/ ) . 。 {Y} .  ̄} { ̄ ./ / . | {Y} . . . . . . ..ノ {  ̄ / /{ /)... |{_ }\ _ ¨ / ̄ ̄ ̄\ \ . /// | ¨ }}、 \、 / ヽ 、 . . . . / / {\ { リ Y⌒ヾ .、 { ー‐ ‐― {Y′ .| \{、__ _ || {Y / } / / / } .ヽ⌒ヾ==、 リ} {Y{ ,゚ /)ノ {¨、 }} \. // {Y{ i | {Y} ||ミ=====彡′ ノ ) Y / {Y{ | | {Y} || \ __ _ / ノ/ {Y{ | | {Y} ,八 * 【登場作品】ジョジョの奇妙な冒険 【登場話数】10話(6人目)、2話(8人目)、1話(その他大多数) 【スタンス】マーダー 【立場】サーヴァント(アサシン) 【特徴】ついにD4C所持の本体が倒れたので「○番目のヴァレンタイン」ではなくフルネームで表示。また、AAも本体の象徴たるスタンドで代理。 地下大空洞の戦いの最中に召喚された8人目の大統領は切嗣&DIOや多数の分身体と共に対主催チームを叩き潰そうとするも、新たな力と結束した絆で巻き返してきた対主催の反撃で逆に追い詰められてしまう。 危機的状況の中、大統領は突如演説を始める。自身の愛国心と絶対正義を説く迫真の演説で相手チームの出端をくじく事に成功、結局は自身の聖杯にかける願いを拒否されてしまったが流れが止まった隙に平行世界へ逃れようとしていた。だが、背後からDIOに襲われ逃げられない状態になってしまう。どんどん血も吸われ万事休すか…と思われたが間一髪マスターの令呪により緊急脱出に成功。しかし酷い重傷を負ってしまい、さらに市長とも連絡が取れなくなったためその場から敗走する。 一方、他の大統領とは別行動をとっていた6人目はスザク組vsルルーシュ組の決戦を密かに観察、スザクが敗れたのを確認して同じく身を潜めていたキャスター(キンブリー)と再度同盟を組み直し新都に逃れようとする。その道中ルルーシュ達に捕捉されてしまったが、英雄王ギルガメッシュの助太刀により難を逃れる。 そして死にかけている市長の容態を確認するため拠点に戻ると、そこには上半身を裸にして活き活きしている市長の姿が。ここにきての黒幕の介入と市長の変貌に戸惑いつつも、状況を覆す条件が揃ったことで最後の奇策に打って出る。 マスター、アサシン、キャスターの持てる全てを尽くして編み出した技、バイツァ・ダスト。平行世界の大統領達が気配ゼロでブロークン・サーヴァントというチートな戦術により、初撃でこなたに重傷を負わせる。その後もルルーシュ達に絨毯爆撃のごとく特攻を畳み掛け、決戦の地・ハイアットホテルにて彼らを完全燃焼させるまで追い詰めたものの、陽介達の襲撃で市長を討たれてしまい本体・分身問わず消滅した。 これまでを振り返ってみると、大統領は自身の能力を十二分に発揮し幾度も活躍していたといえる。特に諜報活動や奇襲に関してはアサシンの名に恥じぬ成果を挙げてきた。(その一方で暗殺者の代名詞たる暗殺は悉く失敗しているが、展開を重視する二次創作ではあっさり敵を倒してしまう暗殺だと味がない場面になってしまうため仕方がない) また、マスターに恵まれていたのも見逃せない。魔力が少ないという欠点はあるものの、他のマスターにはない組織力を持ち、謀略に長けていたこともあってこそ前述の活躍ができたといえる。何より、マーダーコンビでありながら互いに信頼を置けるパートナーになれたことが他のマーダー達より長く生き残れた秘訣なのだろう。 ナプキンを取るために最後まで諦めず能力の厄介さで終盤まで上手く立ち回ったアサシン、ファニー・ヴァレンタイン。最後には聖杯は得られなかったものの、代わりに生前にはなかった何かを得られたに違いない。 【評価:Guns of The Patriots】 ジョン・バックス - ! // ..--''''''''''''-ー-\/ ゛'' ___/ソ / ,, ;'"-‐‐''''''''''''''''''''''‐ ''ヘ ,, '''´- , ヽ _ィ'' / ..-‐‐' /''´ ''‐: ..‐1 ``-'´ ,,// _-'´/ ヽ _..---‐ -.. `‐゙''-ィ1ノ-‐'´ ‐''´ _..‐_,,........,,,,,,............. \,...''" ,,--'' '''' ノ"- ''―‐. -''" -‐'''''" `ノ ‐ン--‐‐" -‐-..._ _ノ ^`''ー- 、..,,__ / / 丨‐ / ''丿 ......-‐'' ゝ' __,_/ _,,ノ _,,....-‐''"´ │.....-¦ ノ宀癶゙゙ - 、二_ ̄ ̄ ̄ \ _ヘ__,,../ / -‐_'ー―--....,, `''ー 、.. ./宀ア| . ..-'./'‐./ / ̄ /彡゛''''ー-..゛''‐ 、_ `ゝ ''''''''''‐''''''''''''''''- │ 1 _/ ノ / -\ ''ー...^''‐.. ^''ーニ 、┌ -.._ _.....-_彡¦ l ノ''" ! ノ'_ノ ゙'..丿 `ー、 ゛‐゙\ ゛''ー‐ 、,,¦ヽ ゙ー ̄ニ´-‐''" l ¦ ./ ノ│ _-''''''''''''''''''''''‐‐- 、._ ^ー、 ''゙ 、 ヽヽ / . / 1│ / `''‐...`ー、`‐ '' ゙、 / |│ !│ 丿 `‐ `‐ ヽ '、 / │j │ │|| 丿 ^'' 、 ゙、ヽ ノ. _.‐,,--l/ ヾ、 │1 / _--'''" `‐. ヽ ゙ 、 ヽヽ "'' │ | | ’ ..‐'´ ^\ ヽ ゙ 、 ,,,,. -_丿 l l ¦ / 丿 ゙‐ ' 、 -''"'''ヘナ'ソ ,ノl '、l ‐ ノ ノ ゙‐ '' ./ 冫-----´ 1 ヽ|.r-、 ./ / 丿 ゙ 、`1 丿,, ! ゝ !!l. 冫! 丿丿 ソ / \ヽ. - ` 1│゙''''" 丿 ノ r ヽ.`‐ 、 ¦ ヽ| │ ゙ー ゙ー ヽ ヽ l ヽ * 【登場作品】未来日記 【登場話数】15話 【スタンス】マーダー 【立場】マスター 【特徴】原作未来日記のボスキャラであり二次聖杯屈指のネタキャラにして愛されキャラ。市長のAAがなかったため同作の神デウスで代理。 元々彼自身には聖杯戦争の誘いがあったわけではないのだが雪輝、由乃の未来日記を覗き見たことが切っ掛けとなり時空王デウスとの問答の末参加することを決意。ちなみにこの顛末の裏で密かに一週目世界のムルムルが犠牲になっており、この時点でさり気なく原作が崩壊している。 このロワでは大半のキャラが突然呼び出されるか願いを叶えるために衝動的に参加しているのだが市長(と、金城)だけは事前に情報を集め、万全の準備を整え参加していた。 具体的には現実世界の部下十数名と市長が保有するスパコン「HOLONⅢ」を動員したハッキング工作による冬木市市長権限の確保と他の参加者が知らない地理情報と聖杯戦争の詳細ルールの把握、秘書をはじめとして現実世界の部下を再現したNPC(動員できる条件に縛りはあるが)の支配権。まさにチートだがそもそも聖杯戦争は参加者間における完全に平等な争いが明文化されているわけではない。あくまで平等なのは、それぞれがサーヴァントを召喚し、3画の令呪を宿すという2点のみである。 その意味で彼が行なったことは反則とはいえない。 満を持して参加した市長はアサシンのサーヴァントであり同じ為政者でもあるファニー・ヴァレンタイン大統領と出会い意気投合。さらに早々に最強クラスのマーダーであるゼフィール組と同盟を結び盤石の布陣を敷いた。しかしこの時点でスレ住人からはFateZeroのケイネスよろしく新都の高層ビルに陣取っていたことから爆破フラグが囁かれるなどネタにされはじめていた。 その後DIO、さやか、テレサと交戦して帰ってきた大統領と情報交換を行い考察を述べる。同時にゼフィール組への援助として車やバイク、現代の服に地図とホテルのフロアの使用権を手配するなど原作さながらの黒幕系マーダーとしての抜かりなさを見せた。…のだがこの時分身した大統領から大量の魔力を吸い上げられ危うくダウンしかけたところに栄養ドリンクを渡された。後の市長伝説の始まりである。 明け方からゼフィール組を始めとして各参加者が巻き起こした騒動が原因で本来のそれを遥かに超える膨大な仕事に追われる羽目になる。さらに大統領から追加で魔力を徴収され気絶。本人は市庁舎から一歩も動いていないにも関わらずまさかの過労による気絶である。この後も番長組の襲撃を受けたゼフィールから人払いを行うよう命じられ疲れた身体に鞭打ち関係各所への手配を行なった。 が、その奮闘も空しくDIOの策謀によってゼフィール組は戦死。DIOを警戒した大統領の勧めに従いDIO包囲網を形成するべく策を巡らせつつ自身は一般の参加者が知らないエーデルフェルトの双子館へと移動。しかし対主催五組が遠坂邸に結集したことからこの方針は撤回することとなる。 あまりにも強大な対主催に抗するために大統領を使い切嗣、スザクや因縁あるDIOにすら呼び掛けを行い新都連合軍を結成。さらに大統領が一度は煮え湯を飲まされたアレックス対策として対ARMS用弾丸を準備しつつDIOへの警戒も怠らず彼のマスター(まどか)を誘き出すなど様々な策を用意して決戦に備えた。 しかし結果的に対主催は三組が生存しマーダー側は主力であった切嗣、まどか、スザク組が皆死亡し残された戦力は大統領とキンブリーという力不足すぎる面子のみ。さらに市長自身もまたもや大統領から魔力を吸われまくったせいで衰弱死寸前の有り様になってしまった。 そんな彼に主催陣営の言峰神父が悪魔の取り引きを持ちかけた。起死回生のチャンスを掴むため取り引きに応じた市長の心臓は魔力を大量に生み出す代わりに数時間後に爆発する礼装に変えられた。急激に生命力が蘇り何故か上半身裸になった彼をスレ住人は魔改造死超と名付けた。 そして無数の大統領による自爆特攻戦術と自らを囮にした策を用いて対主催を追い詰めるもあと一歩届かず陽介に心臓を破壊され、女子供に倒される己の運命を自嘲し消え去った。 最初期から策謀を巡らすマーダーとして行動し、その思考や方針そのものは一切揺らがなかったのだが仕事やサーヴァントへの魔力供給に追われまくったことから住人からはとことんネタにされ、そして愛された。従来のロワでは彼のようなタイプのマーダーはさほど好かれないことが多いことを考えると極めて異例の事態である。 また原作での呆気ない死に様と彼の年齢からは考えられないほどの完全燃焼っぷりは彼がこのロワで得た人気を物語っている…のかもしれない。 純粋にネタ抜きで評価しても事前準備と巡らせた策謀のおかげでマーダー及び危険人物が熾烈な潰し合いを演じた新都のど真ん中に陣取りながら最終盤まで生き残っており優勝に王手をかけるところまで漕ぎ着けた手腕は素晴らしいの一言に尽きる。 今日もどこかで英霊となった彼は市長権限を使って荒れたスレの火消しに尽力しているのかもしれない。とりあえず市長、本当にお疲れ様でした。 【評価:終身名誉市長二階級特進】 アレックス \__⌒\ 、 _)k、 ∨/ 〈 __厂⌒ 、\_>‐=ミメj{r―<__ア __>≧s。._\__ -‐ ∧ 7 7 _/⌒ ア´ // .∧ 〈 j__zf __.ィ( __,.ィ(/7 / 厂∨ ∧ \_ .厂∨ アj/j/ ⌒j∧! ∨j′ < i {∧V/ ≧s。._ { .} N z ∧乂jl′ 弌__tぅ 、_ノ〈rfフ _ア ⌒j圦 ¨¨⌒ { j 7 ∧ , ∨ )∧ j , 、 __`__ア=- 、 И|∧ \ ´ こ /___7 \_ /,ィj/∧ \__/ / /⌒\_ //_人/∧ / / / /==ミ、  ̄≧s。._ _//厂 ∨∧j{ // / )kz__/⌒` . _ _/ ̄ / ト、 ∨ }.{ /∧ j { /⌒ 7 __\ ̄/⌒/ ! ー- 、j_,/´/ r==='_」 / /′ /⌒V{_/ / , ―- 、 / ∨ j{ / /⌒)k、 / ̄ ̄〉 ′ / , } 〉 、 j{ _厂/ ィ( \ / / 、 j , ′ _/⌒ \ .j{ー=彡 〈⌒\ _ >へ / \ 、 i{, ′ /⌒ )k \ i{、 ー==彡⌒\ _ \ 〉 / ≧=-ミ ∨ /⌒r―f⌒厂 ̄i{ \ Ⅵ ____/ /^\ 〉^{ * 【登場作品】ARMS 【登場話数】18話 【スタンス】対主催 【立場】サーヴァント(ランサー) 【特徴】原作では中盤のボスキャラポジションだったが、このロワでは花村陽介に召喚され対主催の道を歩むことになった。 陽介との初対面で方針を確かめ合った後、教会へ向かうも勘違いが原因で雪輝、由乃組から一方的に仕掛けられやむなく応戦することになる。 初戦闘が二対一という数的不利を背負うが圧倒的な実力でジョン・ドゥを容易く粉砕、タマモの宝具解放も陽介の援護によって凌ぎきり完全勝利を収めた。(そもそもARMSとエンバーミングでは作中内の戦闘レベルが違いすぎるので妥当な結果ではある) とはいえ殺すつもりはなく、戦闘不能に追い込んだだけだったのだが潜んでいたサブラクの奇襲攻撃で雪輝らは皆殺しにされ、アレックスの性格と人生経験では落ち込む陽介を叱咤することしか出来なかった。 しかし先に教会にいた名無組と会ったことで陽介が持ち直し、神父から情報を聞き出し深山町を目指して教会を出るが程なく最凶のチームであるFE組が襲来。 激戦の末名無がアシュナードに啖呵を切り退かせたため事なきを得る。ちなみにこの時陽介はゼフィールとタイマンで戦う羽目になっており、しかも描写されなかった。 再び深山町へ向けて歩を進める一行だったが今度はDIOの傀儡と化した番長組と戦うことになる。最初に襲い掛かったクー・フーリンは陽介の補助もあり難なく取り押さえたが陽介が番長の電撃魔法による奇襲を受け倒れたことで状況は一変した。 復帰したクー・フーリンの粘り強い戦闘力に(スクカジャが切れたこともあり)梃子摺っている間に名無、リインフォースが番長を撤退させた。 その後ついに深山町の学園に辿り着き戦ったサーヴァントの情報を集める。その最中別行動していた名無がヴァレンタインに暗殺されかけるもチームの連携で撃退。この時彼らはヴァレンタインを死んだものと誤認するがぶっちゃけ即座に掲示板を確認していれば死者の追加の有無から生存に気づけた可能性は高い。 それから遠坂邸に入りしばらく後にやって来たこなた、ルルーシュ組と出会い情報交換を行う。 その成果は大きくこなたが仕入れた情報とルルーシュの助言もありヴァレンタインの生存を看破し、切嗣が使用していた小型カメラを搭載した使い魔の特定・破壊に成功した。 この成果はアレックス自身の軍人としての見識も加わってのものでもあり、生前の経験が役に立った瞬間でもある。 しばらく休息していたが、リインフォースから柳洞寺にいる士郎組が襲撃されているとの報を聞きマスターである陽介を含めた全員で寺へ転移し二人を救出する。 その場で行われたスザク団との戦闘でも猛烈な火力を誇るはずのサブラクの攻撃を全て受け止めながらノーダメージで済ませ反撃するなど確かな存在感を示した。 サブラクをサーヴァント四人の一斉攻撃で撃破した後は遠坂邸に戻り予想される敵勢力の結集と襲撃に備え陽介の精神的成長を見守りつつ作戦会議に加わり打倒DIOへの熱意を見せる。 決戦では陽介の令呪とARMSの耐性付加の併せ技でDIOの時間停止の打破を狙うが上手くいかず、ヴァレンタインの対ARMS用銃弾で無力化され動くことすら出来なくなってしまう。 助けに入ったオーズとアルトリアのおかげで窮地は逃れたもののディケイド、DIOのダブル時間停止コンボでアルトリアを失ってしまう瞬間を傍観することしか出来なかった。 尚、マスターである陽介は後に対DIOに躍起になったのが悪かったと述懐しているが、むしろ問題は対ARMS弾を受けた後、指揮官のルルーシュを筆頭とした味方の対応のお粗末さにある。 即座にアレックスを柳洞寺地下大空洞やアインツベルン城などすぐに敵の手が届かない場所に転移させればアルトリアや映司もすぐに撤退できただろう。 また打開策としてアルトリアが提示した「オーズがディケイドを抑えアルトリアがDIOを倒す」という案も、オーズがディケイドに歯が立たず結果として失敗に終わった事も大きい。 ARMSの暴走から立ち直った後は映司と共に地下大空洞まで撤退し、切嗣&DIOの襲来に備えた。 本来なら容易に殲滅されてしまう戦力差だったがオーズのスーパータトバによってDIOの時間停止を無効化し、戦況を五分以上に持ち込む。(結果的に陽介が対時間停止に使った令呪一画は無駄になった) 途中で乱入したヴァレンタインの大群も持ち前のタフネスを存分に活かし無双。スタンドを進化させたDIOに苦戦するも頭脳プレーでマスターの切嗣に致命傷を負わせ勝利への布石を作った。 切嗣組を撃破した後の休息も束の間、再度襲来したかつてない人数のヴァレンタインの自爆戦術に対応を余儀なくされる。 ARMSの対策が施された自爆攻撃には耐性を作れず苦戦を強いられるがそれでも切り込み隊長を務め敵中を突破、冬木ハイアットホテルまでの血路を拓く。 既に再生機能は停止していたが最期の力を振り絞りヴァレンタインの軍勢を迎撃し勝利に大きく貢献した。 極限まで魔力を使い果たし物言わぬまま消滅を迎えたが、その魂は陽介のペルソナとなって彼を支え続けた。 総じてマスターや仲間に恵まれ、特に不幸な事も無く最初からラスト近くまで活躍し続けた。とてもクラスがランサーで幸運もE-とは思えないサーヴァントだったと言える。 【評価:戦場の父、戦場の息子】 ゾルフ・J・キンブリー _ ....≦ ヽ / \ , ヽ i /¨¨ 、 _ i | /´ `¨ ´ i | | ノ ! { r 、 } ___ Y ___ |ヽi!. 、. \ _, ,iI _ ≦ ≧ _ ヾtッ. __\_ r'zッァ . ノ / _ ` 、 .i `¨ ハ ./ ./ _ ¨¨ ー―ミ__、 \ | , ヽ -=三 ミ , ., > ¨¨ \ マ≧ 、 ゙ \ | 从 ∧、 _ -=ニ三 彡 ´ ./ ./ / 、 寸ム ∨ ィ ∧ミ _ -=三 / ./ .、 V/ .寸ム /.j.!. ∧ミ -= 彡 .〃 /!. V/ ! 寸ム ム ./.|! ∧\=彡. / , { V/ ! .っ、Y/ }.,.-、. , ! ∧ \ , { { V/ / ノム/ゝノ、 .| /| 、 ∧ \ ! ゝ、 〃 }/ ../ ./ ./ / | .! \ /. \ i \ >.ア _ 〃´ ./ ./ | j \ / \ , \ 〃 ' { ノ ./ 〃 . ! ,. \ ` i. V/ < ノ ' j ' , ./ .Y j j ヽ /.|. V/ `¨ { 〃 , / ./ j! ヾ .、 ) ./....| * 【登場作品】鋼の錬金術師 【登場話数】18話 【スタンス】危険人物 【立場】サーヴァント(キャスター) 【特徴】二次聖杯最弱のマスター、羽瀬川小鳩に最弱のクラスで召喚された錬金術師。 あまりにもか弱いマスターに引き当てられた彼には当然のように試練が待っていた。 彼らの初期配置が間桐邸であったためにすぐに間桐慎二&ラオウのペアに発見され、小鳩に隠れてもらいラオウを迎撃するキンブリーだったがさすがに相手が悪く生き延びるだけで精一杯。 そうこうしているうちに小鳩が屋敷に侵入した慎二に捕まってしまい脅された小鳩が使った令呪で慎二への従属を余儀なくされた。 とはいえ元々意思の弱い小鳩への忠誠心が無いキンブリーはマスターが痛めつけられても特に気にしていなかった。 その後学園で得た情報を元に慎二がスザク組襲撃作戦を敢行、キンブリーは伏兵として待機することになった。 慎二の策は的中しスザクの制圧に成功。キンブリーもスザクの両足を爆破するなどした結果、慎二の手駒にランスロットまでが加わり本格的に使い潰される危険を感じはじめる。 何とか油断させ一矢報いようと頭脳を働かせるが当の慎二が決してキンブリーを信用しようとしないため中々切っ掛けを掴めずにいた。 そんな折、慎二の叔父にあたる間桐雁夜とトキがやって来たため迎撃。しかしまたしても歯が立たずすぐにラオウにバトンタッチ。 慎二の命令で邸内に侵入した雁夜をフルボッコし右腕を爆破。しかし雁夜は小鳩やスザクと違い屈服することなく令呪でトキを呼び寄せた。 突然のトキの急襲で一時流れが傾きかけたが即座にラオウが戻ってきたため戦況は変わらずキンブリーは慎二を守りつつ雁夜の蟲を潰していった。 その後ラオウとトキの戦いが屋敷を破壊するほど激化したことで彼にも僅かながら運が巡り、再会した小鳩に雁夜が最期に与えた令呪一画が追加されているのを発見した。 その後全壊した間桐邸から衛宮家に移動し、門番を任されていたところスザクの依頼で慎二討伐にやって来たサブラクの奇襲攻撃が家屋を破壊。 様子を見に行こうとした彼の目の前に最強マスター、匂宮出夢が現れ、修行しパワーアップした彼女のサーヴァント級の戦闘力にまたしても手も足も出ず敗北。 もはやこれまでかと観念したが先に小鳩を保護していた出夢にキンブリーを殺す気はなく、更に慎二、ラオウもサブラクに敗北し死亡。 ついに不本意な状況からの脱出に成功し、出夢とスザクに従う形で行動を共にするようになり、ついでにスザクを治療し義手をオートメイルに変えた。 しばらくして、切嗣から齎された情報を元にスザクが柳洞寺にいる士郎組討伐作戦を立て、キンブリーも対マスターの戦力として帯同することになる。 途中トラブルがありながらも作戦そのものは上手くいっていたのだが……遠坂邸の対主催四組が境内に転移するという驚天動地の事態が起こり形勢は一気に逆転してしまう。 得意の錬金術で地面を爆破し転移したばかりの敵を攻撃するも神秘とは真反対の魔法を操るリインフォースとは相性が悪いのか全く通用しなかった。 さらにガウェインの追撃を受け負傷し出夢とサブラクという最大戦力を失いながら命辛々逃げ延びた。指揮官が代わってもやっぱり不遇なキンブリーであった。 遭遇した五組の対主催という圧倒的な勢力に対抗する策を見出すべくスザクに変装を施し学園図書室に潜入させる。 折しもこの時対主催は宴会の途中だったので捕捉され転移魔法で奇襲される、という最悪の事態だけは免れた。(後の考察で調べものをしていたことは見破られてしまったが) そしてセーフティハウスに戻り、目を覚ました小鳩の意思確認をするが当然と言うべきか、既に小鳩に戦意と呼べるものはなく泣きながら戦いを拒絶した。 しかしキンブリーに途中で戦いをやめるつもりなどさらさらなく、スザクの承諾を得て詐術で小鳩を騙し賢者の石に変えた。 その後大統領の誘いに応じ新都連合軍に参画。スザクの義肢をさらに強化改造、DIO用の炸裂ナイフを作成するなど(漸く)キャスターの真骨頂を発揮、さらに血の紋を刻もうと大掛かりな準備をしていた。 しかし迎えた遠坂邸同盟との決戦では敵キャスターの妨害によりやむなく結界の対処を行う。錬金術専門である彼にとってリリカル世界の魔法は専門外であるはずだが何故かスフィア盤の機能を一目見ただけで詳しく特定した。 結界を破壊した後は悠々と遠坂邸に侵入し対主催を牽制しルルーシュをスザクとの決闘の場に引きずりだすことに成功する。 スザクとランスロットが敗れた後は聖杯戦争の趨勢を最後まで見守るため大統領と行動を共にする。 一度新都へ退却する途中、ルルーシュ、映司、ガウェインに捕捉されたが主催側のサーヴァントであるギルガメッシュの助勢に救われ撤退に成功。 自爆戦術、ブロークンサーヴァントを実行する大量の大統領を爆弾に変えたことでほぼ魔力を使い果たし、最期は勝ち残った対主催に賢者の石を託して消滅した。 前半は慎二の傀儡と化すことを強いられ、敵サーヴァントには最初から最後まで全くダメージを与えることすら出来ずに敗北続きなど戦闘面では恐ろしいまでの不遇ぶりを発揮してしまったが終盤ではキャスターの本領を発揮し多くの陣営を渡り歩き暗躍した。 ちなみに二次聖杯では唯一明確にマスターを裏切ったサーヴァントであり(妲己は凛を見殺しにはしたが命令自体は果たした)慎二がキンブリーに抱いていた懸念は結果的に全く間違っていなかったことが証明された。 【評価:それも私だ】 言峰綺礼 ,.rヘ _i ̄ 7´ ir ´^! r‐'´/ / / ヘヘ ヽ、 i / iVL__i ヽヽ 〉 l / マぅ r_レ゙ ii r‐v´ Y', ,.,.,_r―‐‐- 、 `} ト、j - 一/ __,.---.イ_,. ―― \ ノノ i ヽ,' . ,i゙ミ { r., . _./ ゝ二 ―‐ ` `丶 "イ iヽヽ.,< `'┬‐iリミ ; ̄ ヽ.二__ ` \ リ ハヽヽ==┐ ̄「V___ `' .,__ | ゙" 「´ ヾ゙ i; ; ; ;く  ̄ ̄ ̄',ヽ i;ヽ.,__ iゝ、 _,.ノ  ̄ ̄ `; i |; ; ; ;ヽ, ', \ |ヽ; ; ; ; ̄ ト、 / ' , i |; ; ; ; ; ;i , ' , Y | `ー――‐1 / ;, ヽ,'ヽ; ; ; ; ヽ `, _ _」__ | ; ヽ | i ` , i i ヽ'ト、| ヽ', ヽ! ヽ._ | ', ヽ. ! | `' , i ! i i; ;ヘ ; ii 'i \ | ; | l ヽ」/ ', ',-'T ; i i ', `'‐-.,」 , ;! | ! '! ヽ', ; ヘ; ;i i ヽ ノ ,.' i | i i; ; ; ; ; i i i‐- ., ; i 〈! i i ; ; ; ; ; i i l丶, ヽ ,' |丶、 ', i i; ; ; ; ;; i i kォ ` イ ;' i 丶 , i i; ; ; ; ,.ヾ 、 * 【登場作品】Fate/EXTRA 【登場話数】10話 【スタンス】主催者 【立場】進行役→マスター 【特徴】 【評価:人の不幸は蜜の味】 ギルガメッシュ i'i i'i .',', .j j .',', ,',' _ ',',_-‐‐‐-、 //. _ |j、ィ'"ゞ゙゙ 、゙゚'',, ヾ' /.j j_辷‐-ヾイ トィ--辷__j j三三ィ二ニヾ イ二ニ',三j ',ニ三辷二i'-'_辷二ji=j ィ辷辷辷-、 ヽニヽ辷シ_三_辷ジニj `ヽ ゙`ヽ、 ヽィヽ イ圭圭i ジ ィ' ヽ j ヽ ヽ ヽ圭圭i//辷‐-- 、 ヽ ィ-ィ ̄ ̄フ、 ィ='―ヽ__/j ヽ `ヽ、 __ト-、 /''ヽ ゙ゝく ヽ ヽ―‐‐----,,,,,_',  ̄jj `i i ヽィィ´,, ヽヽ /‐ヽ ヽイ ヽ ヽ、 ヽ `ヽ、ニ====イ ヾィ ィ´,,- i.j、 |ト、 ゝ、_ノ ヽ ゝ-、_,,,,_ ヽ ヽ ノ、j j-‐ Vハ、 /i `''´ /ニニ=ヽ / i `ヽ、 ', ィイイ ヾ辷ニイ、 ヽ ,_/ j、ヽ――イ'" ', / .j `''''-、 ヾヽ /ノ// `ヽ-i ',',ヾ辷i ハ j `'''''''''´ド ', / i ̄`ヽ 、 ヽi \__ソィ // iヽ ̄'''''''j j j.ヲj i i j_,,,,,-‐" i i //ヽ j ̄` ヽ、`''i j ィj// ヽヽ ノノ j_,,,j i i ヽ ヽ ノノ jイヽニノ ゙ヽ、 ', ̄`ヽ、`j jjイフ7`ヽ-、_ヾニ辷彡イ j ∨__) ヽ辷ニ'" / ヽ `ヽヽ辷ニヽ j jィィ / `''''ニ=="―' ヽ辷辷ィ"´ ヽ ,,,,ィ'''" ヽ j j イ ソ ヽ ,,,ィ''''''´ ヽ´ イ" `ヽ j |__、 _ィ辷ニニニニゝ、 /´ヽ__j==―‐i"i'''''i iヽ イ,トィイ| | ',', ノi___j j j j j ィヾ イ、 |ノ Y-‐‐' ̄ ̄´ヾ辷 i_jィ―゙'―ゝi |  ̄ ̄ ̄i ̄ * 【登場作品】Fate/EXTRA CCC 【登場話数】8話 【スタンス】主催者 【立場】サーヴァント(アンノウン) 【特徴】彼の戦闘シーンの大半が龍騎変身中のものだったため龍騎サバイブのAAで代用。 毎度お馴染みFate界の裏の顔、今回はいつもより比較的穏やか(?)な性格のCCCからの参戦。 原作通りムーンセルによって月の裏側に封印されていたところカオスな聖杯戦争を起こすためにやって来た魔王ゼロに興味を示し彼に協力する。 その後当分は旧校舎で聖杯戦争の様相を観戦しその混戦模様を愉しんでいた。 終盤、対主催の遠坂邸同盟によって新都連合の主力であったディケイド、DIO、ランスロットが敗れると敗色濃厚になった市長組に今一度立て直しのチャンスを与えるため表舞台に出陣し時間稼ぎを行い、ルルーシュらに倒すべき敵として己の存在を誇示した。 そして市長組(とキンブリー)が激戦の末敗れると戦準備を開始。ムーンセルが多くの平行世界を認識したことによってムーンセルと同質の存在であるギルガメッシュの王の財宝の中身に多くの他作品のアイテムが追加されていた。 さらにゼロに元々ディケイドが所有していたドラグレッダーを蘇生させ、持っていた龍騎のデッキを使い契約。まさかの仮面ライダー龍騎の復活である。 こうして万全の準備を整えた彼は言峰神父と共に冬木大橋で対主催と対峙。最後の試練として彼らの前に立ちはだかった。 龍騎への変身と本来の宝具の一斉投射にドラグレッダーを組み合わせた戦術で数の不利を感じさせない戦いぶりを見せ、白兵戦でも通常フォームでオーズプトティラコンボと対等以上に戦う。 ファイナルベントで勝負を決めにかかるがガウェインとオーズの必殺攻撃には流石に打ち負け多大なダメージを負った。 しかしここで温存していたサバイブを発動。疲弊し絶望した対主催に向け再びファイナルベントを発動し、さらに宝具の一斉射撃も加えたオーバーキルに等しい攻撃を行った。 だがガラティーンに加え封印の剣も使ったガウェインによってドラグランザーは抑えられ、タジャドルに変身したオーズのロストブレイズを真正面から砕くべく乖離剣エアに手をかけるが、ルルーシュ、陽介、こなたの合体攻撃至高の魔弾までは読み切れず腕を撃ち抜かれ不発に終わる。 最期は敗北を悟り、自身を超えた人間の力を見れたことに満足し、オーズが生み出したブラックホールの中に消えていった(ドラグランザーは逃げようとしたがギルに息の根を止められた)。 終盤近くになって登場した主催側のサーヴァントということもあり、出番そのものは少なかったがそれでも常に強烈な存在感を刻み続けた。 自分が倒されることをも良しとし、敢えて参加者にとっての試練に徹した英雄王の在り方は彼の人間に対するスタンスをそのまま表現していたと言えるだろう。 というか、進んでラスボスを買って出るあたりこの英雄王ノリノリである。 【評価:英雄王ギルガメッシュの栄光】 魔王ゼロ /'´ ̄ )/ヽ./ Y/´ /,へ、く、 {./ // ├(⌒ヽ \ ヽ ヾ」 | ./ / ヽ ヽ !! /Y { /ヘ /iヽ ハ `ヽヽノヽ( ( )ヽ / V . | V | \ ||| ||| ||| i ノ / . ィ | V. ト、_ _ノ }. N / //´⌒ヽ | | . 厂T . {_/二二_/ i レ/ ,ィ. | i . | | ./{ }ん // | i . | ハ |\ | ヽヽ、 ノ / / / i.| i レ | ヽ<iヽゝヽ-彡ノ─' /. | |. i / . /| /ハシ⌒ー、ー'/ _/ /| / . / .|ハ彡二ニヽ\」_/ / | 厂|' ... / ヽ...}-{__二ニy ヽミ、-、 { .|ノ | / ヽノ ヽ.....- } }、ー}... ヽ ヽ / . ヽ......... ソ /ヽ _ -ヘ-、 ...}、 | ヽ ... _/  ̄ .. \,、 ノ 廴__ハ─'i . ' ヽ, | . .. ... / ヾ、 .. .. ... / ヽ ... ... ./! ヽ . / / .. / ヽ ノ .. | __ ノ⌒ゝ_ノ ヽ < 、ノ ,--、 ヽ _)  ̄ / /ー─' ,-─‐、 * 【登場作品】コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー 【登場話数】 【スタンス】主催者 【立場】黒幕 【特徴】 【評価:RE I AM】
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時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編] 要約版:要約スレ1-663 詳細版:当サイト連絡掲示板内差し替え・追加スレッド-233~247 663名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/01/22(日) 16 31 30 ID 8RaSC4kZ 661 ある日、空に大量の水と魔物を垂れ流す巨大な水瓶が突然出現。 水と魔物の量は止まる事を知らず、そのせいで未来の世界は水没崩壊寸前に。 その未来から逃れる為、未来人はデューンと他2名をタイムマシンで過去に送りこむ。 デューン達+物好きな幼馴染1名はその使命に忠実に、ステスロスという時空戦闘機と共に、ステスロスのパーツを集めながら、水瓶を何とかしようと過去へ未来へ異次元へ奔走する。 途中色々あって、ステスロスが壊れたので、代わりに2号機もらったり、その2号機に実は戦死したデューンの父ちゃんの脳みそつかわれていたり、 ソールという神様の悪の心が分離して出来たラグナという神様が水瓶造った元凶だったり、ラグナ神はソール神を乗っ取ろうとしていたりする事が判るが、 ともかく、最終的にソール神を乗っ取ってしまったラグナ神を撃破。 迷惑な水瓶は消滅し、ミソだけになっていた父ちゃん以下2名も未来のハイパーな技術で復活。めでたしめでたし。 …GBのサガ3だよね? 233:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 45 14 ID ??? DSリメイク記念にサガ3詳細版を書いたのですが、やっぱり規制が解けていないので こちらのほうに投下させていただきます。 234:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 50 14 ID ??? キャラクター・用語紹介 ステスロス 上記の通り、時間・時空を越える戦闘機。 異次元の神々との戦いのあとに、そのユニットは各地に散っており、それを回収することが 序盤の目的となる。 時間軸 現在のサガ世界 3人とシリューが育った時代。デューン達にとっては過去に当たる。 過去のサガ世界 ギルがダームを作る以前の時代。当然ながら、上の二つの世界より陸地が多い。 未来のサガ世界 デューン達3人が本来居た時代。世界の殆どが水没しており、イレムと革命軍の基地がある バイパー、そして場所を地下に変えたダームにのみ僅かに人が生き残っている。 異次元 サガ世界とは異なる世界。サガ世界を狙う異次元の神々の本拠地。 サガ世界とは異なる容姿の人々が住む。 場所によっては異邦人であるデューン達に冷たく、姿を変えないと会話すら出来ない。 登場人物 ・デューン 未来から歴史を変えるために、幼少の頃に過去へと送られた。本作の主人公。 属性は「にんげん」 ・ポルナレフ 共に送られたデューンの「おとこともだち」属性は「エスパー」 ・ミルフィー 共に送られたデューンの「おんなともだち」属性は「エスパー」 ・シリュー 三人が送られた過去にて、長老ギルの実の孫。3人と共に育てられる。 デューンの「すきなじょせい」属性は「にんげん」 ・ボラージュ 滅びの未来の人間で、デューン達三人を過去に送り、ギルに託した男。 ・長老ギル 過去から来た三人を育て、さらに時空戦闘機ステスロスを神殿に隠し守っていた。 昔から孤児を保護して歩いており、孤児たちのために、ダームの町を作り上げた。 ・ネメシス ・ディオール ダームに住む、デューン達の妹・弟分 ・メルローズ 現在世界の人間で、デューン達の兄貴分。 ・おおばばさま ギルと同じく、孤児たちのためにイレムの町を作った。クロノスの祖母。 ・クロノス 現イレムの町の中心人物。デューン達にステスロスのパーツ「かこワープ」を託す。 ・フレイヤ 過去世界でおおばばさまに育てられている少女。 異次元の神々の四天王の一人、ドグラ神にさらわれている。 ・ソール神 遥か昔にステスロスを狩り異世界の神々と戦った神。 浮遊大陸に住み、サガ世界を見守っていたが、現在はミロクによって囚われの身に。 その出生には重大な秘密が隠されている。 ・ドグラ、アシュラ、カオス、ミロク サガ世界侵攻の前線司令官である異世界の神々。ドグラは寄生虫の様な姿。アシュラは おなじみの姿。カオスは岩石の巨人。ミロクはインド人っぽい女性。 ・フェンリル ネメシスを攫い、デューンの父ジュピターを殺害した憎き敵。 目のない人狼の姿をしている。 ・ラグナ神 水瓶を使いサガ世界に侵攻してきた異世界の神々の長。今作のラスボス 235:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 51 11 ID ??? それでは本編です。 はるか昔。 神「ソール」は異次元の神々と争い、 戦闘機「ステスロス」を使い勝利し共に封印した。 時が過ぎ、突如謎の巨大な「水瓶」が出現した。 水瓶は大量の水と魔物を吐き出し続けた。 未来では、世界は滅びの危機に瀕していた。 未来人のデューン達3人が使命を帯びて過去へと送られた。 歴史を変え、世界を救うために。 過去・現在・未来、時を超え、時空をも超える壮大な物語がはじまる。 (公式より) ・現在のサガ世界 デューン・ポルナレフ・ミルフィーそしてメルローズの4人は、今日もバトルトレーナーと いう機械で修行に励んでいた。 だがそれも今日で最後。 名残惜しむメルローズだが、明日は見送りにいけないと、三人に別れを告げた。 デューンが家に戻ると幼馴染のシリューが。 どうしても旅に出なければ行けないのかと、寂しそうに漏らす。 必ず帰ってくると力強く言うデューンに見送りに行くことを約束すると、唇を交わした。 翌日。長老ギルの元に集まるデューン達3人。 どうやらシリューは見送るのが辛いのか、その場には居なかった。 過去から送られ、未来を救う使命を帯びた彼らの旅立ちを前に、ギルは彼らを滅びの未来から 現在へと託した、ボラージュという男の話を語り始めた。 未来、バイパーの都市は異次元の神々の襲撃によって、崩壊を目の前にしていた。 ディオールという男が諌めるのも聞かず、未だ不完全であるタイムマシーンに、一抹の希望を託し、 デューン達三人を乗せるボラージュ。 未来を世界を救うため、その歴史を変えるために。 かくして彼らは現在世界にて立派に育ち、彼らの意思で動き出した。 親心からその双肩には重すぎる使命を案じるが、未来の人達が戦っているのに、 自分達だけ逃げるわけには行かないと、三人は言うのだった。 その言葉にギルは、見せたいものがあるのでついて来いという。 ギルの後に従うデューンに、町の子供である、ネメシスとディオールが。 心配する少女と少年に、彼はネメシスとディオールが安心して外で遊べる世界を作りに行くと言う。 そして、必ず帰ってくると約束するのだった。 彼らが向かった先は、見慣れた神殿であった。 中に入ると、なんとメルローズとシリューが先回りをしているではないか。 メルローズは共に育った友の為、そしてシリューは愛するデューンと共に居たいが為、 ギルに同行の許可を求める。 町から出てはならぬと言うギルだが、二人の思いに同行を許可した。 かくして5人とギルは、神殿の奥、渦巻状のワープゾーンの中へと入って行く。 そしてそこにはなんと戦闘機が。 時空を越える力を持った戦闘機「ステスロス」見せたかったものとはこれだったのだ。 だが、稼動に必要なユニットを失っているステスロスでは、まだ未来へ向かうことは出来ない。 ギルはボラージュからの預かり物である「レーダー」を渡すと、それを持って海を越えた先、 イレムにいるクロノスに会えという。 しかし魔物の巣窟である海は船では越えられない。そのためまずは、飛空石を呼び出すことが 出来る古代魔法「ムオン」が眠る、北の塔を目指すことになるのであった。 北の塔でムオンの魔法を手に入れた一行は、一路イレムの町へ。 まずは町の創立者であるというおおばばさまに挨拶に向かう一行。 少々入り組んだ場所に住むおおばばさまは彼らを温かく迎えてくれた。 過去、未来。自分達の進む道を示して欲しいという言葉に、未来はわからぬが、デューン達の 行動は必ず良き未来へと通ずると、励ましの言葉を送る。 おおばばさまの元を後にし、クロノスの元へ。 中央の屋敷で彼らを待っていたクロノスに「レーダー」を見せると、これはステスロスの ユニットを集めるための物だという。 これを使ってユニットを集めてどうするつもりだというクロノスに、デューンは自分達が 生まれた、未来に戻るためだと説明する。 「滅びの未来から来た子供たちか…」クロノスは呟くと、彼らに「かこワープ」を託した。 未来に行くための「みらいワープ」は現在で自分も探すので、まずは過去を探してみるといい という言葉に従い、ステスロスの元へ戻ることにした。 神殿に戻ろうとすると、なんと道を魔物が塞いでいるではないか。 魔物は「ドグラ様の命で、ステスロスのユニットを集める不届き者を抹殺しに来た」という。 「過去には行かさん!死ね!」と襲い掛かってくる魔物、サハギンを撃破し神殿の中へ。 ステスロスに乗り込もうというところで、メルローズが町を守りギルを支えるために現在世界 に残ることに。 メルローズと分かれた一行は、ステスロスにかこワープを取り付けると、いよいよ過去へと 向かうのであった。 236:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 52 48 ID ??? ・過去のサガ世界 見慣れた神殿に、あたりの景色も見慣れたものだが、ダームの町の姿はそこには見えなかった。 それでもダームがあった辺りに行ってみると、そこには現在よりも随分と若いギルの姿が。 何者かと問われたので、ステスロスのユニットを集めている為に旅をしているものだと言うと、 この辺りに町を作るのにいい土地は無いかと問われる。 そこで彼らは現在のダームの位置を教えると、ギルは礼をいい去っていった。 以前ギルが言っていた、自分達のほかにもステスロスのユニットを探している人間がいたと いうのは、他ならぬデューン達だったのだ。 早速ムオンの魔法で飛空石を呼び出し、各地を回る一行。 現在では土地に名前しか残っていないレイの町。どうやら人々がサハギンになってしまう 奇病が流行っており、町として存続の危機に瀕してるようだ。 道具屋の主人が、モンスターになってしまった人間を元に戻す道具を見つけてきたらしいが、 病気には効果がないらしい。 そもそもその「じょうかそうち」はステスロスに取り付けるものであるらしく、こちらに 譲ってくれることになった。 (今作は人間・エスパーもモンスターの肉を食べるとモンスターに、同じようにロボットの パーツや獣人の肉を食べることによって、「汚染」という形でその種族を変化させることが 出来ます。じょうかそうちは、その状態から人間・エスパーに戻すという機能をもっています。) 次に向かったのは、今と変わらぬ位置にあるイレムの町。 現在でクロノスが居た中央の館に向かうと、まだ幼いクロノスの姿が。 話をすると、どうやらおおばばさまが魔物にさらわれたフレイヤという少女を救うために、 南の洞窟に向かったらしい。一行もそれを追って南の洞窟へと向かう。 洞窟内部にて、おおばばさまを発見した一行。 おおばばさまだけでは無理だと協力を買ってでるが、よその者を危険な目に遭わせられない とその協力を拒む。 自分達が未来から来た、ギルに育てられた子供であると説明すると、ようやく納得し、イレム の町で待っているので後は頼むと帰って行った。 内部を進んで行くと、なんとさらわれたはずのフレイヤが。しかし何やら様子がおかしい。 「ウー…ガウ ウー」と獣のような唸り声をあげて襲い掛かってくるフレイヤを倒すと、 ようやく正気を取り戻し、一行に加わることに。 フレイヤを加え、さらに先に進むと、そこには異形の神・ドグラの姿が。 ドグラはこちらを「ユニットを狙うボラージュとか言う小僧だな」と言うと襲い掛かってきた。 巨大な蛇のような体に口だけの頭。背中に悪魔の様な翼を生やし無数の触手を持つドグラ。 口の中の目から発するさつじんビーム等の強力な攻撃を繰り出し、今までの魔物とは一線を 画した強さだったが、辛くもこれを撃破する。 ヤツの仲間ではないのか…と遺し、息絶えるドグラ。その背後にはステスロスのくどうエンジンが。 フレイヤを連れイレムに帰還すると、早速おおばばさまの待つ、中央の館へ。 礼をいうおおばばさまに、デューン達はフレイヤをギルに預けることを提案する。 またフレイヤの中の強い魔力を狙う輩が現れないとも限らないからだ。 だがギルは未だ旅の途中というおおばばさまに、現在のギルに預ければいいと言う。 無事にギルは町を作れたかと、さらに喜ぶおおばばさまは、一行に「サモン」という魔法を くれる。 この魔法を使えば、海に潜ったり、海の上を歩けたりするらしい。 (海底は基本寄り道に値するので書きませんが、強力なアイテムなど役立つものが沢山あり ます。) 237:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 53 47 ID ??? ・現在のサガ世界 再び一行は現在へ。 早速ギルの元へフレイヤを預けると、クロノスが何か手がかりを得たらしく、彼の元へ向かう。 聞くとどうやらみらいワープは、南の塔に住むアシュラという魔物が持っているらしい。 早速行ってみようというという所で、急に地震と共に異変が。 慌ててクロノスと表に出てみると、なんと海上に禍々しい雰囲気を放つ城が浮き上がってきた ではないか。 どうやらカオスという異次元の神の四天王の一人が構える城であるらしい。 つまりは彼らの世界征服の度合いが進んだということ。 一刻の猶予も無いと、すぐ様4人は南の塔へ向かった。 南の塔の最上階にて、彼らを待ち受けるアシュラ。しかし、彼が集めたユニットは既に全て カオスの元へ送られてしまった後だという。 名前から、激しい戦闘を覚悟する一行だが、思いのほかあっさりと倒れるアシュラ。 彼の亡骸のそばからカオスのかぎを入手。次はカオス城だ。 海底からカオス城に潜入。その内部は近代的な設備に溢れていた。 ベルトコンベアや監視カメラ、それらを管理しているであろうコンピューター群などを背中に、 ひたすらに上へと登っていく。 やがて海底を抜けると、今度は西洋風の建物に。カオスに近づいている故か、待ち受ける 魔物たちの攻撃もさらに熾烈になって行く。 そうして進んで行く先に、とうとうその姿を捉えたカオス。岩石の巨人は4人に問う。 何ゆえにステスロスのユニットを集めるのか?その問いに未来に行くためだと答えると、 もはやお前達の未来は水の底だと笑い飛ばし、襲い掛かってきた。 見ての通りの防御力と攻撃力を持つカオス。その攻撃に耐え切った先に、ようやくその体を 地に伏させることが出来た。 カオスの屍を乗り越えた先には、「みらいワープ」と「ホバーエンジン」が。 ついに未来へと帰還する時が来たのだ。 高鳴る鼓動を胸に、4人はステスロスにみらいワープを取り付け、未来へと向かう。 238:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 54 34 ID ??? ・未来のサガ世界 予想はしていたものの、見渡す限りの海…海。 ダームがあったはずの場所も既に水没してしまっていた。 それでも一抹の希望を胸に、イレムがあった場所に向かうと、辛うじて僅かな陸地に イレムは残っていた。 (ちなみにイレムの住民は過去は子供だけ。現在は大人だけ。未来は老人だけになっている。) 今も健在であったクロノスに会いに行くと、どうやら生き残った人々が人工島にバイパーと いう町を作り、異次元の勢力に対して革命軍を結成、反抗を始めたらしいという話を聞ける。 そしてもう一つ、おおばばさまの命のともし火があと僅かという事も… 慌てておおばばさまの元へ駆けつけるも、時既に遅し。 ソール神がミロクという異次元の神にさらわれた事を告げ、そして、異次元の住民と話をする ために、異次元の住人に姿を変える魔法「メタモル」を渡すと、4人に後を託し…その長い 生涯を終えた。 バイパー 数多のレーダー群と対空兵器に囲まれた、さながら要塞とも言うべき町。 飛空石が打ち落とされないかとびくびくしながら接近すると、何とか無事に降り立つことが 出来た。 そしてその内部は、進んだ科学力を匂わせる建物や、移動用の乗り物に囲まれている。 見たこともない物達に四苦八苦しながらも、あちらこちらと巡ると、革命軍の基地と思しき 場所を発見する。 しかし入ろうとするも、合言葉を知らない者は通せないと言うではないか。 仕方なくバイパーを後にする一行。道中に見えた、何かの人工物が見えた島に行って見る事に。 人の存在を期待するも、そこにあったのは多数の墓だけであった… それでもここに眠る人々を弔おうと墓を巡っていると、一つ様子のおかしい墓を発見する。 もしやと思い動かすと、なんと階段を発見する。 恐る恐る階段を下りた先にあったのは…なんと、懐かしきダームの町ではないか。 暖かく帰還を喜んでくれる未来のダームの人々。どうやら水に沈む前にここに移り住み、 魔物に見つからないようにするために地下に住んでいたらしい。 だが喜ばしい話だけではなかった。育ての親であるギルもまたおおばばさまの様に寿命には勝 てず亡くなったというのだ。 悲しみに暮れながらも、中央の基地にメルローズが待っていると言うので彼の元へ向かう。 思ったよりも老けていないメルローズや全く老けていないフレイヤと再会する一行。 ソールを攫い異次元に送ったあげく、浮遊大陸を乗っ取ったミロク。そのミロクに攫われて しまったネメシスと、それを救わんと無理をしようとしているというディオールの安否を託され、 バイパーの合言葉を教えてもらう。 お互いの健闘を誓い合い、一行は再びバイパーへ向かった。 改めて合言葉を言い、革命軍の基地へと入ることが出来た一行は、その内部で立派に成長した ディオールと再会する。 丁度ミロク討伐に浮遊大陸へ向かう所だったという彼に協力を依頼されるので、それを快諾する。 どうやらボラージュ達先遣隊は、クェーサー博士が作った「ステスロス2」で既に異次元に 向かっているらしい。 それに続くためにも、一刻も早くミロクを倒し「じげんワープ」を奪い返さないといけない。 ちなみに作戦の指示は海底のパルサー博士の研究所で行うらしいので、早速研究所に向かう。 博士のいう作戦内容はこうだ。 神殿の北にある桟橋を滑走路にして、ロケットベルトで(!?)浮遊大陸に上陸(!!?) 内部で「じくうワープ」と「リモコン」を手に入れたら、渡した「つうしんき」で報告。 報告を受けたら神殿を爆破し(!!!?)ステスロスを呼び寄せて脱出しろとの事だった。 思うところは多分にあっただろうが、デューン達には一言の文句もなく、作戦を遂行する ことになった。 239:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 55 02 ID ??? ・浮遊大陸 この場所は異次元と同じく、時の流れがないという。 降り立った場所の側にある町で、その話のほかにも北の遺跡にステスロスのユニットがある との情報を得て、北の遺跡に向かい「リモコン」を回収する。 次に浮遊大陸の奥地にある山、そしてその山頂にそびえる塔へ。 塔を上って行くと、途中に魔物が待ち構え行く手を阻んでいる。戦う一行だが、戦いの中勢い 余ってディオールを残して4人は階下へと落ちてしまう。 残されたディオールは、壁に隠し扉を発見。それをくぐるとなんとミロクが。 ネメシスの身柄を取り立たされたディオールは、冷静さを失い一人でミロクに戦いを挑んでしまった。 一方落ちた4人もディオールが居ないことに気づき、慌てて再び塔を上るが、元の場所まで 来ても彼の姿がない。 だが隠し扉の存在に気づき、その先を進むと…そこにはボロボロにやられたディオールと ミロクの姿が。 先に敗れたドグラとカオスの敵だと、ミロクは今度は4人に襲い掛かる。 インドの女性のような姿をしたミロクは、激しい風の魔法を武器に襲ってくる。 しかしこちらにとってもミロクはディオールの敵。怒りの攻撃は見事ミロクを打ち破る。 そしてその亡骸から「じくうワープ」を手に入れた。 すかさず「つうしんき」でパルサー博士に報告。長年ステスロスを守ってきた神殿は爆破され 中からついにステスロスがその全身を現した。 次はリモコンの出番だ。リモコンの指示通り、あっという間にデューン達の頭上に現れた ステスロスに乗り込み、一行はバイパーに帰還する。 着くや否やディオールを医師のボルフェス博士の元に預けると、早速治療を行うことに。 心配するデューンに、細胞の一欠けらでも再生する、バイオ医学の権威であるワシに任せて おけと豪語する博士。 だが遠くから聞こえるディオールの悲鳴から察するに、技術はともかく、医師としての腕は お察しのようだった… ともあれ、あっという間に傷一つない健康体に回復するディオール。無事を喜ぶが、それより も一刻も早く異次元に行かなければという話に。 しかし、「じくうワープ」の使用回数は1回だけ。 異次元へは、現地でクェーサー博士に会えない限りは片道切符らしい。 それでも共に言ってくれるかと訊ねるディオールに、4人はもちろん!と力強く頷くのだった。 かくしてステスロスの「じくうワープ」で異次元へと出発する一行。 無事に次元の壁を越えたかというところで、突如ステスロスから警報が発せられる。 どうやらワープのショックでホバーエンジンが破損してしまったらしい。 ホバーエンジン無しでは、ステスロスは陸地を這うことしか出来ない。 徒歩での探索になるという話になったところで、ディオールから二手に分かれる案が。 ディオールは先遣隊と合流し、ステスロスをステスロス2で回収する方向を、デューン達は 異次元を探索し、修復の手段を模索することとなった。 240:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 56 43 ID ??? ・異次元 まずは眼前に見える町、ダリウスへ。 うわさに聞くとおり、異次元の人々は自分達とは異なる姿をしていたが、この町の人々は、 自分達に特別、敵意を抱いたりはしていないようだ。 話を聞いて回ると、どうも最近は空と海に異常が多く、ムオンもサモンも使えないらしい。 代わりに定期船が出てるというので船着場に行ってみるが、海が荒れていて船は出ていな いらしい。 船が出るようになるまで待つついでに、西のほうにもう一つある町へ行ってみることに。 町に入るが、どうも様子がおかしい。 人っ子一人と姿が見えないだけで無く、何やら不穏な空気が。 ようやく人の姿を見つけるが、なんと石にされているではないか。 驚愕するデューン達の後ろで何やら動く影が、その影を捉えるとその正体、ばけねこが 襲い掛かってきた。 倒すが、見やると町中にばけねこが居るではないか。 堪らず近くの家へ逃げ込むと、そこには未だ石にされていない人間が居た。 名をエイタールという男は、フェンリルという魔物に攫われようとしていたネメシスを助け ようとしたが失敗し、逆に町の人間を呪いによって皆石に変えられてしまったと言う。 つまりは今ネメシスはフェンリルの元にいると言うこと。デューン達は、北の迷宮にいると 言うフェンリルの討伐を切り出した。 するとエイタールは、この町にあるまたたびの木からまたたびを持って行けと言った。 迷宮を守るねこまたをこれで眠らせて進めというのだ。 またたびを手に入れ、一行は北の迷宮へ。 迷宮の奥で待ち構える、目の無い四つ腕の人狼――フェンリルはデューンをボラージュとか いう小僧と一緒に居た、ジュピターだなと言いだした。 ジュピター?とその名に何かを感じるデューン。だが考えるまもなく、確かに一度殺した はずだが、何度でも殺してやる!と一行に襲い掛かってきた。 4本の腕に鋭い牙、多彩な魔法を駆使する強敵だが、これを撃破する。 ジュピターさんは死んだのか!とフェンリルに問い詰めるデューンだが、それに答えないまま フェンリルは息絶えた。 その背後にあった牢屋の鍵を使い牢獄の中へと足を踏み入れると、そこには美しく成長した ネメシスの姿が。 ネメシス曰く、この世界は崩壊寸前で、そのためにサガ世界を乗っ取ろうとしている。 その実行者である異次元の神々は、ステスロスの完成と、4本の聖剣を恐れている。 特にステスロスの初代乗組員であった4人を恐れていた。そして自分は、聖剣に関係がある ので攫われた。との事であった。 ネメシスの言葉に従い、一行は彼女を加え、神々に対抗する術であろう、聖剣と4人の乗組 員を探すことに。 241:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 57 57 ID ??? とりあえずは呪いが解け、ばけねこ達の手から解放されたであろう町へ。 感謝を述べるエイタールから、彼の師匠であり、ステスロスの乗組員であったバルザイが、 「ハシドやま」にいると言う情報を得る。 他の乗組員である、シャルル、ズカウバ、まさむねを仲間にするために、力になってくれ ると言うことなので、早速ハシドやまに向かう一行であった。 やっと動き出した定期船に乗ってダリウスの隣、キナイアの町へ。 キナイアはダリウスとは打って変わって未来的な建物の立ち並ぶ商業の町。 様々な店が並ぶ中色々と装備を整えると、一路ハシド山へ。 入るや否や目の前に飛び込むのは、巨大な滝が繰りなす絶景である。 滝の根元が見えないほど高いハシド山を、息を切らせながら登って行く。 やがて山頂に辿り着くが、そこにはなにやら言い争う声が。 声の元に駆け寄ると、件のバルザイが異次元の神の一人ベリアルに相対していた。 何故他の世界を乗っ取ってまで移住しなければいけないというバルザイに、ベリアルは 全てはラグナ神の意思であり、人などが口出しすることではないと言う。 さらにはお前は知りすぎたと、その命を奪わんと襲い掛かった。 間一髪それを救出するデューン達。人を救わぬくせに、何が神だ!とベリアルに戦いを挑む。 巨大な口だけの怪物であるベリアルは、その口から様々な魔法を放ち襲い来る。 神を名乗るだけあってその力は強大だが、人の意地がそれを打ち砕いた。 ベリアルを倒し、改めてバルザイに名乗る一行。 協力を申し出るバルザイに、今再びステスロスに乗ってもらうことになった。 さらに、ベリアルの守る宝箱の中には、四振りの聖剣の一つソロモンソードが。 デューン達は二つの強い力を手に入れるのだった。 (バルザイはこの後、ステスロスで道具屋をやってくれます。何故かお金を取りますが…) バルザイの言葉によると、ハシド山の北にある水晶岬に、乗組員の一人シャルルがいるとの事。 早速ステスロスで向かう。 水晶で出来た洞窟にて、助手二人と共にシャルルの姿を発見した。 シャルルは協力をしてもいいが、一つ条件があるという。 南西にある遺跡に居る神々の一人、パゴスの躯を持ってこいと言うのだ。 異次元の住人はたとえ神を倒しても、必ず謎の死を遂げてしまうと言う事らしく、その死の 発生条件を調べるために必要なのだと言う。 シャルルを仲間にするだけでなくも重要なこと。早速一行は南西の遺跡へ。 遺跡の入り口にてデューン達を待ち受けていたのは話のパゴスではないか。 葬れるならば葬ってみろと言い襲い来る、巨大なトカゲの姿をしたパゴス。 強力なメテオの魔法に苦戦しながらも倒すが、パゴスは無駄だと再び立ち上がった。 なんとパゴスは最初から死んでいたのだ。死してなお、その存在を永遠にラグナ神によって 遺跡に封印されていたと言うのだ。 自嘲気味に己の秘密を話したパゴスに対し、デューンはバルザイに協力を要請した。 かくして僧侶たるバルザイは念仏により、パゴスを成仏へと導いた。 やっと死ねるとデューン達に感謝を述べるパゴスは、礼にとこの遺跡がヨルムンガンド砂漠 への通路であると言うことを教えると、安らかな顔で天に昇っていった。 遺跡の仕掛けを動かし、川の水を引かせると、川の水が干上がり、ヨルムンガンド砂漠へとつながる道が。 これでステスロスでも行けると意気揚々出発する。 しかし砂漠上空に差し掛かるや否や、ステスロスは砂嵐に飲み込まれ墜落、爆発してしまう。 さらに目の前には砂嵐の主で、この砂漠の名前にもあるヨルムンガンドが。 巨大なミミズの化け物であるヨルムンガンドにあわや飲まれるというところで、これを撃破する。 急場は脱したが、ステスロスは粉々になってしまっている。とりあえずはバルザイはシャルル の元へ、デューン達は北に見える、ステスロスの町へ行くことに。 242:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 00 58 59 ID ??? ステスロスの町は町とは名ばかりのもので、実際には先発隊の基地である。 ステスロスの格納庫を有するがゆえに、ステスロスの町と呼称しているらしい。 デューン達は隊員に促され、基地内部へ。そこには以前話にあった、クェーサー博士が 一行を待ち受けていた。 会うなりデューンをジュピターと勘違いした上、名乗ってもいないデューンの名を知っている クェーサー博士。デューンは自分とジュピターの関係を尋ねるが、おどおどと口を濁すだけだ。 それよりもと、徒歩で来たのはどうしてかと訊ねるので、ヨルムンガンドに破壊されたことを 説明する。すると博士は、現在のユニットと博士とボラージュが集めたユニットとで、 ステスロス2を運用することを提案した。 願ってもいない提案に乗って、早速ステスロス2にユニットを組み込む。今度はホバーユニット もあるため、海を越え異次元中を飛び回ることが可能だ。 ただし、一箇所だけ結界に阻まれて入れない陸地が。 そこの名はゴート。ここに全ての元凶たるラグナ神が居るという。 早速バルサイとシャルルをステスロス2に迎えると、一行は水晶に囲まれた町、ザカリオンへ ここには聖剣の一つエクスカリバーがあるというのだ。 しかし民家に住む老人から、まさむねは聖剣を抜けるのは額に真紅の痣を持つ女性だけ、 抜くのはあきらめろと言われる。 だがネメシスの額には真紅の痣が。まさかとデューン達は町の中央に鎮座された聖剣の元へ。 水晶の地面に深々と突き刺さる聖剣エクスカリバーを前にし、ネメシスがその柄に手をかけ、 一心に引き抜くと、光を放ち見事聖剣はネメシスの手へ。 ネメシスが異次元の神々に攫われたのは、エクスカリバーを抜く力があったからなのだ。 聖剣を携え、再び老人の元へ。 老人に聖剣を集めて何をする気だと問われ、デューンは神々の根性を叩きなおすためだと答える。 それは愉快だと笑う老人は、自身がステスロスの乗組員の一人、まさむねだと明かすと、 これからの聖剣集めに必要なときがあるかもしれないと、同行を買って出る。 (シャルルは魔法屋、まさむねは武器屋になります。やっぱりお金はとりますが強力な魔法・ 武器を販売してくれます。さらに合成魔法や武器の作成など、バルサイを遥かにしのぐ活躍を 見せてくれます。) ザガリオンの住民の一人から、ディオールからの伝言を聞く一行。 どうやらクラウドというところでクレネス王から通行手形を受け取り、ポートルという町へ来い とのことだ。 (なおこの町の建物の一つに、三種の神器を探していると言う、父、母、息子の三人組がいます。 息子はデューン達に「君達も世界を救う旅をしているんだね、僕も昔していたんだ」と言います。 三人の構成に三種の神器を探していて、世界を救う旅をした事がある…もう三人の正体はおわかり ですね。明言はされていませんがSaGa2の主人公一家と思われます。) 人や建物が乗れる不思議な雲の上にあるクラウドの町。中央の城に向かうとクレネス王だけでなく、 ステスロスの乗組員の一人、ズガウバの姿が。 ゴート地方に向かうと言う話をすると、自分の求める鉱石もゴート地方にあると、同行することに。 ステスロスに向かうズガウバを見送ると、改めてクレネス王に謁見する。 異世界でただ一人、人間の王であるクレネス王は、一行に何故ゴート地方に向かうと訊ねる。 ゴートは神の地。人間がみだりに立ち入る場所ではないと言うのだ。 それでも一行は、世界を救うため神を撃つと強く言い放つ。 一行にエクスカリバーを視とめたクレネス王は一行を真に神と戦いうる者だと認め、自分も元は イレムの人間であることを明かし、一行に最大限協力することを約束すると、地下への道を開く つうこうてがたを託したのだった。 ポートルの町で番人に通行手形を見せると「あんたらも物好きだな、地底は人間の生きて行ける場所 じゃないぜ。」と皮肉を残し去っていった。 さて地底へと言うところで、内部からディオールが。 どうやら結局船が出ず、ずっとダリウスで足止めを食っていたらしい。 その間に色々と調べている中で、地底からゴートに行けることを知ったと言う。 地底からのゴート突入、そしてソール神救出はディオールが同行し、ネメシスはステスロスで クエーサー博士に預けると言うディオール。 名残惜しくもネメシスと別れた一行は、一路地底へ向かう。 243:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 00 57 ID ??? ・異次元・地底 まだサガ世界と比べても、さほどの違いは無かった地上と違い、地底はデューン達の想像を遥かに 超える光景が広がっていた。 マグマの川が流れ、緑一つ無い大地にはマグマの吹き出た跡なのかクレーターが無数に存在し、 見たことも無い大きさのキノコが群れを成し、さながら大樹のようにそびえ立つ。 まさに異世界と言う様を見せる地底を進んでいくと、一つの町を発見した。 異次元に来てからこの方、明らかに人間ではない住人を何人も見てきたが、この町の住人の異質さは 特別だ。以前に聞いた話から、彼らがモズマ族であることを悟る。 凶暴で、自分達以外に対して徹底して敵意をむき出しにするというモズマ族。 触らぬ神に祟りなし、一行は早々に町を後にする。 立ち寄らないことでモズマ族に関しては回避できたと思ったものの、なんとゴート側の地上に続く階段を モズマ族が守っているではないか。 話そうにも問答無用。倒しても即座に復活してしまうモズマ族。万事休すかと思ったところで、 一行はある魔法の存在を思い出した。 「メタモル」おおばばさまが今際に託してくれた魔法。 それは異次元の住人と話すためのものだと言っていた。これならばモズマ族と話し合うことが 出来るかもしれない。 早速唱えて見ると、なるほどデューン達の姿がモズマ族のそれに変化する。 さすがにこの姿ではモズマ族もまともに話をしてくれ、長老を上手くごまかし、階段の門番を どかすことに成功した。 そしてついに、神の地と言われるゴートへと足を踏み入れる。 244:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 01 ID ??? 異次元・ゴート地方 階段を抜けると、そこはポートルの町に良く似た町が。 どうやらここの住人は人間に害をなさないようだ。 ほっと肩をなでおろし、探索をしていると以前出会った家族の姿を発見する。 家族の父親に聖剣を集めていることを言うと、手に入れた「つるぎ」を譲ってくれた。 デューンは父親にあなた達は何者なのですかと尋ねるが、「ふくめん」とでも呼んでくれと言うと 家族を連れて去っていった。 これまでに集めたムラマサと「まがたま」「かがみ」そして託された「つるぎ」を持って、 まさむねの元に行くと、彼の手によって三種の神器は「くさなぎのつるぎ」に。 そしてムラマサは「まさむね」へと姿を変えた。 ソロモンソード、エクスカリバー、まさむね、くさなぎのつるぎ…とうとう4本の聖剣が揃ったのだ。 いよいよ神と戦う準備は整った。 町を出て見上げると、そこにそびえる山にラグナ神の神殿があるという。 ステスロスがあれば突入できそうなものだが、未だ結界がある以上ステスロスを呼ぶことは出来ない。 一行はまず、東に見える遺跡へと向かうことに。 遺跡を進んでいくと、一人の男が一行を待ち受けていた。 男の名はボラージュ。そう、デューン達三人を滅びの未来から送り出した張本人だ。 彼には聞きたいことが沢山あるのだが、それをかわすように、ここに結界の発生装置があり、 それを破壊してほしいということ、そして自分はゴート山の調査に向かい、後ほどここに戻る ということだけを言い残すと、さっさと一行の前から去って言った。 釈然としないながらも、気持ちを切り替え結界発生装置へと向かうのであった。 遺跡を進んでいき、とうとう結界発生装置とそれを守るボルボックの元へ。 おろかな人間如きがと言うボルボックに聖剣の力を見せ付ける、としたが何と聖剣が弾かれて しまうではないか。 この結界発生装置は、聖剣から俺を守る効果もあるのだと勝ち誇るボルボック。 一方ディオールは、神妙な面持ちでそれを見ると、意を決したかのように前に飛び出した。 なんと彼は体を直した際、彼は自分の体に自爆装置を組み込んでいたというのだ。 「ならばこれならどうだ!デューンさん…ネメシスを頼みます…!」 その身を爆弾とし、ディオールは結界発生装置へと突撃し…装置は――そしてディオールは、 跡形も無く消え去った。 「人間のクセに愚かなマネを!」とディオールの死に、唾を吐きかけるボルボック。 「愚かだと…ディオールを愚かだと言ったな!」爆発するデューンの怒りがボルボックへとぶつけられる。 悪霊そのものといった姿のボルボックは、流石にラグナ神の喉元を守るだけあってその強さは 今までとは比較にならない。 だがデューン達の怒りこそ、今までに無いものである。結界という阻みが無くなった聖剣達が、 確実にボルボックにダメージを与え、とうとうその姿は闇へと霧散していった。 「ディオール…」悲しみに暮れるデューン達の下に「遅かったか!」とボラージュが。 彼の死を無駄にしないためにもと、デューン達を諭すと、ゴート山の神殿に関わる情報を一向に 伝え、一刻の猶予も無いと、共に向かうことになった。 結界は破れた今、ステスロスを阻むものは無い。リモコンで呼び出し、ゴート山へ。 245:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 25 ID ??? 禍々しい空気に煮えたぎるマグマ。 ゴート山は神の山というには凡そ似つかわしくない、言うならば地獄のような場所だ。 今までに無い強さの魔物達をに苦戦しながらも山を登る一行。 山頂と思しきところまで来たが、道はそこで途絶えていた。 行き止まりかと思った瞬間、何かを察したボラージュがここは危ない!早く離れろ!と叫ぶ。 慌てて促すままに駆け出すと、何と誰も操縦していないはずのステスロス2が、爆撃を開始したではないか。 何故だと混乱するデューン達に、ボラージュは言う。「出来るのだ…ステスロス2だけは」 そして真実が明かされる。 ステスロス2の制御ユニットには、人間の脳が使用されているが、その脳はフェンリルによって 殺害されたジュピター――デューンの父のものであった。 皆、命を懸けて戦っている。先を進もうというボラージュの言葉に従い、ついに一行はラグナ神の城へ と足を踏み入れる。 壁も床も生物のように怪しく蠢く城内を進むと、最上階に通ずる階段の前にて待ち構えるものが。 お前がラグナか!と迫るデューン達にティールと名乗った神の一人は、ラグナ神ならばお前達は 何度も見ているではないかという。 ラグナ神の体とはこの世界の海そのもの。サガ世界に流れ込んでいる水こそがラグナ神だというのだ。 さらにティールは、間もなくソール神をラグナ神が吸収し終わる頃、あきらめて死ねとデューン達に 襲い掛かってきた。 当然の如くラグナ神の眼前を守るティールは強い。その姿の様に悪魔じみた威力の攻撃に加え、 様々な状態異常を駆使し一行を追い詰める。 だがここまで来て負けるわけには行かない。必死の反撃にとうとうティールは膝を地に付けた。 敗北を認め、いい事を教えてやろうというティール。それはソール神の成り立ちであった。 元々ソール神とラグナ神は一つの存在。ラグナ神の善き心が分離したものがソール神であった。 ソール神を捕らえたラグナ神は再びソール神と一つになり、さらに強大な存在となる。 全ては手遅れだと笑いながらティールは倒れた。 とにかく急がなければというボラージュと共に、デューン達は最上階――いよいよラグナ神の元へ 最上階―― そこで待っていたのは、ラグナ神ではなくソール神であった。 ソール神はラグナ神に吸収されたものの、何とか自我を保ち、その身にラグナ神を押さえ込んでいたのだ。 自分が押さえ込んでいるうちに、自分ごとラグナを倒せというソールだが、躊躇するデューン達。 そんなデューン達に、ラグナは強大だ、倒さなければ手遅れになると諭すソール。 意を決して無抵抗のソールに攻撃を開始する。 流石に無抵抗のソールには本気を出せない一行だが、傷つきながらも「もっともっとだ、ラグナがめざめ てからではておくれだ!」と更なる攻撃を促すソール。 涙を呑みながらも、さらにソールに攻撃を加える。 「もっと!もっとだー!グヘッ…いかん、い、いしきが…」 突如ソール神に異変がおき――やがて… 「またせたな!ソールめ、あじなまねをしおって!そうぞうしんとなったラグナさまのちから、 おもいしるがいい!」 醜悪な悪意の塊――諸悪の根源、ラグナ神にその姿を変えてしまった。 古代魔法の数々に、闇の波動…一撃一撃で戦意を失ってしまうような強烈な攻撃を繰りなす ラグナに、思わず戦意が怯む一行。 だがそこに城を突き破り、なんとステスロス2が。主砲を放ち、一行を援護してくれる。 父もまた共に戦ってくれているのだ。戦意を新たにし、立ち上がるデューン達。 それをあざ笑うかのように、体から無数の口を開き、さらに攻撃を強めるラグナ。 必死に、倒れながらも戦うデューン達。 長い戦いの末、聖剣の一撃にラグナは断末魔の悲鳴を残し、その姿を消滅させた。 そしてどこからか、デューン達の戦いを労る声が。 それは姿を失いながらも、意識だけの存在となったソールのものであった。 残された力で水瓶を破壊するので、早く水瓶に通ずる海の穴から元の世界へ帰りなさいと言う。 あなたはどうするのかという問いに、自分はここで生まれたので、この世界で眠りに付くという。 それに、デューン達を見ていると、安心して眠りにつける。神が必要な時代は終わったのだ。 これからは人間達の手で歴史を切り開いていくのだと。 ソールに別れを告げ、一行はステスロス2を走らせ、異次元を脱出する。 246:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 02 47 ID ??? ・未来のサガ世界 水瓶を抜け出した瞬間、間一髪の所で水瓶は大爆破。 しかしステスロス2もその余波で消滅してしまった。 ラグナ神の手から解放された海に投げ出されるデューン達。 旅の終わりを、新たな歴史が始まることを実感する。 旅の余韻を携えながらも、ボラージュのムオンで、一行はバイパーへと帰還する。 一行を迎えるボルフェス博士はディオールとジュピターはと訊ねてくるが、はっきりと答える ことが出来ない――と、そこでボラージュが博士に切り出す。「あんたなら細胞の一欠けらでも 完全に再生できるのだろうと。」 当然だと答える博士にボラージュはディオールとジュピターの細胞を手渡す。二人を助けてほしいと。 かくして見事完全な姿で復活したディオールと再開する一行。そして―― デューンはついに父であるジュピターと対面する。 当然ながら自分と瓜二つなジュピター。まだ自分の父となる前だとしても、やはりぎくしゃくとする。 名前を尋ねるジュピターにデューンと名乗ると、ジュピターはその名を生まれる子供に付けさせて もらおうと言うではないか。 期せず自分で自分の名付け親になってしまったりと、やはりバイパーにいては色々まずそうだ。 そう感じたデューン達は、クエーサー博士に依頼したタイムマシンが完成するまでの間、ダームの メルローズの元に厄介になることにする。 ディオール、ネメシスは寂しそうにするが、過去でまた会えると二人を励ます。 ボラージュは、滅びの未来から過去に送った時はどうなるかと心配したが――と感慨深げに一行を 見つめる。 そんなボラージュに、未来を掴み取るチャンスを与えてくれたことを感謝していると告げた。 ダームにて一行を歓迎するメルローズ。彼は取って置きのものがあると、暖炉の奥に彼らを招待する。 するとそこには、懐かしきバトルトレーナーが。 以前よりも敵が強く設定してあるというバトルトレーナー2で、5人は再び修行を開始した。 FIN 247:時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]:2010/10/21(木) 01 03 50 ID ??? 以上でサガ3詳細版はおしまいです。 ご存知の通り評価の低いサガ3ですが、細胞一つで記憶込みで再生してしまうとか怪しい部分もある ものの、結構しっかりSFをしています。 GBの演出力では出し切れなかった部分も多々あったと思われますので、個人的に今回のDSリメイク には大変に期待しております。 稚拙な文章ですが、もし読まれてサガ3に興味をもたれたら、是非DS版をプレイして見て下さい。
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続御神楽少女探偵団 ソフト認識せず、データベースから登録しました。CD4枚組なのですが、各CDの紐付けもないようで、ゲームプレイでディスクチェンジ時のCD切り替えが出来ません。 - 名無しさん (2024-07-01 02 37 52) プレイステーションの「続御神楽少女探偵団完結編」のことでしょうか。すでに記載があるとおり、HUMANロゴの無い再販版は、データベースにありません。DBにない場合は複数枚CDの紐づけもないのでチェンジ不可なのはそのとおりです。SLPS-02266~02269のものはDBにもあり問題なくインスト&プレイ可能です。 - 管理人 (2024-07-02 23 50 57) バーチャコップ 2 GS-9097P-01195 3MM1 インストールOK - 名無しさん (2024-05-04 16 56 06) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-05-19 03 38 27) アイドル雀士 スーチーパイ II(DISC1:T-5705GP-00771-P1C、DISC2:T-5705GP-00772-P1C)、v1.1.31、それぞれ、インストールし15分ほどプレイして問題ありませんでした。 - 名無しさん (2024-05-01 22 47 03) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-05-19 03 38 17) バーチャファイター(GS-9001P-00259-P5K)、v1.1.31、インストールし15分ほどプレイして問題ありませんでした。ディスクによる様ですね。 - 名無しさん (2024-04-24 00 04 42) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-04-29 13 35 35) v1.1.31 DISC1 T-7616GP-00777 DISC2 T-7616GP-00778 DISC3 T-7616GP-00779 ディスク3枚ともインストール、起動可だがディスク総数が1枚で登録されているらしく、それぞれ1/1 2/1 3/1と表示される。ディスク入れ替えできないため1枚目終了までしか遊べないと思われる。 - 七つの秘館 (2024-03-31 19 11 41) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-04-29 13 35 24) フォトジェニック v1.1.31 T-1525GP-02073-P1K V IFPI L237 最初のセガのロゴの後暗転、その後操作を受け付けず止まります。ポリメガにCDからの起動でも同じ現象でプレイできませんでした。 - 名無しさん (2024-03-26 15 19 02) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。v.1.1.23では問題なかったのでv.1.1.31からの不具合ですね。。 - 管理人 (2024-03-31 11 56 38) サクラ大戦 花組通信 v1.1.31 各キャラクターの部屋でのムービーが途中で止まる 実機BIOSなら問題なし GS-9134P-01373 2M1 C 71 - 名無しさん (2024-03-12 06 48 32) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-03-13 02 46 21) 機動戦艦ナデシコ やっぱり最後は「愛が勝つ」? v1.1.31 最初の戦闘パート終了後、本体RAMの準備ができていないと表示され進行不可 実機BIOSでは2章戦闘パートでフリーズ - 名無しさん (2024-03-08 18 59 16) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-03-10 19 15 50) 首領蜂 v1.1.31 でも起動しない。 - 名無しさん (2024-03-02 23 23 26) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2024-03-10 19 15 34) 天外魔境 第四の黙示録は実機BIOSならディスク切り替えでフリーズせず先に進めます。 - 名無しさん (2023-12-12 22 04 25) 情報ありがとうございます! - 管理人 (2023-12-16 16 44 02) スーパーロボット大戦Fについてです。ステートセーブ可能な通常起動では自動的にFとF完結編の2つのシステムデータが作成されてしまい、シナリオクリアデータを記録する容量がなくなりセーブ不可能になります。クラシックモードではF完結編のシステムデータが作成されないのでシナリオデータが記録でき、データ引継ぎも可能になると思われます。しかし、通常起動を行うと強制作成の2つのシステムデータが仮想本体RAMの上書きを行うので非常に注意が必要です。 - 名無しさん (2023-04-07 02 29 51) 自己解決し、原因がわかりました。Fで1話クリア後のセーブを行う前に完結編の動作確認をしたため、完結編のシステムデータが残ったままのセーブ容量不足でゲームを進めたようです。ステートセーブにも完結編のシステムデータは保持されるので途中で消すことが出来なくなったようです。Fを始める前に仮想RAMの確認を怠ったのが原因でした。 - 名無しさん (2023-04-07 15 46 51) 情報ありがとうございます!Fno追記させていただきました。 - 管理人 (2023-04-08 21 33 44) ドラゴンマスターシルク v1.1.23 エンディングまでプレイ 実機BIOS使用 T-19503GP-01377-P1K IFPIL237 - 名無しさん (2022-12-21 22 11 58) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。(できればPOLYMEGAのBIOSでの動作状況も教えていただけるとありがたいです) - 管理人 (2022-12-25 01 03 50) 必殺! v1.1.23 プレイ化 実機BIOS使用 T-23402GP-00861 1MM1 C66 - 名無しさん (2022-12-21 22 11 28) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。(できればPOLYMEGAのBIOSでの動作状況も教えていただけるとありがたいです) - 管理人 (2022-12-25 01 03 36) プリンセスクエスト v1.1.23 プレイ化 実機BIOS使用 T-24604GP-02197 1M1 C 82 - 名無しさん (2022-12-21 22 11 02) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。(できればPOLYMEGAのBIOSでの動作状況も教えていただけるとありがたいです) - 管理人 (2022-12-25 01 03 26) ポリスノーツ v1.1.23 エンディングまでプレイ 実機BIOS使用 VS028-J1 DISC1 T-9510GP-00965-P1C DISC2 T-9510GP-00966-P1C DISC3 T-9510GP-00967-P1C - 名無しさん (2022-12-21 21 56 01) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。(できればPOLYMEGAのBIOSでの動作状況も教えていただけるとありがたいです) - 管理人 (2022-12-25 01 03 02) マリカ〜真実の世界〜はエンディングまでプレイできました。序盤に、アイテムショップから出たときにハマる(ダッシュで抜け出せた)。戦闘時のメッセージウィンドウの表示がおかしくなる。戦闘時に若干音飛びが発生することがあった。などの細かい不具合はありました。Polymegaのバージョンは最新で、ディスクのバージョンはT-6008GP-01436-P1K V IFPI L237でした。 - シャンデリア (2022-07-17 12 20 28) 情報ありがとうございます!追記させていただきました。 - 管理人 (2022-07-31 16 28 12) は - 名無しさん (2022-07-17 09 40 49)
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眼前に広がる滝――いや、それを果たして滝と言ってもよいものか? 明らかに人ならざる超常の現象によって作られたそれは虚空へと続く滝。 その深さは計り知れず、地獄の底へ繋がっていると錯覚させるほどの堀に生じた裂け目である。 そんな水面に生じた断層が、かの賢人モーゼが渡り終えた後の十戒の海のようにゆっくりと閉じていく。 それを見据えて……いや、実際には見据える余裕もなかったのだが――― 「、 、 、 ………ふ……」 彼女、高町なのははその場でゆっくりと息を吐き まるで長距離マラソンを走り終えたランナーのようにガクリと膝をつく。 master! Are you all right? 「大丈夫、と……言いたいところだけど…」 デバイスに精一杯の強がりを言うが余裕が無いのは明らかだ。 自分の呼吸の音が感じ取れない。息を吸っているのか吐いているのかすら分からない。 点滅する視界に、キーンと鼓膜の奥からの耳鳴りが止まらない。 体の至るところから鳴らされる警報は、限界突破モードの安全弁を開けてしまった事の証。 白き衣を纏った空戦魔道士の後ろには、4門のビットによって形成された投網が―― 否、それは術者自身の意思によって自在に変化し、既に巨大な魔力の水槽と化している。 そしてその中で今宵、彼女と争った相手――英雄王ギルガメッシュが落とし込む筈だった戦利品。 堀の中の全ての魚が悠々と泳いでいる。 これ以上ないほどの大逆転劇のうちに彼らの勝負は幕を閉じた。 後ろのソレが、軍配がどちらに上がったのかを如実に現している。 なのはのその細い肩は大きく上下していて、ヒュー、ヒュー、と 喘息のような呼吸を喉から漏らす。 地面に滴り落ちる大量の汗はまるでサウナに入った後のようだ。 自身の杖にすがり付く様に、立つのがやっとの姿を晒している彼女。 その朦朧とする意識の中で事の顛末を―――ただ静かに肌で感じていた。 他ならぬ自分の勝利が決まった瞬間を――― この馬鹿馬鹿しい遊興の終わりの光景を――― 終わってみれば――やはりそれは単なる遊びに過ぎなくて 悪餓鬼同士の砂玉のぶつけ合いや陣取り合戦と何ら変わらない。 つくづく大人げないやり取りだったと認めざるを得なかった。 子供は大人になるにつれ、分別を持ち、代わりに心身の鮮度は反比例するかのように殺がれていく。 新鮮な驚きに出会う機会はどんどん減り、全ての事に全力で当たる事が難しくなっていく。 それはとてもとても悲しい事で――心はいつも少年少女で居続けたいと思うのは きっと全ての人間が持っている願いであろう。 ―― リリカル ―― マジカル ―― 彼女が一つの出会いを果たし、初めて口にしたそれは魔法のコトバ。 情熱的で不思議な出会いをいつまでも忘れないで―― そんな幼少の彼女なりの願いが、そのコトバには込められていたのだろう。 しかしながら――― 「だけど………あはは… これはちょっとやり過ぎたと思う……我ながら」 やっぱ物事には限度というものがあるという事か。 ゼイゼイと深呼吸もままならない真っ青な顔で彼女ははっちゃけ過ぎた自分に対する苦笑が止まらない。 「うん……間違いなくやり過ぎた。」 正味な話、人がとことんリリカルになった時、遊びと真剣勝負の境界などはあっさり崩れ去る。 いつの間にやら命をかけた大勝負になっていたりする。 故にこの世は実に恐ろしい。 まあ――今回は相手が相手だけにしょうがないと言えばしょうがないのだが。 誰だって負けたくない相手はいる。 引くに引けない相手がいる。 高町なのはにとって本日相対した男はまさにそれ。 たとえ遊びでも絶対に屈したくない部類の敵であったのだから。 彼――英雄王ギルガメッシュはいずれぶつからねばならない相手。 故に彼女は寝ても覚めてもギルガメッシュ攻略法なんかを考え続けてきた。 この一途な想いは、その強さだけを見て強烈な恋心などと比べても遜色の無いものだ。 脳内でシミュレーションを立て、その度に串刺しにされる自分を見て悔しさに身を焦がれ そんな思いを幾晩幾日と過ごしてきたのだ。 余談であるが――― 常に最悪の事態を想定し、一切の妥協を許さない高町なのは。 彼女のイメージトレーニングにおいて、英雄王特有の「油断」や「慢心」を考慮に入れた事は無い。 そんなものにつけ込むのは不確定すぎるし、それで勝ったとしても運任せと同じでとても攻略法とは呼べない。 だから彼女はいつだって―――男の「最大戦力」を想定してシミュレーションを立てていた。 アンノウンのステータスを最大に設定していたのだから、彼女の目に このサーヴァントがどれだけ巨大に写っていたか想像に難くない。 そりゃボコボコにされるだろう。聞けば聞くほど彼女らしいというか、無理も無い話である。 教導官、高町なのはが対ギルガメッシュ戦に望むに辺り立てた戦術の一つとして 兎にも角にもまずはエアを――あの最強宝具を抜かせるという戦案があった。 本来ならばあれを抜かせたら終わりというのが真っ当な見解だ。 そのような切り札をあえて抜かせるというのは一見、矛盾している理論なのかも知れない。 だが彼女のスタイルは昔から相手の切り札を凌ぎ切り、引っくり返して勝利をもぎ取るのが動かぬセオリー。 未だ全貌は五里霧中なれど、結果的にそれが最も勝率の高い戦術と直感で判断し 結論付けた彼女の決断は故に英断と言えよう。 そして今回、期せずしてフェイトからの贈り物―― 栄養剤に含まれたヘビの因子が偶然、その状況を作り上げてしまった。 天敵の要素を取り入れた事によって、否応無しに王は慄き猛り 危機感から乖離剣(性格には竿)を取り出してしまったのだ。 「ちょっと出来過ぎ……」 ぼそっと紡いだ一言に彼女の今回の戦いの感想の全てが集約されている。 まったく偉そうな事を言っておいて、これでは運任せと代わらないではないか。 神がかり的な展開に助けれての勝利はきっと女神様がこちらに全額PETでもしてくれていたに違いない だが、もし本物の戦いだったらこうはいくまい。 後のためにデバイスに記録していた今日の勝利データは――故に「本番」では微塵の役にも立たないだろう。 「はは……」 知らず苦笑いが漏れてしまう。こんな所で運を使い果たしていいのだろうか? 出来れば今回のようなのは「本番」まで持ち越しておきたかった幸運だ。 少し勿体無かったと言わざるを得ないが……運というのは取捨選択できないから運なのであって―― 乾いた笑いしか出ない己が表情に溜息を付きつつ、今回はこの幸運と勝利を遠慮なく拾わせて貰おう。 !! Master!!! 「っ!!!?」 そう思い立って体を起こそうとした高町なのはの後方から突如の異変―― 空を切り裂く白刃――もしソレが「その気」なら自分は絶命していたかも知れない。 今まさに高町なのはの首の皮一枚のところに突きつけられた凶悪な刃によって―― epirogue ――― 彼女の右後ろ――― 満身創痍の魔導士を見下ろすようにソレは立っていた。 これほどの憤怒の塊。これほどの怨嗟の念に。 辛うじて反応出来たのはエースオブエースならではと言わざるを得ない。 鬼相とも言うべき歪んだ形相を灯し、手に禍々しい断頭の鎌を称えたモノ――― 「………、―――」 蔵から取り出されたる宝具はハルペイの鎌。 その切っ先が勝者である高町なのはの喉元に突きつけられ なのはは寸での所で、魔力シールドにて凶刃を阻んだのだ。 彼――英雄王ギルガメッシュがなのはの眼前に再び立ちはだかる。 王の戦利品を投網で掻っ攫っていった女。 王の所業に相応しい力を以って戦った自分に対し、その威容に一欠の敬意も払わず 横合いから手を刺し込み、一切合財をぶっこ抜いて行った女。 王の力の間隙を縫った姑息な狙い撃ちによってこの戦いは既に決着を見ているが―― 当然、それを男が納得するかはどうかなど誰にも知る由も無い。 「――――、」 彼女の喉に突きつけられた冷たい感触。 その妖気を伴った紫紺の金属は多くのニンゲンの魂を無造作に刈ってきたのだろう。 刃には障壁越しにさえ、犠牲者の絶望と怨嗟の魂がこびりついているかのようだった。 「髪型、変えたんだ…」 ゾッと背筋の凍るような冷気に晒されながら、それでも普通に言葉を返すなのは。 ―――ビキビキ、、と男のこめかみの辺りから異音が、比喩ではなく本当に歪な音が響く。 どうやら地雷、踏んだらしい。それもそうである。 先ほどまでは綺麗にセットされ、天にそそり立つ様に撫で付けられた彼の髪は 彼女の指摘通りに前髪ごと、ざんばらに降ろされている状態だった。 これは言うまでもなく急遽、思い立ったイメチェンなどによるものではなく 機先を制してカマされたあの濁流のような砲撃に巻き込まれてのものに他ならない。 (完全に怒らせちゃったかな…) 本気でここで戦う事になるかも知れない――宝具の切っ先を向けられながらに思う彼女。 目は凛と一直線に英雄王の双眼を見据え その爆弾オチのような姿の男に背筋を伸ばして対峙する。 威風堂々とはこの事。後にどんな暴力を振るわれようと勝負の結果は引っくり返らない。 サイの目の結果は塗り替えることは出来ないのだ。何人たりとも。 それでもやれるものならやってみて――と それを貴方が、英雄王の名に恥じぬ行いと思うなら――と エースオブエースは爛々とした眼光を男に向け続けた。 「――――ク、、」 すると怒りに染まった男の表情が奇妙に歪み、辛うじて冷笑を称えたいつもの相貌に戻っていく。 あるいは、なのはには分かっていたのかも知れない。 その刃が決して本気で振り下ろされる事は無いという事を。 彼とて英霊。重々に承知していよう。 そんな事をしても恥の上塗りになるだけなのだという事を――― 「認めよう。確かに今、この場では貴様が上回った。」 そう、認めるしかないのだ。 正々堂々と王を打ち破った、この若い女の勇姿を。 死神の鎌を引いた男の口から出た言葉が今ようやっと―― 真なる意味での戦いの終了を告げたのだった。 ―――――― (……………) 緊張に緊張を重ねていた肉体が、精神が今、本当の意味で脱力し弛緩する。 大きな溜息をついてその防壁を解除し、ゆっくりと男に向き直るエースオブエース。 人目がなければその場で、地面に大の字に倒れこんでいたかも知れない。 「そんな事……」 ないよ、と―― いつもなら謙遜の言葉を返すなのはであったのだが 今回は嬉しさと達成感が勝ってそれどころではない。 この英雄王自身の口からはっきりと「お前の勝ちだ」と言わせたのだ。 それは登山者が国一番の高度を誇る山を登りきった時に感じるカタルシスにも似ていて―― (…………ん) 左手をぎゅっと握り締め―――やった…という感情で満たされる彼女の心内。 自分は勝ったのだ。あの英雄王ギルガメッシュに! 夕焼けは戦士の頬を優しく照らし、栗色の髪が風にたなびいている。 既に顔を出している星が。月が。場に煌々と冴え渡り―― この素晴らしい勝負に祝福の光を落とすだろう。 「あ……」 満たされていく感情を抑えきれず、彼女の目に涙が浮かぶ。 その声は昂ぶる気持ちで少し震えてた。 ありがとう――ございました 感謝と、互いの健闘を称えて、その言葉を紡ごう。 例え次に会った時は血に塗れた殺し合いをする仲だったとしても――― 今だけは尊敬するライバル……英霊の中の英霊として 生涯をかけて目指す事になるだろう、黄金の雄姿に対して。 「――――さて、次だ。」 …………………… そんな感動と友情の篭ったラストシーンは――― あとはスタッフロールが流れてハッピーエンドの筈だった……… なのに、その一切合財を――― 絶対零度の冷気を伴った一言が――― ――― 全てぶち壊した ――― …………………… 「………………は?」 はにかんだ笑顔がピシっと凍りついた表情のままに―― 間の抜けた声が魔導士の口から漏れる。 感涙に濡れた瞳は今、完全に瞳孔が開ききり 高速回転する思考はそれでも相手の真意を全く汲み取れず 今なら握手なんかしてくれるかな…などと、おずおずと手を差し出した姿勢のまま―― 彫像のように固まるなのはさん。 「―――どうした? よもやこれで終わりというわけではあるまい? ここまで我を煩わせたのだ。最後の意地を見せてみよ。」 事ここに至って「引き続き、我に挑んで来いヌハハ!」みたいな事を言ってくる。 相変わらず高圧的に、見下すように―― おかしい……何だろう……会話が全然、噛み合わない。 何か根本的な部分がずれている気がする。 「あ、あの………あの、さ。」 出した手を所在無くニギニギさせながら乾いた声で問う高町なのは。 「許す。申せ」 「私の、勝ち……だよね?」 「そうだ。忌々しいが認めよう。 確かに今回の邂逅では我を貴様が上回った――――この場ではな」 快晴のような雰囲気だった場に 感動のラストシーンの筈だった場に 何やら怪しい雲行きが立ち込める。 猛烈にやな予感がする―― 「何を呆けている? 喜べよ雑種。この我が 一回戦 は譲ると言ったのだ。 常に完全・完封による勝利こそが我が紡ぐ闘争の結果であり、それ以外を認めるは屈辱の極みなれど―― 英雄王に食い下がったその健闘を一応は称えてやるというのだ。これ以上の栄誉はあるまい?」 「…………」 「それとも貴様、まさかこれで終わりだなどと思ってはいまいな? この我が治むる強大な領土の端の、端の、僻地を切り取った程度で我に勝利したと? ハッ! これは笑止千万!! まさかそこまでお目出度い思考を晒すつもりではあるまいなッ!?」 盛大に手を広げて何か言ってる王様。 その彼の指し示す眼前には―― 「周囲を見てみよ! 未だ手付かずの堀がそら、そこにも、あそこにも、残っているではないか!!!」 「………」 感動と喜色を称えていたなのはの表情には、もはや健闘を称え合うとか―― 次に会う時もこんな出会いであればいいなどという爽やかな気持ちなど、とうに霧散していた。 「矮小な雑種よ。教えてやろう。 王の敗北とはすなわち己が所持する全ての領土を蹂躙される事にある。 ちなみに我の所持する釣り場は出張店舗も含めてあと108場はある 貴様が我を打破するにはつまりはあと108回、我を上回らね、―――」 「もう営業終了してるよ。 制限時間はどうするの…?」 「――――営業時間延長だ。ナイター施設もあるので問題はない。」 「…………」 曲がりなりにも平静を装っていた彼女。 どんな時も冷静沈着、同様の兆しを一切見せなかった不動のエース。 そんな高町なのはの肩が、ついには小刻みに……プルプルと震え出し―― 「ズ、ズ、………ズルいっっっっっっっっ!!!」 「フハハハハ―――はーーーーっはっはっはっはっは!!!」 「卑怯者!! 卑怯者っ!!!!!」 最後には耐えかねたように真っ赤になって批難の声を上げるなのはさん。 それを掻き消す王の高笑いがいつまでも場に響いていた。 いつまでも―― いつまでも―― ―――――― M...Master... 「ううう………う~~~~~!!」 猫のように獰猛に、しかしどこかに愛着を感じさせるような そんな唸り声を上げるなのはさん。 分かっていた事だが―― やはり聖杯戦争を殺しあうサーヴァントにスポーツマンシップなどあるわけもない。 亀の甲より年の功。 常に保険をかけておくのが賢いオトナのやり口だ。 化かし合いでは、やはり年若い女魔導士よりも、人生の甘いも辛いも味わってきた英霊諸処に一日の長あり。 世の全てを支配した元祖・王様は―――実に汚かった。 断言できるが古今にはこびる悪徳政治家たちの元祖もきっとコイツだろう。マジで。 「いいよもう……とことん付き合う。 レイジングハート。やるよ……」 ゆらり――と体を起こし 王と再び相対する高町なのは。 本日最大の怒りのオーラを身に纏った彼女の風格はもはやラスボス以外の何物にも見えなかったりする。 完全に一本取られた彼女であるがならばなおの事――これで終わりになどするものか! 不屈の名は伊達ではない。 小賢しい大人の策略でお株を奪われたのならば こちらはあくまで若さと勢いで正道を貫くまでだ。 現代の仕事に生きるキャリアウーマンのバイタリティを舐めるなってもんである! But Master...Your energy is already... 「やるよ。」 Y、Yes その殺気に長年付き従った紅玉の杖すら口を挟めない。 打ち止めとなった堀を後にし、向かい側の釣堀に並んで向かう覇王と魔王。 不遜な佇まいを崩さぬ男と、目に爛々とした光を称えた女がのっしのしと歩を進める。 「「さあ、次だ (よ)」」 詰まるところ、二人の戦いはエンドレス何たら―― 周りがもうやめてくれと頼むまで続けられる類の―― つまりは行くとこまで行くしかないという感じのモノであり…… 新たに持ち替えた竿を蹂躙の爪牙に変えて、王と魔導士が次なる狩場にまかり通る。 ―――時刻は17:15分 残りの獲物を喰い尽くすには―――十分過ぎる。 夜桜に彩られた帳の中―― 祭はまだまだ終わらない。 ―――――― 前 目次 次
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吹き荒れる風が彼女の精悍な顔を叩き続ける。 その度に栗色の髪が後ろに靡き彼女の頬を激しく撫で付ける。 台風のような突風があらゆるものを吹き飛ばそうと猛威を振るい そこはさながら紅い風で構築された洗濯機の内だった。 そんな普通ならば目も開けていられないような紅蓮の嵐に晒されながら 彼女の――エースオブエースの瞳は一点の曇りも無く見開かれ その双眸がただ「ソレ」だけをつぶさに、迅速に捉え続ける。 負けるつもりで此処へ来たわけではない。 たとえ差は歴然だとしても―― 普通にやっていたのでは覆せない差を理解していたとしても それでも勝つために決戦の地に足を踏み入れたのだ。 そして敵がヒラの勝負ではなく「こういう」戦いを仕掛けてきた以上 これは高町なのはにとって有利に働く展開に他ならない。 何故ならヒラの釣り勝負では所詮、彼と彼女の立場は素人と玄人。 どんなにコツを掴もうと一日二日では埋められない差がある。 対して己が全ての業をここに示して良い戦いならば話は別。 魔法――自身の持つ唯一無二の、己が意思を貫く力。 それを解放出来る戦いであるのなら――― なのはは自身に含有したほとんどの力を発揮出来る。 つまり「1:10」の戦力差を、少なくとも「5,6:10」ほどには縮められるという事。 故に、そう―――― ―――― 一撃 ―――― ここに彼女は一撃で―――全てを決めるつもりだった。 だらだらと戦っていても戦況が有利に働く事は無い。 ならば今こそ、勝利の光がはっきりと見える今こそが勝負の時! 敵の切った札はジョーカー。 切り札というものは常に強力無比だが、逆にそれを真っ向から返されれば あっさりと逆転を許してしまう諸刃の剣。 そして自分の今のスペックは最高――150%全力全開。 決して屈さぬ不屈の心に友の願いが生んだ奇跡が織り込まれ 勝利の道を決して見紛わぬ両の目とその奥に宿した蒼炎の魂が煌き 彼女の眼は虚空に舞い上げられた対象―――計37尾の魚を余さず捕らえて逃さない。 (6時方向に10……いや12。右区画に6。 更にその後方に重なるように3……… 逆方向、左下区画に8。これを最優先で、) Yes allrange look on それはさながらミサイルの多重ロック。次々と、彼女と相棒のデバイスにデータが送られる。 今、完全トランス状態に入る高町なのはの思考は外界の如何なる雑音、騒乱もその心胆を揺るがす事は叶わない。 決して恵まれた体躯でもなく、頑健な肉体でもない。 しかし彼女には空戦闘者としてこれ以上無いほどの天から送られたギフトがある。 ――――空間把握能力 同魔道士達と比較してなお異常なほどに特化していると評される彼女のそれが 眼前に広がる対象全ての位置を把握。否、掌握するのにかかった時間は―――僅かコンマ数秒! よって刹那を許さぬ制限時間付きの反撃の機会を今、彼女は見事に自分のものとするのだ! 「ブラスタービット…………全、射出ッ!!!」 鈴のような声と共に紡がれる高町なのはの最終兵器。 ブラスター2―― 本来ならば心身に相当の負荷をかける限界突破モードの第二形態。 気力、体力、精力全てのメーターを振り切っている今の彼女ならば 猛馬の如きパワーをほぼ完璧に押さえつける事が可能。 モードリリース2によって跳ね上がった魔力が4門のビットに余すとこなく注がれて 今、彼女の元より解放され、黒海の滝と化した堀に飛び込んでいく。 「ぬうっ!?」 勝利を確信した―― いや、元から勝利を疑っていなかった英雄王ギルガメッシュが今宵初めて驚愕の声を発する。 ブラスタービット―― 砲撃特化型にして決してバランスが良いパラメーターとはいえない彼女、高町なのはが 自身、単騎で任務をこなすオールラウンダーとして戦い続けてきた際に出した一つの答え。 浮遊する杖の先端より放たれた物体はそれぞれが爆発的な魔力を消費する。 故に通常モードではおろか、エクシードモードでの運用すら困難な紛う事無き彼女の短期決戦兵器。 その一つ一つが攻撃、防御、術者の補助を要する非常に高度な戦術武装であり 操作技術、掌握度によってはまさに術者の分身――自身を複数に増殖させたかのような効能を得る事が出来る。 つまり高町なのはが瞬時に複数に分裂して行動するようなもの。 そんな不条理と言うしかない戦果を叩き出す事が事実、可能となるのだ。 その彼女の分身たちが今、水面に生じた裂け目――― 乖離竿によって生み出された死の滝に決死のダイブを敢行する。 空間断層のクレパスに左右上下に飛来するブラスタービット。 互いに離れ、寄り添いを繰り返し、それぞれの周囲に魔力の幕を形成。 四方に散らされて断層に叩き落されるのを待つだけだった魚たちをヴェールのように優しく 確実に包み込み、一箇所に集めていく。 まるでバレーボールのレシーブやトスによるラリーだった。 しかもボールは複数―― さながら4人のプレイヤーが30以上のボールをその一つたりとも落とさずに 繋いで繋いで中央へと誘っていくかのような光景だ。 本来、逃げる対象を捕縛するために用いられるケージ型バインドの応用と言えば簡単だが…… 実演するは至難の極み。 鮮魚のようなヤワで脆い生物がもしビットに直接接触させてしまったら容易く木っ端微塵にしてしまう。 だが見開かれた彼女の目は前方に広がる全ての対象を把握しており、そんなミスは有り得ない! 豪快でありながら精密極まりない運用は人命救助を行う際、必要不可欠なスキルであるからだ。 滝に飲まれようとしていた魚たちが空中で蒼い鱗をばたつかせながら一所に集まっていく様――― それはまるで銀の羽吹雪のように幻想的な光景を場に映し出し やがて高速で縦横無尽に飛んでいた4つのビットが麗な五角形を形成し 体現されたのは巨大な―――桃色の投網。 ビットとビットの間に張り巡らされた桃色の魔力光がそのままフィールドとなり 魚達の落下を防ぎ、拾い、掬って完全に包み込んでいく。 「取りこぼしは無し………全部頂くよ!レイジングハート!」 Yes excellent!!! なのはが魅せる! それは芸術とも言える職人技! 見るものを唸らせる匠の絶技だった! これだけの暴風に攫われ、落下に次ぐ落下に翻弄された魚を瞬時に一匹残らず把握し、捕獲する。 高速のビットを併走させて救命具のように魚を包み込むという離れ業を駆使して。 王と魔導士、これだけの力の行使に晒されながら――真綿のクッションに包まれた魚には傷一つついていない。 彼女が戦闘力だけでなく災害救助においても卓越した任務遂行能力を有する事のそれは何よりの証明だ。 ミシミシ、と鈍い音を立てて軋む彼女の分身たち―― 男は非殺傷などと嘯いていたが、やはり孔の中は風の断層による巨大な圧搾機そのものだ。 4つのビットにかかる負荷は見た目だけでも相当のものであろう。 だが彼らは紛う事無くエースオブエースの分身だ。 滅びの空間に身を投げ出したとはいえ、一瞬で為す術なく堕ちるものは一つとしていない! まるで彼女自身を体現するかのように、刹那の瞬間を力強く飛びながら―― 宙空に展開された投網漁は今、亀裂の底から根っこごとぶっこ抜くほどの豪快な規模で 堀中の獲物である魚たちを掻っ攫わんと唸りを上げていたのだ! この間――僅か10秒にも満たない出来事だった。 目を見張る英雄王の前で大胆不敵ないぶし銀の神業が炸裂する。 英霊に並んで劣らぬ、これが人間、高町なのはの真の力。 常軌を逸した発想を現実のものとし、己が勝利を掴み取る―― 華麗に、鮮やかに、大胆に―― 故に彼女はミッドチルダにおいてこう呼ばれるのだ―― ――― 奇跡のエースオブエース、と ――― 王の蔵に放り込まれる筈の全ての獲物を白き魔道士が横からぶっこ抜いた その瞬間―― 「――――――貴、様ァァァァァあああああッッ!!!」 王の真なる怒りの咆哮が響き渡る――― ――――――― ギルガメッシュの天を突くほどの怒りが黄金の王気となって場に迸る。 眼前にて行われた狼藉を憤然と見ていた(実際にはものの数秒、電光石火の早業)彼であったが 今日初めて、はっきりと高町なのはに敵意を見せる。 ビリビリと震える大気。それは王の激情に恐怖する世界の震撼そのものだ。 当然である。いくら遊戯とはいえ、無礼講とはいえ――― よりによって王の上前をハネるなど万死に値する行為どころではない。 Warning! Warning! 「っ!??」 4つのブラスタービットの操作により他に集中力を一切避けない魔導士。 しかしてその脳内にデバイスの緊迫した警告の声が響き渡る。 背筋にゾワリという、身の毛のよだつ感覚―― 第六感に直接働きかけられる身の危険を察知したなのは。 瞬時に身を翻すが、その時には既に手遅れだった。 周囲に赤い、虚空より繋がる孔が次々と出現し、彼女を取り囲む。 この孔が何であるかなど考えるまでも無い……王の財宝ゲートオブバビロンの射出口だ! 咄嗟の事で回避も防御もままならない高町なのはが息を呑むのとほぼ同時――― 「あッッッッ!??」 自身の右腕。左腕。右足。胴体。 そして首に――英雄王有する縛鎖の宝具 天の鎖・エルキドゥが巻き付いていたのだ! 「させると思うか! 雑種ゥゥゥゥ!!!」 カラン、―――と甲高い音が地面を叩く。 それは不意の襲撃で、魔導士がその命であるデバイス レイジングハートを手から離し、前方に取り落としてしまった音だった。 デバイスの補助無しではブラスタービットを制御する事も限界突破の自己ブーストを維持する事も出来はしない。 なのはが束縛された身を捩じらせながら、キッと男を睨みつける。 「くっ……直接加撃っ……… 正々堂々の勝負に水を差す気なの…!?」 「たわけが! 釣堀場において他人の投擲した釣り糸が風に晒され 他者に巻きつく事など日常茶飯事! 珍しい事ではあるまい!」 「珍しい事って……こ、これ明らかにワザと、」 「よくある事故だ―――死ねィ!!!」 「……! か、はっ、!?」 不平を紡ぐ喉が圧迫され、彼女の口からは苦しげな吐息となって呼吸が漏れるのみ。 苦悶に喘ぐなのはの顔には、これのどこが糸……!?とありありと書いてあるが―― 本人が糸というからにはそうなのだろう。 その首に、胴に、四肢に絡みつき、ギリギリと締め上げてくる鎖が かつて天より使わされた怪物をも締め降したといわれる縛鎖であったとしても―― ただでさえ全身に多大な負荷をかけるオーバードライブ中。 BJで守られているとはいえ、この不意打ちの効果は決して小さくはない。 急激に体力を削られ、なのはの意識が遠のいていく。 「…………ぅう………あ、ああぁッ!!!」 英雄王の怒りの縛鎖。それは直接の攻撃ではないにせよ、かつて天の雄牛を拘束し、動けなくしたほどのものだ。 その締め付けの強さは本気でなのはを殺しかねないものだった。 手足を逆方向に引き伸ばされる強烈な牽引に必死に抵抗する魔導士。 少しでも力を緩めればたちどころに彼女の体は十字架にかけられたように四方向に伸びきってしまう。 必死の面持ちで首と胴に巻きつく鎖を解こうともがくが――― 暴れれば暴れるほど宝具は強烈に、執拗に彼女に絡みつき、その四肢を捻り上げる。 まさにクモの巣に絡めとられた白い蝶だった。 常時、歌うような美声を発する彼女の喉が精一杯の怒声を張り上げ それが悲鳴めいたものに変わり、やがてか細い嗚咽へと変化するのにさしたる時を要さず――― 「ぁ、…………か―――」 その表情から力が抜けていくと共に瞳孔から光が徐々に失われていく。 最後の逆転の切り札だったブラスタービットの推力が減退し、その力を失い始める。 大出力魔法において杖のオート航行による運用など、術者の魔力供給を断たれては長く持つ筈もない。 高町なのはが地に伏せば、この一世一代の逆転劇はあっさりと幕を閉じるだろう。 「ここまでだ。狼藉の咎を償って貰おう……… まずはひざまづいて許しを請えぃ!!!!」 絡みつく金の鎖の重さで膝をつき、前のめりに倒れ付そうとする高町なのはの身体。 這うように地についた四肢はまるで引き摺り倒された咎人のようだった。 「―――ト………ん、」 黄金の蛇が頚動脈に食い込み、真っ赤になった彼女の顔が急激に蒼みを増して行く。 視界が暗くなり、全ての意識がシャットダウンしていくのが分かる。 パク、パクと何か言葉が漏れるも―――それが音になる事は無い。 「無様な――」 嘲笑う王。その醜悪に歪んだ暴君の相貌。 しかし彼女はそんなものにはまるで構わずに――― 這うように、這うように、ほとんど自由にならない腕を前方に伸ばす。 目の前の空間を掻きむしるように、何かを求めて腕を伸ばす 。 「――イ、ト……ちゃ、」 脳に酸素が行き渡っていない。 見開いた目には、彼女の前方に広がる光景――滝のように割れた堀。 その中で、自身が生成した巨大な魔力の投網が効能を失い、五つのビットがまさに陥落寸前。 保護された魚たちが再びあの虚空に落とされる恐怖に悲鳴をあげ 投げ出されたデバイスが必死に、必死に、自分の名前を叫んでいる。 その全てが彼女の耳に――――目に入ってくると共に 彼女が足掻いている理由。 彼女をもがかせているモノ。 彼女を誘っている存在を――改めて思い出す魔導士高町なのは。 「フェイトッッ……ちゃあああん!!!」 それは既に視力のおぼろげな眼が確かに捕らえた友の幻影――― 必死に自分の名を呼び、こちらに手を伸ばす――綺麗な金の髪の親友。 その幻に向かって咆哮する白き魔道士、 伸ばす手の先にフェイトテスタロッサハラオウンの姿を確かに垣間見ながら―― エースオブエースが体内から搾り出すように獣のような絶叫を上げていた。 ―――――― 「なのはぁぁあああああああああああああああああああああっっっ!!!」 「オウチッッ!?」 それはここより遥か地下。 地底帝国より放たれた魂の絶叫だった。 おぞましい器具やオブジェに彩られた部屋で監禁されていた金髪の魔導士。 物静かな口調を決して崩さぬ彼女が、普段決して見せぬ激昂を―― いや怒りではない。何かを死に物狂いで求めるような―― 目前に崖から落ちそうになっている我が子、恋人を前にした時のようなそんな形相と共に 虚空に向かって手を伸ばして叫んだのだった。 びびる猫。 「痛ッ! いきなり耳元でシャウトするにゃぁぁあっ! お前はすでにあちしの虜。大人しく恐怖と苦痛に打ち震えていればいいにゃ!! さあ反省の言葉を紡ぐが良い。取りあえず 「ひぎい」 と 「らめえ」 からイッてみよぉ♪」 「………ッ」 ナマモノの執拗な嫌がらせがフェイトを責め苛む。 手足を縛られたフェイトの脇の下に這わされるマジックハンド。 栄えある祖国を侵そうとした罪は重い。 その尖兵たる猫モドキに一切の情け容赦はなく 故に、侵略者とされたフェイトの受ける責めも相当のものだろう。 「なのはッ! 頑張れなのは!! 私はここだよ!! ここにいる!! 超好き、愛してるッ!!!」 なのにっ……なのに嗚呼、何たる事か! 初めは魔導士の気丈な顔に、微かな恐怖心を灯した表情に、嗜虐心をそそられていた。 だのに今はまるで猛禽か猛獣の如く暴れまわる金髪。 真っ赤な顔で怒声を上げる。不可解に喘ぐように金切り声をひり出す! 「何故朽ちぬぅぅぅ!?? 何ゆえ我が地獄の責め苦が効かぬのか!?」 「こ、こんなものより……母さんの鞭の方が百倍痛かったからだ!!」 「にゃにぃっ!!!?? ドメスティック!! 猫では駄目だというのかぁぁ!!?」 「なのはぁぁぁ!!!!」 地上の豪奢で華やかなものとは程遠い、地の底深くで行われる暗闘は続く――― ―――――― なのはとフェイト。 どこにいたって彼女達の想いは同じ。 そして彼女らが共に互いの存在を感じながらに戦う以上―― 数100mほどの隔離が何の壁になるというのか! ―――聞こえる 両膝を付き、力尽きる寸前の高町なのはの耳に確かにフェイトの声が届く。 ――― 戦ってるんだ ――― ――― フェイトちゃんも戦ってるんだ ――― 「う、う……」 自身の身に幾重にも絡みつく宝具の鎖。 天の鎖にその身を潰されようとしていた体が 消え入りそうな呻き声と共に一歩―――― 「んん、ん………」 また一歩―――― のそり、のそり、と動き出す。 「―――、」 英雄王の灼眼が忌々しげに歪む。 もはや勝負は決した。 人間風情が宝具エルキ・ドゥから逃れられる筈は無い。 その前進は芋虫のようにのろく、頼りなく――― いつもの悪足掻きかと男に溜息をつかせる以上の価値を示さない。 一歩―― 一歩――― また一歩―――― ズリ、ズリ、と靴底を擦るように前進を続けるなのは。 彼女の底力をしてこれが精一杯―――最後の蝋燭の灯火は今にも 次の瞬間にも容易く吹き消えて幕を下ろすと思われた。 そんな筈は――― そんな筈は―――――無いのに!!!!!! 「んん、ん………んぅぅぅ。 うううっっっ~~~!!!!!!!!」 ズリ、、ズリ、、 ずり、ずり、ずり、 ずりずり、ズリズリズリズリ、 ズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリズリ、!!!!!! 「な、何だと―――!?」 幾重の鎖の束を握り、獲物の力尽きる寸前の吐息をその手の平に感じていた英雄王。 その手に今 明らかに力を灯した負荷がかかり―――彼は声を荒げざるを得ない! 死にぞこないに過ぎぬ女の突然の蘇生。 それはまるで巨大な黄金の蓑虫――ほぼ簀巻き状態だった魔道士、高町なのはが 四肢を拘束されているにも関わらず強引の極みとも思える重厚さを以って 戦車のような不退の強行前進を開始したのだ! 鎖に巻き付いたまま歩を進める彼女の肢体はもちろん 表情の半分までもが天の鎖エルキドゥによって隠れている。 そんな中、辛うじて頭半分はみ出た栗色のツインテールだけが勢いよく振り乱され―― それが左右に揺られる度にぞり、ぞりぞり!と前に進む! 轟天・なのは号の尽きせぬ前進の始まりだ! 「馬力だけは一人前か―――!!」 憤怒に染まる英雄王。その相貌は同時に心内にかつての伝説の戦いの光景を―― 彼と友の二人で天の雄牛を制したあの壮絶な戦いをオーバーラップさせていた。 未だこちらにも余裕はあるとはいえ、女の膂力は凄まじいものでとても死にぞこないとは思えぬほどだ。 信じられない事に自身が地を食む足ごと徐々に、徐々に、相手の牽引に引き摺られていく。 ――さながら天の雄牛ならぬ魔法の雌牛 「ク、クク…」 などと含み笑いを浮かべてしまうのも あの激戦が彼の持つ記憶の中で数少ない、友と過ごした楽しい記憶だったからに他ならない。 ずりずりずりゃりゃりゃりゃりゃざざざざざざ、!!!!! 「ぬ、おおおおああっっっ!?」 ただしそんな事情は高町なのはにはどうでも良い事である。 それと……多分、乙女のカンだろう。 朦朧とした意識の中で原因不明の憤りを感じ こめかみに怒りマークを灯しながら彼女の進行は激しさを増すばかり。 当然だ。牛扱いなんてされたら乙女ならば憤慨して当然。 男の郷愁が怒れるなのはさんに更なる推進力を与えてしまうのはただ皮肉の為せる業―― 「ち、ち――!」 王の口から歯軋りが漏れる。 魔道士の進む先――ガムシャラに進んでいるように見えた彼女であったが その求めた先に手から零れ落ちた彼女の杖 デバイス、レイジングハートの姿があるのを認めたからだ。 master! It is here! Do its best! 電子音とは思えぬ切実さで叫ぶ紅玉の杖。 更に険しくなるギルガメッシュの表情。 男の持つこの宝具は本来、王が神界と袂を別った際に 天より遣われしものを相手にする時に使用する世にも稀なる対神宝具だ。 神性を持つ相手になら無類の力を発揮し、決して弛まず相手を逃がすことはない。 だが、単純な物理強度に換算した場合――現代ではこの鎖を断ち切る事は決して難しくはない。 無論、生身の人間の膂力では到底不可能だ。 獅子や熊などの自然界に巣食う猛獣を以ってしても難儀な所業であろう。 だが、ヒトの叡智の生み出した近代兵器ならばどうか? 知恵と火を与えられたニンゲンは神代の神秘の力を徐々に失っていった。 だが代わりに圧倒的な科学技術を手に入れ、ヒトの身では到底不可能な馬力を、火力を手に入れるに至った。 幻想上の生物や地球に現存する生物達には無理でも1000馬力を超える戦闘兵器―― そのマックス出力は物理的な力に限れば伝説の武器、魔法を凌駕する。 ましてや彼女を守護する力――ミッドチルダ式魔法は 地球を遥かに超える科学技術によって編まれたオーバーテクノロジーの産物だ。 それを行使する彼女が真にリミッターを解除したとき―― 「ぬ、う――――友よ……!」 鎖は切れる! 圧倒的に!! そう、彼女は牛ではない――もはやそんな可愛いモノでは断じてない。 オーバーブーストによって運用、増幅されるエースオブエース。 高町なのはの周囲から桃色を焦がした鈍色の紅の魔力が立ち込める。 それはエンジンが焼きついた時に吹き出す危険な硝煙と酷似するものであり しかし同時になのはの全力全開・限界突破を示す搾り出すような魔力光だった。 フェイトの思いを背負った彼女はもはや推定10万馬力――― いかに天の鎖であろうとも―――フルブーストするロケットを拘束するには至らない!!! 「ひざまづけというのだ………この―――!!!」 反射的に手を伸ばす王。 後ろに控える数々の宝具をまさぐり 呪縛から逃れようとする魔道士の体に叩きつけようと猛る。 「――――、」 が、常であれば何の躊躇いもなく彼女の身を蹂躙していたであろう宝具の数々は ついには虚空から姿を現す事はなかった。 今更感はあるにせよ、彼らには彼らなりの法があり矜持がある。 暗黙の取り決めが存在し、そこにどれだけ抵触せずに踏み込んでいけるか――それが今回の勝負のキモだ。 ならばこの場において、鎖以外での女に対しての直接加撃―― 釣堀場においてアングラー同士の戦いでその行動はダウト。 どう取り繕っても言い訳の利かない反則行為でしかない。 故に躊躇する。歯噛みする。 万夫不当の王の攻め手がここで止まる! 「………小娘―――小癪な。」 その躊躇は本来の彼――天上天下に唯我独尊・英雄王ギルガメッシュをしてあり得ない思考。 古今最強にして最も偉大な王である自分が何故、そのような下らぬ取り決めに従わねばならないのか? 敵は滅す。従わぬものは罰す。気に触れたものは誅す。 それらが総じてこの男の動かざる行動原理だった筈だ。 故にその躊躇は………一人の誇りある釣り士――― アングラー・ギルガメッシュとして新たに生まれたものであるに相違ない。 彼は従来の己を廃してでも今ここに、あくまで釣りのみでの勝利を選んだのだ! 「―――、!」 「…………シ、…」 しかしながらそれが―――それが勝負の分かれ目。 ギルガメッシュと、彼に対し後ろを向けている筈の高町なのはの目線が合った。 王として戦えば無敵、最強のサーヴァントであったろうに―― その僅かばかりの揺れが弛まぬ縛鎖に一瞬の隙を与えてしまう。 「シューーーートッッッッッッ!!!!」 ギルガメッシュの眼前が桃色の閃光に包まれた。 散弾めいた桃色の魔力のつるべ打ちこそ魔道士・高町なのはの18番――アクセルシューター! 三十発近い魔力の塊の雨あられを今、後方の英雄王にぶっ放す! 「貴、様―――――」 予期せぬ反撃に眼を見張る英雄王。 黄金のパラソルを全面に展開し、盾とした彼の身に 容赦なく叩きつけるマシンガンのような射撃魔法。 男の憎悪に満ちた目が、死を連想させる怨嗟の声が閃光と爆音に掻き消される。 「撒いた餌が風に飛ばされて、散乱…… 釣堀場ではよくある事、だよね。」 先ほどの趣向返しとでも言うのか。 彼女のその苦悶の表情の中に、してやったりと不適な笑いが点る。 「たわけがぁ………ソレのどこが餌だと言うか!? 煮ても焼いても食えぬものを蒔き餌にするなど言語道断!!」 「光るルアーを餌代わりにして魚の群れを誘き寄せる海釣りがあるって本で読んだ。 それに蓼食う虫も、好き好き……食べられない事はないよ。 貴方の紛い物の非殺傷設定と違って…」 「戯言をほざくか―――」 戯言ではない。本当である。「ルール抵触」には至らない! ならば食べてみろと言われれば、なのはは躊躇いもなく魔力ダンゴを飲み込んでいただろう。 無論、無害である筈がないが彼女なら十分に耐え切るダメージだ。 慣れているから―――――魔力ダメージというものに。内蔵の奥まで鍛え抜かれているのだから。 今でこそ彼女は最強のエースオブエースと呼ばれているが 教導隊入隊初期のなのはは、苛烈な猛練習や乱捕り稽古のような徹底した実戦主義の模擬戦で 信じ難い事に毎日のように撃墜されていたのだという。 浴びるように魔力弾を受け、蜂の巣にされて地を転がり、泥だらけになり何度と無く失神を繰り返してきたという。 その経験が彼女を金剛石のように鍛え上げた。 一トンのパンチを放てるヘビー級ボクサーは同時に一トンのパンチに耐え得る頑健さをも誇るという。 その程度の悪食、エースオブエースにとってはダメージのうちにも入らない! 「こ、―――の……ゲテモノ食いめがッ! 釣堀屋におけるマナーを何と心得る!」 「何分、初心者だから。多少の粗相は大目に見て欲しい、かな……」 自分の事を棚に上げる王様に開き直った悪魔。 つくづく酷いやり取りである。 「やああああぁぁあああっっっ!!!」 「ギ―――むおおおおっ!!?」 ともあれ綱引きならぬ鎖引きによる力比べはいよいよ佳境を迎える。 鎖を握り、引き絞る王の手の平から鮮血が飛び散る。 敵の馬力に耐えられずに王が鎖を握り切れなくなった瞬間、なのはを取り巻く縛鎖が勢い良くたわんでいく。 この期を逃がすエースオブエースではない。 屈辱に染まるギルガメッシュの相貌を後ろ手に飛び立つ白き翼。 地の底から紡がれた友達のエールをも力に買えて、一度は取り落とした杖にしかと手を伸ばす! 酸欠によって霞んだ視界も、目の前の愛すべき紅玉。 彼女の最も頼りにする相棒――レイジングハートを見間違う事はない! 「――――、!!!」 その手に再び戻る紅玉の光。 握り締める純白の柄の感触は10年来の付き合いだ。 勇気を冠する杖が、今再び高町なのはの手に戻る。 歯噛みする英雄王。 他人の決めた法になど生涯従った事のないこの身にとって、何という歯痒い戦いか―― 常時ならば相手にこのような反撃の機会など与えはしない。 指の一つを弾くだけで敵はチリも残さず消え去るのみだというのに――― 何か無いか? 何か……釣り師同士の戦いにおいて全く抵触しない、それでいて目の前の女を留める手段。 右手で持つ鎖の束がどんどんその効力を失っていく。 女が自由になっていく――右手、右足、胴体ッ! 王の左手が虚空に消えて、己が宝物蔵の中をまさぐって思案。 思案、思案、思案思案、思案に次ぐ思案―――――! …………………… 「―――――――――、ク」 ―――― 在った ―――― この局面を推し留める状況とそれに見合う宝具が。 カッと見開かれたウルクの魔人の相貌が今にも飛びたたんとする白き翼を見据えて猛る。 ―――極稀に素人がやってしまうミスの一つとして「スロウイング」というものがある 釣り針を水に投げ入れる際、手のグリップが甘く竿ごと投げ入れてしまうという痛恨の失敗。 やると分かるがこれがひたすら恥ずかしい…… 周囲の目線も痛いわ、竿は沈めるわで釣り界において最悪の凡ミスとして数えられる行為の一つ。 ――しかして、ほくそ笑む王 それは玄人の威厳に関わる愚行な事は否めない。 だが、このルールにおいては妙手であった。 多少の白い目を向けられる代わりに―――KO勝ちを手に出来るのなら安いもの! 王が虚空から「竿」を悠々と取り出す。 ―― 手に握られるは大神宣言・グングニル ―― 一撃で勝負の幕を下ろすに相応しい北欧神話の主神の極大槍。 それをスロウイングにかこつけて魔導士に叩きつけようというのだ! その神槍の柄に釣り糸をつける。 餌は……必要ないのだが手向けだ。伊勢海老でも付けてやろう。 そら出来た。どこからどう見ても釣竿だ! 準備は万端――極大宝具を背中越しに振りかぶり、壮絶な笑みを浮かべる英雄王。 「グリップが甘かった――許せよ雑種。 せめてもの謝意に跡形もなく吹き飛ばしてくれよう――」 「…………いいよ。こっちも謝る手間が省けた」 「な、―――にィ、!? ゴ、―――!!!!!!????」 だがそれを上回る展開が待っていようとは露知らず 王が目の前の光景に身を震わせた、その瞬間――― 男が生涯において数度と発さなかった苦悶の声を場に響かせる。 牛が――待ち構えていたかのようにこちらを向いていた。 その猛き角―――レイジングハートの先端をこちらへ向けて。 未だ全身を幾多の鎖に拘束されながら 既に魔法のフルチャージを終えた高町なのはの姿がそこにある。 「鈍牛、――――」 「牛じゃないよ。」 そして堀の中にて悪戦苦闘しているはずの彼女の分身―― ブラスタービットの桃色の瞳が、この瞬間、王に向けて全ての照準をつけていた。 その一つが――――今、死角から英雄王を撃ち抜いたのだ! 圧倒的な攻撃力を持つ者ほど後手後手に回ってしまうと以外に脆い。 それは度々あっさりと敗北を喫するこのサーヴァントにも言える事。 ならばこの期に畳み掛けなくてどうするというのか? エースオブエースは――管理局の白い悪魔は―― 詰めの苛烈さこそ定評がある! 「ディバイィィィィィン…………」 今度は散弾ではない! 己が牙を取り戻した魔道士が放つ次の札。 それは言わずと知れた彼女の代名詞―――――砲撃!!! 満を持して打ち放つブラスター2・ディバインバスター! そのチャージを今、宿敵英雄王ギルガメッシュの前で終えたのだ! (撃てる……これで………) Master!!! Please shoot it!!! (お終いッッ!!!) 人を撃つ事に喜びを感じる彼女では断じてない。 だがそれでも彼女はこのトリガーを引くのを夢にまで見た。 目の前の男とは同じアーチャー(狙撃手)の資質を持った者同士。 されど今まで男に対して決定的なアドバンテージを得た事は無い。 その無念、悔しさは当然あったし――― あまりにも完成された一斉射撃と防御不能の大砲のコンビネーションは強固にして不落。 初めて目の当たりにしてより、ずっと―― 彼は超えたくて超えたくて、でも決して超えられない山のようだった。 その男を曲がりなりにも、仮の戦闘とはいえ上回る瞬間なのだから その万感は決して―――間違った事ではないだろう!!! 「バァスタァァァァァーーーーーーッッッッ!!!!!!!」 放たれた――高町なのはの必殺砲撃!! 「ガッ、ッッ――――!!!???」 いかに男の蔵を埋めていたとはいえ、遊興に馳せるためのパラソルなど盾にもならない。 巨大な魔力の迫撃砲はかつて彼自身の体を両断したあの聖剣の輝きにも劣らぬ威容を以って――― 男の体を丸ごと飲み込んだ――― ―――――― ―――時には100キロを越す巨大な獲物をも繋ぎ止めなければならない そんな釣り糸は、今や様々な技術での硬さ、弾力の強化が研究されてきた。 アラミド繊維等、凄まじい硬度を誇るもので編まれた商品も数多く存在する。 ――――だがその硬化された糸が時として持ち主本人に牙を剥く事がある もしそんなものが「今回のように」何かの手違いで体に巻き付いてしまったら 市販のハサミなどで除去するのは大変困難である事は言うまでもない。 そのような不測の事態に陥った場合の対応策は色々あるが いっそ思い切りよくバーナー等で一気に焼き切るくらいの事をしなければ埒が明かない。 ――――つまりはそういう事だ 一見、直接加撃の反則に見えた彼女のブレイクシュート。 だがこれは自身に巻き付いた糸を強力な火力を持つバーナーで吹き飛ばした行為に過ぎず―― 故に高町なのはは何らルールに抵触してはいない。 そして、その撤去行為に「運悪く」巻き込まれた通行人Aがいた。 気の毒だが、その被害者は蛇に噛まれたと思って諦めるしかないだろう……… ―――― RESULT 慢心油断躊躇王・ギルガメッシュ 25HIT stop ―――――― 砲撃魔道士は本来、発射時に土台を作り 両足を完全にロックしてから撃つのが基本である。 「何故か?」などと問うまでもないだろう。 それほどの火力を放出した際、土台である術者が全く身を固定していなかったらどうなる? その身はロケット花火のように凄まじい推力に翻弄されて吹き飛ばされていってしまうからだ。 「く、あッ!! ~~~~~~~~~ッ!!!」 ―――― そしてなのはは今、ソレをやった ―――― ミッド全域でも並ぶ者のいないと言われる総火力を持つ彼女が その全身をロックせずに撃ち放った砲撃。 この瞬間、なのはの肢体はロケット花火ではなく本物のロケットになる。 ギリギリと締め付けられる全身は未だ残った鎖の呪縛。 それが彼女の体に食い込み、激痛を与えるがそれも一瞬―― もはやそんな切れ掛かった鎖などこの出力を前にしては糸クズ同然。 王の友の名を冠する黄金の鎖がブチブチブチ、と一切の抵抗を許さずに破綻する。 締め付けられた全身がBJに血を滲ませる。 無骨な鎖で捻られた体には、さぞや痛々しい痕跡が残っている事だろう。 だがその痛みも、涙すらも、彼女が今受けている推力の前では些細なものだ。 「~~~~、くっ………くぅッッ!!!」 砲撃の反動を利用してロケット加速―― 漫画などでよくある光景だが、彼女をしてこんな無茶苦茶をしたのは始めてである。 斜め後ろに吹き飛んでいく景色の凄まじさに流石の空戦の雄ですら下腹部にこみ上げるものを感じてしまう。 それは制御不能に陥った機体が管制に発するアラームのようなもの。 宝具の鎖を容易に引き千切るほどの推進力がそのまま彼女自身に襲い掛かっているのだから堪らない。 まるで木の葉のように無軌道に回転しながら宙へと放り出され 高速で、危険な角度で地面に突き刺さらんとする術者の身体。 Master!! Master!!! 「だ、大………丈夫…ッ!」 だが――― どんなに危険に見えても無茶に見えても彼女は勝算の無い行動は取らない。 成功確率の低い軌道など決して取らない。 常人には爆着必至のロケットスタートに見えたそれですら、高町なのはには見えている。 理想的な軌道――勝利へのフライトの軌跡が。 空戦Sランクの魔道士はいかに不十分な体勢であろうとも己の飛行状態を失念する事はない! ズダァァァァァァンッッ!!!!!!―――― 落雷のような音と共に周囲の地面が揺れ動く。 それは上下不規則にきりもみ回転しながら 、それでも地上に叩きつけられる事も無く 寸でのところで制御を取り戻した高町なのはが地面に着陸、否着弾した音であった。 降り立った両足が地面に亀裂を――いや、地割れを作る。 「………………っっは、」 彼女の全身を襲うGや衝撃たるや相当のものだった。 脳と視界と内蔵が競り上がる感覚に顔をしかめる魔道士であったが だが同時に、もはや自身が誰にも邪魔をされないウィニングポジションについた事を知る。 魔道士の眼前に広がるは堀。 堀を真っ二つに割る滝。 風の断面が形成する大河の中心。 全てを一望出来る位置にて――白き魔道士はゆっくりと杖を傾ける。 いつもの彼女のフォーム――砲撃の構えではない。 それは杖の柄を両握りで正眼に構えた、見間違いようの無い「釣り」のフォーム。 眼下には今にも四散しそうな彼女の分身――ブラスタービット それらが形成する巨大な投網はボロボロで頼りなく しかし術者の闘志に答えるように破綻を凌ぎ、その役目を未だに果たしていた。 その中でピチャピチャと蠢く魚たち。 下方に広がるは死海の断層。 きっと恐怖に押し潰され、阿鼻叫喚の思いだったのだろう。 「よく持ち堪えたね………偉いよ」 サーヴァントとの戦いで自身も倒れ付したいほどに傷ついているだろう。 だが彼女は頑張った彼らに、踏み止まった彼らに、女神のような微笑を落とす。 知性の無いフナ達であるが、彼らとて闇の底に叩き落されるよりは――― 女神の手によって釣り上げられる方を望むに違いない。 堀の前に両の足をしっかりと食み、スタンスを広げる白衣の女アングラー。 不動のエースオブエースの貫禄そのままに―― ――― さあ、最後の仕上げだ ――― 4つのビットとレイジングハートの先端が魔力で紡がれた縄―― 否、釣り糸を形成し、しかと繋がる。 どんなにか細かろうとそれはSランク魔道士の魔力で編まれた強固な命綱。 決して切れる事はない。 「行くよ―――全力…………全開ッッッ!!!」 小柄で華奢な肩口が震え、最後の力を振り絞って蠕動する。 途端、彼女の何10倍もの質量を誇る投網が一気に引き上げられていく。 「魔法少女の一本釣りぃぃぃぃいいいいっっ!!!!!」 ス タ ー ラ イ ト ブ レ イ カ ー 背負い投げのようにデバイスを肩口から抱え込み 両足に、四肢に、渾身の力を込めて引く―――否、渾身の力を込めて担ぎ上げる!! ―――本日はご来店頂き有難う御座いました ―――当店は17:00を以って閉店とさせていただきます ―――またのご来店を、 それはこの神代の遊戯。 非凡なるアングラー二人の激戦の幕を下ろすにおおよそ似つかわしくない しかしながら非日常から日常へと返る者達を優しく送り出す場内アナウンス。 「蛍の光」を背景曲に、他に誰もいない戦場に事務的に鳴り響く―― 「いっけえええええええええええええええええええええええええ!!!!!」 それを掻き消す高町なのはの絶叫と共に――― 夕闇に輝き始めていた星の光よりもなお猛き 強き輝きを以って北天を覆いつくす桃色のヴェール。 焼けた橙色の空へと―― 計37尾の銀の鱗たちが、見事に舞い上がったのだった。 ―――― RESULT エースオブアングラーズ・高町なのは 43HIT stop ―――――― 前 目次 次
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―――――― まるで底の見えぬ渓谷――― 地獄へ通じているのでは、と感じさせる深き岸壁は、林道の山頂から最下層まで無慈悲に落ちゆく奈落に他ならず 二人の騎士を飲み込んだ深き深き谷の底は、躯二つが転がっている事を容易に想像させて余りある。 「…………」 しかして騎士は、そのような無様な死を決して受け入れない。 彼らを死地へと誘うのは奈落ではなく、磨き抜かれた互いの刃のみ。 倒した者と倒された者―――双方の勇姿が今はっきりと影を写している。 倒した者が倒された者の胸から今、深々と突き立った刃―――真紅の魔槍を引き抜いた。 それは持ち主の手にさしたる手応えも与えずスルリと、弛緩しきった相手の体から引き抜かれる。 四肢をダラリと下げた烈火の将の身体が今、死の棘の頸木から解き放たれて、地面にドサリと横たわった。 「詮索の必要も無い、か――」 魔人の如き太刀。 灼熱の炎を駆使する凄まじい剣士であった。 だが、その光無き瞳にもはや倒すべき敵が映る事は無い。 その口が再び不敵な言葉を紡ぐ事も無いのだ。 そう、詮索の必要は無い………その彼女に、心臓が、なかった――― ――――――という事実を、今更詮索して何になる? 槍は確かに心の臓に「近しき」何かに反応し、確実に打ち抜いた。 それはこちらの錯覚か、それとも相手の擬態か、今の時点で男に分かろう筈も無い。 ともあれ流石の槍とて無いものは穿てない……結果として呪いは不発に終わったと言えよう。 だがゲイボルクの必殺は呪いを退けたくらいでは終わらない。 この槍は体内に突き入れられたが最後、穂先から放たれる棘が内部から全身を貫き、相手の生命力を確実に上回るダメージを与える。 ――― 殺しに特化した宝具 ――― サーヴァントですら恐れる槍の魔手から命を拾う術は……やはり無いのだ。 「お前の事は忘れねえよ」 それは短いながらも賞賛と敬意を示した言葉。 戦士にとって心を通わせた強敵を屠るという事は恋人との死別に同義する。 命を賭けて殺し(あいし)合った物言わぬ躯が勝者に与えるのはもはや哀愁以外には無いだろう。 力なく横たわる女剣士の横に身を投げ出している白銀のデバイス―――男はそれに無言で目を向ける。 、――――、 散々、自分を痛めつけ、焼き、窮地に陥れた炎の剣。 持ち主の手を離れて地に晒されている魔剣は、そこに打ち捨てられるにはあまりに惜しい。 だが、その柄を男は無造作に握ると、仰向けに寝かされている騎士の前に突きたてる。 それは戦士の葬いだった。 どこまでも誇り高く、死ぬまで戦い抜いた証として、己が命の尽きる時まで握り続けた剣こそが彼女にとってこの上ない墓標となろう。 踵を返すランサー。 炭化した足でようやっと立っている彼。 きっと一歩、足を進めるだけでも激痛に苛まれる筈だ。 だが短い弔辞を唱えたならば、勝者はすぐに敗者の躯から離れるべきだ。 それが勝利を収め、敵の命を奪い、生き残った者の戦士としての礼儀であろうから…… 「………何だてめえは?」 それに、その背後――――岩陰からこちらを見据えて佇む視線に、既に男は気づいていた。 その気配は人間のそれとはナニかが違っていた。 自分に気づかせずにここまで背後に接近した者だ。 只者ではない。 男とてこの戦いがもはや聖杯戦争とは違う、何か一線を隔す物だと薄々は感づいている。 そして現れた影。 後方でコソコソと隠れて様子を伺っている輩。 この者が諸所事情を知る者である可能性は―――決して低くはない。 「人の正面に立てぬ以上、俺に仇為す者と見なすぜ。 出て来ねえなら問答無用で討ち抜かれると知れ」 ここに来て男は少々、気が立っていた。 先の戦いは心踊るものであったにせよ、己が意識もまばらな状態で女を討ったという事実は決して気分の良い物ではない。 何らかの企みの手によるものであるのなら、その首謀者を即刻引きずり出し、洗いざらい吐かせてやるつもりだった。 やがて、身を潜ませていた影もこれ以上の隠形を無駄と悟ったのか、男の敵意を刺激しないようにその姿を現した。 「おい………また、女かよ」 人影に槍の穂先を向けながら顔をしかめる槍兵。 「こちらに敵意はありません。 槍を下ろして下さい。 どの道、貴方は今、私と戦える状態には無い」 「一人殺るのも二人殺るのも、ってのはいい加減勘弁して欲しいが……… だが取りあえず、戦れるか戦れないかをこの程度で決め付けるのは早計過ぎるぜ。 嬢ちゃん」 男の前に現れたのは薄い紫の長髪の女だった。 特に感情を点さぬ表情の希薄な長身の女性。 「戦う気は無いと申しました。 ともあれ、お手並み拝見……見事です。 サーヴァントランサー、私と共に来て頂きたい。」 深々と会釈をする女。 群青のボディスーツに身を包んだ戦闘機人の七女セッテが――― 「貴方の知りたい事に答えましょう。 貴方の主も我々の元にいる」 ――――抑揚の無い声で男にそう言った。 シグナム VS ランサー 宝具ゲイボルク使用により、ランサー勝利 烈火の将シグナム死亡?――――― ―――――― ―――――― 巨大なグランドクルスが刻み付けられた渓谷――― 荒廃に破壊を塗りこめたような大地に残された人影は、一つ。 濛々と立ち込める噴煙の中、ゆっくりと身を起こす その長い長い腰まで垂らした髪が――――ファサリと、地面を薙いだ。 「…………」 全てが終わり……………雄大な翼を広げた天馬はもう、いない。 二条の光に切り裂かれた世界は無音。 その只中において頬を撫でる――――― ――――――――――「金」の髪が……泥に汚れ、苦悶に喘ぐ美麗な顔を覆って隠していた。 ―――――― 「は………ぁ、………うぅ…」 苦しげに、空っぽになった肺に空気を流し込む彼女。 大地にその身を横たえて弱々しい呻きを漏らしたのは黒衣のBJを完全に欠損し、柔肌の半分以上を晒した 両サイドで留めた髪がほどけ、長髪を腰まで垂らした金髪の魔導士―――― 「……………生き、て……る」 ―――――フェイトテスタロッサハラオウンその人であった。 酷い有様だった…………… 今やその四肢、その指一本に至るまで満足に動かせない。 不規則に乱れた挙動を以って、ありとあらゆる内蔵が内から彼女を責め苛む。 「勝った……勝ったのか………?」 脳震盪を起こした頭が状況を正しく整理するにはまだ数十秒の時を要し 喉の奥からひり出す不自然な呼吸のままに紡がれる言葉は掠れて音にならない。 暫く呆然と、その場に横たわり空を見上げるフェイトは、未だ己が勝利に実感を持てない。 自分がこうして存命している事が何よりの証なれど――――本当に自分はあの凄まじい力に打ち勝てたというのか? 本当に、本当に自分は、あのスターライトブレイカー並の一撃に並べたというのだろうか? 敵に対する嫌悪と正義を踏み躙られた怒りに後押しされた彼女の心が、今更ながらに凄まじい恐怖を訴えてくる。 (…………そうか………やったんだ……私は) しかしそれでも、嬉しさは徐々にこみ上げてくる。 何よりも強敵から生を拾えた事実が素直に嬉しい。 自分はここで死ぬわけにはいかないのだ。 何としてでもあの相手を退けなければならなかったのだから。 何故ならば自分は今、窮地に陥っているであろう仲間を助けに――――― ――― 助けに……………… ――― 「………ッ!!! シグナムッ!!!」 ビクンと、半分失神しかけていた体が跳ね上がる。 「あ……ぐッッ!?」 直後、麻痺していた各種神経が軒並み目を覚まし、それに伴う苦痛に盛大に顔をしかめるフェイト。 全身を苛む激痛から逃れるように自身の肩を抱き、身を縮めて寝返りを打つ。 「ッぁ……………い、痛……ッ」 魔力エンプティに陥った身体。 オーバードライブ解放、その他各種様々な追い込みを以って放った一刀。 その代償は――――――決して軽くは無かった。 そう、もはやこの身体は動けない。 動力を伝える機関が軒並み焼きついてしまっていて 最低限の回復まで少なくとも数日以上の時間を費やさねばならない。 「う……ぐうう…!」 そう、動かない――――というのに…… ここで意識を覚醒せざるを得ない事情が彼女にはある。 ここで倒れ付し、眠るわけにはいかない事情が彼女にはあるのだ。 「シ、シグ……ナム」 残酷なる現実が彼女に倒れ、気絶する権利を有さない。 槍で貫かれ、崖に落ちていった騎士を救う為………その為に彼女は、騎兵の宝具すら凌駕し踏み超えたのだから。 ズリズリと地面に爪を立てて這いながらに進むフェイト。 荒地の凹凸に身が擦れる度に全身に激痛が走る。 まるで体内の神経がむき出しになったかのようだ。 その痛みが―――――手放しそうになる意識を繋ぎ止めてくれるのは不幸中の幸いだったが。 「シグナ、ム……ッ! 待ってて下さい……今、助けに!」 騎兵に拘束されて届かなかった手を、彼女は今一度、断崖へと伸ばす。 そして動かぬ体を引き摺って、彼女は一路、友の元を目指すのだった。 生きているかも分からない、かけがえの無い戦友の元へと―――― ―――――― 美しき疾駆者同士の戦いは黄金の稲妻纏う黒衣の女神の勝利に終わった……? だがしかし勝者の姿は落ち伸びる武者のそれと相違なく 奈落へと落ちた烈火の将を求めて、フェイトが安息に身を委ねるにはまだ早急に過ぎる事であった。 そして一方――― ―――――― 魔導士と逆の方角へと飛び荒ぶ影。 地を這い、遠き奈落へとその身を向かわせるフェイトから遠ざかるように彼女もまた―――巨大な影となりて上空を飛ぶ。 しかし威容と呼ぶに相応しい神々しい御姿は成りを潜め、大気を掬い取る様なはばたきにも力が無い。 そも、その背に雄大に抱えていた純白の羽が片方、ごっそりと抉り裂かれていた。 弱々しい嘶きと共にやっとの思いで宙を翔けるは、幻想に生ける駿馬。 その背に………これまた右半身全体に無残な傷を負った彼の主の姿があった。 「――――ペガサス………どういう、つもりです?」 駿馬の背に背負われ、もたれかかるように身を預けていたライダーの口から紡がれる、それは憤怒と懐疑の言葉であった。 彼女の言葉はこの「不可解」な結果に対してのものだ。 「……無様な―――」 疾走者同士の激突は敗者に生存の余地を残さない。 ならば勝敗以前に、どうして双方がこうして生き残る結果に終わった? 言うまでもない………引いたのだ――――どちらかが。 いや、どちらかなどと遠まわしな言い方はすまい。 絶対の自信を以ってAランク宝具を解放した騎兵の方が正面衝突する筈だった軌道を……外した。 真芯を外した激突はどちらか一方に叩き込まれる衝撃を脇に逃がし、辛うじて双方が互いの側面を切り抜ける余裕と隙間を残した。 結果、淀まぬ太刀筋にて真芯を切り抜けたフェイトと異なり、側面を向けたライダーは分散した力の余波を貰い こうして右半身に多大な損傷を負ってしまったというわけだ。 「私の真名解放に逆らうなど………有り得ない。 ペガサス……貴方は―――」 予想だにしなかった事態だ。 全幅の信頼を置いていた使い魔のまさかの裏切りに流石のライダーも動揺を隠せない。 今もなお手綱に支配された四肢に逆らうかのように泡を吹いて離脱していく天馬。 英霊としての一騎打ちを挑んでおいて、よりにもよって騎兵が騎馬に裏切られるとは…… (原因は何となく……理解出来る気はしますが) 何故、そんな光景が幻視されたのか分からない。 だが奇しくも今日と全く同じ状況で、自分はあのような光の剣閃に幾度と無くその身を焼かれ、敗れ去ったのではなかったか? あの金髪の乙女が極大の剣を構えた時、一瞬だが確かに垣間見た決定的敗北のデジャビュに、確かにライダーの身は強張ったのだ。 金髪の――剣士の――ヒカリノ――剣閃――――― その白昼夢の如き既視感を、駿馬も共に見ていたのだとしたら……この無様な敗北も説明がつく。 「馬鹿な………」 だが断言する。 それでもあの時、彼女は天馬に征けと命じた。 勝機はこちらにあったのだ。 あの雷の剣は確かに凄まじいものではあったが、それでも聖剣の一撃には及ばなかった筈だ。 かつて彼女の疾走を真正面から斬って捨てたアレこそは、星の瞬きが生み出した最強の神造兵器。 その性能と、あのセイバーの凄まじい剣戟が合わさって始めて、地上に並ぶ者なき古今無双の破壊力を発揮する。 此度の相手は生粋の剣士では無かったし、多大な深手を負わせてもいた。 あの場で、エクスカリバーと同等以上のモノを出せるわけがないのだ。 あのまま突っ込んでいれば競り負ける要素は皆無だった筈なのだ。 それでも実際、彼女はあそこで迷ってしまった……… 聖剣の影に明らかなる恐れを感じ、騎英の手綱を持つ手を弛ませた……… だからこそ、天馬を完全に御す事叶わず、この結果になってしまったのだろう。 ―――ライダーの遠目が遥か後方を見やる 遠のいていく荒野に、地に四肢を這わせている相手の姿があった。 見る見るうちに遠ざかる、愛しき獲物の姿。 今からでも戻ってその首筋に牙を突き立ててやりたいが…… 今の騎兵には地を駆ける逞しい脚力も、疾走する天馬を御する力も残ってはいない。 「無念、という言葉の意味が理解できましたよ、フェイト……………悔しい結果です。」 皮肉なものである。 今世最大の疾走者同士の戦いは寸でのところで互いのトラウマを揺り動かす事態となり 苦しくもそれを踏み越えた者と踏み止まってしまった者の差が勝敗を決める事になったのだ。 勝敗の悔しさに身を震わせる感情など、彼女をして初めての事ではないか? 蛇神の化身は屈辱を決して忘れない。 いつか、いつかまた相見えたその時は―――― 突き立つ剣のように尖った牙を噛み鳴らせ、敗辱に震えるその身を抱く。 憤怒と復讐に燃える瞳が――――遠のく黒衣の魔導士をいつまでも見据えていた。 「ともあれ、今は大人しく帰りましょう……サクラの元に。 流石に疲れました」 彼女は聖杯戦争を戦うサーヴァントだ。 いつまでもわけの分からない場所にいられる身ではない。 まずは主の元に戻らねば―――― 散々たる有様だ。 せめてこの出で立ちだけでもどうにかしないと、あの優しいマスターを心配させてしまう。 恐らくその前に兄の方から不甲斐無い結果を罵倒されまくるのが先だろうが。 正直、余裕が無い。 あのキーキー声で罵られるのは今は本気で遠慮したい。 「―――ん……」 兎に角、頭が朦朧としている。 つくづく相当のダメージを受けてしまったのだろう。 視界の先がぼやけて蜃気楼のようになっている。 あの蜃気楼の先―――あの山を越えて林道を下ったふもとにある町が深山町だ。 ――― ライダーはそう信じて、疑わない ――― それはフェイトとシグナムが超えようとして超えられなかった山。 その先に世界を構築していない盤上の縁。 ゆらゆらと流れる蜃気楼にまるで夏の虫が飛んで火に入るように近づいていくライダー。 彼女は知らない――――その先に何があるのか……… ――― 否 ――― ―――――――――――その先に何も無い事を 「待てっっ!!! そっちへ行くな、サーヴァント!」 その時、遥か後方よりかけられた言葉が、ライダーが「其処」へ落ち込むのを押し留める。 人影は大空を滑空する百舌のように大気を切り裂いた。 疾い! 先のフェイトに勝るとも劣らない速度だ! その影ははたして、「堕ち往く」筈だった騎兵の前に立って前進を止めていたのである。 「……………何ですか貴女は?」 「サーヴァントライダー」 その影は短い髪の、女だった。 深く葛んだ黄金の瞳を向けながら彼女、戦闘機人トーレはライダーの前に佇み――― 「私について来て貰う………お前にはもはや他に選択肢は無いのだからな」 ―――――英霊に相対するに不足無い不遜さにて、こう言った。 フェイト VS ライダー 真ソニックモードによる一閃にてフェイト勝利 ライダー敗走―――――― ―――――― FATE,s view ――― 動かない…… 動けない…… 指の一本まで身体に動力が戻らない…… 巨大な岩を背負わされたかのように重くなった体を引き摺りながら 私は先の戦いに匹敵するほどの苦難の行脚をしなければならなかった。 魔力エンプティ―――魔導士が最大のリスクとして常に頭に入れておかねばならないタブー。 それを犯した体が今や、まともに機能するはずがなかった。 「はぁ……はぁ……はぁ」 魔力を使い果たした身体はガソリンの入らない自動車と同じで、動く道理などあるわけが無い。 この場で眠ってしまいたい……気絶を受け入れればどんなにラクだろう。 そんな弱い心に押し潰されそうになる事もはや数十回を超え、その度に重い瞼を開けて、自身の体に爪を突き立て、意識を残す。 黒杖を支えに身体を起こして歩を進ませる。 たたらを踏みながら一歩、転んで、這って、また一歩。 「はぁ……はぁ……はぁ……」 ダメだ……こんなにモタモタしてたらシグナムを助けられない… 槍で貫かれ、大怪我をしている彼女の元へ一刻も早く辿り着かなければならないというのに…… ――― アレは必ず心臓を貫く呪いの魔槍……既に貴女の仲間は ――― 「黙れッ!!!!」 キンキンと耳鳴りのする鼓膜にライダーの言葉が繰り返し響く。 だけど、そんな事絶対に信じない! あのシグナムが、烈火の将が、そんな簡単に死んでたまるものか! 視点の定まっていない目を前方へ向けて私は進む。 やがて眼前に、ついに目的地である崖の姿を見据え シグナムと槍の男がもつれ合って転落して行った奈落へと辿り着く。 「…………降りるよ」 .........!! バルディッシュが思わず息を呑む(?)のも無視して、ほぼ直角の傾斜を躊躇いなく滑り降りる。 いや、この有様じゃ滑り降りるというより転がり落ちるといった方が正しいかな…… バルディッシュに逐電した予備魔力を呼応させ、最低限の受身だけは取ってもらう。 体をしこたま打ったけど、こんな体でまともに降りていたら何分かかるか分からない。 そんな時間は無い……急ぐんだ……急がなきゃ…! その果てに希望が待っていると信じて。 その先に助けを求めている仲間がいると信じて! その果てに――――――――― 「…………………」 絶望が待っている事を敢えて考えずに―――――― 私は――――――――辿り着いた。 ―――――― 「………………」 かけがえのない戦友の、その変わり果てた姿の前に――― 「………………」 左胸に大きな穴を明けられて、眠るように息を引き取るシグナムの前に―――― 「……………ぁ、」 私は……辿り着いてしまったんだ…………… ―――――― 吐息とも取れない声を一言、上げただけだった。 それだけで、気力のみで支えていた体から決定的な力が抜けていく。 身体の芯に眠る全てを使い果たして呆然と膝をつき、私は脱力するようにうつ伏せに倒れ付す。 次の言葉すら出てこない…… 倒れ付しながら仰向けに寝かされた彼女の、シグナムの遺体の手に自分の手を伸ばす。 ――― …………………冷たい ――― 手の平がシグナムの手の甲を握り、朦朧とした意識が最初に思った感想が、それ…… 亡骸の前に突き立てられたレヴァンティンが、もうこの剣士が自らを振るう事などないのだと物語っていた。 一縷の望みに全てを託して辿り着いた――――――最悪の結果。 その心に今更、くべる火などどこにもありはしない…… やがて寒風吹き荒ぶ奈落の底で―――― 「…………ぅ、ぅ…」 誰もいない、光すら差さぬ地に残された二人……否、一人。 手と手を繋いだままに私は肩を震わせて、泣いた…… 「………ぅぅ、ぁ…」 頬を泥に塗れさせたまま、しゃくり上げ、顔をくしゃくしゃにして、声も出さずに何時までも何時までも…… 自身の慟哭が、光挿さぬ渓谷にいつまでも、いつまでも木霊していた――――― ―――――― そうしてどのくらいの時が立ったのか―――――― やがて涙さえも枯れ果てて、私の体からも徐々に体温が失われていく。 「……………」 カラカラに乾いた唇が何かを紡ごうと動くけれど、それが音になる事はない。 私、フェイトテスタロッサハラオウンにとって友達とは、仲間とは世界そのもの…… その一角が崩れて無くなった喪失感は、自分が思った以上のモノだったようで…… ――― このまま死んでしまいたい…… ――― ぼんやりと、そんな事さえ思ってしまう。 …………当然、それは許されないことだ。 目の前の騎士にどれほど守られたか分からないこの命。 無為に散らして失くすなどもはや絶対に許されない。 だけど……だけど、シグナム……… 「体に、力が入らないよ………」 真っ赤に腫らした目尻を拭う事すら出来ずに、自分の体をぼんやりと見下ろす。 疲れちゃった…… 寒い……… 少しだけ……眠ろう。 絶望に暮れた心身はもはや限界を超えていた。 このまま気を失えばどうなるか分からない。 だけどもう意識を繋ぎ止めておける原動力が無い…… 涙に染まった双眸がゆっくりと閉じ、かけがえの無い友達の亡骸に覆い被さるように伏す私の体。 そのまま弛緩して、闇の中に堕ちていく感覚が――――― …………………… ごつんッ 「…………?」 突然の衝撃に阻害されていた。 ―――――― 後頭部を襲った突然の痛みに、閉じた眼がうっすらと開く。 緩慢に沈みかけた心身に静電気程度の動力が蘇る。 おきろ馬鹿……重いぞ だが、その次の瞬間…… 聞き違いようの無い声が耳に浸透した瞬間……! 隊長、福隊長が揃ってこれでは…… 「………………………ぇ?」 半開きになった私の口から再び声が漏れ出る。 夢うつつの事かも知れないと恐れ、何度も何度も幻聴を疑った。 頬をずらして声のした方を見ずに、私は震える唇でその名を呼ぼうとした。 でも言葉が出てこない……恐くて、恐ろしくて…… これが夢幻ならば、もしそうならば自分の抱いた希望を呪わずにはいられない。 だからその手を握る。 絡んだ手をぎゅっと、力いっぱい握る。 再び蘇った微かな希望を掴むために…… するとそれは弱々しくも確かに――――――――――――呼応するように握り返してきたんだ! 「これでは……エリオやキャロに示しがつかんだろう……」 「…………………ああ、…ッ!」 次いで聞こえた声が鼓膜を揺らした時―――私の感情は弾けて、制御不能になった……! もう、色々と限界だった……! 咽ぶ声が言葉にならない。 というのにその名を叫びたくてパクパクと口を開く様が金魚のように滑稽で。 もはや溢れ出す感情を抑えられずに再び、下を向いて肩を嗚咽に震わせる。 「泣くな……馬鹿。」 「シ……シグナムっっ!!」 再び顔を上げて、今度こそ、その名前を呼ぶ事ができた。 涙で霞んだ視界の先にはあの厳しくも優しい笑みがあって……… 「シグナムぅっ!!! ううう………ぅ、あああっ!!」 嗚咽が止まらなくって、私は声を上げて泣いてしまった。 恥ずかしい…… 顔を真っ赤にしながら、しゃくり上げる姿はもう子供みたいで…… 恥も外聞もなく、大泣きしてしまった…… だってそれ以外にこの喜びを表現する方法が無い。 絶望に染まった涙を拭い去る新たな落涙だけが――― くしゃくしゃに歪んだ歓喜の吐露を表現する唯一の方法だったのだから。 ―――――― ―――――― それは網の目のように複雑に、幾重にも張られた死の檻を掻い潜る――そんな生還であった。 必ず心臓を貫く槍はシグナムの左胸、人体における心臓を確かに貫いた。 しかし彼女は厳密な意味での内蔵や骨子を持たぬ「プログラム」 故に第一の絶命・破壊される心臓がそもそもなかったのである。 槍が心臓の代わりに彼女の内に狙ったもの。 ランサーに「確かに打ち抜いた」と錯覚させたものはシグナムのリンカーコアだった。 彼女が魔力によって生成された魔導プログラムであるのならば、コアを破壊されてしまえばひとたまりも無い。 故にその身はやはり消失せざるを得なかったのだが…… だが闇の書が消滅し、夜天の主から切り離された事により、ヴォルケンリッターは不完全ながらも人の肉を得るに至っていた。 「魔力コアの消失が即ち本体の完全消滅」という魔導生命体の頸木から逃れ 謂わばヒトの肉体を持ったが故に、シグナムは自身を現世に繋ぎ止める事が出来たのだ。 そして死出の槍の最後の魔手「死棘」と呼ばれる内部破壊。 それは対象の生命力を残らず奪い去る効能と、それに槍の殺傷力を足したダメージを相手に与える恐ろしいものだった。 即ち発動=絶死のニ重苦の最後の関門であったのだが、しかし今の烈火の将には奇しくも内にもう一つの命が宿っていた。 ―――融合デバイス・剣精アギト この魔導デバイスと命を同じくしたユニゾンによって彼女は一なる命の頸木からも外れ、槍の棘による殺傷は分散。 一人を確実に殺す槍も二人分の命を吹き消すには至らなかったのである。 ―――――― 「バルディッシュ!」 ...in danger sir 「いいから…! あと、ありったけの回復とカンフルを…」 「お前も無理はするな……ここまで来てポックリ死なれては適わんぞ。」 顔をしかめ、満身創痍をおして立ち上がろうとするフェイトを苦笑交じりに見つめる将。 だがフェイトにとって傷の痛みなど、先の絶望に比べれば何でもない。 まだ少し目に滲む涙をゴシゴシと拭い去り、フェイトは将に肩を貸して担ぎ上げる。 「敵がまだいるかも知れない……早く安全な所へ身を隠しましょう!」 「私よりもアギトを……」 懸命にその身を起こそうともがくフェイトを見上げて騎士が一言。 すると弱々しい薄紅の魔力光がシグナムの全身を覆い尽くし、光は散桜のように飛散。 そして彼女の胸の上に、傷つき眠る妖精の少女が現れた。 騎士のユニゾンが解けたのだ。 アギトの姿は主と同じ凄惨な傷に覆われており、四対の羽が子供の戯れに引き千切られたトンボのようにズタボロになっている。 痛々しいなんてものじゃない……絶命の危機が去ったと安堵するのはまだ早すぎた。 フェイトもシグナムも、そしてアギトも、早く然るべき所に移送し、治療を施さねばならない。 麓まで転がり落ちたのが幸いだったかも知れない。 こんな身体でせこせこと山を越えるなど出来るはずが無いからだ。 「恐らく岸壁に沿って歩けばふもとの宿につける筈です……」 「無人なのが幸いだったな……ありがたく使わせてもらおう」 歩き始める二人。 かくして―――ライトニング二人の山越えから始まった長い長い、一つの戦いが幕を閉じる。 登った峠を満身創痍で再び降りる事となったフェイトとシグナム。 それは期せずして決して鳥篭から逃がさないと断ずる巨大な意思の吐露によるものか。 果てしなく大きな壁に跳ね返されたような錯覚すら二人に感じさせる。 恐ろしい敵との邂逅。 スカリエッティの動向。 仲間の安否。 そのどれをも確かめる事叶わずに、傷だらけになり、肩を抱き合いながら歩くフェイトとシグナム。 暗雲に覆われし渓谷をもう一度振り返り、その場を後にする二人。 不吉な空が占う二人の運命は未だ、光明を現すに至らず―――― ―――――――――――蟲毒の壷は未だ開かれない ―――――― ライトニングとサーヴァントの初の邂逅から、はや二週間が過ぎた――――― ようやく力を取り戻しつつあるフェイト。 初めは果物すら満足に取れないほどに衰弱していた身体も大半が元に戻り 肉体の過剰運用の代償である筋肉の蠕動、手足の震えもほぼ無くなった。 対してシグナムは――あれから目を覚まさない。 彼女はこのホテルに着いた瞬間、事切れたように気を失ってしまった。 そのダメージは本来ならば、あの地で意識を取り戻せるようなレベルのものではなかったのだ。 だというのに彼女はせめてフェイトの足手纏いにはなるまいとコワれたソフトを強制起動させた。 誇り高い騎士である彼女らしいと言うしかない。 敵の正体不明の切り札を受けたシグナムとアギトの傷は遅々として塞がらない。 本来ならばとっくに治っても良い筈の傷さえ、未だに血が滲んでくる始末だ…… 故に箱庭の町にてパートナーの回復もままならないままに、フェイトは立ち往生を余儀なくされていた。 出来るだけ高級なホテルに居を移し(無断で拝借し)騎士の看病をする日が続く。 リネンを使い放題なのが助かる。 タオルや包帯などはいくらあっても足りないのだ。 定期的に荒い息を繰り返し、身を横たえる烈火の将に全盛の力強さは微塵も無い。 魔導士もあの戦いで限界を超えたが、しかしこの騎士は更に二段、三段と肉体を酷使していたに違いない。 当然、今はとてもではないが戦える状態ではなかった。 「今……敵に狙われたら……」 僥倖とも言える幸運(果たして運によるものなのか?)で、瀕死の寝込みを教われずに済んだ二人。 フェイトだけでも戦える状態にまで回復出来たのはせめてもの救い。 だが、それでも―――――今、敵に襲撃されたらまずいなんてものじゃない。 「………」 しかし分からない………つくづく敵の狙いは何だったのか? あの襲撃の意図するものは? 戦闘機人を遥かに超える凄まじい強さを持った敵の正体は? 「そろそろ動かないと…」 シグナムの看病の片手間でも良い。 後手後手になるよりも、そろそろ自分なりに捜査を進めていかないと…… 何か嫌な予感がする……そう思い立ったフェイトが席を立とうとした時―― 「!!? ………何?」 ――――――テーブルがコトコトと、音を立てて揺れていた ―――――― 「……地震?」 身構えるフェイト。 その揺れは大地の断層同士が擦れ合って生ずる地殻変動に酷似したものなれど――― 「………違う……これは…」 ヴヴヴ、と、大気を震わす歪な振動。 極め付けに不吉な感覚を肌に感じ取る魔導士。 棚に置かれた缶詰や食器が軒並み地面に落ちるのも構わずに彼女はソレに神経を集中させる。 この揺れは明らかに地震のそれとは何かが違う…? これはまるで―――そう、フェイトはこの揺れに覚えがあった。 「そ、そんな…………バルディッシュ……」 ――― 次元振 ――― やがて一つの可能性に行き着いたフェイトの相貌が、見る見るうちに青ざめていく。 そう、あの次元と次元の狭間が擦れ合う事によって生じる世界の軋み――― 管理局が定めた次元災害の中でも最悪レベルの大破壊・次元断層をもたらす その前触れである揺れに地震は酷似していたのだ! 彼女の背筋を冷たい汗が流れ落ちていく。 シグナムは今だ意識不明……そんな彼女を一人にするのは避けたい。 今の彼女がもし敵に襲われたら一たまりも無い。 しかしもし次元断層が実際に起こるような事があれば、事はそんなレベルではなくなる。 自分やシグナムがどうとか言う以前に、恐らくは地球を含めた次元そのものが壊滅的な被害を受ける。 当然、捨て置ける筈がない。 「すぐ戻ります…! どうか…」 迷っている時間はなかった。 意を決したフェイトが、今だ傷と戦っている騎士に謝罪しつつ部屋を飛び出るのだった。 ―――――― 時刻は夜半――― 夕闇の帳が下りるビル街は、本来ならば不夜城の如く24時間、人がごった返しているのだろう。 だがこの街は人はおろかネズミ一匹もいはしない。 疾走するフェイトの影のみが夜のネオンを遮って奔る。 「どこだ……揺れの元は…?」 飛翔する身体があっという間に、付近で一番高い20階相当のビルの屋上に舞い上がる。 すぐさま彼女は魔力サーチを含めた広域探索を開始。 どんな時空の歪みも決して見逃さない……そんな意思の元に周囲360度に視界を巡らせた。 「………………」 そして、フェイトは―――― 「あれ、は…………」 ――――――――――見た。 まずは恐らく揺れの元である、空間を裂いたような――――傷跡。 それはアルカンシェルが地表に打ち込まれたような現象と酷似したものだった。 そんな災害レベルの現象が目視数km先で起こっているのを確認する。 数Kmは離れているにも関わらず、余波がこちらに届いているほどの現象だ。 この身を飛ばそうと吹き荒んでいるのか、深遠に引き寄せているのかすら分からない、体を締め付けるような歪な感覚にフェイトは吐き気を覚える。 ――― 視線はその一点から、離さずに ――― あの地で一体何が? 何が起こり、そしてナニが棲んでいるのか余人には想像も出来ない。 「……………」 ――― フェイトはその一点から目を離さない ――― 否―――ハ・ナ・セ・ナ・イ その凄まじい時空の歪みに? いや、いや違う!そんなものじゃない! 彼女が先ほどから瞬きすら忘れて、目を見開いて見ているものはそんな……「どうでも良い」ものではなかった。 「………………う、そ…」 カランと手に持ったデバイスを取り落とすフェイト。 その目に映っていたもの――――フェイトの思考を余さず占めて占領してしまったもの。 それは、なつかしき…… 「時の……庭園…」 彼女の生まれ育った巨大な移動要塞であったのだ―――――― 前 目次 後